2007年に結成した4人組、thai kick murph。1stシングル『thai kick murph』をたまたま手に取って聴いてみたら、ついつい鼻歌を歌ってしまうようなキャッチーなメロディと若々しくみずみずしい雰囲気に一瞬で引き込まれた。ミヤオヨウの透明感のある妖精のような歌声。セキエツミのコーラスによって生まれるハーモニー。それらが織りなすキラキラとしたポップネスで一気にリスナーの心を掴み、その新鮮なサウンドは東京のライブ・ハウスで話題を呼んでいる。結成してすぐに話題となった彼らが今後さらにどのような進化をするか。それはこのインタビューに隠されている。

インタビュー & 文 : 小林美香子

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言葉には、すごくこだわっています。

—結成の経緯を聞かせてください。

ワジマケイ(以下w) : 僕は上京したら、バンドをやりたいと思っていました。同郷の同級生とバンドを初めて、彼がドラム、僕はベースだったので、ギターとボーカルが欲しかった。ほとんど楽器は初心者だったから、他のメンバーには上手いプレイヤーを探していました。その時にヨウちゃん(ミヤオヨウ)とえっちゃん(セキエツミ)なら大丈夫だろうと思い、その4人でthai kick murphをスタートさせました。

ミヤオヨウ(以下m) : 4人は地元が一緒なんです。しばらく4人で活動していたのですが、カリスマ性のあるメンバーが欲しくなったので、私とえっちゃんのサークルで一緒だったギターの内山くんを誘ったのです。きっかけは、彼が当時組んでいたバンドと、所属サークルのライブで共演した時。その時の彼の凄まじいパフォーマンスに圧倒されて・・・ 。今年の2月には、結成メンバーのドラムが抜けて、今はARTLESSNOTEのカネダツカサさんにサポートをお願いしています。ついこの間、カネダさんはプレミアム・サポート・メンバーに昇格しました(笑)。

—プレミアム・サポート・メンバー・・・?

w : 「正式メンバーになりませんか? 」ってお願いしたら、「ARTLESSNOTEもあるし来年就職するから」ということで断られて。「じゃあプレミアム・サポート・メンバーで」ってなったんですよ(笑)。

—ドラムがカネダさんになって、どのように変わりましたか?

m : カネダさんは、音がドシドシしていて、とにかく上手いんです。力不足をすごく感じて、「ドラムに合わせられない」と一時期感じていました。曲作りも、カネダさんにアイデアを出してもらっています。「あっ、そんなことも出来るんだ。」や「そんな解釈があったんだ。」と思う時が何度もありましたね。

— 曲はどのように創っていますか?

m : 私が最初のネタを持って来るんですけど、みんなでいじっているうちに必ず悪ふざけがはじまっちゃいます(笑)。「ここで4つ打ちにしたら、やばくない? 」、「ださいよ。やばいー! 」って言いあっているうちに、「あっ、かっこいい気がしてきた。 」みたいになるんです。悪ふざけの延長で、アニメ・ソングみたいな曲の原型が沢山出来るんです。

—確かに悪ふざけをしているなと思う部分が曲中にたくさんあります(笑)。

m : 「タイキックオリンピック」の最後にブレイクを挟むところも完全に悪ふざけ。「ださいなぁ」て爆笑しつつ、それを続けちゃいました(笑)。

— ミヤオさんは、歌詞にたいしてどのように考えていますか?

m : 言葉には、すごくこだわっています。メロディだけの段階だったらすごく良いのに、言葉が完全にメロディに負けてしまって、陳腐に聴こえるという経験を高校のときに味わったんです。その時に、歌詞には出来るだけ意味を持たせたくないと思ったんです。語感、ニュアンスや空気感をきちんと自分の色として出そうと思っています。唐突に「あっ」って思いついた単語を携帯に記録して、あとで紙に書く。それをいつも切り貼りして、歌詞に使っています。言いたい事もないし、伝えたい事もない。言ってしまえば、遊べるだけ遊んで納得いった形の言葉遊びなんです。タイトルは、全て後付けです。

w : タイトルは会議で決めるんです。ヨウちゃんが持ってきたタイトルは、2つありました。「某高校生」と「on the bus」。

m : 「on the bus」は友達が出演している演劇に、音楽で参加した時の曲。演劇のタイトルは「8月14日on the bus」なんですけど、8月14日は語感が悪いので「on the bus」に。「某高校生」は歌詞で「某高校生」って連呼するから。タイトルに関して、一応呼称としては欲しいんですが、意味を持つ必要性はあまり感じません。

今はバンドで良いものを作るための雰囲気が出ています。

— 結成してすぐに、thai kick murphの名前を各方面から聞くようになりました。

m : 色々なレビューで「期待感がある」と言ってもらい、一気に人前に出てしまいました。その期待感に答えられているのかっていったら、正直自信はないです。上手い人たちと共演しても、期待に応えられていない焦りはすごくあります。

—プレッシャーを感じる事はありますか?

m : いっぱい。

w : 僕はないなぁ。thai kickが評価されているのは、周りの人のおかげ。様々な違うシーンにいる人たちが、自分たちを拾ってくれたように思います。人の繋がりで今までやってきたようなものだから、プレッシャーというよりか、その人たちに対してきちんとしたいと思います。だから、地道なこともきちんとやろうと思っています。最初は楽しいだけでバンドをしていたのですが、カネダさんが入ってくれたことによって、バンドの雰囲気が変わりました。今はバンドで良いものを作るための雰囲気が出ています。

m : まずはライブ力をつけたいです。何故こんな奇跡が起きたのかと思う程の良いライブがたまにあるんですよ。逆に、何故こんなに駄目だったんだろうっていう時もある。今だにその原因はわからなくて、読めないんです。まだ自分たちのライヴの状態を、上手くコントロール出来ていないです。

— ライブに関しては、まだまだだと?

w : そうですね。努力して出来る良いライブがどんなものなのかもわからないです。まだ見えないし、とても難しいです。

m : でもライブを観てもらって、なんかすげーって言われたいんです。

w : ライブ・バンドはかっこいいですよね。どんなイベントに出ても、その場の空気を変えてしまうから。僕らも実力で、その場を変える力をつけたい。雰囲気はプラス・アルファでいいんです。だから実力で攻めていくことは、今後のthai kick murphにとって必要な事だと思います。なので、他のメンバーにももっと努力してもらいたいですね。

m : 最近は、きちんと練習しようと決心したんです。

w : さらにライブでは、MCとか動きとかも絶対に重要だから、僕はそこもがんばります。

m : 彼 (ワジマ) は人脈を作ったり、CDのプロモーションなどをやってくれるthai kick murphの外交官的な人なんですよ。thai kick murphはこんなに実力が無いのに、知名度があがったのは彼がいるからだと思う。そこを今後強く使っていきつつ(笑)、実力さえ伴えばとても良いです。もうちょっと演奏面は精進して、ワジマくんにはまた別のフィールドでもthai kickを引っ張っていって欲しいですね。

LIVE SCHEDULE

  • 9/19(土) auxin presents 「Hope of four-leaf clover VOL.3」@新宿MARZ
  • 9/21(月) りんご音楽祭2009@長野県松本市・アルプス公園全域
  • 9/26(土) CAMPFIRE!@秩父 星と緑の創造センター
  • 10/18(日) ユーモルアー企画@新宿JAM

PROFILE

ウチヤマヒロト(guitar)
ミヤオヨウ(vocal,keybord)
セキエツミ(bass,vocal)
ワジマケイ(guitar)

ミヤオヨウの持つ妖精の声とエツミセキの絶妙なコーラスにより生まれるハーモニカルなヴォーカル音を武器にファジーかつファニーなポップネスを奏でる。ダンサブルに突き抜けた楽曲と、そのポップさとは裏腹に激しいパフォーマンスによるライブは【発狂と笑顔のライブ】と評され、中毒者続出中。
2008年10月、東京大学で毎年開催されているフェスkomamorphose主催のFRUTHが立ち上げたレーベルNUEMANN(ノイマン)の第一弾シングルとして”thai kick murph”を発売。
同レーベルより、2009年2月1日1st album"olympia"を発売。

ポップでファンタジーなアルバムを紹介!!


ハイファイ新書 / 相対性理論
Perfume以降の新世代ポップ・シーンを牽引するバンド、相対性理論の新作『ハイファイ新書』発売しました。萌え文化とリンクしながらアンダーグラウンドとも直結。淡々としているけど、突き刺さってくる言葉の群。『00年代後半のうた姫?』センスが逸脱しております。ネクスト・ジェネレーションのナンバー・ガール的存在!

相対性理論 特集 : https://ototoy.jp/feature/20090107


トランジスタベイビー / チカチカ
名古屋テクノポップ・シーンのニュー・アイドル「チカチカ」!中毒者続出のとろける激甘ボイスにピコピコOTAKU電子音。揃いの衣装とメイクでも楽しませてくれるとってもキュートな二人組。

チカチカ インタビュー : https://ototoy.jp/feature/20090620


はしけ/ シャムキャッツ
泪と笑いのズッコケROCK4人組(全員長男)登場! ココロにするりと入り込むポケット・サイズのポップ・ミュージック。くるり/はっぴいえんど/サニーデイ・サービス/ユニコーンなど、邦楽史に名を刻むポップ・ミュージックを背景にした秀逸なメロディー・センスと、トーキング・ヘッズやXTC、近年ならばクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーをも匂わすひねくれたサウンドとのコンビネーションは、聴く者の記憶にストーカーのようにまとわりついて離れない。たよりないのに愛しい、クセもの過ぎるヤング・ジェネレーション。

シャムキャッツ インタビュー : https://ototoy.jp/feature/20090424


NOW is the time !/ 日暮愛葉 and LOVES!
今こそ! New waveの波にのるんだ! NO WAVEでもPOPで時にはメランコリックな楽曲と愛葉の言葉を聴け! ex:seagull愛葉とex:downyアキヤマの強烈なドラミングに ex:number girl中尾のベースとサックス中村のアバンギャルドな演奏KCの切れ味のいいギターについてこれるか?

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インタヴュー

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