DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT

「dipはすべてが面倒くさい」──ヤマジカズヒデが尊ぶ、たったひとつの感情とは

インタヴュー

「dipはすべてが面倒くさい」──ヤマジカズヒデが尊ぶ、たったひとつの感情とは

このインタヴューで最も多い発言は「面倒くさい」である。dipのフロントマン、ヤマジカズヒデにいまの心境を尋ねれば「面倒くさいよね」、過去の出来事を掘り返せば「面倒くさかったよねぇ」。とにかく、dipに関係する大体は、彼にとって面倒くさいことらしい。しかし、これは決してネガティヴな発言ではない。現に1991年に結成されたバンド、dipはいまも続いている。なぜ彼は“面倒”なバンド活動を続けるのか? そしてなぜ9年ぶりにニュー・アルバム『HOLLOWGALLOW』を制作したのか? それは、シンプルで、クールで、実…

どこでも踊ろう!──the telephonesを全員で見つめ、生まれた“極踊”な新作

インタヴュー

どこでも踊ろう!──the telephonesを全員で見つめ、生まれた“極踊”な新作

ダンス・ロック・サウンドを届け続けてきたバンド、the telephones。2年ぶりのアルバムとなる『Come on!!!』は、“極踊(ハイパー)”・フル・アルバムと明言している通り、ライヴハウスはもちろん、家でも、どこでも踊れるような至極のナンバーが10曲収録されている。今作についての話をきいていると、コロナ禍になったことで楽曲制作やライヴパフォーマンスについて、様々な変化があったようだ。今作の収録曲とバンドに訪れた変化点について、バンドのフロントマンである石毛 輝にじっくりときいた。 ...…

OTOTOY的、買い逃し厳禁な20枚──2020年レコメンド20

コラム

OTOTOY的、買い逃し厳禁な20枚──2020年レコメンド20

OTOTOYでは今年も邦楽を中心にたくさんの音楽を紹介してきました。そんななかでもキラリと光ったアルバムたちを20枚をレコメンドいたします。まさに買い逃し厳禁な20枚、2020年の作品たちをこちらでお届けいたします。 ''OTOTOYレコメンド2020 EP編はコチラ'''''これは"日本にケンカを売る"1枚、最後の音が鳴り止む瞬間まで彼の言葉から耳を背けるな'''...…

REVIEWS : 006 国内インディペンデント・ミュージック(2020年7月)──松島広人(NordOst)

連載

REVIEWS : 006 国内インディペンデント・ミュージック(2020年7月)──松島広人(NordOst)

毎回、それぞれのジャンルに特化したライターがこの数ヶ月で「コレ」と思った9作品+αを紹介するコーナー。ノーウェーヴ・バンドAIZのWeird Instruments担当/ライターのNord Ost(松島広人)が、2020年のムードを感じる国内インディペンデントミュージック作品をセレクト。多くの人が待ち望んでいたであろうTHE NOVEMBERSの最新作は、レコーディングにあたりyukihiro(L'Arc〜en〜Ciel)を迎えるなど、今作にかける並々ならぬ熱量が感じられる大作となった。前作から続くポストパ…

“心動かす音楽”とは──高橋勇成(paionia)×たかはしほのか(リーガルリリー)

インタヴュー

“心動かす音楽”とは──高橋勇成(paionia)×たかはしほのか(リーガルリリー)

等身大でありながら力強い歌詞、そして繊細でありながら破壊力抜群なサウンドでリスナーを魅了するロック・バンド、paionia。2008年の結成から10年の時を経て、2018年6月13日に初の1stフル・アルバム『白書』を配信開始した。今回OTOTOYではこれまでpaioniaともライヴで多くの共演を果たし、彼らの音楽のファンであると公言するリーガルリリーのたかはしほのかを迎えて対談を掲載する。paioniaの音楽を聴いて、涙を流したというたかはしほのかが語るpaioniaの魅力とは。高橋勇成が語るリーガルリリ…

THE NOVEMBERS 新作EP『TODAY』が描く情景

インタヴュー

THE NOVEMBERS 新作EP『TODAY』が描く情景

国内外問わず様々なアーティストと共演し続け、今や日本を代表するバンドとなったTHE NOVEMBERS。そんな彼らが約1年半ぶりとなる新作EP『TODAY』をリリースした。メンバーが以前よりリスペクトを公言しているL’Arc~en~Cielのカバー曲も収録した今作。OTOTOYでは今作の1ヶ月間ハイレゾ独占配信スタートに伴い、小林祐介(Vo/Gt)と高松浩史(Ba)のふたりにインタヴューを敢行。記事の最後では、本人が今作をハイレゾ配信したことについても言及している。インタヴューの内容と共に新曲をチェックして…

LOST IN TIME、結成15周年を締めくくる2曲入り配信限定シンングル『傘のない帰り道』をリリース & 海北大輔インタヴュー掲載

インタヴュー

LOST IN TIME、結成15周年を締めくくる2曲入り配信限定シンングル『傘のない帰り道』をリリース & 海北大輔インタヴュー掲載

デビューから15年という節目の昨年6月に10枚目のアルバム『すべてのおくりもの』をリリースしたロック・バンド、LOST IN TIMEがその節目を締めくくるべく、2曲入りの配信限定シングル『傘のない帰り道』をリリース。大切な人を思う、切なくも前向きなタイトル曲「傘のない帰り道」と続ける事の苦しさを剥き出しにしたような後悔を歌う「Repentance」という対照的な2曲にはバンドの“今”と“これから”が込められています。OTOTOYでは今回のリリースにあたり、ヴォーカルである海北大輔にインタヴューを敢行。リリ…

パンドラの匣の底に眠っていた希望──LOST IN TIME、節目となる10枚目のアルバムをリリース!!

インタヴュー

パンドラの匣の底に眠っていた希望──LOST IN TIME、節目となる10枚目のアルバムをリリース!!

「パンドラ」...そうあの有名な「箱」のエピソードで多くの人が耳にしたことがある言葉だと思うが、この言葉の意味はご存知だろうか? 正解は「すべてのおくりもの」。シンプルながら骨太なサウンドと、ヴォーカル・海北大輔の聴く人の心を掴んで離さない歌声と歌詞で、日本のギター・ロックの良心として止まることなく歩みを続けてきたバンド・LOST IN TIMEはファースト・アルバム『冬空と君の手』から丸15年、そして10枚目となるアルバムにそう名付けた。アルバムの名前の通り、バンドを支えてきた仲間、友人、そしてファンに捧…

LOST IN TIMEによる、未来への希望を描いた新作、『DOORS』を配信&インタヴュー

インタヴュー

LOST IN TIMEによる、未来への希望を描いた新作、『DOORS』を配信&インタヴュー

2001年の結成から現在まで、止まることなく積極的な活動を見せてきたロック・バンド、LOST IN TIME。これまで8つのアルバムを発表してきた彼らが今回、2年ぶりの新作『DOORS』をリリース。シンプルな楽器構成の上で練りに練られたアレンジ、バンドとして新機軸であるインスト・ナンバーなど、大変聴きごたえのある作品を生み出したメンバーの1人、海北大輔(Vo, Ba, Pf)へインタヴューを行った。海北自身、「今まで作ってきたどのアルバムにも負けない足跡、レコードを残せた」と語る本作は、どのように生み出され…

特別対談 : 佐藤(きのこ帝国)×池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

インタヴュー

特別対談 : 佐藤(きのこ帝国)×池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

"東京"のタイトルを持つ名曲を新たに誕生させたきのこ帝国、待望のセカンド・アルバムがついに到着しました。これまでシューゲイザー・バンドとして名を広めていたこのバンドが、ヴォーカル・佐藤のシンガー・ソングライターとしての覚醒により今作『フェイクワールドワンダーランド』において最高の"歌モノ"を完成させ、多くの人に届くに欠かせないポップさを獲得しました。なかでもアルバムに先行してCDショップ限定で発売されたシングル「東京」は、その歌の強さに耳を奪われずにはいられないでしょう。...…

OTOTOYフジロック・レポート2014

ライヴレポート

OTOTOYフジロック・レポート2014

フジロック、今年も終わっちゃったなぁ… なんて気が抜けちゃってるみなさま! そんなみなさまに、あのアツい3日間を思い出させてくれるレポートをお届けします! ついついお酒が進んじゃって見逃したあのシンガー、やっと生で見られたあのグループ、たまたま通りかかって好きになっちゃった、そんな数々の出会いをライターの渡辺裕也のレポートとともに思い出しつつ、またアツくなっちゃいましょう。今年のラインナップは少し派手さに欠ける、なんて言われていましたが、終わってみれば結局感動しちゃうのがフジロック。早く来年になれ〜!...…

dip、前作から僅か9ヶ月で新作アルバムをリリース

インタヴュー

dip、前作から僅か9ヶ月で新作アルバムをリリース

ひさびさ、4年振りの新作を昨年リリースしたかと思えば、今度はわずか9ヶ月で新作『neue welt』を完成させたdip。“新世界”という意味のドイツ語である『neue welt』というタイトル通り、扉を大きく開いたような作品。前身のDIP THE FLAGから合わせると25年以上のキャリアだが、現在の精力的な活動に裏打ちされた本作は、もはやその長いキャリアのなかでの再スタートと言って良いだろう。持ち味とも言えるサウンドの陰影はそのままに、ソリッドでドライなギターはシンプルながら広がりがあり、グルーヴはイキイ…

<ヨヨフェス>開催記念! 出演者が一同に会したUst公開インタヴューの模様をお届け!

インタヴュー

<ヨヨフェス>開催記念! 出演者が一同に会したUst公開インタヴューの模様をお届け!

“代々木から生まれた音楽”。どういうことかって? LOST IN TIME、THE LOCAL ART、▲s、おい、そこの道あけろ、中村パーキング。共通点がお分かりでしょうか。答えはズバリ、ミューズ音楽院出身のバンド or メンバーにミューズ音楽院の卒業生がいるということ! 世代もジャンルも違うけど、同じ校舎で学んだ先輩後輩。そんなユニークなメンツが一堂に会して、なんとミューズ30周年お祝いのイベントが開催されるというのです。名付けて<ヨヨフェス>! 2月10日に開催される<ヨヨフェス>に先駆けて、出演者&…

paionia セカンド・ミニ・アルバム 『rutsubo』リリース&インタビュー

インタヴュー

paionia セカンド・ミニ・アルバム 『rutsubo』リリース&インタビュー

paioniaは、とても不器用でまっすぐなバンドだ。試行錯誤と紆余曲折の連続。一時期ドラムの尾瀬がサポート・メンバーになったかと思えば、また戻ってきたり。どうすれば売れるか、どうすれば自分たちの音楽が多くの人に届くか。そんなミュージシャンなら誰もが抱えているような問題から、目を背けずに向き合って戦い続けている。ステージでかっこつけていれば売れると勘違いしているバンドとは違う。そんなもがき続ける姿を隠すこともせず、彼らはさらけ出している。 ...…

LOST IN TIME、『LIFE IS WONDER』をリリース&海北大輔の想いを掘り下げるインタヴュー

インタヴュー

LOST IN TIME、『LIFE IS WONDER』をリリース&海北大輔の想いを掘り下げるインタヴュー

2012年3月にデビュー10周年を記念したベスト・アルバムをリリースし、今年の4月に7枚目のアルバム『(   )トラスト オーバー サーティー』をリリースしたLOST IN TIME。しかし、彼らの勢いは止まらない。前作から6か月、早くも『LIFE IS WONDER』“人生は不可思議だ”と名付けられたニュー・アルバムが届いた。結成11年、30歳を超え、人生について考え、問う。今回OTOTOYではバンドの中心となる海北大輔に単独でインタヴューを行った。彼の熱い想いを、じっくりと感じ取っていただきたい。...…

dip、4年振りの新作を2枚同時にリリース

インタヴュー

dip、4年振りの新作を2枚同時にリリース

The Birthday、MO'SOME TONEBENDER、ART-SCHOOLなどからリスペクトされるオルタナティヴ・ギター・ロック・バンド、dip(ディップ)。彼らが4年振りにリリースしたのは、POPな『HOWL』、サイケな『OWL』の2枚のアルバム。前作から4年間の”リハビリ期間”とは何だったのか。ギター&ヴォーカルのヤマジカズヒデにインタヴューを行い、ソロ活動や楽曲提供を経て、4年の間に生まれたdipの変化について、話を聞いた。...…

LOST IN TIME『 (   )トラスト オーバー サーティー』

インタヴュー

LOST IN TIME『 (   )トラスト オーバー サーティー』

2012年3月にデビュー10周年を迎えるとともに2枚のベスト盤をリリースし、再出発の年として新たな気持ちで挑戦を続けるLOST IN TIME。そんな彼らの新作は、日本全国に散らばる彼らの同世代、アラサーに送る熱い作品。酸いも甘いも感じた上で、音楽で生活していく決意をもって活動を続ける彼らが、夢を追い、現実も知り、年を重ねてきた人々へ、今をどう生きるのかという問いを投げる。タイトル曲「30」のPVは公開直後から早くも話題に。彼らの決意と希望が詰まったアルバムについて、バンドの柱である海北大輔にインタビューを…

きのこ帝国 ファースト・フル・アルバム『eureka』インタビュー

インタヴュー

きのこ帝国 ファースト・フル・アルバム『eureka』インタビュー

シルクのようになめらかなフィードバック・ノイズにただ身を任せるのもいい。あまりに明け透けな感情の吐露に思わず耳をふさぐ人も当然いるだろう。歌声の向こうに自分の姿を重ねる人もいれば、かつての自分を思い出す人もいるのかもしれない。もちろん、真っ向から拒絶する人だって確実にいるはずだ。きのこ帝国の作り出す音楽とはそういうものだと思う。このバンドの歌はどうしたって聴き手の内面に触れてしまう。それが心地よいものか、ネガティヴな感情を引き起こすかは聴き手次第だが、どちらにしてもただ受け流すことを許さない力が彼らの歌には…

『dip tribute ~9faces~』ヤマジカズヒデインタビュー

インタヴュー

『dip tribute ~9faces~』ヤマジカズヒデインタビュー

90年代から現在まで、オルタナティブ・バンドとして圧倒的な支持を得るdip。私事になってしまうが、dipのヤマジ氏にインタビューするのはこれが3度目。以前、インタビューしたのは『love to sleep』(95年)の前後に1度ずつで、今回は約17年ぶりのインタビューになる。そしてdipの前身であるDIP THE FLAG からライヴは観ていたし、ヤマジ氏がギターで参加しているバンド、After The Sludgeには、昨年、自分が企画したライヴに出演してもらった。別に自慢しているわけじゃなく、つまり私は…

きのこ帝国 デビュー・アルバム『渦になる』インタビュー

インタヴュー

きのこ帝国 デビュー・アルバム『渦になる』インタビュー

個人的に、サイケデリックなバンドは大好きなのだが、近年のシューゲイザー・リバイバルと呼ばれるようなバンドでいいと思えるものは少なかった。では、その差が何なのかと考えてみると、それは音に必然性があるかどうかの違いなのだと思う。つまり、スタイルとしてではなく、思想が音になっているかどうか、そこがポイントなのだ。そして、きのこ帝国というバンドは、間違いなく思想が音になっているバンドである。現代の若者のほとんどがどこかに抱えているであろうある種の諦念が感じられる一方で、生きることに対する情念にも近い固執があり、その…

LOST IN TIMEベスト・アルバム2作同時リリース

レヴュー

LOST IN TIMEベスト・アルバム2作同時リリース

デビュー10周年! LOST IN TIMEが初のベスト・アルバムをリリース。これまでに発表したシングル7枚/アルバム6枚の中から、過去を振り返った「きのう編」と、未来へ向けた「あした編」の2枚に分け、名曲の数々、新曲やレア・トラックを収録。緊張感と躍動感に満ちたギター・サウンドと、ストレートに深いところに刺さるうた。度重なるメンバー・チェンジを経てもなお真摯に音楽に向き合い続ける彼らの10年の軌跡に、今一度耳を傾けてみましょう!...…

小林祐介(THE NOVEMBERS)×下津光史(踊ってばかりの国)対談!

インタヴュー

小林祐介(THE NOVEMBERS)×下津光史(踊ってばかりの国)対談!

共にこれからの日本のバンド・シーンを担う逸材として期待されているTHE NOVEMBERSと踊ってばかりの国。今年、踊ってばかりの国のツアーにTHE NOVEMBERSが参加する形で初共演を果たした両者は、一見接点がなさそうに見えるものも、そのディープな歌詞の世界観からも伺える、音や言葉に対するこだわりには通じるものが非常に多かったようだ。そこで、今回はTHE NOVEMBERSの新作、ファースト・シングル『(Two) into holy』と、サード・アルバム『To (melt into)』の発売に合わせ、…

LOST IN TIME『ロスト アンド ファウンド』海北大輔インタビュー

インタヴュー

LOST IN TIME『ロスト アンド ファウンド』海北大輔インタビュー

LOST IN TIMEは、東京厚生年金会館大ホールも日比谷野外大音楽堂を埋めた。その先には、それでも苦難が待っていた。メンバーが定まらず、自問自答を繰り返し続けた。何度も、やめてしまおうって思っただろうな。やっとメンバーが定まり『ロスト アンド ファウンド』まで漕ぎ着けた。雑草のように強い楽曲群。言った言葉は「俺はまだ音楽で飯食っています」。格好良すぎるじゃないか!? 海北大輔からは、パンクを感じるんだ。同じ匂いを感じるんだ。...…

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