2017/11/01 00:00

インディR&B? フューチャー・ソウル?──世界規模で盛り上がる音楽シーン、そして連動する日本のバンドたち

森大地(ex-Aureole)、萩原朋学(KAGERO / SaraGrace'sOneHotNight)、tsubatics(ex-Aureole / MUSQIS / suthpire)、松本一輝(THE ROAMERS / リリカ リリス)、桑原渉(WINDOWZ)の5人によって結成されたバンド、Temple of Kahn(テンプル・オブ・カーン)。この錚々たるメンバーの集結により音源発表前から注目を集める彼らが、初のEP『Good Luck EP』を11月8日にリリースする。OTOTOYでは待望のデビューEPを期間限定でフル試聴を行い、Temple of Kahnを読み解くヒントとなるインディR&B、フューチャー・ソウルのアーティストをまとめた記事を掲載。海外だけでなく、日本でも連動するその音楽シーンとともに、その楽曲を聴いてみてはいかがだろう?

Temple of Kahnの初EPを期間限定フル視聴

Good Luck EP / Temple of Kahn
【収録曲】
1. Always Hope
2. Sweeper
3. Cut And Past
4. Passing Through The Gates
5. Levitate
6. The Reason
7. Good Luck

Temple of Kahn / Always Hope
Temple of Kahn / Always Hope

※ 曲名をクリックすると試聴できます。

レーベル kilk records  発売日 2017/11/08

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

“インディR&B”、“フューチャー・ソウル”と呼ばれる音楽をフィーチャー

近年の世界規模で巻き起こっているブラック・ミュージック・シーンの盛り上がりは言うまでもない。そしてこの盛り上がりのおかげもあってか、今やブラック・ミュージックといっても単にソウルやジャズやヒップホップとジャンル分けのすることのできないほど多くの音楽が生み出さ細分化されている。その中でも今世界的に流行し、日本でも徐々に音楽好きの間から広まっているダンス、エレクトロ、ベースミュージックを吸収したブラック・ミュージック、よく“インディR&B”“フューチャー・ソウル”と呼ばれているこの音楽に今回フィーチャーしようと思う。まずはシーンの中心にいる洋楽のアーティストから。

Daniel Caeser

Daniel Caesar / Get You ft. Kali Uchis
Daniel Caesar / Get You ft. Kali Uchis

カナダ出身のR&Bシンガー。今後の活躍が期待される新人にフォーカスした“Apple Music Up Next”にカナダ人として初めて選出される。今年の夏にはデビュー・アルバムを発売。リード曲のKali Uchisを客演に迎えた「Get You」は、YouTubeで950万回以上再生されている。

FKJ

FKJ / Skyline
FKJ / Skyline

パリを拠点に活動するビート・メーカー。ソウルやファンクを軸としながら、ヒップホップ的なサンプリングとエレクトロなグルーヴがうまく溶け合っている。また、キーボード、ギター、サックス、サンプラー、ベース、ラップトップPC、ボーカルと一人七役こなすマルチプレーヤー。

Masego

Masego / Send Yo' Rita!
Masego / Send Yo' Rita!

“トラップハウス・ジャズ”と自らの音楽を標榜する。サックスプレーヤーだが、鍵盤、ベース、ギター、MPCなどを操ることができる。その才能はDJ Jazzy Jeffも高く買っている。また、日本人プロデューサーのstarRoとも共演している。

Syd

Syd / All About Me
Syd / All About Me

ヒップホップ集団OFWGKTAに所属するバンドThe Internetのボーカルを務めるSydのソロ・プロジェクト。The Internetの作品とは違い、よりエレクトロニックな要素が強い。

DEAN

DEAN / love
DEAN / love

2016年に自信初のソロ作を出したばかりの韓国出身アーティスト。Anderson .PaakやZicoとのコラボなど一気に躍進している。

khalid

khalid / Young Dumb & Broke
khalid / Young Dumb & Broke

米テキサス州エル・パソ出身の現在まだ18歳であるkhalid。デビュー・アルバムを出したばかりの彼のサウンドは、ソウルをベースに、カントリー、エレクトロの要素も織り交ざっている。

Taylor McFerrin

Taylor McFerrin / 'Invisible/Visible' ft. Bobby McFerrin & Cesar Mariano
Taylor McFerrin / 'Invisible/Visible' ft. Bobby McFerrin & Cesar Mariano

ブルックリンを拠点に、プロデューサー、作曲家、ピアニスト、DJとして活躍する。70年代のソウルから近年のビート・ミュージックを感じることのできる2014年に発表された彼のファースト・アルバムには、ロバート・グラスパーやサンダーキャットが参加している。

“バンド・フォーマットで奏でる新しいダンス・ミュージック

ここまで洋楽のアーティストを紹介したが、現在日本でもこの流れを汲んだアーティストも出始めている。ここまで洋楽のアーティストを紹介したが、現在日本でもこの流れを汲んだアーティストも出始めている。例えば、PAELLAS、City Your City、yahyel、D.A.N.。

D.A.N.は昨年に〈FUJI ROCK FESTIVAL〉に、今年は〈SONICMANIA〉への出演を果たしている。yahyelも今年の〈FUJI ROCK FESTIVAL〉に出演と知名度が増している。そしてこの4組に共通しているのが若者からの支持だ。古典的なソウルやジャズとは違い、若者でもとっつきやすい。そのうえ洒落ていてクール。それが若者の得意なSNSを中心に拡散されている。

そして、そんな今流行りのこのシーンの系譜を受けつつ、挑戦的なサウンドを生み出しているバンドがいる。Temple of Kahnだ。ex-Aureole / kilk records主宰の森大地による新バンドであるTemple of Kahnは、“バンド・フォーマットで奏でる新しいダンス・ミュージック”をコンセプトにソウル、エレクトロニカ、ベース・ミュージックとまさしくジャンルの枠を超えたサウンドで“いま”を感じることができる。音源がどうライヴで生まれ変わるかも注目の1つだ。OTOTOYでは、初音源のリリースにあわせインタヴューも掲載予定。その実像に迫る。

※ 曲名をクリックすると試聴できます。

レーベル kilk records  発売日 2017/11/08

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

text by 高柳圭佑

今回紹介したアーティストの配信作品と過去の特集記事はこちら

〈特集記事〉
>>PAELLAS 1stアルバムを語ったインタヴューはこちら
>>『D.A.N.の新譜放談』第1回 :祝1stアルバム・リリース決定!
>>『D.A.N.の新譜放談』第2回 : 今回は「歌モノ」でいってみましょい!
>>『D.A.N.の新譜放談』第3回 : 1stアルバム・ハイレゾ版を先行DL曲付きで予約開始
>>『D.A.N.の新譜放談』第4回 : アルバム祝ブレイク! & 祝フジロック出演!
>>『D.A.N.の新譜放談』第5回 : ひさびさ開催新譜放談、今回は2017前半をゆるっと放談

Temple of Kahn 関連作品はこちら

LIVE INFORMATION

Temple of Kahn “Good Luck” release party
2017年11月12日(日)@神楽音
時間 : Open 18:30 / Start 19:00
出演 : Temple of Kahn / TAMTAM / LAGITAGIDA / マドナシ(キツネの嫁入り)

PROFILE

Temple of Kahn

vo/syn : 森大地(ex-Aureole)、ds : 萩原朋学 (KAGERO / SaraGrace’sOneHotNight)、b : tsubatics (ex-Aureole / MUSQIS / suthpire)、gt : 松本一輝 (ex-THE ROAMERS / リリカ リリス )、syn/tp : 桑原渉 (WINDOWZ) による5人組バンド。2017年5月より都内を中心に活動を行っている。初ライヴは神楽音のこけら落としとなる公演でハイスイノナサ、WOZNIAKと共演。電子パッドやサンプラーを用いた打ち込みを使用しない人力プレイのライヴは、音源とはまた一味違うライヴ・バンドとしての高い評価も得ている。11月には神楽音でTAMTAM、マドナシ(キツネの嫁入り)、LAGITAGIDAを招いたリリース・パーティーも決定。

>>Temple of Kahn official site

[レヴュー] Temple of Kahn

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