VOL.4
福岡から、ヨコチンレーベルのボギーです。
5月に大好きな忌野清志郎が死んでしまったこと、とても悲しかったけど、それも全てこれから先のロックにとって、大きなメッセージだったとして受け止めなければいけないでしょう。
先日は世界のスーパー・スター、マイケル・ジャクソンまでも....。
日本のKING OF ROCKが死んで、世界のKING OF POPも死んだ。KING OF JAZZもKING OF FUNKもとっくに死んでるし。
幸福な黄金時代は確実に終わりを迎え、音楽の未来は確実に後世へと引き継がれ始めてるけど....これから先、一体何があるんだ???
そんなことを日々考えています。
でも、きっと何かがあるんでしょう。
前回のローカル・レポートで「総決起集会」前のレポートを報告しましたが、今回は「総決起集会」後の(こぼれおちた)現場報告です。
ボギーは毎週火曜日にVooDooLoungeというライブ・ハウスで「ラウンジサウンズ」というイベントを開催してます。
6月9日、「ラウンジサウンズ〜ロックの日〜」と題して開催したこのイベント。
多分この日は全国各地でそんなタイトルのついたイベントが開催されてたでしょう。 6月9日だからロックの日だなんて語呂合わせは、昔っから正直くだらねーと思ってましたし、6/9だから今日はロックなことやりましょう! なんてのは一番ロックから遠いと思ってます。
だからわざと「ロックの日」に挑戦してみました。
そんなロックに挑戦的な日。この日のラインナップは、ロックのカテゴリーに収まり切らない過激なバンドばかり。おそらく全国的にはまだ知名度が無く、福岡に於いても知らない人が大半でしょう。でも、凄いんです。みんな。
- 1)ぼんくら峠
- 2)聡文三と彼のエレクトリックフレンド
- 3)ワルソウパクト
- 4)gigandect
- 5)ポカムス
- 6)安増裕章
- 7)とかげのしっぽ
- 司会とDJ)ボギー
開演までスクリーンで流してたのは20年前のエンケンのライブ映像で、「純音楽」というビデオ発売されたやつなんですけど、これに入ってる「輪島の瞳」がもうめっちゃめちゃカッコイイ!
エンケン曰く「純音楽」。
今夜の真のコンセプトはロックというより「純音楽」でした!
オープニングにボギー1曲だけニール・ヤング「ヘイヘイマイマイ」の日本語カバー。 途中にエンケン「不滅の男」の歌詞を混ぜて、ギタレレにオーバー・ドライブ繋いでフィード・バック!!! 暴れた勢いで落としたメガネを自分で踏む(苦笑)。
この日は全出演者、熱量が凄まじかった!
一番目に出たぼんくら峠はいわずもがな、おそらく日本で今最も熱いパンク・バンドだと思うけど。それはこのYouTube映像みてもらえれば少しは伝わるかな。
この日はポカムス〜安増裕章〜とかげのしっぽと続く後半戦が特にとんでもないことになってたように思います。
身体が追いつかなくなるくらい気持ちが前に行ってて、もの凄いテンションの演奏を見せたポカムス! ポカムスには初期RCや頭脳警察みたいな雰囲気を感じてて、見れば見るほどにホント好きになってしまうバンド。顔から頭蓋骨が飛び出しそうなくらいの顔で歌う藤田さん、そしてハモンド・オルガンの人の楽しそうな顔が印象的。
つづく安増裕章のボンゴ叩き語りが、壮絶!!!!!! 今までと明らかに違う激しさと濃密さ、何か次の次元に突入しとるな。「腕がちぎれたっていいんだ! 」とホントに腕がちぎれそうな勢いでボンゴをしばき倒す安増の狂喜の顔、全身全霊でビートを叩き出してました。もうこれはとっくに笑ってみるレベルを越えてます。俺は途中から感動して震えてました。
トリのとかげのしっぽ。「ロックって何ですか? ロックって楽器ですか? 楽器かよ!? 」と、もの凄い攻撃的にアジってくるVoマーシーさん。安増がボンゴのみでロックを見事に体現したあとだっただけに、ちょっぴりとんちんかんな印象もあったけど、マーシーさんの勢いはこの日凄まじくって、怖いくらいの緊張感だったので(可愛いとかげの着ぐるみ着てるけど怖い)誰も何も言い返せない。
「ロックしてみろ」と突然マイクを渡され、お客さんが何か叫ぶ! 演奏が始まる、止まらない、この夜のとかげ、なんか降りてきてたな絶対。
あ、ロック...。
て思った。
ロックの日、終了。 結局「ロックって何だ?」って考える夜だったと思います。
壊すこともロックだけど、そこに囚われすぎると愛がないし、俺はやっぱり、ロックってのは「姿勢」なのかなという結論。
とどのつまりは「純音楽」。
「ラウンジサウンズ」のあとは、ボギーがDJで参加してるイベント「火曜局」へ移動しDJ。 これは日本の歌謡曲ばかりを聴いて一晩中飲んで騒ぐイベント。
この夜はDJの合間に、赤塚不二夫監修の幻のTV番組(裏流出)が流れてて、衝撃的でした。 赤塚先生は全裸で股間に修正が! 紙吹雪が舞い散るサイケなセットの中で、美輪明宏、キャロル、こびと、おばさんたちやダンサーなどなどあり得ないメンツが画面の中で歌い踊り狂ってる!!! めっちゃシュール!!!! ヤバイこれーーー!!!!
今の世界に必要なセンスって、これじゃねーか? と思いました。
ラウンジサウンズでロックを浴びたあとに、今度は歌謡曲を浴びるように聞く、しかし、深夜25時くらいからDJそれぞれがキヨシローをかけはじめ、いつしかキヨシロー・ナイトに変わった。
ロックの日かあ。
そう言えば、キヨシローはそういうシャレも大好きなんだよなあ。
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PROFILE
ボギー。ダンス仕様のライブ・バンドとして高評価を得ているnontroppoのボーカル&ギター。ニュー・ウェイヴ、レゲエ、ダブ、ジャズ、プログレ、サンバ、トランス・ミュージック等あらゆる音楽的要素を内包したカラフルで不思議なサウンドに、無国籍なダンス・ビートが絡み、聴く者全てを狂喜の「祭」、もしくはありもしない架空のリゾート地へといざなうちょっぴり危険なトロピカル・アヴァン・ダンス・ミュージックを奏でる。
artist page https://ototoy.jp/them/index.php/ARTIST/1829
blog ”ボギーの悪趣味音楽作法” http://www3.to/yokotin/