2013/03/21 00:00

徳永憲『ねじまき』先行配信 & 過去音源より1曲フリー・ダウンロード!

オルタナ世代のシンガー・ソングライター、徳永憲の8枚目となるアルバム『ねじまき』が完成。小島麻由美とのデュエット曲「悲しみの君臨」を収録し、ドラムに坂田学が参加、ジャケットを5作目の『スワン』もてがけた漫画家・黒田硫黄(セクシーボイスアンドロボなど)が書き下ろしている。2013年の「いま」を切り取った、静かな希望に満ちた「うた」がここには収められている。そんな本作をOTOTOYでは1週間先行配信!! さらに『スワン』から1曲「7(セブン)」をフリー・ダウンロードでお届け。徳永憲の世界にどっぷり浸ってみませんか?

>>「7(セブン)」フリー・ダウンロードはこちら


最新アルバムを1週間先行配信!!
徳永憲 / ねじまき

1. 女子 女子 女子 / 2. 大航海時代 / 3. 北極星 / 4. ソファ / 5. 聞こえる 聞こえる / 6. ポストに手紙 / 7. 世界のはずれ / 8. さよならの日々 / 9. うつつを抜かしたとて / 10. 暖かなもの / 11. 肩車の思い出がまた肩車をつくる / 12. 悲しみの君臨(デュエット with 小島麻由美) / 13. 目に映る明るい夜

【価格】
mp3 : 単曲 150円 / アルバム 1,500円


2011年初頭にリリースされたアルバムもチェック!!
徳永憲 / ただ可憐なもの

【価格】
mp3 : 単曲 150円 / アルバム 1,500円

>>>徳永憲×中村佑介対談はこちら

近くにいる人を大切にすること、より近くで寄り添うこと

シンガー・ソングライター徳永憲の、8枚目となるフル・アルバム『ねじまき』。2011年にリリースされた前作『ただ可憐なもの』と比べると、華やかさは薄れるが、全体的にシンプルで、より優しく暖かくなったように感じる。それは歌い方や、歌詞にも現れている。

1曲目のタイトルは「女子 女子 女子」。いきなり、強いインパクトを受ける。女子が3つ。いったいどれだけ、女子への強い思いが込められているのだろうか。曲を聴いてみると、<うとうとしてしまう / 無防備な肩口>のように、フェティシズムたっぷりな歌詞が聴こえてくる。これを、全くいやらしさを感じさせない透き通るような優しい歌声で歌っている。3曲目の「北極星」では、その輝ける星の下には<あの娘が待っている>という、真っすぐな思いが込められ、5曲目の「聞こえる 聞こえる」では、<心臓の音 / いつもは忘れてるけど / 聞こえる / 聞こえる / 君のことを想ってひそかに痛んでる>と歌う。アルバムの冒頭では、身近な存在に対する実直な愛情が感じられる。

曲が進むにつれて、その思いは徐々に広がりを見せる。7曲目の「世界のはずれ」では、<夢が終わって / ゼロに戻って / すべてをやり直す場所>で、<曖昧な未来予測が今も僕を希望で包んでる>と綴られており、終わりを意識した上でも見出した希望の存在を歌っている。そこからさらに進んだのが、アルバムの後半に位置する「悲しみの君臨」での、<そろそろ本気出して / 生きていかなければ / 終わりが今見えたから>というフレーズ。希望からさらに一歩進んで、ここから歩き出していこうとする強い意志が感じられる。アコースティック・ギター主体のシンプルなアレンジと、ゲスト・ヴォーカル小島麻由美とのハーモニーが、曲の持つ優しさの中にある力強さを、より際立たせている。これらの曲に漂う終末感は、3.11の震災の影響によるものが大きいのではないだろうか。本作は、徳永憲が震災以降に初めてリリースするアルバムでもある。それを意識して作られたというよりは、あの日の出来事が、もっと深層心理に根ざしているように感じる。

死や終わりが間近に迫りくる中で、自分には何が出来るか、自分はどう行動するか。そんな命題を突きつけられた上で、結局は近くにいる人を大切にすること、より近くで寄り添うことを、彼は自然と選んでいったのではないだろうか。冒頭で感じた直線的な思いも、その後に感じた希望や暖かさも、全てはそこに繋がっているように感じた。徳永憲の歌声に帯びている優しさが、その声だけではなく、もっと確かで根深いものへと、確実に深化しているように思う。このアルバムから、また徳永憲の新たな世界が開けて行くのではないか。そんな予感や、希望を感じさせてくれる1枚である。(text by 前田将博)

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LIVE INFORMATION

今宵、ねじまく vol.1
2013年4月11日(木)@下北沢lete
出演 : 徳永 憲
開場 19:00 / 開演 20:00
前売り2,000円 / 当日2,300円(共に+1ドリンク)

PROFILE

徳永憲

1998年、ミニ・アルバム『魂を救うだろう』(ポニーキャニオン)でデビュー。
変則チューニングされたオルタナなアコギで、ポップソングを歌ってます。

好きな作家 : 川端康成、室生犀星、ヘミングウェイ、スタインベック、A・シリトー、等々
好きな映画監督 : トリュフォー、キューブリック、W・アレン、E・クストリッツァ、等々
好きな食べもの : アボカド、ゴーヤー、おかひじき、でん六

徳永憲 official HP

[レヴュー] 徳永憲

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