2012/06/12 00:00

UHNELLYSの最高傑作『UHNELLYS』、ここに完成!!

kimのバリトン・ギターによるリアル・タイム・サンプリングと、midiのグルーヴを基盤に、ロック、ヒップ・ホップ、ジャズの垣根を飛び越えたサウンドを構築する2人組、UHNELLYS。海外でのツアーや、数重なるライヴで実力を知らしめてきた彼らが、初のセルフ・タイトル・アルバムをリリース。その名の通り、これぞUHNELLYSという、これまでの最高傑作になっています。アルバム・リリースに先駆けて、2012年5月21日には渋谷RUBY ROOMで爆音試聴会を決行。月曜日の夜にもかかわらず、大勢のお客さんがそのサウンドに身を任せ、踊り狂いました。そして、なんとその場にSuiseiNoboAzのリーダー石原正晴を招待。爆音で鳴らされるサウンドを浴びてもらい、忌憚なきレビューを書いていただきました。自分に嘘のないロックをやり続けるもの同志が、サウンドを通じて正面から向いあう。その結果、想像した以上の熱いレビューが届けられました。石原正晴の文章とともに、UHNELLYSの『UHNELLYS』を浴びてください!! これぞ、本物のロックンロール!!


UHNELLYS / UHNELLYS
【収録曲】
1. EL DORADO / 2.WHYWHO / 3.GYPSY / 4.SWITCH / 5.EVERNEVER / 6.SUNRISE / 7.SHADOW / 8.SEASON X / 9.ROCKS / 10.HIGH&LOW / 11.MIST

【アルバム購入特典】
アルバムまとめ購入のお客様には、特典として「SHADOW NO! remix」「SHADOW YES! remix」(remixed by kim)の2曲がついてきます。

【Facebook 特典】
「SWITCH」のライヴ音源を、OTOTOY Facebook独占無料配信中! 詳しくは、こちら!

イノセントかつヘビーなロックのバンド (Text by 石原正晴 from SuiseiNoboAz)

ロックの音楽をやるっていうことはどういうことなんだろうな、と時々考えたりする。本当に時々だけど。というのも、いまや世の中にはいろんな種類のロックが溢れているみたいで、いちいち“ポスト”だとか“オルタナ”だとか、なんだかよくわからない接頭辞が山ほどくっついていてややこしいことこの上ない。しかも、そういう呼び名がそのままそれをやる / 聴く人の選民意識みたいなものにかたく結びついている感じがして、とてもキモチワルイ (なぜ温室育ちっぽい奴ほどアングラとかサブカルとかサイケとかを自称したがるんだ? )。

とはいえ、糞ほど素朴に「ロックンロールが世界を救う」みたいなことを恥ずかしげもなく連呼する、ネアカでダセえ演者やチラシみたいな媒体にも毎度赤面させられるわけで「じゃあアンタどうすんの?」って聞かれても別にどうもしないんだけど。自分みたいなややこしい自意識を持った人間はそういうことを考え始めると前にも後ろにも行けなくなって、碌なことになんないから考えないようにしている。ていうか、そんなこと本当に時々しか考えない。結局問題なのは、自分にとって、イノセントにカッコいいロックの音楽をやるってことが、そのくらいメンドくさいことになっている、ということ。なのかな?

ウーネリーズの新譜を聴かせてもらえる、っていう約束の日の前の晩、自分は新宿でライヴをやっていて、案の定酔っ払ってしまい、挙句、仲間と早朝金環日蝕を見ようぜって公園まで歩いて行ってはしゃぎまわって、ピザかなんか食ってそのままバンドの練習とか打ち合わせなんかしたもんだから、渋谷の色街を抜けてRUBY ROOMに着くころには、頭ん中痺れて、いろいろややこしい言葉とか思いがぐるぐるぐるぐるしてしまっていていた。おまけに近ごろろくに働いてないからカネだってないし、そのせいで自分はその時々、のややこしい感じになっちゃっていた。ああ、良くないやつだ、まずいな、と思った。

RUBY ROOMはその夜、わけわかんない魚の玩具が宙に浮かんでいて、あちこちで風船が割れる音がして、ヤバそうな兄ちゃんたちが煙草の煙とピンク色の照明の中でゆらゆらゆらゆらしていて、なんかことさらアヤしい感じだった。で、その人混みの向こうの小上りになったDJブースにキムさんがいた。久しぶりに見たキムさんは相変わらずチャーミングでクールな兄貴っていう感じで、たどたどしい言葉で丁寧に一曲ずつ解説しながらアルバムを聴かせてくれた。自分はスピーカーのすぐ横の段差に腰かけて(そこしか空いてなかった)、煙草を吸いながらウーネリーズの新しいアルバムを爆音で聴いた。聴いたっていうか顔面の左側に振動として感じた。で、その自分の左顔面を振動させていた音楽っていうのが、ロックっていうのかな。ロックっていうのは、接頭辞なんてつけるまでもなくドキドキするもんじゃないと意味ないわけだし、そもそもロックのいいところは別にロックじゃなくてもいいところなんだよな、だからロックはロックのままじゃいられないんだよな、とかいろいろ考えると、最高にロック! みたいなことを無邪気に叫ぶのはちょっと照れるけど、最高にロックだと思った。とにかく「カッケエ」っていう感じだった。もっと言うと、俺、いろいろ考えてて、ダサいな、アホくさ、と思った。そのくらい軽やか。結局、買って聴いてもらうしかないんだけど、ウーネリーズはめちゃくちゃカッコいい、イノセントかつヘビーなロックのバンドなのであって、その感じはちょっとうまく説明できない。聴けばわかる。そんなの当たり前なんだけど。

その帰り道、腹が減ったのでトマトラーメンみたいなのを食わせるラーメン屋に適当に入って、ぼんやりしてた。キムさんがルードギャラリーの音楽作ったって言ってたな、と思い出して、十代のころコーキング屋でバイトした金で買ったボウリングシャツ、実家から送ってもらおうかな、と思いついた。それ着て北海道まで仲間と行ったな、なんて少しおセンチになった自分の前に出されたトマトラーメンみたいなの食ってみたら、破滅的に不味かった。ロックンロール。

いま、苫小牧から名古屋に向かうフェリーのなかでこの文章を書き終えて、あまりに暇だったとはいえ、正直に書きすぎたな、と、とても後悔しています。字数も大幅にオーバーしてるし。でも〆切をやぶって怒られるのは困るので、このまま送っちゃいます。

SuiseiNoboAz 石原正晴

LIVE SCHEDULE

『UHNELLYS』Release Party!!!
2012年6月17日(日)@渋谷Lush & Home
w : ヨルズインザスカイ / THE GIRL / LEO 今井 / pedals / 画家
[DJ] 高橋ケ無 / and more

KIWA KIWA Festival 2012
2012年6月24日(日)@渋谷club asia
w : AFRICAEMO / PLASTICZOOMS / thatta / The Mammals / and more

勝手にしやがれ presents 9 o'Clock Jump!
2012年6月29日(金)@青山REDSHOES
w : 武藤昭平 with ウエノコウジ / THE ROMANTIC SIX / [GUEST DJ] カトウタロウ (ex-BEAT CRUSADERS)
[DJ] 勝手にしやがれ / BABA (ROLL) / and more

UHNELLYS new album『UHNELLYS』RELEASE TOUR

2012年7月22日(日)@京都 VOXhall
2012年7月28日(土)@山形 Sandinista
2012年7月29日(日)@仙台 enn 3rd
2012年8月16日(木)@熊本 NAVARO
2012年8月17日(金)@福岡 voodoo lounge
2012年8月18日(土)@佐賀 RAG-G
2012年9月2日(日)@大阪 CONPASS
2012年9月14日(金)@札幌 mole
2012年9月29日(土)@代官山 LOOP(Tour Final)

PROFILE

Kimのバリトン・ギターによるリアル・タイム・サンプリングと、それにジャストのタイミングで合わせたmidiのグルーヴを基盤に、ロック、ヒップ・ホップ、ジャズの垣根を飛び越えた独自のサウンドを構築するUHNELLYS。2007年、ヨーロッパ・ツアーでのライヴを収めた『Live in Europe』をリリース。2008年アルバム『MAWARU』発表。ソウル・コフィンのボーカル、Mike doughtyとのJapan Tour敢行やアメリカ音楽番組への出演を経て、2009年プロデューサーにzero db(NINJA TUNE)の名で知られるTHE OKI BASSを迎え、ブレイクビーツに特化したミニ・アルバム『PIKA mood』をリリース。 更にベーシストTOKIEによる全曲アップライト・ベースでのコラボ参加が実現したミニ・アルバム『BE BO DA』リリース。2010年にはお台場で開催された野外フェス、neutralnation 2010やオーストラリアの大型フェス、One Movement Festivalへも出演、3都市を回るカナダ・ツアーなど活動を確実にステップ・アップさせる。そして2011年3月、ライヴと音源の距離を限界まで近づけ、尖った空気感をそのまま収録した3rdアルバム 『to too two』を発表。FUJI ROCK FESTIVAL、ARABAKI ROCK FEST、FESTA de RAMA、など全国の大型フェスへの出演を果たすなど、これまで以上に精力的にライヴを敢行。そして… 2012年、更なる進化を遂げた“UHNELLYS”が覚醒する!!

>>UHNELLYS official WEB

SuiseiNoboAz LIVE INFORMATION

2012年6月26日(火)@新代田 FEVER
2012年7月6日(金)@仙台MACANA
2012年7月16日(月)@名古屋 APOLLO THEATER
2012年7月17日(火)@京都 磔磔
2012年7月18日(水)@大阪 ShangriLa
  2012年7月22日(日)@渋谷LUSH
2012年9月8日(土)@BAYCAMP 川崎東扇島東公園
2012年9月15,16日(土、日)@ETERNAL ROCK CITY  新宿ライブハウス数ヶ所

SuiseiNoboAz PROFILE

SuiseiNoboAz

石原正晴(Vo/Gt)
溝渕匠良(Ba)
櫻井範夫(Dr)

高田馬場を拠点に活動する3ピース・ロック・バンド。学生だった石原正晴が、2003年ごろに前身バンドを結成。数回のメンバー・チェンジを経て、石原の高校時代からの友人である溝渕匠良が加入。その後、溝渕の呼びかけにより当時さまざまなバンドで演奏していた櫻井範夫とともに新バンドを結成。バンド名をSuiseiNoboAz/スイセイノボアズとして2007年11月活動開始。以来都内を中心にさまざまなイベントに出演し、その凶暴なグルーヴ感と相反するような歌の存在感で話題となる。現在までに2枚のフル・アルバムをリリースしている。

SuiseiNoboAz Official HP

(左) SuiseiNoboAz / SuiseiNoboAz

SuiseiNoboAzの1stアルバム。エンジニア&プロデューサーとして向井秀徳が参加。

(右) SuiseiNoboAz / THE (OVERUSED) END OF THE WORLD and I MISS YOU MUH-FUH

セルフ・プロデュースによる2ndアルバム。自分たちの芯を曲げないロックンロールがここにある。

[レヴュー] UHNELLYS, uhnellys

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