2008/08/23 00:00

2010年最新のレコード"SuiseiNoboAz"

新しいバンドが次々と現れては消え、常に混沌としていた東京ロック・シーンに光が射した。SuiseiNoboAz(スイセイノボアズ)の登場である。石原正晴(G,Vo)が、前身バンドを経て、2007年に溝渕匠良(Ba)と櫻井範夫(Dr)と共に結成した、ストレートな3ピース・ロック・バンドである。主に東京の新宿界隈で活動している。 何よりも抜きんでているのは、楽曲の良さと、石原の歌声。SuiseiNoboAz結成前、渋谷スペイン坂スタジオで行われたイベントで石原にひき語ってもらった。その時に、『最近作った曲です。』と言って歌ったのあまりにもまっすぐで力強い歌声は、新しい唄うたいの登場を予感させたのだ。

今回、配信可能になったのは2曲。プールサイド殺人事件水星より愛を込めて。7月からライブ会場のみで売られている彼らの現在を切り取った渾身の作品である。 90年代のゆらゆら帝国ナンバーガールなどのロック・ミュージックを基本にしながら、高円寺や秋葉原等で育ったアンダーグラウンドなノリも混ぜたそのサウンド。シンプルであろうとする基本姿勢は、小難しい事を必死にやろうとするバンドが溢れているからだろうか、耳に快く、とても新鮮に感じる。

『東京で、普通のロック・バンドがやりやすい環境になった』と、前回の対談で石原は語った。それは、東京では、メジャーとインディペンデントの格差が広がり、インディペンデント=自由な音楽ではなくなってしまっていた事を意味していた。メジャーは、フォーマルな音楽を、インディペンデントは、フォーマルではない音楽をするべきだというムードが、一時期の東京インディペンデント・シーンにはあったと石原は語る。

昨今、時を同じくして、Far FranceやQomolangma Tomato等のように、比較的歌に重点を置いたロック・バンドが現れてきたのは、その反動ではないだろうか? またSuiseiNoboAzは、現在、月刊6本からs10本ものライブを行っているが、それでも彼らの集客がうなぎ上りなのは、そんなムードに飽きてしまったリスナーが増えた事を表してはいないだろうか?

『さよなら、ガール。さよなら、ピクシーズ。最新のレコードで、歌ってあげる』と石原は歌う。ナンバーガールの解散から既に6年が経った。現在、音楽シーンに切り込んでいけるような図太いロック・バンド、そして、シンプルにロックが持つ衝動を歌い上げるアーティストが必要とされている。 彼らが2010年の最新のレコードとして聴かれる事を期待して止まない。(text JJ)

「プールサイド殺人事件(弾き語りVer.)」のダウンロードは、配信期間が終了しております。

合い言葉付き水彩画→壁紙に書いてある合い言葉をLIVE会場で伝えると、9月いっぱいまでのSuiseiNoboAzのライブは、500円OFFになります。

対談相手は、世界的ボーカルグループPECOMBOとROBO BRAZILEIRAことTOSHIYUKI YASUDA

Pecombo(ペコンボ)

男女混声ヴォーカルグループ。ブラジル音楽・ジャズ・ヨーロッパ映画音楽などをカフェ・カルチャー以降の感性でスタイリッシュで華やかに仕立てたサウンドは、21世紀トウキョウ発ならではのワールド・ワイド仕様。過去3枚のアルバムを発表。並みいる音楽評論家に絶賛され、フジテレビ系列番組のテーマ曲・TV/ラジオ番組のジングルなど、メディアでも多数起用される。須永辰緒のMix CDやサエキけんぞうの日仏同時発売コンピCDへの楽曲参加、小西康陽・コモエスタ八重樫・Pepe Mogt(メキシコ)の作品へのヴォーカル参加、シンガポール・ツアーなど、国内外を問わないレコーディング〜ライブ活動を繰り広げている。

TOSHIYUKI YASUDA(安田寿之)

電子音楽をベースに様々なジャンルを制作する音楽家、作編曲家、プロデューサー。ロボット「ROBO BRAZILEIRA」としてブラジル音楽を歌う。MEGADOLLYレーベル主宰。元Fantastic Plastic Machine。Towa Teiとの共作、須永辰緒のMix CDへの参加、Senor Coconut/Isabelle Antena/東京プリン/佐藤竹善の制作などの内外・ジャンルを問わないボーダーレスな制作を行うとともに、CM/中野裕之監督映画/篠山紀信写真映像作品/桑原茂一コメディ作品/維新派や升田学のパフォーマンスなどへの音楽制作も多数。Les Siestes Electroniques(フランス)、Sonarsound Tokyo、Apple Storeなどでライブを行う。
8月下旬、PECOMBO + TOSHIYUKI YASUDAの特集ページアップ

スイセイノボアズっていうバンドについてあらためて考えてみて、なにか親切な感じでみなさんに説明するのはわれながらちょっとむずかしい。むずかしいながらも頑張ってトライしてみると、ドラムが三点を全力でぶったたいていて、ベースがごりごりやみくもに這い回っていて、ギターはでっかくってファズを踏んだりいまどきチョーキングをしたりしていて、ボーカルが叫んだりロマンチックなことを言ったりしていて、やっぱり歌って踊れるかんじになったらいいよなあと思っていて、つまりはすごく当たり前なロックバンドってことになってしまってちょっと困ってしまう。でもやっぱり自分は、当たり前と思うことをものすごい勢いとか音圧とかでやってる人が好きだし、そういう人が作るものはぜんぜん当たり前のものじゃなくって、すごくリアルでアッパーなものだと思えるのです。自分はそういう嘘がなくってアッパーでうるさいバンドがやりたいと思っています。というわけでスイセイノボアズはマッキー太字で書けちゃうくらいのロックのバンドです。スピーカーぶっこわれないように気をつけてください。(SuiseiNoboAz 石原正晴)

自主企画

SuiseiNoboAz企画「新宿空中キャンプ」
2008/10/18(Sat)@新宿Motion
出演: SuiseiNoboAz / マヒルノ / Far France
open/start 18:00/19:00  adv/day : 2,000/2,500(+1D)
ローソンチケット:73354

LIVE SCHEDULE

2008/8/25(Mon)@高円寺20000V
open/start 18:00/18:30 adv/day :1,300/1,600(+1D)
w: out at bero / アントニオバンドレス&サイン会 / and more...
2008/8/31(Sun)@秋葉原CLUB GOODMAN「DYNAMIC VIBRATO!」
open/start 18:00/18:30 adv/day:2,000/2,300(+1D)
w: Owllights / HOPE THE / オードリーシューズ / ロッチリア
2008/9/5(Fri)@月見ル君想フ
open/start 18:00/18:30 adv/day:2,300/2,800(+1D)
w: ヨシュアカムバック / 「ricca」 / ジプシールーズ / Banana Machine Japan
2008/9/15(Mon)@新宿NINE SPICES Creepy pop presents 「ニューブラボー」
open/start 18:00/18:30 adv/day:1,500/1,800(+1D)
w: Creepy pop / BOGULTA / 狂うクルー / ELEVATION
2008/9/16(Tue)@下北沢BASEMENT BAR SiMoN presents
open/start 18:00/18:30 adv/day:2,000/2,500(+1D)
w: SiMoN / Zews / IN CORRIDORS / 1000s of cats / GiMME UM / スプリクトニク
2008/9/19(Fri)@吉祥寺Planet K 「SUCK THE TOKYO」
open/start 17:30/18:00 adv/day:2,000(+1D)
w: ジャカランタン / and Young... / folk enough / シゼンカイノオキテ / 六畳人間 / ASAYAKE01 / ウーネリーズ / monohoxon / tron / 安井淳 / Orange Stones / マヒルノ / オガサワラヒロユキ / ha-gakure
2008/9/21(Sun)@秋葉原CLUB GOODMAN 
open/start 18:00/18:30 adv/day:2,000/2,300(+1D)
w: core of bells / オワリカラ / and more・・・
2008/9/25(Thu)@渋谷LUSH「Beat Happening!VOL.82」
open/start 18:30/19:00 adv/day:2,000/2,300(+1D)
w: ビイドロ / salsa / オワリカラ

CD

SuiseiNoboAz 1(2008/1/20 発売開始)
1.プールサイド殺人事件
2.カブトムシ song
3.tengokunokuchi
( ライブ会場のみの限定販売)
SuiseiNoboAz 2(2008/7/10 発売開始)
1.水星より愛をこめて
2.ゴッド ブレス アメリカ
3.tengokunokuchi(再録)
4.セビレ
5.プールサイド殺人事件(再録)
( ライブ会場のみの限定販売)

MY SPACE → 二枚のデモ音源を視聴可能

MIXI → 参加人数が増えると、メンバーが喜びます。

石原のブログ → というか日記。

溝渕の日記 → すごいゆるさ。

桜井の日記 → 最近は魚に夢中。

石原正晴(Vo/Gt)
溝渕匠良(Ba)
櫻井範夫(Dr)

学生だったが、2003年ごろに前身バンドを結成。当時は鍵盤を含む四人編成だった。数回のメンバーチェンジを経て、石原の高校時代からの友人である溝渕匠良が加入。遠藤ミチロウやPANIC SMILEなどと共演するなど精力的に活動するも、2007年活動休止。その後、溝渕の呼びかけにより石原と当時さまざまなバンドで演奏していた櫻井範夫が集まり、新バンドを結成。バンド名をSuiseiNoboAz/スイセイノボアズとして2007年11月活動開始。以来都内を中心にさまざまなイベントに出演し、その凶暴なグルーヴ感と相反するような歌の存在感で話題となる。現在までに三回の自主企画と二回の関西ツアーを成功させ、二枚の自主制作CD-Rをリリースしている。10月にはマヒルノ、FarFranceを交えた若手要注目三バンドによるスリー・マン・イベントを予定している。

前々回の特集、朝日美穂へ

前回の特集、ロボピッチャーへ

[連載] PECOMBO + TOSHIYUKI YASUDA, SuiseiNoboAz, ペコンボ

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