2022/11/04 21:00

ギターも歌みたいな感覚でつくってることに最近気付きました

──downtの音楽は3人のなかで完結しているというお話もありましたが、〈FUJI ROCK FESTIVAL ’22〉への出演も含めて、活動におけるフィールドは着実に広がっているように思います。そうしたフェスの舞台でライヴをやってみて、いかがでした?

富樫 : とっても楽しかったです! ただ、普段あまり家から出ないので夏の暑さに負けて。自分の体力の無さを実感しました……

ロバート : 率直な感想は、楽しかったに尽きますね。これまで〈FUJI ROCK FESTIVAL〉に遊びに行ったことはなかったんですけど、それでもやっぱり憧れのフェスではあったし、〈ROOKIE A GO-GO〉に出演したいと思っていたので……

河合 : 夢って言ってなかったっけ?

ロバート : いや、出演できてめちゃくちゃ嬉しかったですよ! (笑)。でも、あの場でいろいろなドラマーのかたの演奏を聴いて、嬉しさもあった半面、まだまだこれからなんだなと、あらためて気づかされました。別の野外フェスでは機材トラブルがあったりもしたので、そういうときに臨機応変な対応ができるようにならないといけないなと思いましたし。そういうところも踏まえて、プレイヤーとして伸ばしていきたいなと思えた夏でした。

──downtをより伸ばしていくためになにをすべきか、という課題みたいなものは見えはじめているんですか?

河合 : バンドの頂点は音源作ってライヴをしているその瞬間だと思ってるので、伸ばすっていう感覚はない。ふたりがどうしたいのかを察しながら進んでいくことが大事だと思ってる。バンドの表現は3人だけのものだと強く思わないと、すぐにぶれてしまう。もちろん、さまざまなひとが関わってくれることの有難みや恩返ししたいという気持ちや、人としての礼儀を蔑ろにしてはいけないが。3人の手から離さないものと、広げていくものとのバランスを大事にしたい。レコーディングは〈ungulates〉のコウ君にドラム・テックで入ってもらったり、サウンド・ディレクションでHalf-Lifeの上里洋志さんに入ってもらったりしている。

富樫 : 私にとってdowntははじめてのバンドだし、『SAKANA e.p.』のレコーディングは人生で2回目のレコーディングだったので、ディレクションってなに? っていうところからはじまりました。いまはとにかく知らないことが多すぎるので、たくさんの知識と経験と感覚を積んでいきたいです。メンバーはじめ、いろいろな方々に助けてもらって、支えていただいているということをこれからも噛み締めていきたいです。

河合 : 信頼できるひとの力は借りたいし、バンドをより良くするためにやっていきたい。意味もなく尖ってるわけではないので。

富樫 : うん、まったく。

──あらためて思いますけど、なんか不思議な3人ですよね (笑)。

富樫 : よく言われます(笑)。

──最初に3人で入ったスタジオのときとか、どういう雰囲気だったんだろ? って思いますもん。

ロバート : 富樫が「私、無口なんで」って言うから、気を遣ってあんまり話せなかったよね。

河合 : 富樫が知っていそうなバンドの話をしても全然入ってこないっていう。

富樫 : ふたり以上になると会話に入れないんだよね。でも最近、心を開いてきました(笑)

──またちょっと制作時の話に戻りますけど、作詞やヴォーカルに関して心掛けていることや、書きたいと思う感情はあるんですか?

富樫 : いや、とくにないです。書きたいことや好きな歌詞の内容はあるんですけど、そこにめちゃくちゃこだわっているわけではなくて、歌がリズムに合っているということに重きを置いて作詞しています。

河合 : 基本、歌詞に口は出さないけど、リズムに違和感あれば言うようにしてる。

富樫 : そもそも歌うことも作詞も苦手な分野なんですよね。歌詞で伝えたいこともとくにないですし。歌詞の内容というより、リズムに合った言葉数とか、耳触りの良さみたいな感触を大事にしながら作っています。だからこそ、無意識だったけど、ギターも歌みたいな感覚でつくってることに最近気付きました。とりあえず歌はもっと練習しなきゃなって思っています。

──でも『SAKANA e.p.』は歌心が伝わってきますよ。“minamisenju” は特にそうです。

河合 : あれはワン・テイクだったっけ。上里さんも「言うことがなにもない」って。

富樫 : レコーディングだと、歌に集中できるからだと思います。いくら個人練習をしていても、やっぱりステージに立つと、まったく感覚が違いますしね。これは性格がゆえだと思うんですけど、「ダメだ〜ここから逃げ出したい〜」って思っちゃう。

河合 : ライヴはじまったらそんな感じしないけど。

ロバート : うん。俺もライヴ後に反省したりはするけど、ライヴでは楽観的になって楽しめるし、富樫もそんな雰囲気出てるよ。

富樫 : いや、そんなことないんですよ! 悟られたくないから、そう見えるようにしているだけだよ。

──河合さんはライヴのときはどういうテンションで臨んでいるんですか?

河合 : ストイックになったと思う。ミスするのがダサいなと思うようになって。前にどっかのバンドが、ライヴは技術を見せるところじゃなくて生き様を見せるところだって言ってて。格好いいと思って、どれだけ演奏以外の部分で伝えられるかを実践してたけど、最近はちゃんと練習しようってなってる。ライヴのときというよりステージに到るまでの日々の心構えが大事だなと。たぶんその人が言ってた生き様ってそういうことだと。

downt - AM4:50 August 21th 2022
downt - AM4:50 August 21th 2022

──いろいろとバンドへの向き合いかたにも変化が起こっているのかもしれないですね。最近も新作に向けて鋭意制作中とのことですが。

河合 : テンション上がる感じで出せたらいいなと。

──楽しみにしています! では最後に、皆さんが『SAKANA e.p.』制作時に聴いていた、また、現在の制作渦中に聴いている音楽があれば教えてください。

(編集部 : 3人にいろいろと挙げてもらった結果、量が多くなったため、後日リストにして送ってもらうことになりました。そちらをまとめたものを次のページに掲載します。)

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