2014/04/08 13:50

「やっと始まるって感じがするよ」ーーdip、前作から僅か9ヶ月で新作アルバムをリリース & ヤマジカズヒデ(Vo,G)インタヴュー

dip

ひさびさ、4年振りの新作を昨年リリースしたかと思えば、今度はわずか9ヶ月で新作『neue welt』を完成させたdip。“新世界”という意味のドイツ語である『neue welt』というタイトル通り、扉を大きく開いたような作品。前身のDIP THE FLAGから合わせると25年以上のキャリアだが、現在の精力的な活動に裏打ちされた本作は、もはやその長いキャリアのなかでの再スタートと言って良いだろう。持ち味とも言えるサウンドの陰影はそのままに、ソリッドでドライなギターはシンプルながら広がりがあり、グルーヴはイキイキと躍動する。アルバム全体はダークでありながら実にポジティブに響く。 そんなバンドの状態を「やっと始まるって感じがするよ」と語るヤマジカズヒデ(Vo,G)にインタヴュー。 (インタヴュー & 文 : 遠藤妙子)

dip / neue welt
【配信フォーマット / 価格】
WAV(16bit/44.1kHz)、flac、alacともに1,800円

【Track List】 01. Iciclemen
02. Neue
03. Neurotic mole
04. Fire Walks With Me
05. HAL
06. Purge
07. Melmo
08. Blinking Sun
09. Final Song
10. Morph
11. It's Late
12. Hasty
13. You Are

INTERVIEW : ヤマジカズヒデ (dip)

dipもアルバム出したほうがいいって豊田君に言われて。

――前作から9ヶ月という短い期間でのリリースですが、本領発揮のアルバムですよね。

ヤマジカズヒデ(以下、ヤマジ) : あ、そう? そうかもね。

――まずアルバムの話の前に、ヤマジさんはdip以外に、大江慎也さんのバンド、qyb、uminecosounds….、

ヤマジ : あとは不定期でパニックスマイルの吉田くんとかとインプロのバンドやってる。吉田くんが福岡に戻ったからなかなかできないけど。またやりたいよね。

――ヤマジさんと吉田さんのギターの駆け引きが凄く面白いですよね。パニックスマイルも新しい音源を出しましたが。

ヤマジ : 良かったよね。なんかノーニューヨークっぽいなって思った。

――いろいろなバンドに参加しつつ、とても早い時期にdipの新作を作ったわけですが。

ヤマジ : そうなんですよ、凄いでしょ。今までとは考えられないでしょ(笑)。

――考えられないです(笑)。前作の後、すぐに作ろうって思ったんですか?

ヤマジ : 最初のきっかけは、俺、豊田(利晃)監督の『クローズEXPLODE』って映画にちょっとだけ出たんだけど、それの公開に合わせてdipもアルバム出したほうがいいって豊田君に言われて。それが前作リリース直後、8月ぐらいかな。

dip / HASTY
dip / HASTY

――その言葉でヤマジさんも“よしっ”って?

ヤマジ : 全然よしじゃなくて(笑)。前回の時にたくさん曲を録っちゃったし、もうしばらく曲は作らないだろうなって思ってたぐらいで。でも豊田君が言うならしょうがないって頑張ってみました。だから曲作りはそこから始めて。今作は昔の曲もちょっと入ってるけど勿論ほとんど新曲で。

――ちょっとまた話が飛びますが、前作の東京でのレコ発ライヴ、凄く良かったです。 あの頃、ルー・リード、そして山口冨士夫さんが亡くなって。ライヴでヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「ヘロイン」と「Walk on the Wild Side」、そしてdipの「Sludge」の間奏に山口冨士夫さんの「いきなりサンシャイン」のフレーズを入れて。アレはカッコよかった。

ヤマジ : あ、良かった? 良かった。

――なんていうか、悲しいんだけどカッコイイんじゃん! って。ロックはカッコイイんだよ、カッコイイことを残していくんだよって思って。

ヤマジ : あー。そうだよね。

――ヤマジさんはどういう気持ちでカバーを?

ヤマジ : なんだろうね。あ、「Sludge」に「いきなりサンシャイン」を入れるのはけっこう前からやってるのね。で、あの日もやってみて。やっぱり追悼の気持ちはあったんだろうね。あったんだけど、そんな悲しい気分ではないよね。やっぱりロックっていいな~って思った(笑)。

山口冨士夫with The beggars / いきなりサンシャイン
山口冨士夫with The beggars / いきなりサンシャイン

――ですよね。私もロックっていいなって思いました(笑)。

ヤマジ : ライヴが楽しかったしね。さとけんさん(佐藤研二)のチェロが入ったので「ヘロイン」をやろうって気になったしね。

――あのライヴは暗い曲でも音が躍動していく感じで、凄くポジティブに感じました。

ヤマジ : うん。暗い曲が好きだからって性格も暗いとは限らないもんね(笑)。

――そうですよね(笑)。

ヤマジ : やっぱり音を出すのは楽しいもんね。暗さを楽しんでるっていうか雰囲気を味わってるっていうか。暗い曲も楽しんでやれるよね。憂鬱な気持ちでやったことはないよ。だってその曲を好きだしね。

――今作もそういう感じですよね。暗さがあるのにポジティブ。かつてのdipが持ってた暗さとは違う。

ヤマジ : そうだね。そこがタイトルの『neue welt』、“新しい世界”っていう意味に繋がっていくんだよね。暗さはあっても今までとは違う暗さで。

ルー・リードみたいに、人とか街とか観察して歌詞を書くのに影響された

――あの、また話は飛ぶというか戻るんですけど、ルー・リード、山口冨士夫さんが亡くなられて、川田良さんが亡くなられましたが、面識は...?

ヤマジ : あったって言えばあったけど、でもちゃんと話したことはないんだよね。良さんのギターは凄く好きなんだ。例えば冨士夫さんのギターはホントにロックンロールなんだけど、良さんはパンク以降のロックンロールって気がするよね。

――あぁ、良さんのギターはドライですよね。

ヤマジ : うん。乾いた感じがしてソリッドで。そこは影響受けるとこではあるかな。

――確かに。ヤマジさんのギター、今作は特にもそういう感じですよ。

ヤマジ : そうかもしれないよね。

――上の世代の方が亡くなられて、何か考えることはありますか?

ヤマジ : どうなんだろう。そんなたいしたことは考えてないです(笑)。

――4曲目の「Fire walks with me」はレクイエムっぽい気がして。消えていくんだけど、でも残っていくっていう。

ヤマジ : ロックンロール・キャン・ネバー・ダイみたいな?(笑)

――そうそう。さっきの話の、ライヴでルー・リードと冨士夫さんのカバーを聴いたときも再生のイメージがしたし。

ヤマジ : なるほどね。そういう気分もあったかもしれないね。この曲は「ツインピークス」の映画のタイトルだと思うんだけど、その言葉を気に入ってるって豊田くんからメールがあって。で、このタイトルから連想して歌詞ができたんだよな。俺は映画観たことないんだけどね。だからそんなに深い意味があることでもなく。雰囲気でやっちゃってるから。

――かつてのヤマジさんの歌詞って抽象的なものが多かったけど、前作で自分の感情を出していたじゃないですか。

ヤマジ : うん。あの時の自分の感情をね。

――今作は、元々のヤマジさんの持ち味である抽象的な表現が戻ってきたけど、でも感情ありきって感じがするんですよ。

ヤマジ : 歌詞はね、前回は自分が思ってることや自分のその時の状態を歌詞にしたんだけど、今回はちょっと作り方が違って。それこそルー・リードみたいに….。ルー・リードって人とか街とか、そういうのを観察して歌詞を書くでしょ。それに影響されてそういう歌詞の書き方をしてみました。

――じゃ、レコーディングの前にベルリンに行ったそうですが、その街の風景も今作には….。

ヤマジ : 単なる旅行で行ったんだけどね。あとデペッシュモードを観ようと思って。良かったよ、デペッシュモード。でもやっぱり、主に旧東ドイツのあたりにずっといて、暗さを味わいに行ったっていうのはあるかもね。いつか行きたいと思ってたし。楽しかったよ、暗い雰囲気が(笑)。

Depeche Mode / Stripped (Remastered Video)
Depeche Mode / Stripped (Remastered Video)

――そこから反映された曲は?

ヤマジ : 「Purge」って曲。粛清って意味なんだけど、歌詞は東西ベルリンをイメージして作った曲かもしれない。ルー・リードの『ベルリン』ってアルバムが、東西に別れたベルリンを男女に置き換えて作ったアルバムかなって思ったりして、それに倣ってやってみようかなって。

――「Purge」は最初は暗い曲かなって思ったら、どんどんポップになって。

ヤマジ : この曲、明るいんだよね。映画でも残酷なシーンで凄い綺麗な曲が流れるの、凄い合うなって思うことあって。そういうイメージもあるのかもしれない。合わないようで合うんだよね。なんかイカレてる感じというか。

――改めて、暗さはあっても今までの暗さとは違っていったのは何故なんでしょう?

ヤマジ : 昔は俺の生活そのものが荒んでたからね。その荒んだ暗さがそのまま出たんだろうね。今の暗さとは違うよね。今は生活、荒んでないし(笑)。

やっと始まるって感じがするよ、自分でも。

――アルバムによって違うけど、かつては今より音がカオスでしたよね。

ヤマジ : そうだね。今作も前作を作り終えた時、次回は暗くしようってすぐ思ったんだ。前作の『HOWL』の方はかなり明るかったから、やっぱ反動なんじゃないかな。でも昔の暗さとは違う理由は….、なんだろうね。

――前作はバンド・サウンドを意識してた気がするんですが、今作は敢えてそこを意識しなくても当たり前にバンド感があるなって感じました。

ヤマジ : 今作の曲もたぶんライヴだとよりストレートなバンドサウンドに聞こえると思うよ。

――音がクリアですよね。ギターも一つ一つの音がクッキリしてるし鍵盤も空間を活かしてる感じで。

ヤマジ : 細海魚さんの鍵盤、いいでしょ。ギターに関しては今回はダビングするギターの数を減らしたの。一番多いとこでも3本までって決めて。アンプを変えたりエフェクターを変えたり、ギターもちょっといじってもらって。いろいろ試行錯誤して、そしたら理想に近い音になったんだよね。それを出すためにもダビングの数も減らして。あとやっぱりシンプルにしたかった。シンプルなのをやろうと思ったのは、ライヴだと3人でやるからね。あんまりダビングするとライヴじゃ再現できないし。ライヴでできることをやりたかったのかもしれない。昔は音源を作ってる時はライヴのことは考えてなかったもんね。頭に浮かんだ音を全部出そうとして。でもそれじゃライヴで再現できないし、音源でも音を殺し合っちゃって塊になって、結局カオスになったっていう。

――そこが昔とも前作とも違うとこですね。前作には、バンドをやる楽しさを感じて、それを放出しているようなタフな音だった。それが今作は、シンプルであっても構築していく、創り出していく感じで。

ヤマジ : なるほど。そうかもしれない。でも今回、ギターの音が良かったし、だからシンプルだし、録音の苦労はほとんどなくて。昔は音の弱さを数で補うみたいなとこがあって、だから音作りでは苦労したことが多かったんだけど。

――曲順もストーリーを感じさせるし。1曲目の「Iciclemen」も、“新しい世界”って意味のタイトルのアルバムならドカンと勢いある曲になりそうだけど、スッと始まって。

ヤマジ : 前回は元気よく始まったから、今回は元気なく始まろうと思って(笑)。

――dipらしいです(笑)。4曲目の「Fire walks with me」から5曲目の「Hal」の流れも凄くいい。「Hal」はインストですが、鮮やかに開かれていく感じで。

ヤマジ : うん。そこは続けて聴いてほしい。俺、歩きながら音楽を聴く時はだいたいシャッフルで聴いてるのね。そしたらたまたまその2曲が続いて。いいなー、合うなーって。それだけなんだけどね(笑)。

――後半の9曲目、Voのキー高くて美しくて、アウトロがサイケデリックなんだけど、やっぱりカオスにはならなくて透明感があって。

ヤマジ : これは凄い昔に作った曲なんだよね。友だちの家でデモが発掘されて。『time acid no cry air』(1997)の頃にデモを録った曲で。アルバムの雰囲気に合わなかったんだろうね、録音はしてなかったんだ。

――ラブソングですよね。最後の、“溶けていきそうだね殴ってもいいよ”って歌詞は凄いです。

ヤマジ : 凄い歌詞だよね。でもそれ俺が書いたんじゃないんだ。友だちが書いた歌詞なんだ。

――あ、そうなんですか。

ヤマジ : 当時、ベクトルウルトラってバンドやってた友だちで。俺が歌詞をもらったの、歌詞集を。それに曲をつけて。

――ここから続く後半の流れもいいですよね。あ、今作を作ってる最中なのかな、ツイッターで「XTCみたいな曲がある」って感じのことをつぶやいてましたよね? それって…

ヤマジ : あぁ、つぶやいた。「Purge」だよ。

――あぁ、ちょっとひねくれた感じのポップですもんね。でも言われなければわからないかも。かなり豪快なロックナンバーでもあるし。

ヤマジ : 曲の始まりとかね、ドラムのスネアが変なとこに入るとか。ギターを細かく刻んで絡んでいくとことか。ま、気分はXTCって感じで(笑)。パクッたつもりでもラッキーなことにあまり気づかれないんだよ(笑)。

――8曲目の「Blinking sun」は? かなり個性的な曲ですが。

ヤマジ : マンチェの曲をやりたくて作ったんだ。

――あぁ、グルーヴ感がね。

ヤマジ : この間、プライマル・スクリームの曲でイントロのギターが一瞬そっくりな曲があったよ。この曲をパクッたんじゃないけどね(笑)。

――でもメロディは日本のロックって感じがしました。なんかこう、ルースターズにも通じるような。

ヤマジ : なるほど。ロックンロールな感じのギターで俺が1番影響されてるのって花田(裕之)さんなんだよ。花田さんが出してくるフレーズにね。1stから『Φ』まではほとんど弾けるし、俺なりに染み付いちゃってる感じはあるのかもね。

――花田さんはソロの印象なのかな、ロックンロールなんだけど、やっぱり歌を大事にしてるしフォークのような曲もあるし。それでいてドライですよね。

ヤマジ : そうそう。ロックの人がやるフォークっぽい曲って凄くいいんだよね。あんまりジメッとしてなくて乾いた感じでね。花田さんもそうだよね。カッコイイ。

――いいですよね。きっとそういう曲を聴いても、発見があるんでしょうね。

ヤマジ : そうそう。昔の曲を改めて聴くと凄い新鮮なのあるよ。昔は聞こえてなかった部分の音が聞こえたりして。ギターだってコピーしてたのに、今弾くと全然違ってたんだなって思ったり。そういうのたくさんあるからね。俺、最近は新しい音楽をあまり聴いてないんだけど、聴かなくても面白いものがあるからね。

――昔のdipは、に言っていた通り、その時々に影響された音楽がアルバムに出ていたけど、今はその時々じゃないんですよね。これまで蓄積されてきたものが出てる感じで。

ヤマジ : あぁ、そうかもね。昔はその時々の好きなものをバーンって入れてたけど、今は流行りの音に影響されるってことはないからね。自分の中から出てくるものだよね、たぶん。

――今までより広い視点であるはずなのに、凄くdipらしいアルバムだと思います。

ヤマジ : やっと始まるって感じがするよ、自分でも。やっと自分の、自分達の音楽を作っていくんだなって。今回は本当に聴いてほしいと思うもんね。

――ドライでソリッドでダークで、でもロマンチックで。ホント、dipらしいし、ジャケットもイメージにピッタリですね。

ヤマジ : ジャケットはレコーディングしたスタジオの窓から俺が撮ったの。山中湖のスタジオで。だから窓ガラスに反射して部屋がちょっと写っちゃってるんだよね(笑)。

――でもホント、前作から9ヶ月で凄いですよ。

ヤマジ : よくできたでしょ(笑)。最初の話に戻るけど、いろんなとこでギター弾いて、いろんなバンドに参加させてもらって、途切れることなくギター弾いてるから。音楽をやる癖がついてるのかもね。前はdip以外は何もやることなかったけど、今はオンの状態が多いからエンジンもすぐにかかる。常にスタンバイみたいな状態でいるから。音楽がいつも近くにある感じなんだよね。だからdipの曲を作ろうってなった時もスムーズに作れた。自分の音をすぐに出せたんだね。

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くるりが主催するNOISE McCARTNEY RECORDSよりソロアルバムをリリースしている古里おさむ(Vo,Gt)、髭のドラムとしても活躍するコテイスイ(Dr)、dipのヤマジカズヒデ(Vo,G)、ジム・オルークを始め様々なアーティストやバンドで演奏している須藤俊明(Ba)によるロックバンド、ウミネコサウンズのファースト・アルバム。

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LIVE INFORMATION

2014年5月10日(土) @ 京都 mojo
2014年5月11日(日) @ 大阪十三 ファンダンゴ
2014年6月14日(土) @ 下北沢 CLUB Que
2014年6月15日(日) @ 下北沢 CLUB Que 〈『HMV GET BACK SESSION independent』 dip 「time acid no cry air」 LIVE〉
2014年6月27日(金) @ 福岡 BEAT STATION 〈戸川純 / dip〉
2014年8月30日(土) @ KOENJI HIGH 

PROFILE

dip
1987年から活動していたDIP THE FLAGを母体に、91年にdipとしてのライヴ活動をスタート。 93年、ミニ・アルバム「dip」をリリース、インディー・チャートで1位を獲得。 同年シングル「冷たいくらいに乾いたら」で東芝EMIよりメジャー・デビュー。

その後、EMIからは4枚のアルバム(『I'LL』・『love to sleep』、『TIME ACID NO CRY AIR』・『WEEKENDER』)と2枚のミニ・アルバム(『13FLOWERS』、『13TOWERS』)をリリース。 『love to sleep』が「ぴあ」"90年代の名盤100"に選出されるなど、各方面にて高い評価を得る。

01年、V.A『natural born errors』(UK Project)に参加するほか、映画「ポルノスター」(監督:豊田利晃・主演:千原浩史)の音楽を担当。 のちにナガタが脱退、新たなメンバーにヨシノトランスを迎え、03年7月にはリトルモアレコーズよりアルバム『underwater』とオリジナル・サウンド・トラック『9souls』(監督:豊田利晃・主演:松田龍平)を同時リリース。 04年にはニューヨーク録音によるアルバム『funmachine』を、05年にはライヴアルバム『pharmacy』をリリースするほか、斉藤和義・MO'SOME TONEBENDER・bloodthirsty butchersらとTHE ROOSTERSのトリビュート・アルバム『RESPECTABLE ROOSTERS→Z a→GOGO』に参加。 同年、ヤマジは、UAへの楽曲提供(監督:豊田利晃・主演:小泉今日子による映画「空中庭園」主題歌)を手がけるなど、ソロでの活動も再開するようになる。 07年には、ナガタがギターでカムバックし、アルバム『feu follet』をリリース。 その後、ヨシノトランスが脱退、ナガタがベースに戻り、09年、オリジナル・メンバー3人によるアルバム『afterLOUD』をリリース。 10年2月からバンドは約1年の充電期間に入り、その間、ヤマジはソロでの活動を活発化。 自身のソロ・ライヴのほか、花田裕之・大江慎也・池畑潤二・井上富雄(THE ROOSTERS)、中村達也(LOSALIOS・FRICTION)チバユウスケ・クハラカズユキ(The Birthday)らとのセッションのほか、トム・ヴァーレイン(ex. TELEVISION)ら国内外のミュージシャンとの競演を果たす。 充電期間を終えた11年4月には、バンド結成20周年ちなんだライヴ・イベント"trick star"を展開。以降、都内各所でライヴを行う。 12年には、EMI時代にリリース・すでに廃盤となっている作品4タイトルが同時一斉発売(4月)となるほか、そのリイシューを記念した国内3カ所をめぐるツアー、そして、同年6月には錚々たる参加ミュージシャンによるdipのトリビュート・アルバムの発売。 13年、制作期間4年を経てアルバム『HOWL』、『OWL』を2作同時に発表。

>>dip OFFICIAL HP

[インタヴュー] dip

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