今年復活を宣言したGREAT3のヴォーカルであり近年ではフジファブリック、 Sister Jetといったバンドのプロデューサーとしても知られる片寄明人と、今年デビュー15周年を迎えるショコラの2人よる夫婦デュオ=Chocolat&Akito(ショコラ&アキト)。実に5年ぶりとなる待望のニュー・アルバム『Duet』が完成! 繊細なやさしさがあふれるラブ・ポップ・アルバムとなりました。今回はインタビューを行い、Chocolat&Akitoの成り立ちから最近の活動の様子までを聞いてきました。時間を忘れる程ゆっくりと流れる楽曲に身を任せて、新作『Duet』を聞いてみてほしい。

8曲入りのニュー・アルバムを配信開始!

Chocolat&Akito / Duet

TBSラジオ「たまむすび」のテーマ曲として、永井聖一、浜野謙太(サケロック/在日ファンク)、宮内優里などのリミックスを加え先行リリースされた「扉」や、既にライヴの定番として絶大な人気を誇る名曲「One」を含む全8曲。アート・ワークはEPに続き、無印良品、暮しの手帖、IDEE、最近ではスタイリスト大森伃佑子がディレクションを手掛けるブランドのイラストを手掛ける、塩川いづみによる描き下ろし。

【配信価格】
mp3 : 単曲 200円 / アルバム 1,600円
wav : 単曲 250円 / アルバム 2,000円


先行配信されたEPも配信中

Chocolat & Akito / 扉 ep

【TRACK LIST】
1. 扉 / 2. 扉(永井聖一 remix) / 3. 扉(浜野謙太 remix) / 4. 扉(ジョン・マッケンタイア ver) / 5. ジョヴァンニ(宮内優里 remix)

【配信価格】
mp3 : 単曲 200円 / アルバム 900円

INTERVIEW : Chocolat&Akito

共に音楽を奏でるユニットであり、共に生活を愛でる夫婦でもある、Chocolat&Akito。彼らから、5年振りのアルバムが届いた。タイトルは『Duet』。結婚15年目、ユニット結成7年目にして、自然な形で「2人で1つの声みたいな感覚が、最近すごくする」という2人。最近では、小規模な場所で、2人だけでアコースティックで演奏し、対話するよう、目の前にいる人に着実に音楽を届けるというスタイルを取り入れたという。今作に漂う親密なムード。それは決してそこだけで完結しておらず、聴くものに開かれている。2人の空気の中に招待され、もてなされているような、あたたかい心地よさ。どうぞ、ごゆるりと。

インタビュー & 文 : 藤森大河

弾き語りの中でどう表現していくか(Chocolat)

――まずは、お2人の成り立ちから伺っても良いでしょうか?

Akito : 2005年から2人でやっています。丁度、僕のバンド(GREAT3)の活動休止と、Chocolatのソロのレコード契約が終わったタイミングだったので、2人ともフリーで好きなことができる状況になったんです。2000年に僕のソロ・アルバムで1曲だけ共演したんですが、その時はまだ結婚して2年だったから多少気恥ずかしさもあってね。でも、もう7年目が過ぎ、気負わない関係性で音楽活動が出来るかなというのもあったし。あと、Chocolatのソロで僕がギターを弾いてツアーを回った時に凄く楽しくて、2人で色んなところを回って演奏旅行が出来ると良いな、という気持ちもありましたね。

――実際にお2人で活動を始めて、普段の生活で関係性が変わったりしましたか?

Akito : 何も変わらないですね。特にChocolatは、凄くフラットな人だから。常に心が安定しているので、何が起きようと大きく変化することがないんですよ。いつでも幸せそうで羨ましいです(笑)。

――声も、感情が凄くこもってるというよりは、どこか客観的な印象を受けました。

Akito : そうですね。どこかクールな感じがするというか。ジョン・マッケンタイアも初めてChocolatの声をミックスした時に、「シンセサイザーみたいだな」とか、「なぜかKraftwerkを思いだす」って呟いてましたね(笑)。レイ・ハラカミさんも、自分のオケに合わせやすいと言っていたし。過剰な情感がこもっていない分、音として彼女の声を好きだと言ってくれる人が多いのは興味深いですね。僕はどちらかというとエモいタイプのボーカリストなので、その対比も面白い気がします。

左からChocolat、Akito

――今回5年ぶりのアルバムで、結成から7年。ここにきて『Duet』というアルバム・タイトルは?

Chocolat : 『Duet』はわたしがパッと思い浮かんで、Akitoに「どう? 」と言ったら「いいね! 」と即決してくれたんです。結成してから数年は今みたいにライブをやってなかったじゃない?
Akito : そうだね。2枚目までは、バンド・メンバーを入れてのライヴで大所帯になるから、そうそうツアーにも行けなくて。それが凄く残念だったんです。でもこの1年は、2人だけで弾き語りのツアーをやれるようになってきて、それは僕らにとってすごい挑戦だったんですよ。ボーカリストでソング・ライターの2人だから楽器がそう達者なわけでもないしね。僕がアコースティック・ギターで、彼女が小さいシンセサイザー、あとiPhoneに古いリズム・ボックスを加工したものを入れて、そんなシンプルな編成で廻っているんだけど、ようやくスタイルが確立されてきてね。初めて本当の意味での”デュオ”という感じが芽生えてきたんです。最近は本当に打ち合わせなしでもピタッと。
Chocolat : お辞儀のタイミングも一緒だって言われたね(笑)。2人で1つの声みたいな感覚が、最近すごくする。結成7年目にして、やっと「デュエットしてる」という気持ちにもなれたので、『Duet』と名付けたんです。

――今作は音が室内っぽいというか、親密な感じがすごいして、温かい音で、2人にもてなされている感じがします。

Chocolat : 有難うございます。
Akito : そう言ってもらえると、すごい嬉しいです。ぼくらということを初めて深いレベルで認識して、たとえ明日自分が死んでも後悔の無いようにきちんと生きなきゃいけないなって、2人で真剣に話し合うようになりました。音楽という表現をしていく上で、逃げたりごまかしたりせずに、メッセージをきちんと伝えなきゃいけないと。

自分の中のハードルを越えることができた(Akito)

――先日発表されたGREAT3の「彼岸」という曲も、かなり真っ直ぐでしたね。

Akito : そうですね。今回のアルバムの中で一番のキーとなっているのは1曲目の「One」という曲で、この曲は自分の中で「彼岸」と表裏一体となっている曲です。どちらも生死の観点から物事を歌った曲なんですが、この曲を納得のいく形で仕上げられたことは自分たちの中で大きな充足感があったし、それによって今回のアルバムの焦点が定まった気がします。

――それを1曲目に持ってくるというのも面白いですね。

Akito : 昔だったら、絶対にアルバムの最後に持ってくる曲ですよね。だけど、1曲目に入れたかった。この曲をずっと弾き語りで歌ってきたんですけど、歌う度に「本当に良い曲だ」と言ってくれたり、泣きながら聞いてくれるお客さんも沢山いて。僕らは常にクールなスタンスで音楽をやってきたタイプだったんだけど、そういったお客さんの姿に触れて、自分たちの心も大きく動かされたんです。恥ずかしながら僕も「One」は歌いながら泣きそうになってしまう時がある。そういうエモーショナルなライヴは僕らにとって新鮮で、「生きている!」という感覚をも味わせてくれるものなんです。
Chocolat : 弾き語りをやるようになって色んなところで歌って、初めて、人の心に響くってこういうことか、と体感したんです。「One」は、詞も曲も素晴らしいから、私なりに詞を噛み締めて歌うということもできるようになってきて。涙を浮かべて聴いてくれている人を目の前にすることで、いま特別な歌を歌えているという幸せを知ることができました。

――ステージと客席、というよりは、人と人の関係になってきているんでしょうか。

Akito : そうだと思います。最近のライヴの雰囲気は、これは想像でしかないけど、昔のフォークのコンサートに近いのかもしれない。目の前にいる人と魂の交流をするような方向に、自然となっていってますね。終わったあとにお客さん1人1人と話すのも凄く楽しい。今までツアー経験が少なかったこともあって、自分の音楽をどういう人が聴いてくれているのかが全く分からなかったんですよ。でも最近、色んな土地をまわることで、初めて訪れた街でも、ずっと自分の音楽を愛し続けてくれていた人がいたんだ、ということを感じられて。そういう人に支えられて、自分が音楽を続けていられることが、リアルに分かったんです。
Chocolat : ボロボロに聞き込んだCDを持ってきてくれたりするんですよ。本当に有難いことです。

――そういった活動スタイルって、ミュージシャンとして、凄く正しいというか、基本に戻っているような気がします。

Akito : うん、自然な形。いわゆるミュージシャンらしい活動だなって思います。特に弾き語りは本当に近い距離だから、いくら格好つけても、最終的には人間力の勝負の世界にいっちゃうんですよね。だから、最初は本当に大変だったし、越えるべきハードルもたくさんあった。
Chocolat : いくら練習しても、ステージをこなしていかないとダメなんだよね。経験を重ねることで自分たちなりの表現ができるようになってきました。場数だなって思います。

――10年、20年とずっと続けられる形ですね。

Akito : まさか自分がこんなスタイルでツアーをするようになるとは思わなかったよね。弾き語りとか、常に断り続けてたから。だけど、それができるようになったことで自分のミュージシャン人生もとても豊かになったし、それが大編成のバンドに戻ったときも生きてくるし。

――ちなみに、詞はどちらかが書いているんですか?

Akito : ぼくが主導で書くことが多いですね。

――歌い分けも詞の時点で?

Akito : 男女のデュエットだから、自分一人で歌うよりも幅広い音域を使えるわけですよ。なので作曲家としては制約が外れて、やりがいがありますし、「ここはChocolatに歌ってもらおう」というのは作曲の時点からありますね。ただ、ぼくもファルセットを使うし、彼女も低い声が出たりもするから、逆転することも結構あって、それは凄く面白いと思います。たまにどちらの声か分からなくなるって言われることもあります。2人の声が合わさって、1つの声という感覚ですね。

――Akitoさんは、プレイヤーでもプロデューサーでもあり、GREAT3での活動もありますが、Chocolat&Akitoはどういうポジションですか?

Akito : GREAT3は自分にとっては特別で、コントロールできない活動なんですけど、Chocolat&Akitoではプロデューサーのような視点もありますね。バンド・メンバーの選定もそうだし、レコーディング現場でも客観的な視点から判断を下せる。それと同時に、曲作りとか活動は、むしろGREAT3より生活に密着しているし、日常と地続きですね。
Chocolat : Akitoさんは凄く二重人格なんです。穏健で人当たりが良くて優しくて社交的で、怒ってる姿、想像つかないじゃないですか。でも、怒ると本当に怖いんですよ。二重人格みたいだから、そういう相反する2つの活動ができるんじゃないかなと思ってます(笑)。

――(笑)。想像できないですね。

Akito : GREAT3の時は、一人のミュージシャンとして荒れ狂う僕をプロデュースしてくれる人、お願いします! という客観視不可能な自分がいますね(笑)。でも、プロデューサーとしての自分は、クライアントのメンタルの部分をケアしながらも現場をまとめていくことが得意な自分がいます。不思議だよね。確かに二重人格なのかもしれない(笑)。逆にChocolatは、常に安定していて、普段ぼくがよほど挑発しない限り、怒ることはないし、落ち込むこともない。よくできた人ですよ(笑)。

――不思議なご夫婦ですね(笑)。

Akito : そういえば、僕らは結婚式に呼ばれることも多いんですよ。1曲演奏してくれ、と。
Chocolat : 私たちが歌った結婚式の夫婦は、離婚しないというジンクスもあるみたいですよ(笑)。でも、幸せの場にご一緒させていただくのは本当に光栄ですよね。
Akito : 昔から結婚式で歌ってくれと言われた時、GREAT3で歌える曲がなかったのが悩みでね(笑)。多幸感に溢れてる曲もないし。いつかそういう曲を書きたいという気持ちはあったので、今回の「One」は、自分の中のハードルを越えることができて嬉しいね。あと、メロディーの観点から見ても自分が書いた曲の中で一番綺麗な曲じゃないかな。バラードとして完成されていて、自分の長いキャリアでも1つの到達点だと思ってます。こういう曲を書きたかったんです、ずっと。

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PROFILE

Chocolat & Akito

ショコラと片寄明人(Great 3)によって2005年に結成された夫婦デュオ。明と暗、清濁併せ呑んだ(せいだくあわせのんだ)、その独特な詩世界を美麗なメロディーで綴り、同年に「Chocolat & Akito」でデビュー。2007年には2nd「Tropical」をリリース。そして2012年、待望の3rdアルバムのリリースが決定している。二人だけでの弾き語りから、栗原務(Little Creatures)、清水一登(ヒカシュー)、石井マサユキ(Tica, Gabby & Lopez)を迎えたファンキーかつメロウ、しかしあくまでもロックなバンドセットまで、一糸乱れぬハーモニーで、胸しめつけるメロディーを聴かせるライブは必見。近年、片寄明人はプロデューサーとして、フジファブリック、Sister Jet、Anyなど数多くのミュージシャンを手がけ、ショコラはアクセサリー・ブランド「Corchea」デザイナー、CMナレーターとしても活躍中。またユニクロのCMにも夫婦出演するなど、話題を集めている。

Chocolat & Akito official HP

 
 

インタヴュー

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