ソウルはどこを目指す?──Hanah Spring、4年ぶりとなるニュー・アルバム『Dreamin’』をハイレゾ配信

Hanah Spring

2014年、黒田卓也、Kan Sano、吉田サトシといった同世代の才能たちとともに作り上げたアルバム『Handmade Soul』をリリースしたHanah Spring。ジャズ・ミュージシャンの両親を持ち、幼少から音楽によって育まれてきた彼女による『手作りのソウル』は、温かい中にもストイックなまでのグルーヴが感じられ、そこに彼女の歌声が光る一枚だった。そんな彼女が4年の時を経て世に放つニュー・アルバムのタイトルは『Dreamin’』。表現力豊かな歌声でリスナーを夢中にさせてきた彼女が歌う「夢」とはいったいどんなものなのだろうか。待望の最新作をOTOTOYではハイレゾ配信するとともにレビューを掲載。お楽しみください。

4年ぶりのニュー・アルバム

Hanah Spring / Dreamin’

【配信形態】
(ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC)
>>>ハイレゾとは?

【配信価格】
単曲 400円(税込) / アルバム 3,000円(税込)

【収録曲】
1. Dreamin’(living in a dream)
2. Diana(I don’t wanna stop)
3. Thank you! Thank you! Thank you!(English Version)
4. Time Traveler
5. Happysongtoday(for my girl)
6. NONO MAMA
7. T.G.I.F(Interlude)
8. Do U?
9. Song 4 Dralin’
10. ほほにキスして
11. 君のいる場所

REVIEW : Hanah Spring『Dreamin’』

ジャズ・ギタリストの父とジャズ・ヴォーカリストの母のもとに生まれ、幼少の頃からジャズやソウル・ミュージックに親しんできたというHanah Spring。音楽家のもとに生まれ、音楽によって磨かれた純然たる魂を持つ彼女は、今作『Dreamin’』のタイトル・トラックのなかでなんとラップを披露しているのだが、そのラップ・パートの一行目で、こう歌っている。

〈It’s all up to me 魂の行き先 どこに向けるか眼差し〉
──「Dreamin’(living in the dream)」

「魂の行き先は全て自分次第」。

思えば、2014年にリリースされた前作のタイトルも『Handmade Soul』であった。彼女が出会った同世代のミュージシャンたちと共に、初めてその手で作り上げた実感のあったアルバムであったことから、このタイトルがついたという。そこで彼女は、彼女なりの音楽への愛というものを存分に表現していたが、あれから4年、その魂は次の行き場を探していたのである。

彼女の魂は一体どこへ向かうのか?答えは「リヴィン・イン・ア・ドリーム」、ある夢の中であった。

夢見心地な日々は目まぐるしく踊る。アルバムの前半部はダンサブルな曲が続く。『Handmade Soul』では比較的ミニマルなトラック作りが目立ったMUROが参加しているM2「Diana (I don't wanna stop)」はスネア・ドラムの音に重心を置いたブギーなサウンドに仕上がっているし、MISIAが作詞を手がけているM4「Time traveler」では四つ打ちのビートが登場する。楽曲のテンポが上がっていくにつれて、〈恋は落ちるもの 追えば逃げるもの〉「Diana (I don't wanna stop)」と始まった恋のボルテージも、〈遠く離れた 心をふたつ繋げて 大きな声で あなたの名前を呼ぶの〉「Happysongtoday(for my girl)」と高まっていく。

ところがアルバム中盤、一度テンポを落ち着けるM6「NONO MAMA」で突然、〈いつの間に消えたheat〉と彼女は歌う。そうしてインタールードを挟んだアルバム後半では、2014年にリリースされたシングル「ソング・フォー・ダーリン」の英語ヴァージョンを交えながらも、どこか寂しささえ感じさせるメロウなトラックが続き、最後のM11「君のいる場所」で〈Someday, I’ll see you again. 〉と残して彼女は夢から醒めるのだ。

MUROやKan Sano、そして2015年からは彼女の人生のパートナーとなった吉田サトシといった『Handmade Soul』からのメンバーに加え、mabanuaやDJ HAZIMEといった新たなミュージシャンたちを迎えた本作は、彼女の伸びやかな歌声はそのままに、ラップへの挑戦、ダンス・ミュージックへの接近、そしてアルバム全体を通したストーリーテリングと、新しい試みの模索が感じられる。夢から醒め、彼女の眼差しは今どこに向いているのだろうか。早くも次作が楽しみになった。

(text by 井上裕樹)

過去の特集記事はこちら

ジャズ / ソウルへの愛情とともに──Hanah Spring、音楽家としての真価を発揮した渾身作をハイレゾ配信

過去作もチェック!

RECOMMEND

Kan Sano / k is s

各方面で目覚ましい活躍を見せるKan Sanoによる2016年リリースのアルバム。彼の確かな演奏力を武器に、ヒップホップからハウス、AORに至るまでバラエティ豊かに作り上げられた一枚。島村智才、七尾旅人といった客演陣も魅力です。


吉田サトシ / Memento

本作でも多くの楽曲を手がけたジャズ・ギタリスト、吉田サトシがほぼ全編をニューヨークのスタジオで録音したという2014年作のアルバム。Hanah Springの前作『Handmade Soul』にも参加した黒田卓也や、新世代ジャズ・ピアニストとして注目されるクリス・バワーズをはじめとした強力なメンバーがストイックにグルーヴし続ける一枚です。


TOSHIKI HAYASHI (%C) / little life feat. Kan Sano & jjj

DJ/ビートメイカーとして日本のヒップホップシーンで活動するTOSHIKI HAYASHI(%C)が、同じくDJ/ビートメイカー、そしてMCでもあるjjjとKan Sanoをフィーチャリングしたシングル。ロイ・エアーズへのオマージュを込めながら、ヒップホップのサウンドを進化させ続ける3人が存分に実力を発揮した一曲です。B面には岩手のビートメイカー、MAHBIEのリミックスも収録。

LIVE SCHEDULE

「Dreamin’」リリース・ライヴ “Thank you! Thank you! Thank you!”

2018年3月9日(金)@shibuya duo MUSIC EXCHANGE
時間 : OPEN 18:45 START:19:30
料金 : 3,900円(+ドリンク代 別)

PROFILE

Hanah Spring

1983年 神奈川県生まれ AB型
ジャズ・ギタリストの父、ジャズ・シンガーの母との間に生まれ、姉や弟たちとジャズのスタンダード・ナンバーやJackson 5、TLCなどを歌って踊って育つ。曲作りを始めたのは10歳のときから。高校時代にはヴォイス・トレーナーに師事する一方で、数回の渡米を通じて語学も習得。卒業後音楽活動を本格的に開始。J-WAVE「MUSIC WONDERLAND」の深夜パーソナリティーとして一年半担当し番組内では毎週弾き語りを披露したことも話題となった。他方、渋谷界隈のアンダーグラウンド・シーンのミュージシャンたちと交流を深め、ゲスト・ヴォーカルとしてライヴやオムニバスCDに参加、Erykah Badu, The Roots, Brian McKnight, Musiq Soulchild等、海外アーティストの来日公演ではオープニング・アクトも努めた。2013年から2014年にかけて行われたMISIAの「星空のライヴⅦ-15th Celebration-」にはコーラスとして参加。全国77カ所にて歌声を披露し、その実力を着実に成長させた。その類まれなるヴォーカル・パフォーマンスとリアルな女心を綴ったソング・ライティングは最大の武器であり、高く評価されている。2014年5月には満を持して1stアルバム「Handmade Soul」をリリース。iTunesジャズ・トップアルバム、Billboard JAPANトップ・ジャズ・アルバムで1位を獲得し、新たなシーン「Jazz ‘n Soul」を創造する最注目アーティストとして話題を呼んでいる。

>>> 公式HPはこちら
>>> 公式ツイッターはこちら

この記事の筆者