Pleq / Good Night Two
Good Nightを演出する多種多様なアプローチによる心地よい音響空間。ポーランドのアーティスト、Pleqのニュー・アルバム『Ballet Mechanic』からのドリーミーな先行シングル「Good Night」をキーワードに、scholeレーベルでお馴染みのFlicaを始め国内外の精鋭14組がremix。現在進行形エレクトロニカ〜グリッジ〜アンビエント〜ドローンのバイブルとでも言える、入門者から通までをカバーした決定盤。
【アルバム購入特典】
AOKI takamasaの写真とリミックス陣のプロフィールを記載したオリジナル・デジタル・ブックレット
【TRACK LIST】
01. Good Night - con_cetta Remix
02. Good Night - Lauki Remix
03. Good Night - hajimeinoue Remix
04. Good Night - Konntinent Remix
05. Good Night - Go-qualia Lucid Dreamin Non Rem Sleep Mix Short *
06. Good Night - Porzellan Remix
07. Good Night - Fugenn & The White Elephants Remix
08. Good Night - Yui Onodera Remix
09. Good Night - krzysztof orluk Remix *
10. Good Night - Haruki Remix
11. Good Night - Hakobune Remix *
12. Good Night - Pawn Remix
13. Good Night - Strom Noir Remix
14. Good Night - Hiroki Sasajima Remix *
15. Good Night - Monolyth & Cobalt Remix *
16. Good Night - Marihiko Hara Remix
17. Good Night
*Exclusive Track for Digital Only
有機的な音響空間が広がっていく
PROGRESSIVE FOrMという日本屈指のエレクトロニカ・レーベルが、また1人、注目のアーティストを送り出す。ドリーミーで心地よい音響空間を演出するPleqだ。PleqはポーランドのBartoz Dziadoszによるソロ・プロジェクトで、2008年に1stアルバムをリリースしている。本作は今年リリースが予定されているアルバム『Ballet Mechanic』からの先行シングル「Good Night」を、国内外の精鋭がremixした作品だ。CDでは全14曲、配信では全17曲がパッケージされている。
この『Good Night Two』を聴いた瞬間、まず繊細な音使いに耳を奪われる。電子音で無機質なはずなのに温かみがある。これは単にノイズが乗っていて、それがアナログ的だから、とかそういうことではない。温かみというよりは、むしろ有機的と言ったほうが正確かもしれない。『Good Night Two』から流れ出す音を聴いていると、不思議と懐かしさがこみ上げてくる。といっても、ここで言う懐かしさとは、幼少の頃の何か具体的な思い出や記憶ではなくて、人間のDNAに刻まれている太古の記憶を呼び起こす感覚だ。
さらに、2曲、3曲と聴き進めていくにしたがって、ゆるやかにうねる大きな流れのようなものの存在に気づかされる。これはアルバム全曲が「Good Night」という1つの曲のリミックスであることが大いに関係しているのだろう。「Good Night」というテーマを、各アーティストそれぞれが解釈し、さまざまな表情の「Good Night」が絶妙な順番で並ぶ。それはまるで大河が、水面の表情を刻々と変えながらも、流れのスピードはそのままに海に注ぎ込む。そんなゆったりとした壮大な時間の流れを想起させる。今回聴いたのは配信用バージョンの17曲だが、おそらくCDバージョンでは、また違った形のうねりと時間が流れているだろう。
『Good Night Two』の音響空間に身を委ねると、現在のあらゆる時間とあらゆる記憶を置き去りにして、全く異なる時間軸の世界を覗き込んでいるような錯覚を覚える。そこには自分という存在すらない。ただ壮大な夢を見ているような、瞑想的なサウンド・トリップが始まるのだ。 (text by みのしま こうじ)
music videos from "Good Night Two"
Release from PROGRESSIVE FOrM
ひたすらに美しいメロディーと研ぎすまされたリズム。日本のエレクトロニカ・レーベルPROGRESSIVE FOrMがかつてないクオリティーとオリジナリティーでお届けする夢のようなコンピレーション・アルバム、FORMAシリーズの第3弾がついにリリース。 7年ぶりとなるシリーズ3作目はインストゥルメンタル・ミュージックの未来を担う多くの才能が本作のために全編書き下ろした全18曲を収録。
PROGRESSIVE FOrMが放つコンピレーション作『Forma. 3.10』に参加したChisato Ohori、待望の1stアルバムが登場した。神々しく美しい音の波がそっと舞い降り、深く心地よい空間へと導く。 幾度聴いても薄れない新鮮な響き。ピアノとアコースティック・ギターによる美しい旋律を中心とした楽曲群。それらはカセットMTRを通ることでより深く淡い質感を纏い、アーティスト独自の世界観へと昇華される。本作は極上のアンビエント作品。流れと曲間も重要なファクターゆえ、アルバムを通してゆっくりと聴いてほしい作品だ。
坂本龍一推薦!! ピアノを中心としたこの上なく美しいメロディー・ラインの数々と、さらに磨きのかかった緻密かつスリリングなリズムから生み出される至高の楽曲群から構成される、近年のエレクトロニック・ミュージックにおけるひとつの金字塔とも言える傑作!
information
TOKYO ELECTRONICA VOL.2
Date : 2011/2/10
Time : Open 20:00 / Start-End 20:00 - 00:00
Ticket : DOOR 展望台入場料1500yen WITH FLYER -yen
Place : MADO LOUNGE SPICE(六本木ヒルズ52F展望レストラン)
profile
Pleq
ポーランドのBartosz Dziadoszによるソロ・プロジェクト。メランコリックな作風を特徴とし、電子音/ヴァイオリンやピアノなど生楽器/女性のヴォイスなどを融合、ドローン/ダウン・テンポ/グリッジやモダン・クラシカルな作品として表現している。2008年に1stアルバムをリリース。多作で知られ、これまでU-coverを筆頭に9枚のフル・アルバム、4枚のEPをリリースしており、昨年復活を遂げた新生Mille Plateauxの『CLICKS & CUTS 5.1』など多くのタイトルに作品を提供している。