CONFLICT / YELLOW BEAT
ビート・メイカー・デュオ CONFLICTがオリジナル・レーベルBEATBAKAYALOWより、5年振りの新作ミニ・アルバム『YELLOW BEAT』をリリース。さらに今回、環ROYの『BREAK BOY』に収録された「CREATION」をピアノ・ネタとラディカルなビートでセルフ・リミックスした「CREATION(裏Ver)feat.環ROY」を収録。巷に溢れるものとは一線を画す渾身のビート・ミュージック。

【TRACK LIST】
01. Spacesuit / 02. Tooon / 03. Shimokita / 04. Dororo Beats / 05. YBSG / 06. Let's Get Down / 07. Dororo Beat(Himuro Yoshiteru Remix) / 08. Shimokita(RLP Remix) / 09. Specesuite(BUN Remix) / 10. Creation(裏Ver)feat. 環ROY

※アルバム購入者には、デジタル・ブックレットが同梱されます。

シンプルかつ躍動的なビート・ミュージック

KABEYAH&SHIROの2人によるビート・メイカーからなるCONFLICTが、2011年に発足させた自らのレーベルBEATBAKAYALOWから満を持して放つ、5年振りの新作『YELLOW BEAT』。今作はレーベル発足第一弾としてリリースされた12インチ『YELLOW BEAT E.P』に収録された6曲に、新曲、Remixを加えたミニ・アルバムという形態としてリリースされる。

だが、ミニ・アルバムだからといって侮ってはならない。この『YELLOW BEAT』では、自らの出自であるヒップ・ホップの枠組みを基調としつつ、その外部にある、ポスト・ダブステップ、ポスト・チルウェイヴ以降のベース・ミュージック、シンセ・サウンドに接続することで、新たなビート・ミュージックの可能性を提示しているといっても大袈裟ではないだろう。それほどまでに、彼らの打ち鳴らすビートには底知れぬ魅力が潜んでいるのだ。

CONFLICTのトラックにおける80~90くらいのBPMを刻むロー・ファイなビートは、Jay DeeやMadlibの影響下にあることは想像に難くない。だが、先行12インチにも収録された「SPACESUIT」や「Dororobeats」における極太のベース・ラインにまるで図ったかのように施されている深いダブ処理には、現在進行形のベース・ミュージックを自らの鋭敏な皮膚感覚で解釈し、再構築した彼らのユーモアが浮かび上がってくる。また、国内屈指のトラック・メイカーであるBUNを起用した、「SPACESUIT(BUN Remix)」では、グリッチ・ノイズのような音の粒子の狭間から立ち現われては消えるビートによって繊細な音響空間が作り上げられている。このように、リミキサーの人選にも彼らの音楽的背景の豊穣さを感じ取れる。これらはまるで、昨年11月に突如リリースされたベスト盤『INFINITE IN ALL DIRECTIONS』において、LAのLow End Theoryの主宰であるDaddy Kevによって過去の楽曲が新たにマスタリングし直され、そのヒップ・ホップからダブ、エレクトロニカを縦横無尽に行き交う音響世界が再び呼吸し始めた、INDOPEPSYCHICSのトラックと図らずしも共振しているようでもある。

2006年にリリースされた前作『Confirmation+Departure』は、インスト・ヒップ・ホップにおける実験性とエレクトロニカ、アンビエントにおける快楽性と互いに国境を越える瞬間が幾度なく訪れる、新世代ブレイク・ビーツの幕開けを予感させるような破壊力抜群の作品であった。だが、今作を前にしては、前作は彼らにとって通過点に過ぎなかったことが手に取るように感じられる。それはすなわち、この『YELLOW BEAT』は彼らの創造するシンプルかつ躍動的なビート・ミュージックのさらなる更新に他ならないということだ。癒しばかりを追い求め、インストのビートがヒーリング・ミュージックとして機能してしまっているこの日本において、この『YELLOW BEAT』がそれに抗う鏑矢となってほしいと切に願う。まだ、日本のビート・ミュージックは終わっていない。(Text by 坂本哲哉)

RECOMMEND


ShinSight Trio / ShinSight Trio REMIXES

3rdアルバム『Moonlight Sunrise]』をリリースしたShinSight TrioとOTOTOYで約2ヶ月間に渡って開催したShinSight Trio『Moonlight Sunrise』REMIX CONTEST。集まったリミックス楽曲は全部で85曲。全ての応募楽曲は1曲1曲、ShinSight TrioのメンバーとOTOTOY、このコンテストに関するニュースを随時フォローしてくれたYAPAPRI HIPHOP、アパレル・ブランドのWHIZ、hammond ARP、そして盟友MIDICRONICAで厳正に選考し全6曲を選出。日本のみならず、海外からも集まり盛り上がりをみせたREMIX CONTEST! そのクオリティを、是非その耳で確かめて。


INDOPEPSYCHICS / INFINITE IN ALL DIRECTIONS

2002年に発表された2枚のアルバム『MECKISH』及び『LEIWAND』の収録曲に、未発表トラックを加えてDJ Kenseiがベスト・セレクトした今作。INDOPESYCHICSのヒップ・ホップ的な勘は相変わらず鋭く、前を向いて突っ走っていった時代の音源の価値を再発見するタイミングを逃さない。これは、10年前を知るリスナーにも、新たなリスナーにも、等しく新鮮でこの上なく刺激的なアルバムである。


V.A / COSMOPOLYPHONIC

RLPとsauce81が世界中のコネクションを活かし、才能あふれるアーティストを発掘しつづける日本発のクオリティ・ポッドキャストcosmopolyphonic radio。彼らはコズモポリフォニックの名の下、ワ—ルド・ワイドな共鳴を目指し、地球の裏側で「今」鳴っている音をタイム・レスに届けるべく、次世代を担う世界中のアーティストを常に探している。本作は、その新しい才能を世界に紹介するcosmopolyponic radioに携わるアーティストが集結したコンピレーション・アルバム。


FREE THE ROBOT / CTRL ALT DELETE

ホコリまみれの中古レコード、未来的なシンセ・サウンド、生楽器を組み合わせたフリー・ザ・ロボッツのサウンドは、過去と未来の音楽のユニークなハーモニーから生まれた。2年近くの歳月をかけ、心と魂を込めながらこのアルバムを作り上げた。緻密に制作されたこの作品は、幾度も LOW END THEORYに出演して受けたインスピレーションと、果敢な実験精神の賜物。


環ROY / あっちとこっち

これまで、独自のフィールド感覚で、シーンを縦横無尽に駆けぬけ、様々なアーティストとのコラボレートを積極的にこなしてきた環ROYは、前作『BREAK BOY』にて本音をさらけ出し、さらにはヒップ・ホップ・シーンの"あっち"をも見据えたアプローチを打ち出した。そのアプローチは今回更に突き詰められて表現される。外部を目指し、そぶりではなく真の意味で"あっち"に踏み出したのだ。ここで、勘違いしてほしくないのだが、"あっち"仕様の腰抜けサウンドになり下がったのでは決してない。確信犯的に環ROYマナーで、したたかに勝負をかける。

この記事の筆者
坂本 哲哉

七尾旅人らも参加、シルキーなメロウ・グルーヴ & ヴォーカル──Kan Sanoの『k is s』ハイレゾ配信

七尾旅人らも参加、シルキーなメロウ・グルーヴ & ヴォーカル──Kan Sanoの『k is s』ハイレゾ配信

Calm新作『Dreamtime From Dusk till Dawn』& CitiZen of Peace『Heart Dance』配信開始!

Calm新作『Dreamtime From Dusk till Dawn』& CitiZen of Peace『Heart Dance』配信開始!

HALFBY AND HIS MYSTIC ARCHESTRAのライヴ音源を配信開始!

HALFBY AND HIS MYSTIC ARCHESTRAのライヴ音源を配信開始!

覆面ラップ集団、MIDICRONICAから894がソロ・リリース!

覆面ラップ集団、MIDICRONICAから894がソロ・リリース!

ドミノ・レコーズの大型新人、The BohicasがデビューEPを配信開始!!

ドミノ・レコーズの大型新人、The BohicasがデビューEPを配信開始!!

Real Estate、2年半ぶりの新作『Atlas』を配信開始

Real Estate、2年半ぶりの新作『Atlas』を配信開始

アルゼンチン音響の代表格アレハンドロ・フラノフ、ピアノ・ソロ作品を2枚同時配信!!

アルゼンチン音響の代表格アレハンドロ・フラノフ、ピアノ・ソロ作品を2枚同時配信!!

待ってました!!! アルゼンチンの歌姫、フアナ・モリーナ5年ぶりの新作『Wed 21』。びたびたに浸れる無限のサイケデリア!!

待ってました!!! アルゼンチンの歌姫、フアナ・モリーナ5年ぶりの新作『Wed 21』。びたびたに浸れる無限のサイケデリア!!

TOP