HAIIRO DE ROSSIが中心となるレーベルforteが始動!

前作『SAME SAME BUT DIFFERENT』から約1年… 。Slye Recordsから独立し、自身のレーベル「forte」を仲間とともに立ち上げたHAIIRO DE ROSSI。尖閣諸島で起きた事件に対してのメッセージを込めた楽曲「WE'RE THE SAME ASIAN」や東日本大震災の被災地に向けた「PRAY FOR JAPAN」の発表など、社会問題を鋭く切り取った動きを続けてきた。

今回、レーベル名を冠にした3rd Album『forte』を発表。短いスパンで発表された本作には、仲間との出会いや別れ、生死、薬物、暴力、そして希望… など、自分の目で感じたことをリリックに込めている。そのラップは、ときに攻撃的な表情さえ見せる。25歳の若者が現代社会に見たイメージ(映像)とは? そして、仲間とともに強く生きていくことを決意した思いとは?

"墓に持って行くリリックがある 墓に持って行くステージがある"
"墓に持って行く思い出がある だが墓にまだ逝けない理由がある"

HAIIRO DE ROSSIの素顔、そしてアルバムに込めた思いに迫ってみた。

インタビュー&文 : 音次郎

forteレーベルから待望の3rd AlbumがWAVで配信開始

HAIIRO DE ROSSI / forte
SHING02やMos Defにもなぞらえられる、新世代のメッセンジャーHAIIRO DE ROSSI。心の楽譜に"forte"で響かせるBLUEなメッセージ。出会い喜びと別れの痛みを知るからこその、かけがえのない仲間と音楽。HAIIRO DE ROSSI自らが立ち上げたレーベルの名前を冠したアルバム『forte』は、ボリュームのある18曲入り。


【参加アーティスト】
宙チート、TAKUMA THE GREAT、Grace、BAN&万寿

自分の"強さ"を確固たるものにするため

——今回、SLYE RECORDSから独立し、自身のレーベル「forte」を立ち上げた経緯について教えてください。 

HAIIRO DE ROSSI(以下、H) : これまでのように、自分の作品を出すのは外のレーベルに籍を置いていてもできました。しかし、CREWの仲間たちの作品を出すには、独立した方が早いと思ったんですよね。だから今回、「forte」を立ち上げて、その1発目としてHAIIRO DE ROSSIのアルバムをリリースしました。 

——レーベル名「forte」をそのままアルバム・タイトルに込めた理由は?

H : やはり、レーベル第1弾の作品になるので。“フォルテ”というのは、楽譜記号で「強く」って意味なんですが、人によって考える“強さ”っていろいろあるじゃないですか? 自分の中でその“強さ”を確固たるものにするため、コンセプトとして打ち出すことにしました。

——前作『SAME SAME BUT DIFFERENT』から約1年という短いスパンでのリリース。日本語ラップ・シーンのなかでも、とても早いほうだと思います。この間、どのような意識をもって活動していましたか?

H : レーベルを立ち上げるにあたって、自分たちで動けることができるようになりました。当然、責任が増えたし、自由を得ることもできた。その環境のおかげで、自分の感じたことややるべきことを形にできた1年だったと思います。前作から1年のスパンは意識していません。ただ、これぐらいの頻度が丁度いいのではないでしょうか?

——なるほど。定期的にアルバムを発表することへのこだわりがあるわけではないんですね。

H : 全然ないですね。ただし、リスナーとしばらく会わないと寂しくなりますから、定期的にアルバムを通してでも交流できる機会を作ろうと思っています。

——これまでの作品と比べて、音楽性・メッセージ性のどちらも少し攻撃的な印象を受けました。

H : 音楽はもちろん、芸術というのは「結構エグイもんじゃないか」って意識があります。今の時代背景を切り取って表現しようとすると、自然と少し攻撃的になるのかもしれませんね。 それは、社会的なことや人々が抱える悩みなど、世の中が様々な問題を抱えているからでしょう。

僕らにしか出来ない表現のアート

——全18曲のなかで、思い入れの強い曲をあえて挙げるとすれば?

H : うーん、どうでしょうね。全曲それぞれに思い入れはあるけれど、PV曲に関してはどれもエッジが効いていて好きです。強いていえば、女性のことを歌った15曲目「HONEY」がエロくて好きかな。あと、「Learn Dirty Japanese」と「BLUE BIRD CLASSIC」は、身内のみんなが「やばい! 」っていってくれていました。それは、かなり嬉しかったです。

——本作のプロデュース陣には、HIMUKI、YAKKLE、Pigeondust、EeMu、%C、SR23、Legro、JUELSといった名前が。彼らのことを知らない人に向けて、各トラック・メイカーの特徴&印象を教えていただけますか?

HIMUKI
HIMUKIさんは、ド不良なビート・メイカーだけど、とても優しくて好きですね。実は、彼のアルバムにも1曲参加したのでお楽しみに。

YAKKLE
とにかく縁が深いですね。誠実で、非常に信頼できるトラック・メイカーです。

Pigeondust
うちのレーベル「forte」所属です。彼はホンモノの天才だと思います。次世代で、世界で通用する可能性があるのは、PigeondustかEeMuじゃないかな。そんな予感がしています。

Legro
Legroさんは、前作でも協力してもらいました。俺のまわりでは、あまりいないタイプなので貴重な存在ですね。ヘタしたら、1番音楽のことを知っている人かもしれません。

EeMu
彼とは、本気で相性が良いと思います。人間的にもフィールする部分が多くて、大好きなトラック・メイカーの1人。Pigeondustとともに、エース級の存在だと思います。

%C
%Cは、ライヴ時のバックDJということもあって、俺のことをよく理解してくれています。「BLUE BIRD CLASSIC」は、彼が作るべくして作ったビートだといっていいでしょう。

SR23
SR23は、中学から一緒の仲間。今回の録音とミックス作業を9割ぐらいやってもらっていて、一緒に作った6曲目「forte」は宝物になりました。

JUELS
TAKUMA THE GREATが紹介してくれたLAのトラック・メイカーです。ダブ・ステップなんかもいけるし、ビートが日本の性質とは全然ちがうのでビックリ。彼との曲「S.K.I.L.L.Z feat.TAKUMA THE GREAT、BAN&万寿」は、アルバムでも1番ソウル・フルな曲に仕上がったと思います。

——東日本大地震が起きたときに、いち早く「PRAY FOR JAPAN」の楽曲を発表しましたよね。今回の震災は、HAIIRO DE ROSSIさんにとってどういうものでしたか?

H : どうもこうもないですよね… 。心底悲しいです。でも、現地の人たちは今も辛い感情を抱えているはず。「PRAY FOR JAPAN」は、気休めになってくれればいい。ホントは、もっとキツいはずだから。

——私自身もヤラれたのですが、仲間であるTAKUMA THE GREATはどのようなポテンシャルを持ったラッパーでしょうか?

H : 基本に忠実で、もっともヒップ・ホップを体現しているMCの1人だと思います。もっと聴かれるべきですね。 

——今後、レーベル「forte」が担う役割は? ほかにも注目しているアーティストを迎え入れる考えはあるのでしょうか? 

H : ハスリングやスワッグでもない、僕らにしか表現できないアートの提示をしていきたいですね。もちろん、素晴らしいアーティストとの出会いは毎日探しています。 

photo by yukitaka amamiya

——TwitterやFacebookなど、ラッパーによる情報発信は論争が起きやすく、メリットとデメリットがあると思います。HAIIROさんは、Twitterをどのような場所だと捉えて、日々発信していますか? 

H : Twitterは、非常に便利なツールです。とはいえ、告知に使うだけでなく、なるべくヘッズとの距離を縮めていきたい。それは、海外も含めて可能にできる場所だと思っています。 

——今後、HAIIRO DE ROSSIがアーティストとして目指すゴールは?

H : あまりラップをしなくてもいいアーティストになりたいですね。アーティストであることを前提に、今後もラップと関わっていきたいです。 

——最後に、このアルバムをこれから聴く人に向けてメッセージをいただけますか?

H : みんなが生きていてキツい場面に陥ったときの支えになったり、1人でボーッとしているときに染みたり、夜に1人で聴いたり、各々のスタイルで『forte』を楽しんでください。そして、次の作品を出すタイミングでは、「久しぶり! 」っていいながら会いましょう。これからも、よろしくお願いします!

HAIIRO DE ROSSIの過去作もチェック

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PROFILE

HAIIRO DE ROSSI
2008年、流麗なJAZZYヒップ・ホップ・アルバム『TRUE BLUES』でデビュー。繊細かつ大胆な言葉を"風の中を歩く"ようにフロウし、絶賛される。そして2010年に発表した2nd Album『SAME SAME BUT DIFFERENT』は東京の重要SHOP wenodの上半期Best Disc及び国内ベスト・セラーやHMV上半期ヒップ・ホップ・ランキング7位に選出されるなど、その存在感を高める。この二枚を発表後、Slye Recordsから独立し、forte-フォルテ-を立ち上げ、盟友TAKUMA THE GREATを世に送り出す。2010年末にはそのTAKUMA THE GREATと共に、一連の尖閣諸島での事件にまつわる出来事に対してのメッセージ「WE'RE THE SAME ASIAN」を発表。楽曲はセンセーショナルな話題となり、短期間でのビーフの応酬を呼び、bmr.jp、Tower Records、Bouce.comにも紹介される。さらにele-kingでのインタビューでは『ヒップ・ホップ・アゲインスト・レイシズム』と称されるなど、大きな反響を巻き起こし、遂には朝日新聞の取材をも受ける事に。そういった動きと平行して、各地のホンモノ達との共演や客演作品のリリース、旺盛なYouTubeでの楽曲、動画の発表を行うなど、アクティブに加速し、アクションし続けるこの男が、いよいよ自身のレーベル名を冠した3rd Albumを発表する。