INTERVIEW : 中川敬

ソウル・フラワー・ユニオンの新作がリリースされた。中川敬の2作のソロ・アルバムを挟み、ソウル・フラワー・ユニオンとしては2011年のミニ・アルバム『キセキの渚』以来となる待望のミニ・アルバムである。タイトルは『踊れ! 踊らされる前に』。まさに今の時代に胸に刻むべき(いや刻むより前に踊るべきなのだが)タイトルじゃないか! 本作、ミニ・アルバムと言っても「踊れ! 踊らされる前に」は内田直之によるダブ・ミックス・バージョン(STAND AGAINST RACISM DUB MIX)にインスト・バージョンも収録、チャラン・ポ・ランタンのMomoとKoharuを迎えスタジオでガッツリ録音した「アンパンマンのマーチ」、そしてレアなライヴ・ナンバーが並ぶ全11曲のボリューム。バラエティに富む楽曲からは、数多の人々の数多な表情が浮かび上がってくるようで、さらに数多な表情に通低しているのは、諦めずに進んでいこうとする、優しく粘り強い不屈の民の決意。数多な人々との出会いとそこでの互いの意思のふれあいが、ソウル・フラワー・ユニオンの楽曲の中で息づき、放たれていく。本作は今と未来の為に立ち上がった人々に、そしてこれから立ち上がる人々にも、深く響く作品になっていくだろう。『踊れ! 踊らされる前に』、こういうタフなダンス・ミュージックを私は心から待っていた。

取材 & 文 : 遠藤妙子


ソウル・フラワー・ユニオン / 踊れ! 踊らされる前に

【価格】
HQD(24bit/44.1kHzのwav) まとめ購入のみ 1,650円

【Track List】
1. 踊れ! 踊らされる前に / 2. 踊れ! 踊らされる前に ~STAND AGAINST RACISM DUB MIX~ / 3. アンパンマンのマーチ <feat. チャラン・ポ・ランタン> / 4. また逢う日まで / 5. ゴーストーリー / 6. 陽炎の国、鉛のうた / 7. たこあげてまんねん / 8. 辺野古節 / 9. パンチドランカーの夢 / 10. アクア・ヴィテ / 11. 踊れ! 踊らされる前に<Instrumental>


日本人は「どっちもどっち論」とか「喧嘩両成敗」が好きやからね

――今作のタイトル曲の「踊れ!踊らされる前に」は、タイトルだけ見たときは軽快なロックンロールかと思ったんですよ。でも、風通しはいいんだけど、それ以上にディープでダイナミックな印象を受けました。

中川敬(以下、中川) : パンク(笑)! 70年代のニューヨーク・パンク的な。

――あ、わかります。ちょっと陰影もあって。で、ソウル・フラワー・ユニオンとしては『キセキの渚』(2011年)以来で、間に中川さんのソロが2作続き。ソウル・フラワー・ユニオンのアルバムを作ろうって思ったのはソロを作り終えてから?

中川 : そうやね。セカンド・ソロ・アルバム『銀河のほとり、路上の花』(2012年)を作り終えてから、ソウル・フラワー・ユニオンのフル・アルバムを作りたいなって思って。でも、メンバーのスケジュールの都合等もあってフル・アルバムにはなかなかたどり着けない。来年の夏には出すつもりやけどね。あと、そのときの心情をポンと雑誌のように出せる形態のものが欲しいというのもある。CDが売れる時代であればシングルをどんどん切りたいところなんやけど、まあ見ての通り。そういう中で選んだのが、今作や前作(『キセキの渚』)の、ミニ・アルバムっていう形態なんよね。

――いまが描かれてるのと同時に、普遍性も帯びていきそうな作品ですよね。「踊れ! 踊らされる前に」もまさにそういう曲だし。この曲はどういう感じで作っていったんですか?

中川 : 一気に書いたよ。2月9日と10日、新大久保での在特会(在日特権を許さない市民の会)のデモに対する、大掛かりな反レイシズム・カウンター行動が始まった頃。曲そのものはもうちょっと前からあったけど、歌詞の最終形が出来上がったのはその時期やった。

――歌詞にも”断末魔のレイシズムが身悶えている”ってありますね。いやもうホント、差別デモは許せないですよ。

中川 : シンプルな問題やね。イデオロギーでもなんでもなく、人道や尊厳の問題。排外主義、人種差別の愚劣さをハッキリと否定すること。レイシズムの否定は、具体的に表明することが重要なんよね。近代史が証明してるように、残念ながら放っておいたらなくなるというものでもない。あそこまで酷いものは自然と消えていくやろっていうふうに考えてしまいがちやけど、残念ながらカルトはどんどん伝播、拡大していくんよね。

――私の友達も、”そんなこと信じられない”って言って、それで終わっちゃう人もいます。

中川 : あまりに下劣やから目にもしたくないという心情もよくわかる。そういう中で、「レイシストをしばき隊」や「プラカード隊」が火を付けたカウンター行動は素晴らしいよ。排外主義者の醜悪な行動は以前からあったけど、マスコミや国会が取り上げるようになったのは、大掛かりなカウンター行動があったからやしね。彼らは大きな仕事をやってる。

――署名や、迷惑かけないように新大久保の街へ配慮もしてますしね。でもカウンターの荒々しいとこだけ抽出して文句を言う人もいる。

中川 : 「しばき隊」っていう名前で拒否反応起こしたり(笑)。日本人は「どっちもどっち論」とか「喧嘩両成敗」が好きやからね。床屋政談はしたいけど、自分は「観客」で、「当事者」ではないという。でも、「差別」や「原発」って、人間が生きていく上での根本的な問題やから、イデオロギーに関係なく雑多な人々がそこに集まって意思表明をするんやな。いわゆる活動家だけが動くっていうことではなく、”コレはあかんやろ”って思っている人間がてんでばらばらにやって来る。簡単に統制なんて取れないよ。いまのやり方が違うと思うのなら、別個に自分なりのやり方でやればいい。文句は言うけど「やらない」というのはあかんやろ。「しばき隊」が出てきてカウンター行動する人は増えてるし、それは反原発運動での、日常的感覚で街頭に異議申し立てに行くこととも繋がってる。ようやく、ここ日本でも、街頭行動が日常的になってきた。

――ですよね。誰もがやれるってことを未来に残さなきゃいけないし。

中川 : 国や行政がおかしなことをしたら、選挙だけじゃなく、”ちょっと待てよ”と街頭で異議申し立てをする。3.11以降の反原発運動以来、ようやく当たり前のところに来たんやないかな。まぁ、たまにテレビとか見るとびっくりするよね。昨日、久しぶりにテレビを見てたら、NHKのニュースが延々と自民党の参院選の公約の話をしてた。時間割き過ぎ。まるで自民党の広報番組かのように。日々そういうのばっかり見てると洗脳されちゃうよね。どんどん人間をダメにしていく。ま、基本的に、俺は阪神の試合しか地上波は見ないんやけどね(笑)。

――それも偏ってますけどね(笑)。

中川 : いやー、最近まで、国歌は「六甲おろし」やと思ってた。

言葉っていうのは単純化されればされるほど命をなくしていく

――はいはい(笑)。で、曲を作ってるときに新大久保のデモがあったわけで。

中川 : ニューエスト・モデルの「雑種天国」の頃からずっと歌ってきてるテーマ。自分が言いたいこと、歌い込みたいことが、集約されて出てくる瞬間っていうのがあって。まあ、いつものように、そんなに深く考えて作ったわけでもないんやけど。書かされた感じやね。「書かされる前に」書かなあかんのやけど(笑)。

――(笑)。集約っていうのは相応しいです。ここにたどり着いたって感じがします。

中川 : ただ、今回もそうやけど、「極東戦線異状なし!?」「死ぬまで生きろ!」みたいな曲を書くときの、特有の難しさはある。スローガンみたいになってしまうのが嫌でね。言葉っていうのは単純化されればされるほど、命をなくしていく。そういう感じが自分の中にあって。できる限り自分の日常の目線で見た中から、聴いてる人が勝手な解釈で受け取るかもしれないっていうぐらいの言葉で書かないとあかんっていう。

――それはいろんな意味を包括しているっていう?

中川 : 自分が実際に見たもの、自分の中から湧き出てきた言葉を大事にするっていうことやね。少々内省的であったとしても、自分が感じたことは正直に歌詞に出す。聴く人の中には小難しい印象を持つ人もいるかもしれないけど、それがないとあかんねんね、俺にとって、歌というのは。実際、俺は苦手やしね、スローガン的な言葉の羅列は。書けない。だからもちろん、売れない(笑)。例えば被災地。マスコミ的には「絆」とか「復興」っていう言葉に収斂させておいた方がわかりやすいし、楽やね。でも、そこには、ホンマにいろんな思いをした人の、一人一人の物語があって、一人一人の思いに触れていくことでしかわからないことが無限大にある。それと同じこと。人間の数だけある、物語のことを思う。

――ソロの『銀河のほとり、路上の花』のインタヴューで、「銘記せよ、その鼓動を」について、”プラカードの太文字からこぼれ落ちて行く一人一人の思い”って言ってましたしね。

中川 : 例えば、政治はワン・フレーズ・ポリティックスでやるでしょ? 小泉以降、特に。歌の側もそれでいいのか? っていうこと。政治と同じ表現作法を、歌までもがすることはないっていう。ただ、こういう曲を書いてて、「踊れ! 踊らされる前に」っていうパンチ・ラインが出てきたときに、ホッとする側面もあるねんな。この言葉が出てきたことによってみんなで歌えるものになる。それもまた、歌。そこはせめぎ合い。「一人一人の思いがある」っていうことと、でも「みんなで一緒に歌いたい」っていうこと。どちらも同時にある。それが歌の面白さでもあるし、だからこそ、演奏作法と歌が切り結ぶ音世界の中から、物語の陰影が生まれるんやな。

――ホント、それこそ”歌”ですよね。

中川 : まあ、歌の歴史みたいなもんやね。歌は元来、労働の慰安や鼓舞から出てきたわけであって。ちょっと日常のしんどさから離れる。互いにいたわりあう。その側面は全然バカにできない。それと同時に、一人一人の心の澱みたいなものも出せたりする。ホモサピエンスに歌があって、本当に良かったよ。だから俺の場合、少なくとも自分の中にあるものは、全部正直に出さなあかんのよね。

――うん。で、「踊れ! 踊らされる前に」もそうだけど、作品全体もディープな感じがして。ライヴの音もダイナミックで深いし。

中川 : ミックス、ほんま頑張ったよ~。

――例えば『キセキの渚』のような高らかな感じとは、また違うと思うんですよ。

中川 : 『キセキの渚』やその前の『死ぬまで生きろ』(2010年)、『海へゆく』(2008年)、『ラヴィエベル~人生は素晴らしい!』(2007年)もそうやったけど、タイトル・チューンがあって、あとに入れる楽曲はそれに見合ったものを入れようっていう考え方があった。コンセプト・ミニ・アルバムっていうか。今回はそういうのより、フル・アルバムに近いっていう感じがあるよね。いろんな曲を入れたし。

――確かに曲のバラエティはありますよね。

中川 : ”この世界には雑多ないろんな人間がいる”っていう感じが強く出た選曲になったかな。まあもちろん、20周年っていうこともあるから、ライヴ音源として発表されてないレアな曲を洗いざらい出してしまえっていうのもあった。ここ5年間ぐらいのライヴ音源から徹底的にいいテイクを探して。特に「陽炎の国、鉛のうた」と「たこあげてまんねん」はニューエスト・モデル末期からソウル・フラワー・ユニオン初期、相当長い期間ライヴでやってた曲やねんけど、ライヴ音源としてはCD化されてなくて。なおかつ、歌い込まれてる内容がいまの時世とも合ってる。この2曲を入れるのは、最初から決まってたな、俺の中で。

辛いことからちょっと離れて、音楽で遊びたいよね

――改めて、「踊れ! 踊らされる前に」は、『キセキの渚』の「ダンスは機会均等」に続き内田直之さんのダブ・ミックスもあって。「踊れ! 踊らされる前に~STAND AGAINST RACISM DUB MIX」ってタイトルになってますね。

中川 : ウッチーには、依頼の際、「STAND AGSINST RACISM DUB MIX」っていうサブ・タイトルだけ言って、あとは自由に、そのイメージの中でミックスして欲しいって。スタンダード・ミックスがあがる前やったから、ウッチーもやりにくそうやったけど、彼の流儀が詰まった、流石の仕上がり。彼にしか出来ないダブ・ミックスやね。

――次は「アンパンマンのマーチ」と「また逢う日まで」。

中川 : ソウル・フラワーの2011年を象徴する『キセキの渚』は、「ソウルフラワーみちのく旅団」の被災地出前ライヴが大きく反映してる。今作も『キセキの渚』との連動をちょっと考えて、被災地で演奏してる「アンパンマンのマーチ」と「また逢う日まで」を入れようと。まさか、自分でも「アンパンマンのマーチ」をスタジオでちゃんと録るとは思わなかったけどね(笑)。年始にチャラン・ポ・ランタンとツアーをやって、ヴォーカルのももちゃんがアンパンマンのジャストな世代で、ライヴで一緒に演ったのがきっかけ。チャラン・ポ・ランタンが参加してくれるのであれば、スタジオ録音もありかなって。

――スタジオはどんな感じで?

中川 : 結構、緻密に(笑)。真剣に、まじめに取り組んだ(笑)。

――ちょこっと遊びで入れた感じじゃないもんね。

中川 : ダビングしたり歌入れしたりしてる3月頃は、この曲が頭から離れなくて困った。街を歩いてても、食器を洗ってても、口ずさんでしまう(笑)。キラー・チューンやね。「また逢う日まで」は、自分の音楽の原風景でもある。4、5歳の頃やね。子ども心に、この曲と「ブルー・ライト・ヨコハマ」「伊勢佐木町ブルース」は、なんか他の流行歌と違うなって思ったよ(笑)。あと、BO GUMBOSが後期の頃に、ライヴのレパートリーに入れてて。どんとが凄い嬉しそうに歌ってたのを覚えてるな。”子どもの頃から好きやねん”って言って。

――当時の歌謡曲はみんなが知ってましたもんね。共有できるものだった。被災地で歌謡曲をやると盛り上がるのはわかりますよね。

中川 : 阪神淡路大震災の後、ソウル・フラワー・モノノケ・サミットで歌いに行ってた頃は、お年寄りに民謡が大ウケやった。いまは世代も変わって、やっぱり歌謡曲や演歌が喜ばれるよね。避難所みたいな場所では、1時間とはいえ、やっぱり辛いことからちょっと離れて、音楽で遊びたいよね。

――「辺野古節」は?

中川 : この作品には、サウンドのバランスとして、ちょっと違うかなって当初は思ってたんやけど、相も変わらず沖縄では酷いことが進行してるわけやし。安倍政権、滅茶苦茶! ずっと酷いことが続いてるとはいえ、いまの政治状況の愚劣さは凄まじ過ぎる。質の悪いコントを観せつけられ続けてるような。まあ、ほんと、「辺野古節」はどの作品にも常に入っててもええかなって思ってるぐらい。

2011年の春に感じたこと、考えたことを思い出してほしい

――ソウル・シャリスト・エスケイプの『ロスト・ホームランド』(1998年)収録の「ゴーストーリー」、「パンチドランカーの夢」(『ロロサエ・モナムール』2005年)、「アクア・ヴィテ」(『アクア・ヴィテ』2010年)。派手でもなく地味でもなく(笑)、凄くいいムードで珠玉の曲っていう感じがします。

中川 : 「ゴーストーリー」はなかなか気に入ってる曲なんやけど、あまりライヴではやってない曲で。あるツアーで、アンコールでブルースがやりたいなと思って、局所的にやった曲やった。二本のギターがいいでしょ(笑)? あと「パンチドランカーの夢」と「アクア・ヴィテ」も凄く好きな2曲。個の痛みや弱さを歌い込んだ曲は、ライヴではあまり長持ちしない傾向があって。新曲ができていくと外れていくんよね。やっとこうして陽の目に出せた(笑)。

――そして先ほども言われた「陽炎の国、鉛のうた」と「たこあげてまんねん」。共に『ワタツミ・ヤマツミ』(1994年)に入ってた曲。『ワタツミ・ヤマツミ』はカオスなアルバムでしたよね。音楽に対して貪欲というか。

中川 : 実質上、ソウル・フラワー・ユニオンの1stアルバムやからね。その前の『カムイ・イピリマ』(1993年)はソウル・フラワー・ユニオン名義ではあるけどメスカリン・ドライブのラスト・アルバムっていう感じやし。『ワタツミ・ヤマツミ』は、ニューエスト・モデルの『ソウル・サバイバー』(1989年)、『クロスブリード・パーク』(1990年)、『ユニバーサル・インベーダー』(1992年)、あのキング三部作のやりきった感があった後に作った曲で構成されてるアルバムやから、新しい地平に行こうっていう、混沌とした意欲に漲ってる。自分が子どもの頃からずっと聴いてきたブリティッシュ・ロック、サイケデリック・ロック、そこに土着のリズム、メロディーの折り合わせ。そういう諸々のカオスが詰まってる。あのアルバムがソウル・フラワー・ユニオンの始まりっていう感じがするな。当時「陽炎の国、鉛のうた」は、ずっとライヴの1曲目やったしね。「たこあげてまんねん」はハウス的手法のブリティッシュ・ロック調で、俺がディラノジスト(ボブ・ディラン主義者)やった頃に書いた曲やね(笑)」

――そうかそうか! 私が今作に感じたディープな印象って、『ワタツミ・ヤマツミ』の印象に近いんだ。

中川 : 俺も立ち戻ってきてる感じはあって。なんでやろうね。ま、俺はホンマに好きなんよね、ファンクやジャズ、ブルース、民謡が。

――プリミティブってこと?

中川 : 怒りから笑いから悲しみから、全部そこに混在してある。で、それらを踊らせるんよ。

――あぁ、うん。それが最初の歌詞の話に通じるんですね。ワン・フレーズ・ポリティックスからこぼれ落ちる様々な感情。

中川 : ファンクやブルースや民謡はいろんな感情が表せるしね。尚且つ、ライヴでは、そこにいる人たちと濃密な時間を過ごすことができる。

――『ワタツミ・ヤマツミ』の感じが蘇ってきてるのは、ライヴ曲を選んでいったらたまたまそうなったってとこもあるかもしれないけど、いまの時代に必要だって、中川さんは無意識にも思っていたのかもしれないですね。

中川 : どうなんやろうね。ただハッキリ思うのは、日常で生きていく上で、大きなものに対する抵抗の美学みたいなものが詰まってるねんな、ファンク・ミュージックとトラディショナル・ミュージックには。しかも慰労の要素もある。俺が思うロックの素形、そういうものが『ワタツミ・ヤマツミ』にはあるんじゃないかな。『ワタツミ・ヤマツミ』は、是非、リスタリングして生き返った『SOUL FLOWER BOX 1993-1999』(通販限定商品)で聴いて欲しいな。一昨年のリマスタリング時に、俺自身、不朽の名作やなって思ったよ。

――『ワタツミ・ヤマツミ』を思い出したからもあるけど、今作は連綿と続いているって感じさせるし、これからも続いていくっていうタフな意思を感じます。

中川 : 長く聴いていけるようなものにしたいっていうのはあったよね。

――じゃ、最後に。インタヴューの初めにレイシズムの話が出ましたし、原発の問題もまだまだある。そういう中で私たちはどう生きればいいのか、ってザックリした質問ですけど。

中川 : まず、被災地。絶対忘れないでほしいし、知ろうとするだけでも全然違う。みんな、河北新報のサイトぐらいは、パソコンのブックマークの目立つところに入れとこうや。琉球新報・沖縄タイムスとね。最初の話に戻るけど、”絆”とか”復興”っていう思考停止された言葉によって、そこにいる一人一人がどんどん見えなくされていく。だからこそ、離れたところで暮らす一人一人も忘れないようにしていかないと。人間は忘れっぽい動物やしね。今一度、2011年の春に感じたこと、考えたことを思い出してほしいな。

――音楽こそ そういう想像力を芽生えさせるものでもあるし。

中川 : いろんな音楽の形態があっていいけど、俺は”そこには一人一人の人間がいるんや”っていうことがまざまざと浮き上がってくる音楽をやりたい。そうじゃないと国やマスコミがやってる表現と同じようなものになってしまう。あとは話すこと。常に語り合うこと。ここまで酷いことが進行してるんやから、触れないほうが不自然。実際、原発問題でも、口にしたり行動してたりするミュージシャンがやってる音楽は面白いしね。現場での新たな出逢いの中で、音楽とは一体なんなのか、逡巡しながら喜怒哀楽しながら続けてることが、ちゃんと音楽に出てる。誠実さがちゃんと出てる。世界との切り結びの中で、音楽の中に悲喜交々がある。音楽としての面白さもそこにある。それに実際、みんなが動き始めて、一筋の希望の光を感じてるんよね。阪神淡路大震災のとき、ヒデ防(伊丹英子)とよく言ってたのが、”ここまで酷いことが起こってんねんから、せめてみんなで新しいことを作っていこう”って。いま、そういう流れを感じるよ。反原発にしても反レイシズムにしても。大きな新しい流れがうねり始めてる。自分が気持ちよく生きるために、ということもあるけど、横の繋がりと、次の世代の縦の繋がり、そこも含めた上で、新しいものを作っていかなあかん世代でもあるしね。原発はあかん、レイシズムはあかん、戦争はあかん、それはあまりに当たり前の話であって。当たり前のとこからやっていこうや。

――そしてそれは誰でもできることですしね。じゃ、ホントに最後に。ジャケットの写真は?

中川 : 秋山理央くんの写真。彼は反原発デモを撮り続けていて、関西のローカル・デモにもよく来てくれる。彼は”マスコミがやらないのなら自分がやる”って、ヨレヨレになりながらも、誠実に取り組んでる。カンパもあるけど、最近はほとんど自腹で。理央くんの写真を使いたいなって思った。理央くんは子どもが好きで、デモのゴールって公園やったりするやん? そこでいつも子どもたちと遊んでる。知ってる人はわかると思うけど、戦隊モノのキャラクターみたいなルックスでね(笑)。だから子どもたちも寄って来る。その中の一枚。ええ写真やね。理央君にカンパ、よろしくです!

中川敬 / ソウル・フラワー・ユニオン DISCOGRAPHY


ソウル・フラワー・ユニオン MUSIC VIDEO

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・ Windows標準のWindows Media Playerをご使用の方 → asfファイル(WMV8)
・ mac標準のQuickTime Playerをご使用の方 → mp4ファイル
※Windows環境で、mp4を再生出来る環境の方はmp4をおすすめします。

LIVE SCHEDULE

ホットフィールド SINCE1988
2013年8月24~25日(土~日)@富山 宮野運動公園

ソウル・フラワー・ユニオン 結成20周年記念ツアー!
2013年9月13日(金)@福岡 DRUM Be-1
2013年9月14日(土)@広島 ナミキジャンクション
2013年9月21日(土)@大阪 BIGCAT
2013年9月23日(月・祝)@東京 赤坂BLITZ

ボロフェスタ2013
2013年10月25~27日(金~日)@京都 KBSホール&METRO

「ソウルフラワー基金」について

長きに渡り阪神淡路大震災の被災地への寄付を続けてきた「ソウルフラワー基金」が、2011年3月11日の震災を受け、東日本の被災地への支援へと切り替わりました。

>>ソウルフラワー震災基金からの報告とお願い

PROFILE

ソウル・フラワー・ユニオン
80年代の日本のパンク・ロック・シーンを語るには欠かせない存在であったメスカリン・ドライヴとニューエスト・モデルが合体する形で、'93年に結成。'95年、阪神淡路大震災を機にアコースティック・チンドン・ユニット「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」としても、被災地での演奏を中心に精力的な活動を開始。'99年には、韓国にて6万人を集めた日本語による初の公演を敢行。トラッド、ソウル、ジャズ、パンク、レゲエ、ラテン、民謡、チンドン、ロックンロールなどなど、世界中のあらゆる音楽を精力的に雑食、それを具現化する祝祭的ライヴは、日本最強のオルタナティヴ・ミクスチャー・ロックンロールと評される、唯一無二の存在として、国内外を問わず高い評価を得ている。

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>>9/28-29「ソウル・フラワー・みちのく旅団 被災地ライヴ・ツアー」レポート

中川敬参加の東日本大震災救済支援コンピレーション『Play for Japan Vol.7』の購入はこちらから

中川敬参加の東日本大震災救済支援コンピレーション『Play for Japan 2012 vol.1』の購入はこちらから

中川敬参加の東日本大震災救済支援コンピレーション『Play for Japan 2013 vol.1 〜Landscapes in Music〜』の購入はこちらから

>>『キセキの渚』リリース時のインタヴューはこちら
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インタヴュー

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by 岡本 貴之
いま聴くべきはこいつらだ!! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”を謳うバレーボウイズって?!
[CLOSEUP]・2017年11月08日・いま聴くべきはこいつらだ!! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”を謳うバレーボウイズってナニモノ?! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”…… というキャッチコピーとともに7人全員がマイクをとって歌い、昭和歌謡もアイドル・サウンドもフォークもロックもパンクも飲み込んだ“ナツカシイサウンズ”を展開する京都のバンド「バレーボウイズ」。もう、これ、あなたの心を鷲掴みにすること間違いなしです! まずはOTOTOY大プッシュということで、とにかく聴いて欲しいのです。なのでフリー音源「真夜中のレコォド」を用意しました、まずは聴いてください! しかも、そんな彼らの1stをハイレゾで配信しているのはOTOTOYだけ。 ということで、興奮してなにがなんだかわからないかもしれませんが、とにかく聴いて欲しい一心でインタヴューも掲載します。「ひとりバレーボウイズ」としてソロ活動もしているネギ(guitar / vo)に登場してもらいました。先日開催された〈ボロフェスタ2017〉で撮影されたライヴ写真とともにぜひ。 まずはこれをダウンロード!!! 収録曲「真夜中のレコォド」期間限定で無料で配信中! バレーボウ
by JJ
東京のハードコア・パンク・バンド、V/ACATIONが新体制初となる音源を先行配信 & インタヴュー掲載!
[CLOSEUP]・2017年10月26日・自分たちだけで完結しない「+何か」──東京のハードコア・バンド“V/ACATION”、新体制初音源をリリース! 東京のハードコア・パンク・バンド、V/ACATIONが2年ぶりとなる音源『Your Name Here』をドロップ。2010年に〈Less Than TV〉より1stアルバム『with vacation』、2015年に自主でカセットテープ『Vacant or Action』をリリースしてきた彼らですが、その間に2度のメンバー・チェンジを経て現在はメロディック・パンク・バンド、Shipyardsでギター / ヴォーカルを務める篠沢がベースで加入し、今作はその体制で初となる音源。リリースは彼らとも古くから親交があり、海外バンドの招聘なども手がける〈imakinn records〉。OTOTOYでは11月に7インチで発売予定の今作を発売に先駆けて配信開始するとともに、メンバー・チェンジなどを経た今のV/ACATIONに話を訊いた。 11月のリリースに先駆け、先行配信開始!!V/ACATION / Your Name Here'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) /