2013/03/26 00:00

AUN J クラシック・オーケストラ、高音質限定4パッケージで配信開始!!

太鼓、三味線、尺八、箏などの和楽器を操り、世界を舞台に活躍する8人組、AUN J クラシック・オーケストラが発表した5枚目のアルバム『八人の響き』。OTOTOYが今年解禁したDSD 5.6MHzの高音質で、和楽器によって生まれる僅かな空気の振動さえ逃さない、臨場感たっぷりの”和”の世界をお楽しみください。高音質音源の素晴らしさをより身近に感じていただくために、DSD 5.6MHzでの配信と同時に、24bit/48kHzと24bit/96kHzのHQD音源、2.8MHzのDSD音源でもお求めやすい価格で配信致します。和楽器の奥深さをもっとわかりやすく、かっこよく、シンプルに聴かせたい。そんな8人の魂のこもった作品を、高音質でご堪能ください。

DSD 5.6MHz、2.8MHzで配信!!
AUN J クラシック・オーケストラ / 八人の響き (DSD+mp3 ver.)

【配信価格】
5.6MHz DSD+mp3 ver. まとめ購入のみ 2,500円
2.8MHz DSD+mp3 ver. まとめ購入のみ 2,300円

01. 乱~RAN / 02. 桜小道 / 03. Oriental Journey / 04. Ocean / 05. 白い追憶 / 06. TRICK STAR / 07. SAVANNAH / 08. 連雨 / 09. Go West 53

>>DSDの聴き方はこちら

※ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありましたら、info(at)ototoy.jpまでお問い合わせください。
※DSD ver.には楽曲のDSFファイルとDPPファイル、全曲のmp3トラックが同梱されております。
※5.6MHz DSDの音源は、ご使用の再生環境によっては再生できない可能性もありますので、ご購入の前にご確認ください。
※DSD DISCでご使用の場合は、DSD(2.8MHz)にダウン・コンバートしてご使用ください。

HQD 24bit/96kHz、24bit/48kHzでも配信中!!
AUN J クラシック・オーケストラ / 八人の響き (HQD ver.)

【配信価格】
24bit/48kHz HQD ver. 単曲 250円 まとめ購入 2,000円
24bit/96kHz HQD ver. 単曲 300円 まとめ購入 2,200円

※HQD ver.まとめ購入時には全曲のmp3トラックが同梱されております。
【ダウンロードに関して】
・windowsをご利用のお客さまは、標準の解凍設定、もしくは解凍ソフトによっては正常にファイルを解凍できない可能性がございます。その場合、お手数ですが別の解凍ツールを使用し、再度解凍をお試しくださるようお願い致します。7-Zip(フリー・ソフト)での解凍を推奨しています。
※7-zip http://sevenzip.sourceforge.jp/

INTERVIEW : 井上公平、井上良平(AUN J クラシック・オーケストラ)

数多くのアーティストを紹介してきたOTOTOYのなかでも、ここまで異彩を放つ存在はそういないだろう。AUN Jクラシック・オーケストラ。まずはこの8人組が手にしている楽器に注目してほしい。和太鼓、三味線、箏、尺八、鳴り物…。つまり、和楽器である。彼らが奏でる音楽の下地にあるのは、日本古来の伝統音楽。いわば「邦楽」なのだが、AUN Jの場合はそのアプローチが一味もふた味も違うのだ。現時点でなかなか若い世代に届いているとは言い難い日本の伝統音楽において、彼らは和楽器による演奏を現代にアップデートさせ、ポップスやジャズ、クラシックと並んで認知させることを狙っているのだという。実際にこのグループを構成する一人ひとりは、みな若くして和楽器演奏家の最前線に立つアーティストであり、その楽器の音色を活かしつつも親しみやすい彼ら8人のアンサンブルには、海外からも賞賛の声が多く寄せられている。

でも、日本古来の音楽って一体どんなものなんだろう。失礼を承知で言ってしまうと、基本的にオール・ジャンルを扱っているOTOTOYのユーザーでも、日本の伝統音楽を普段からよく聴いている、という方はあまりいないんじゃないかと思う。それは筆者としても同じことで、興味はあれど深く踏み込んでみたことは、これまでなかったような気がする。そこで今回は8人全員が1曲ずつ作曲しているというAUN Jクラシック・オーケストラ5作目のアルバム『八人の響き』をひとつの機会に、改めて日本に伝わる和楽器の魅力に触れてみたいと思う。このグループの創設者であり、双子ユニットのAUNとしても活躍する井上公平と良平のふたりに、彼らのキャリアはもちろん、和楽器の現状と未来について、たっぷりと語っていただいた。

インタビュー & 文 : 渡辺裕也

左から 井上良平、井上公平

“Jクラシック”というジャンルをつくりたい

ーー普段から和楽器を演奏されているみなさんから見ると、日本の伝統音楽はどれくらい親しまれているように感じていますか。

井上公平(以下、公平) : 三味線にしても、太鼓にしても、なかなか音を生で聴く機会がないのは現状ですね。で、僕らはまずそのきっかけになれたらと思っています。僕たちが和楽器を使って演奏している邦楽は、たぶんリスナーの選択肢のなかに入ってないんです。それこそJポップとかジャズとか、いろんなジャンルが並ぶなかに、僕らのような音楽も選択肢のひとつとして加わりたい。その上で他の音楽を選ぶ人がいるのは、まったくOKなんです。そこに入り込めないと、どうしても“お年寄りがやっている音楽”っていう印象を持たれがちで。実際に僕も始めるまではそう思っていましたからね。
井上良平(以下、良平) : 僕らがこのグループ名を付けたのは、“Jクラシック”というジャンルをつくりたいからなんです。それこそ以前は僕らのCDがJポップの棚に並べられていた時期もあって(笑)。レコード店によって僕らの音楽は扱い方が変わってしまうし、ちょうどよいジャンルがないんです。そこで僕らから“Jクラシック”というジャンルを提示できたら、と。純邦楽でもニュー・エイジでもワールド・ミュージックでもなくてね。

ーー音楽のジャンルっていまや無数にあるんですが、確かに日本の伝統音楽はその選択肢から外れているような印象はあります。実際におふたりが活動を始めた頃と比べて、状況の変化は感じていますか。

公平 : 変わってきましたね。和楽器がかっこいいというイメージも少しずつ広がってきているし、実際に楽器を手に取る若い世代の人たちが増えてきている。それこそ僕らが始めた頃の時代とは変化してきています。

ーーおふたりはどんなきっかけがあって、和楽器を手にされたんですか。

公平 : もともと僕はロックが大好きで、エレキ・ギターをやっていたんです。高校時代がいわゆるバンド・ブームだったんですよ。それこそBOOWYとか。
良平 : アースシェイカーとか、ラウドネスとかね(笑)。
公平 : そのブームに思いきり乗っかって、中2くらいからギターをやってたんです。もう、ロックこそが俺の音楽だって感じで(笑)。一方で僕の家はクラシック一家で。母はピアノの先生で、父もオルガンをやっていて、家にはクラシックしか流れてなかったんです。日本の音楽なんて何も知らなかった。でも、そこが逆によかったんですよね。初めて日本の音楽に触れたときの衝撃たるや!

ーー耳に新しすぎたんだ(笑)。

公平 : そうそう。あまりに前衛的で(笑)。ヘヴィメタより強烈だった。同時に、それまで日本の音楽を知らなかったことが少し恥ずかしく感じて。こんなにいいものがあるのに、俺はなんでロックなんてやってたんだろうって。それくらいの衝撃を受けて、18歳のときに「鬼太鼓座(おんでこざ)」というグループに参加させていただいて。それからはどっぷりです。
良平 : ロックは聴かなくなったね(笑)。それこそ雅楽とか、日本の音楽のテープをごっそり買い込んで、ひたすら聴いてました。
公平 : そもそものきっかけを話すと、芸大でパーカッションをやりながらクラシックの勉強をしていた僕らの長男が、尺八の先生から太鼓に誘われて、「鬼太鼓座」に参加したんですよ。そこで音楽監督をやっていて。その兄貴から、僕らが高校を卒業する前に「お前ら、海外に行きたければ、カルガリー・オリンピックに荷物持ちで連れて行ってやるぞ」と言われて (笑)。で、これは今だから言えることなんですけど、その時にカルガリーにいくはずだったメンバーのうち5人が辞めちゃったんですよ。それでいきなり法被と撥(ばち)を渡されて、「今から練習や!」と。

ーーすごい展開(笑)。つまり、お二人のステージ・デビューはカルガリー・オリンピックだったってこと?

公平 : そう(笑)。本当に現地の劇場でコンサートをやって。そのときは、まさかこれがウケるとはこれっぽっちも思わなかったんですけど、いざ演奏が終わったら、お客さんがオール・スタンディングなんですよ。あの拍手がもう忘れられなくて。

ーー海外での反響は想像以上のものだったんだ。

公平 : なんでここまで喜んでもらえるんだろうって。そんな体験をしてしまったばかりに、なかなか止められなくなってしまった(笑)。18歳になったばかりで、日本の音楽の素晴らしさと恐ろしさを知ったんです。

井上公平

ーーいきなりの衝撃的なデビューですが、その後はどうなったんですか。さすがにオリンピックほどの大舞台ってなかなかないと思うんですが。

公平 : でも、日本でのデビューは大阪城ホールでした(笑)。だから、僕らは「鬼太鼓座」の舞台を一度も観たことがないんです。「鬼太鼓座」は第一期生の方々が日本でも一世を風靡されていて、僕らもその恩恵を受けてやらせてもらったところもあって。で、僕らが入った頃は、ほとんどの舞台が海外でしたね。「鬼太鼓座」にいた12年のうち、10年くらいは海外にいました。日本にはツアーで来るようなイメージ。家もなかったし。
良平 : あと、「鬼太鼓座」自体は一度グループとして分裂しているんです。分かれたもうひとつが「鼓童」で。そうしたなかで「鬼太鼓座」も大変な時期はあったんですけど、僕らが入ったあたりから、またいろいろ状況が変わっていった感じでしたね。で、あるときにアメリカを一周まわろうという企画が立ち上がって。3年かけてニューヨークからニューヨークまで、1万5千キロを走りながら演奏しようと。

ーー走りながら!?

良平 : マラソンですね(笑)。1日40~60キロを3か月間ずっと走って、そこから3か月間はアメリカでツアーして、それが終わったらまた3か月走るっていう。それを3年間かけてやりました。
公平 : そういうことを「電波少年」に先駆けてやってたんです(笑)。インターネットもなかったし。
良平 : それを終えて日本に帰ってきてからは、僕らとしてもいい時期を迎えられたというか。それで、30歳になった2000年に僕らは独立したんです。離れるのが惜しいという気持ちはあったけど、ここがいい機会だなって。まさにゼロからのスタートでした。

お祭の太鼓って、風景のようなものだと思うんです

ーーそこでAUNとしての活動を始めるにあたって、まずはどんな指針があったんでしょう。

公平 : 僕らは双子なので、息の合ったところを見せたいという気持ちからAUN(阿吽)と名付けたんです。あと、「鬼太鼓座」でやってきた音楽はすごくストイックなものだったので、僕らはそういうところから一度離れて、音楽としていろんな表現をしてみたかった。もっと言えば、オリジナル曲をつくりたかったんです。「鬼太鼓座」では、ひたすら「鬼太鼓座」の曲を演奏することになるので。独立したときは、まずそういう思いが強かったかな。
良平 : 12年間、同じ曲を演奏し続けてきたからね。

ーーオリジナル曲って、和楽器の世界ではよくあるものなんですか。和楽器で演奏される曲というと、たとえばお祭なんかで聴けるような、昔から伝わるお囃子とかが思いつくんですけど。

良平 : 一般的な邦楽演奏家だと、まず流派があって、師匠に付いて古典と呼ばれる伝承音楽を練習するのが入口ですね。ただ、僕らの場合はそういうのがなくて。「鬼太鼓座」に所属していましたけど、あそこでやるのは古典とはまた違うものだったので。そういう意味で、僕らは邦楽の世界では特殊なタイプだとは思います。
公平 : いま、すごくいいことをおっしゃってくれて。お祭の太鼓って、風景のようなものだと思うんです。風景のなかにお祭の提灯があって、そこで太鼓の音が流れている。つまり、ただ音楽として聴いているわけではない。だから、まずはこれを音楽として認めてもらわなきゃいけなかった。和楽器の音がそういうふうに捉えられ始めたのは、ここ30~40年の話だと思います。

ーーなるほど。そう聞くと“Jクラシック”っていう解釈が如何に新しいものなのか、よくわかる気がします。

良平 : だから、いま邦楽家たちがつくっている音楽はどれも新しいものばかりなんですよ。
公平 : わかりやすいものから前衛的なものまで、ホント様々。で、僕らとしては“シンプルでわかりやすくかっこいい”っていうのがテーマになってる。和楽器を知らない人には、まずきっかけが大事だと思うんです。最初から和楽器の深いところを聴かせても、その凄みはなかなかわからないでしょうし。まずはそのとっかかりになりたい。和楽器には本当に様々な可能性があるので。
良平 : ジブリのカヴァーなんかがまさにそうですね(ファースト・アルバム『和楽器でジブリ!!』のこと)。変な話、邦楽界ではカヴァー自体がタブーだったところもあって。でも、僕らは大真面目に、楽器としての魅力が伝わればと思ってやっているんです。

ーーカヴァー自体があまり例のないものだったんだ。

公平 : でも、僕らだって民衆なわけだし、民衆がほしい音を出さなきゃダメだと思うから、そこは抵抗もなにもなくて。メンバーにカヴァーをやると伝えたときは、一瞬引かれたけどね。

ーーAUN Jオーケストラみたいな演奏形態って、邦楽の世界ではよくあるものなんですか。それともみなさん独自のもの?

良平 : ないと言っていいんじゃないかな。
公平 : まず、津軽三味線と中棹三味線が一緒に演奏することは、普通ではあり得ないですね。お琴と尺八が一緒にやることはあるけど、そこに笛が入ってくることはまずない。太鼓なんてもってのほかで。音量の差があるから、琴と太鼓っていう組み合わせも、まずありえないでしょう。太鼓と笛は、お祭とかによくありますよね。

ーー邦楽のなかにもジャンルみたいな細分化があるってこと?

公平 : もう、たっくさんありますよ。僕らも自分達でグループをつくってみて初めて気づいたんですよね。こういう形はまずなかったなって。こういう編成で音を出したのは、僕らが初めてだと思います。
良平 : このJオーケストラをつくろうと思ったのもきっかけがあって。僕、娘が産まれて半年くらいのときに、いろんなCDを聴かせてたんです。で、そのCDのなかに太鼓をモチーフにした曲がいくつかあったんですけど、それらはみんな、使われている打楽器が和太鼓じゃなくてスネアとかだったんですよね。で、そこでふと思ったんです。“おもちゃのチャチャチャ”みたいな曲を、邦楽器で子供に聴かせられないもんかなって。それこそ、当時の僕らがつくっていた曲って、ニューヨークに住んでいたあとだったのもあって、ね?
公平 : 子供には聴かせられない内容だったな(笑)。
良平 : アンダーグラウンドすぎた(笑)。今ならまだしも、当時としてはちょっと前衛的すぎたというか。それで、自分の子供に聴かせられるようなものをつくりたくて、プロデューサーに電話で持ちかけてみたんです。そしたらその1週間後に「ジブリはどう?」と言われて。それでデモをつくろうと思って声をかけていったのが今のメンバーなんです。

井上良平

ーーこのグループ発足のきっかけは、子供向けのCDをつくろうというところにあったんですね。

良平 : というか、娘に自分の音楽を聴かせたいという、まずはその思いだけでしたね(笑)。そうじゃなかったら作れなかったと思う。

ーー『和楽器でジブリ!!』のあと、みなさんはまた『桜 -SAKURA-』というJポップのカヴァーを出していますが、オリジナルではなくカヴァーを続けて出したところには、どんな思いがあったんでしょうか。

良平 : まずはひとつひとつ、子供から大人まで楽しめるものを作りたかったんです。あえていうと、『ジブリ!!』は子供向けで、『桜 -SAKURA-』は若者のため。その次の『道~Road~ J Classic 1』は初のオリジナル作なんですけど、これは僕の中では大人に向けたものでした。そして4枚目の『美しき日本の響き』は、もうちょっと年配の方にも聴いてもらいたかった。最初からこの構想があったわけではないんだけど、作品を重ねていくうちに、そこは意識するようになっていきました。
公平 : 和楽器を身近に楽しんでもらうには、まず和楽器の音色を知ってもらうところから始めたかった。その入口として、カヴァーはよかったと思う。それこそ『桜 -SAKURA-』が卒業式で使ってもらえたりね。そうやってまずは音に触れてもらえれば、そこから新しい和楽器奏者が生まれるかもしれない。じゃないと、どんどんマニアックな人しか知らない音楽の世界になってしまいますから。海外に行くと、僕らのやっている音楽は日本古来のものとしてすごくポピュラーに受け入れられるんだけど、一方の日本の人たちにはそれが伝わっていないところもあって。

ーー海外公演ではどういう楽曲を演奏されるんですか。逆にディープなものがウケちゃったりする?

公平 : そこは日本と同じですね。アプローチは変わりません。
良平 : むしろ、日本人を相手にしていても、外国の方を相手にしているような感覚というか。

ーーなるほど。

公平 : これって和楽器の面白いところなんですけど、西洋楽器って和音を鳴らすじゃないですか。でも、日本の楽器は基本的に単音なんですよ。それが如実に出ているのが、お寺の鐘ですね。西洋楽器はいろんなメロディを積み重ねて時報を知らせたり、山や川を表現するんだけど、日本の場合は、三味線が「ベケベーン!」と鳴るだけで、雪が乱れ吹く様子を想像させたりできる。

ーー旋律じゃなくて、一音だけでひとつの情景を想起させる。それこそ鐘の音ひとつで年越しを実感したりするわけですからね。改めて考えるとすごいな。

公平 : うんうん。よくよく調べてみると“一音成仏”なんて言葉もあるくらいですから。そういう音が日本にはいっぱいあるんです。これが日本のよさで。僕らはいろんな形で和楽器を表現していますけど、究極はそこなんです。そこがわかると、いろんな音が楽しく聴こえてくると思いますよ。

“和楽器を身近に”というコンセプトは、一生変わらない

ーーでは、新しいアルバム『八人の響き』についても教えてください。今回の楽曲はメンバーがひとり1曲ずつ持ち寄ったそうですね。つまり全員が作曲されている。

公平 : Jクラシックはこれで5年目になるんですけど、今回のアルバムはその年月の賜物といった感じですね。お互いの楽器を理解するまでには、それなりの時間も必要だった。楽器にはそれぞれの音域があるし、笛や琴、尺八のおいしい部分をうまくこの形態で表現しようとしても、1年目ではまずできなかったと思う。それで、各々の楽器が際立つ楽曲をみんなに作ってほしかった。あと、自分たちがJクラシックのメンバーだという意識も個々で高まったんじゃないかな。それまではみんなソロで活動してきたから、いわばAUNのサポートみたいな意識もあったと思うんです。でも、それが今やメンバーとしての気持ちが固くなってきたというか。

ーー曲ごとにキャラクターがはっきりと出ていますよね。それこそロックっぽい拍の曲もあれば、アンビエントな雰囲気のものがあったり。これもそれぞれの趣向性が表れた結果なんだろうなって。

公平 : ただ、これも繰り返しになっちゃいますけど、あんまりマニアックにはならないようにとは、みんなに伝えていました。それぞれが自分達の世界観をつくれる人達ばかりですから。あくまでも僕らのテーマである、シンプルでわかりやすく、かっこいい曲をみんなに用意してもらいたかったんです。

ーーシンプルさとわかりやすさ。そこをもう少し具体的に教えてもらえることはできますか。

公平 : いわゆるキャッチーなフレーズですね。たとえば津軽三味線って、初めて聴いたときはなかなかメロディが入ってこないんですよ。僕も、ギターをやっていろんなコードなんかも知っていたけど、とにかくわけわからなくて(笑)。だから、ここでは一音の強さに頼らず弾いてほしかったんです。あとは音づくりの形ですね。楽器の音が個々ではっきりと伝わるようにしたかった。たとえばプログレとかジャズみたいなことをやることも可能なんですけど、このグループでそれはやりたくなかった。
良平 : ここまでの作品の変遷も踏まえたものにしたかったんです。僕らがやろうとしたのは現代音楽みたいなことじゃないから。
公平 : “和楽器を身近に”というコンセプトは、たぶん一生変わらないと思います。もし楽器屋さんでギターのとなりに三味線が並ぶようになったら変えるかもしれないけど(笑)。ドラムセットと和太鼓の間で、若者がどっちにしようか悩んでいたりね。そうなったら大成功です。津軽三味線奏者の誰々モデルみたいな、カスタムされた三味線が売られたり。

ーーシグネチャー・モデルの津軽三味線! いいですね(笑)。これは素朴な質問なんですけど、みなさんが演奏されている楽器って、僕らのような一般の人がほしいと思ったら、簡単に手に取れるものなんですか。

公平 : これがねぇ(苦笑)。
良平 : 高いんですよ(笑)。三味線は安くて30万くらいかな。プロが使っているものだと100万くらいはします。尺八も1本30万くらいは普通で。

ーーそうなんだぁ。やっぱり、職人さんがひとつひとつ作っているから値段が下がらないんですか。

公平 : それもあるけど、やっぱり需要が少ないから。メンテナンスも大変なんです。三味線の糸も、1本800円くらいはしますから。そこはひとつの壁かもしれない。ギターみたいに、とりあえず1万円あれば手にできるっていうものじゃないから。やりたいという人が増えていけば、だんだんとその値段の流れも変わってくると思う。仮に今の段階で値を下げたとしても、手に取る人の数が変わらなければどうしようもありませんから。まずは好きになってもらわないと。

ーーどの音楽も、すべてはそこからですね。

公平 : ギターは「あんなかっこよく弾けたらきっとモテるぞ!」から始まるわけでしょ? 三味線弾きもそうなればいいなって。昔の屏風絵で、着流しの三味線弾きを囲んで大群衆が踊りまくっている絵があるんですけど、あれを見ると、当時の三味線弾きってモテたんだろうなぁって(笑)。

ーー今の時代のロック・スターみたいなものですね。

公平 : まさにそう。現代においてそこまでは難しいかもしれないけど、憧れの存在になれるような三味線弾きがどんどん出てきてほしいですね。

ーー和楽器の普及のためにここから先はどんな活動をされていくつもりですか。

公平 : これからも日本はもちろん、海外でもやっていきたい。あと、これは良平がよく言ってるんだけど、自分達で劇場をつくりたいんです。いつでも和楽器が聴ける場所を用意したい。世界中からそこにお客さんが集まってもらいたいくて。
良平 : 修学旅行の学生と外国人旅行客が交じりあって劇場で触れ合えるような、いわばJシアターですよね。劇団四季じゃないけど、そういうものがつくりたい。それこそニューヨーク、パリ、ロンドン、上海、京都、広島、福島…。いたるところにそういう場所があれば。若手も育成できて、まわりでは職人さんがお店で工芸品を売ってて、ミュージシャンたちもそのシアターでバイトをしながら、ひとつのシアターを形にしていけたらなって。

ーーまさに和楽器奏者たちの発信地ですね。

公平 : それはものすごく大きな夢ですね。僕らが子供のときには、和楽器を聴きに行ける場所なんてなかったから。それこそ1年に一度お祭で聴くものくらい。でも、そのお祭の音も、きっと興味ひとつで聞こえ方が変わってくるんです。音楽に国境はないけど国籍はある。それは海外に行くとよくわかるんです。僕らにとっての国籍は、和楽器。それをもっとたくさんの人に知ってほしい。

OTOTOY DSD 5.6MHz Archive

朝日美穂 / ひつじ雲(5.6MHz DSD)
【配信価格】まとめ購入のみ 2,500円

※こちらの作品には、OTOTOYジングル(mp3)、楽曲のDSFファイルとDPPファイル、WEBブックレットが同梱されております。

『ひつじ雲』のDSD配信は、全曲、新たにDSD用にリマスタリングしたファイルを使用しています。曲によっては、CDとはかなり異なる仕上がりのものもあります。
また、DSDのネイティヴ再生を念頭に置いて、リマスタリングしていますので、以下のことにお気をつけ下さい。DSDにはPCMよりもヘッドルームがあります。PCMの0dbの上に、3.1dbほど余裕があるのです。今回のDSDリマスターの中には、レベルが0dbを越えて、その3.1dbのヘッドルームに達しているものもあります。AudioGateでこうしたDSDのファイルをwavファイルなどに変換すると、ピーク時にクリップして、歪んでしまいます。クリップしないように変換したい場合は、AudioGateの変換時のゲイン設定を-3dbに下げれば、避けることができます。


やくしまるえつこ / ロンリープラネット(DSDマスタリング ver.)

【配信価格】
DSD(5.6MHz)+mp3 500円
DSD(2.8MHz)+mp3 450円

※どちらの作品も、楽曲のDSFファイルとDPPファイルが同梱されております。


Cojok+徳澤青弦カルテット / QUANT(5.6MHz Ver.)
【配信価格】まとめ購入のみ 1,000円

※こちらの作品には、楽曲のDSFファイルとDPPファイルが同梱されております。



非常階段 / Live at Akihabara Goodman,Tokyo,February 2nd,2013

【配信価格】・DSD(1bit/5.6MHz)+mp3 : まとめ購入のみ 2,000円
・DSD(1bit/2.8MHz)+mp3 : まとめ購入のみ 1,500円
・HQD(WAV 24bit/48KHz) : 単曲 250円 まとめ購入 1,500円

※全て、ダウンロード特典として、30枚のデジタル・フォト・ブックレット付き
※こちらの作品には、楽曲のDSFファイルとDPPファイル、WEBブックレットが同梱されております。


PROFILE

AUN J クラシック・オーケストラ

和楽器を、もっとわかりやすく、かっこよく、シンプルに!
太鼓、三味線、箏、尺八、篠笛、鳴り物など、邦楽器の全てがここにあります。

和楽器を自在に操り、世界を魅了する若手和楽器奏者8人から成るAUN J クラシック・オーケストラは「音楽には、国境はないが国籍はある」という考え方をベースに、日本だけでなく、世界中で演奏活動をしています。

伊勢神宮での奉納演奏、吉野蔵王堂での演奏など文化遺産での演奏も多数。海外でも、2010年春、フランス、モンサンミッシェル、2011年秋、イタリア、ローマ、サンマリノなど、世界遺産を中心に実施。2012年秋にはクロアチアのドゥブロヴニクで地元の交響楽団と共演。その模様が特番として放送され、その他にも「題名のない音楽会(TV朝日)」、「四季の響き(NHK)」等、多数の番組に出演。メディアの露出も高まり、今後の展開が楽しみな今まさに大注目のユニットです。

>> AUN J クラシック・オーケストラ Official website

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