2017/11/21 18:06

ルーツを表明し、越える──福岡発のニュー・カマー、よあけの1stアルバムを先行配信 & 期間限定フリーDLも!

九州大学のサークル・メンバーで2015年に結成され、はっぴいえんど、山下達郎、PAVEMENT、sea and cake、ミツメ、ホテルドミニク、Mac Demarco...古今東西のポップ・ミュージックたちと、同郷の先達であるNumber Girlをナードな佇まいで咀嚼した、人懐こさと青さ漂うサウンドを鳴らす3人組、その名もよあけ(yoake)。 そんな彼らが九州のオルタナティヴ・シーンにおける最重要人物、PANICSMILE・吉田肇が主宰する〈Headache Sounds〉より初の全国流通作となる1stアルバムをリリース!! OTOTOYでは是非とも多くの人に聴いていただきたく、12月15日の発売に先駆け約1ヶ月の先行配信と、アルバムの楽曲より「MABOROSHI」の期間限定フリー・ダウンロードが決定! レーベル・オーナーである吉田肇のコメント、そしてアルバム・レヴューと共にまずはフリー楽曲の一聴を!


アルバム収録曲より期間限定フリー・ダウンロード!


よあけ / MABOROSHI(期間限定フリーDL)

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC / MP3

【配信価格】
FREE

【配信期間】
2017年11月21日(火)〜2017年12月21日23時59分


全国初流通作となる1stアルバムを1ヶ月間先行配信!


よあけ / TOI

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 150円(税込) / アルバム 1,300円(税込)

【収録曲】
01. きこえる
02. 抜け殻
03. MABOROSHI
04. 幽霊船
05. ANZ
06. シンク
07. 沈む
08. 失礼
09. たのしい
10. ナムセーウン

よあけ(yoake)/たのしい
よあけ(yoake)/たのしい

レーベル・オーナーであるPANICSMILE・吉田肇からアルバムに寄せて

福岡の新たなバンドを紹介させていただきます。
様々なテンプレート、モードなどが足早に過行くロック・バンド界ですが、ここ福岡も同じくでありまして、いやしかしこの「よあけ」はどこか達観してる感が最初からそのステージに滲んでいまして、タイムマシーンの様な、古今東西の色々なギター・ロックを彼らなりに音にしてる感じにやられました。
シカゴからバンクーバーからシブヤからフッサから各地から跳ねてるビート、漂ってるメロディが生まれますが、2017年、よあけのビートとメロディもここ福岡でしか生まれない音だと確信しております。
是非とも皆様、お聴きください。よあけです。

ヘッドエイクサウンズ / PANICSMILE 吉田

REVIEW : 「〇〇っぽい」との真っ向勝負

自分自身が何者なのか。それを音楽で他者に伝えるとき、どうすれば簡単に伝えられるか。その手法の1つが、オマージュだと私は思う。ルーツの表明。「〇〇っぽい」と呼ばれることが総じて素晴らしいこととは限らないが、そう言われることで受け手のイメージは湧きやすいし、そのバンドをフォローするリスナーが聴いてくれる可能性だってある。「〇〇っぽい」という言葉は音楽を聴いてもらうためのいわばキャッチ・コピーにすぎず、第一歩。このバンドだってそうだ。

よあけ。言ってしまうとミツメっぽい。でもこのミツメっぽさは決して劣化ミツメと言われてしまうような脆弱なものではない。ちゃんとルーツを理解し、自分たちのものにしたうえであえてミツメっぽさを出しているに過ぎないのだと思う。ミツメへのリスペクトは1曲目「きこえる」から如実に表れている。ミツメの「クラゲ」のイントロをオマージュしたようなイントロのギター・リフ。この楽曲をバンドの名刺代わりとなるアルバムの1曲目に置いていることがまさにルーツへの表明だ。

さらにミツメ同様、極端な抑揚とエモーショナルになり過ぎるのを避けるアティチュード。そしてノスタルジックに歌いつつも、シリアスになるのを避けるポリシー。いなたいボーカルと極端に絞られた音数、ローファイな音圧。様々な要素でミツメ、引いては90年代USインディへのリスペクトを感じさせる。彼らのバックボーンにあるのはUSインディだけに留まらず、2曲目「抜け殻」のイントロはギター・ポップの名曲、Tahiti 80の「Heartbeat」からのオマージュに聴こえる。しかしイントロから一転、メロディ・ラインはトラディショナルな日本語ロックのよう。

Tahiti 80 / Heartbeat
Tahiti 80 / Heartbeat

そこからアルバムはUSインディらしいリヴァーヴ感とローファイな歪みで不穏感と浮遊感が増していくなか、一方でアヴァンギャルドな日本語ロックのイメージも離れなくなる。

進むアルバムの先に見えてくるのはオマージュに頼ったその場しのぎの消耗品ではなく、よあけそのものだ。音楽を楽曲ごとに聴くのが当たり前となった時代に、このアルバムはすべて聴くことではじめてよあけが垣間見えるのだ。

自身のルーツを表明すること。それは自身を簡単に伝えることはできるものの、受け手のなかで比較対象をつくりあげてしまう諸刃の剣でもある。だとすれば、「〇〇っぽい」と聴きはじめた音楽がそのバンドそのものとして好きになるとき、それはひとえにそのバンドがイメージに打ち勝った証拠といえるはずだ。よあけにはそのパワーがある。

(Text by 高橋秀実)

〈Headache Sounds〉過去作はこちらにて配信中!

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過去のミツメがもつポップでキャッチーなサウンドや、詩的で繊細な歌詞はもちろん、近年のミツメがこだわってきたスローに踊らせる楽曲も多く、ストイックなバンド演奏と、優しく包みこむ歌声が混ざり合った完全オリジナルのサウンドが確立されています。


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Homecomings / SYMPHONY

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PROFILE

よあけ

中原勇作(vox.gt) 芳野大輔(ba) 松本和佳菜(dr) の3人組。
九州大学のサークルメンバーで2015年12月に結成。
翌年から福岡市内を中心に、関東でも精力的にライブ活動を行う。
どことなくナードで、それでいてアヴァンな日本語ポップを鳴らす。

>>Twitter

[レヴュー] よあけ

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