2013/07/11 00:00

サマソニ、フジロック、ROCK IN JAPAN
様々な“夏”がある。
しかし、真の夏はMETEO NIGHTにしかやってこない!
METEO NIGHT 2013開催!!

遂にその全貌が解禁

JUDGEMETEO NIGHT
LessThanTVの呼び掛けにより集結した全11レーベルが代表アーティストを選出。O-WESTのステージで激しいバトルを繰り広げる!! というか、親睦を深める!!!

【各レーベル代表アーティスト】
初音階段 from Alchemy Records
THE LEFTY(KILLER-BONG×JUBE×ROKAPENIS) from BLACK SMOKER RECORDS
OLEDICKFOGGY from DIWPHALANX
RAW DISTRACTIONS from HARDCORE SURVIVES
cero from カクバリズム
チッツ from こんがりおんがく
COSMIC NEUROSE from LessThanTV
曽我部恵一 from ROSE RECORDS
CARD from STIFF SLACK
WDsoundSHOWDOWN from WDsounds
勝井祐二+沼澤 尚+辻コースケ+内田直之 from WORD IT OUT!

【ARTIST】 アニス&ラカンカ / bonanzas / CROCODILE COX AND THE DISASTER / DODDODO / ECD+ILLICIT TSUBOI / FOLK SHOCK FUCKERS / Gofishトリオ / HARD CORE DUDE / 久土'N'茶谷 / Kochitol a Haguretic Emcee's / Limited Express (has gone?) / LOW VISION / MASTERPEACE / マヒトゥ・ザ・ピーポー(下山) / 三沢洋紀と岡林ロックンロール・センター / NERVS / OFFICE VOIDS / Ohayo Mountain Road / Phew / quAng duc Asylum / ReddTemple / screwithin / 柴田聡子 / 白い汽笛 / SAFARI / SiNE / THE DEAD PAN SPEAKERS / The POPS / TIALA / 透明雑誌 / V/ACATION / WRENCH / younGSounds / ザ・なつやすみバンド

【開催日】 2013年8月4日(日)
【会場】 渋谷O-WEST / O-NEST / 7th floor
【OPEN / START】 12:00 / 13:00
【チケット】 前売 3,500円 / 当日 4,000円 (+1ドリンク)
【取扱い】 ぴあ / ローソン / e+ / WEST店頭 / nest店頭

Less Than TVから8/7に発売するLimited Express (has gone?)の新作『JUST IMAGE』の先行発売も行います。

「METEO NIGHT」official HP

7/29更新
タイムテーブル公開!!

対談 : JOJO広重(非常階段/Alchemy Records主宰)×谷ぐち順(LessThanTV主宰)

METEO NIGHT 2013の開催を祝い、JUDGEMETEO NIGHTにてぶつかるAlchemy Records代表JOJO広重とLessThanTV代表谷ぐち順の対談をお送りする。「何故レーベルをやっているのか? どんなレーベルがやりたいのか?」 来年30周年を迎えるAlchemy Recordsと今年20周年のLess Than TV! 日本の超重要インディペンデント・レーベルの歴史的な邂逅をご覧ください。

谷ぐち順
JOJO広重

谷ぐち順(以下、谷ぐち) : JUDGEMETEO NIGHTって、もともとレーべルどうしの繋がりのないところを集めたんです。

JOJO広重(以下、JOJO) : 名刺交換会みたいですよね。

谷ぐち : 僕もそれを思ったので、ビビらせてやろうと思って、ダメもとでにもお願いしたんですよ。

JOJO : 多分大概の方は、Alchemy Recordsを怖がってらっしゃると思いますよ(笑)。得体がしれないですよね。ノイズとか、「生きている価値なし」のBOXとか、いろんな変なものを出してるし、でもブログでは優しいことを言ってるし。簡単に「こんにちは」とは言いにくいですよね。僕のなかでは、整合性が取れてるんですけどね(笑)。

谷ぐち : でも、ものすごい反応ですよ。Alchemy Recordsですか!? って。Alchemy Recordsの代表出演バンドは?

JOJO : 初音階段です。

谷ぐち : 初音階段なんすね! 俺、ナスカカー・ナカヤさんのルックスが自分のなかで最高なんですよね。

JOJO : いま、落ち武者みたいなルックスになってますよね(笑)。どうみてもサラリーマンには見えない。奥さんも子供もいるんですけどね。初音階段は、京都出身の白波多カミンちゃんっていうシンガーの子に初音ミクのコスプレをしてもらって、僕とナカヤさんがバッキングをつとめるという。美女と野獣みたいな感じで、いいかなと。初音階段は、いろんな層から人気あるんですよ。ライヴ・ハウスには行ったことがない、秋葉原にいるような人とかが写真を撮りに来るんですよね。

初音階段

音源が残らないのはだめだなって思って、レーベルをはじめたんです(谷ぐち順)

谷ぐち : 俺、北海道出身なんですけど、昔札幌で非常階段と対バンしました。

JOJO : 札幌沈没っていうイヴェントでしたっけ。ステージで暴れてギター壊したら、みんな怖がって、楽屋で誰も寄ってこなかったんです。20年前くらいかな。札幌沈没っていうイヴェントは、今も谷ぐちさんが覚えてらっしゃるってことからすると、それなりにインパクトのあるイヴェントだったと思うんですよ。そのあとの、勝井祐二さんだったり、eastern youthだったり、bloodthirsty butchersも繋がっているので、「こういうことがあって、こういう感じだったんだよ」っていうのがわかりやすく資料としてあれば、繋がっていくと思うんですよね。轍を残すというか。bloodthirsty butchersで初めてロックを聴いたような人がブッチャーズを振り返ったときに、「これがルーツなんだ」ってたどりつけるようなものがね。そういえば、吉村秀樹さんがまだデビューして間もないとき、僕にカセットを持ってきたことがあったんですよ、「聴いてください」って。それをよく覚えてますね。

JOJO広重

谷ぐち : 俺は、音楽を含めての先輩って呼べる人はよーちゃん(吉村秀樹)くらいだったんですよね。悲報を聞いたときは、あまりにも実感がなくて涙も流れなかったんですけど、JOJOさんのツイートを読んだら泣けたんですよね。自分らがやっているようなストレンジ寄りのハードコアってあまりフォローしてくれる人がいなくて、それが悔しくて。北海道のシーンは、バンドの寿命が短かった。それは、自由に音源が出せなかったってこともひとつの要因かなって思うんですよね。だから、すばらしい音楽があっても、音源が残らないのはだめだなって思って、レーベルをはじめたんです。Alchemy Recordsは、何年目ですか?

JOJO : 来年30年目ですね。

谷ぐち : いろいろありましたか?

JOJO : そりゃありますよ(笑)! 楽しかったことも、裏切られたことも、良い思いをしたことも。総じて楽しかったですけどね。僕が音楽をやり始めたのは70年代の終わりくらいなので、僕自身が音楽史の生き証人的なところもある。インディーズのレーベルがはじめて出てくるとか、パンクってものがはじめて出てくるところにも立ち会ってきてる。マーケット全体、シーン全体を見渡せる立場にはずっといさせてもらってるかな。あと関西中心の活動だったからね。関西が語られるところってなかなか少ないじゃないですか? だから、僕らがここ30年くらいずっとやってきたことをきっちり伝えるために、本を出そうと思ってるんです。「このときはこうだったんだよ」っていうのを。興味を持っていただけたらそこにたどり着けるように、常時手に入るようにしていきたいですね。

谷ぐち : 関西の人たちの音楽の聴きかたってすごいマニアックですよね。どうしてそうなっちゃうのかなって。

JOJO : これは僕の持論なんだけど、大阪にはディスクユニオンがない。ディスクユニオンっていうのは非常に優秀なレコード・ショップで、ビジネス・ライクなレコード・ショップなんだけど、すごくマニアック。僕は、1回ディスクユニオンに行くと、2~3万円分買うんですよ。関西だと、同じ短時間に数件回っただけでは、こんなに僕のほしいものは手に入らない。だから、関西にユニオンがあれば、変わってきていると思いますよ。

谷ぐち : すごい、おもしろいなあ。関西のレーベルっていうだけで、Alchemy Recordsはすごく意味がありますよね。

JOJO : そうですよね。なんだかんだメディアの中心は東京だし、おもしろいことがあっても、大阪まで取材に行くことなんてめったにないんですよ。だから、関西の人間は東京にすごくコンプレックスを持っている。もちろんそれは憧れの裏返しでもあるんですけど。だから、特殊なかたちで独自の文化を形成していったっていうのかな。大阪は特殊で、普通じゃないことがまかり通ってるんですよね。大阪の人たちがいかにいい加減で、アホでなにも考えてないか。言い方は悪いですけど、かなり悪い感覚が根付いてるんですよね(笑)。難波BEARSっていうムチャクチャなライヴ・ハウスもあるし。チケット代1500円でドリンク代もなくて、「どうやってここ成り立ってんの? 」って。

谷ぐち : BEARSはすごいですよね。あそこで何回も、ミラクルなライヴを観てる。

谷ぐち順

JOJO : 全部積み重ねでできてるんですよね。中学生からバンドをやってる奴らが、ずっとやめないで地元の音楽の面倒を見つつ、いまに至ってる。西荻窪のWATTSも、ハードコアの受け皿みたいな感じだったんですよ。はみだし者とか、世の中で認められないような奴らがおもしろいことをやろうとしてる。それが今はBEARSであって、80年代まではエッグプラント(※注1)だった。そういうところから出てくるものって、ものすごく豊穣な感性を持っているんですよね。高円寺の無力無善寺あたりも、ちょっとそういう部分を担ってるのかな?

谷ぐち : 2回無善寺でやりましたけど、すごかったですね(笑)

JOJO : 僕らからすると、無善寺が存在し続けているのが、東京の懐の深さなのかなって。

やっぱり、おもしろいバンドには長くやっていただきたい(JOJO広重)

JOJO : 僕はAlchemy Recordsをはじめる前に、アンバランス・レコードっていう小さい自主製作のものをやってて。それがちょっと経済的に立ちいかなくて、1、2年ブランクが空いたんですよね。その時にインディーズ・ブームみたいなものがやってきたり、宝島がキャプテンレコード(※注2)をやりだしたりして。でも、これ僕らがやってきたのとちょっと違うよねってなって。このままいくと、僕らがやってきたことは忘れられるかもしれないねって。僕らが正しくて、彼らが間違ってるとかではないんだけど、自分たちがやってきたことは記録して残しておこうって。だからAlchemy Recordsは、記録するレーベルだっていう趣旨ではじめてるんですよね。それはすごくちいさな動きかもしれないけど、たったひとりでもお客さんがいるような音楽があれば、記録して残そうって。いまの時代はTwitterでつぶやくだけで一瞬でひろがるし、僕らがやってきたフォーマットとは違うのかなとは思いつつも、紙媒体は大事だと思うんですよね。YouTubeとかAmazonはすごく便利だけど、ピンポイントでしか届かない。

非常階段の歴史を記録する単行本

谷ぐち : たまたま置いてあって、たまたま読んだものがすごく心に残ったりしますよね。盤もそうですよね。

JOJO : 僕らの世代がそうですからね。何気なく聴いた音楽だったり、たまたま読んだ漫画だったり本だったりに心が引っかかる。いまの子たちも、結局は一緒だと思うんですよね。

谷ぐち : 僕は自分の音楽をゴミだと思ってるんですけど、盤に残ってないとゴミにもならないですよね。今度、レジ袋にCD入れて、ゴミみたいなパッケージで売ろうと思ってます(笑)。

JOJO : 1985年にハナタラシの音源を出したら、イラクから買いたいって日本円の現金が届いたんですよね。イラン・イラク戦争してるときで、戦争してるのにハナタラシのレコード買いたいってすごいなって(笑)。インターネットとかない時代でそうだから、形にして残すっていうことは、いろいろな人に届くっていうことなんです。残していく作業っていうのはおもしろい。レーベルっていうのはそういう役割かな。いいことも悪い事もありますけど、やるべきことをやるっていう意識ですね。

谷ぐち : いま、Alchemy Recordsって会社ですよね?

JOJO : 有限会社ですね。

谷ぐち : どれくらいのスタッフでやってるんですか?

JOJO : いまは僕しかいないです。通販とかも僕が送ってるので、たまにすごいびっくりされますね。「本人ですか!? 」って。僕はアーティスト・ライクにかっこつけてる訳じゃないんでね、フランクな感じでお客さんが接してくれるのはうれしいですね。僕はもともと切手コレクターだったんですけど、子供のころ文通のサークルのようなものを作って、毎日3、40通手紙の返事を書いてたんですよ。だから、ちっちゃいコミュニケーションが好きなんですよね。いまはそれがメールだったり通販になってるだけであって。

谷ぐち : 俺は、自分のレーベルじゃなくてみんなのレーベルにしたかったんです。みんながディレクションをして、みんなが現場にいてっていう風にやりたいってずっと思ってきた。でもなかなかそうはならなくて。敷居を下げて、フラットよりも低いくらいの敷居でやりたいんですけど、最近やっとそれができてきたかな。お客さんもみんな巻き込んで。でも、リリースの作品に一本筋は通したい。でも、やっぱり世代も聴いている音楽も全然違うから、そこが難しくて。まぁ今は、ぶれてるって言われようがいいのかなって。Alchemy RecordsにはJOJOさんの筋がきちんと通ってますよね。

JOJO : 柔らかいものだったら初音階段とか、昔だったらthe 原爆オナニーズとか赤痢とか。基本的にはエクストリームなものが多いですけど、歌ものも好きなので、そこを出すことに抵抗はないですね。むしろ、逆にAlchemy Recordsっていう名前をつけるのはアーティストにとってマイナスにならないかなとかも考えますけどね(笑)。

谷ぐち : JOJOさんはやっぱりずっと現場にいるから、的確に捉えてますよね。

JOJO : そうですね。あとやっぱり、おもしろいバンドには長くやっていただきたいなって思いますからね。

(注1) : 1984年から1989年まで大阪市西成市で営業していたライヴ・ハウス。非常階段、OUTO、S.O.B、RAPES、コンチネンタルキッズ、アウシュビッツ、ボアダムズ、少年ナイフ、赤痢など、その後の関西ライヴ・シーンを牽引するバンドを数多く輩出した。
(注2) : サブカルチャー誌であった雑誌「宝島」が1985年に発足させたレーベル。怒髪天、有頂天、人生、ニューロティカなど、数々の特徴的なバンドが在籍していた。

出演者の音源をチェック!!

PROFILE

LessThanTV

谷ぐち順が主宰する天衣無縫の至宝レーベルLess than TV。日本中を地下通路で繋ぎ、爆音を響かせ、世界を揺らす。アンダーグラウンド・ナチュラル・リバーブ・マシン!

LessThanTV HP

LessThanTV Twitter

Alchemy Records

1984年、自分たちが信じている音楽を記録し残すためのレーベルとして、JOJO広重と故・林直人によって設立。主に関西のパンク、ノイズ、サイケデリック、歌ものなどの音楽をLP、EP、CD、DVDなど200タイトル以上リリースしている。ウルトラビデ、SS、ほぶらきんなどインディーズ黎明期の貴重な音源、非常階段、インキャパシタンツ、マゾンナなどのノイズ系、山本精一や想い出波止場、花電車、メスカリン・ドライヴなどのサイケデリック系、赤痢、原爆オナニーズ、レイプスなどのパンクやハードコアなど、リリース内容は多岐にわたっている。現在は過去音源をメジャーはテイチク・エンタテインメントやP-VAIN、インディーズはYouth INC.などからリリースしている。

Alchemy Records HP

JOJO広重

“KING OF NOISE”非常階段のリーダーとして1970年代後半よりノイズ、パンク、アヴァンギャルド等アンダーグラウンド・シーンの中心で活動する、インディーズ界の重鎮にして常にシーン最前線で活動するミュージシャン。そのノイジーなギターとパンキッシュなヴォーカルで30年以上のキャリアを持つ、関西を代表するアーティストである。近年はフリー・ジャズのトップ・プレイヤー・坂田明、人気急上昇中のアイドル・BiS、ボカロの初音ミクとのコラボを展開、国内音楽シーンの台風の目となっている。 1990年代より"歌とノイズの融合"のコンセプトの元、ソロ活動も活発となり、自身が運営するアルケミーレコードやメジャー・レーベルよりソロ・アルバムを多数リリース。「生きている価値なし」を代表作とする過激な歌詞は聴くものを戦慄させる。内省的、叙情的、しかし精神の奥底に切り込む歌、繊細なリヴァーブ音から闇を切り裂く轟音までを自在に操るギター奏法は唯一無比の存在である。

[インタヴュー] 非常階段

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