柔らかな歌で紡ぐトロピカル・サウンド!!!

ザ・なつやすみバンド / TNB!

【配信価格】
mp3 150円 / 1500円
WAV 200円 / 1600円

東京インディーズ・シーンにおいて最もリリースが待たれているバンド。センチメンタルでエモーショナルな、リスナーの涙腺を緩ます、ピアノ・ロック・サウンド。さらにスティールパンやトランペットが加わり、トロピカリズモにも通ずる極上のリゾート・エキゾチック・サウンド。

世界と手をつないで、多くの人を励ます存在

大人になった私たちにとって、「夏休み」という言葉からは胸をほんの少し締め付けるノスタルジアが浮かんでくる。お祭りの後の物寂しさ、夕方に吹く少し涼しい風。今年の夏もやっぱり何も起こらなかったなあ、と思いながら取り掛かる宿題の山。にぎやかで楽しかった瞬間よりも、「終わってしまう」という感覚のほうがずっと鮮やかに残っている。

バンド名にもその語を掲げ、「毎日が夏休みであれ! 」という信念のもとに結成されたというザ・なつやすみバンド。その1stアルバムは、東京のインディーズ・シーンの片隅から放たれたとは思えない完成度の高さと風通しのよさを持った、素晴らしいポップス・アルバムに仕上がっている。当初ギターを含む4人編成だった彼らを初めて見たときから、ナカガワリサ(Vo、pf)が作る楽曲の、普遍的で完成されたメロディは印象的だった。いっぽうでそれだけでは聞き流してしまうこともできた楽曲を、明らかにありきたりではないものに変えたのは、ギタリストの脱退とともに加わったMC.sirafu(スティールパン、tp)の存在が大きいだろう。スティールパン、トランペット、バイオリンなど多彩な楽器がバランスよく散りばめられ、ナカガワのつくる曲を、もっといえばポップスの可能性を鮮やかに広げていく様は圧倒的だ。

しかし、そうしたカラフルな音色やあたたかなバンド・アンサンブルに包まれながらも、このアルバムの底に常に流れているのは、「終わってしまうこと」「離れていってしまうこと」といったネガティヴな出来事と、それに対する諦めのような感覚だ。少し遠くから聞こえてくるナカガワの歌声は、ふんわりとして清涼感があるけれど、同時にどこか醒めているようでもある。アルバムの中で彼女の歌は、何回も君とさよならをして、涙をこぼして、それでも小さな輝きを見つけて、また悲しみを越えていく。それは大げさにではなく、毎年訪れる夏の終わりのように、あくまでも日常の出来事として描かれるのだ。

私たちの日々に満ちている、ささやかな幸せと悲しみの繰り返しを、ザ・なつやすみバンドは誰の生活にもフィットするようなポップスに乗せて歌う。彼女たちの歌がこれからもっと広い世界と手をつないで、多くの人を励まし、寄り添っていく存在になることを強く期待する、はじまりのアルバムだ。(text by 柳川春香)

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PROFILE

ザ・なつやすみバンド
ナカガワリサ(vo、pf)、高木潤(b)、ムラノミズキ(dr)、MC.sirafu(スティールパン、tp)2008年4月「毎日が夏休みであれ!」という信念の元、結成。2010年にギターが脱退し、スティールパンが加入するという衝撃のメンバー・チェンジが起こる。それ以降、今まで評価されていた、懐かしくもあり抒情的センチメンタルな楽曲に加え、トロピカリズモに通ずるどこかストレンジな要素も加わり、一気にバンドの方向性はシフトチェンジする。強烈に癖になる楽曲とサウンドは東京インディーズ界隈で瞬く間に話題に。「TNB(ザ・なつやすみバンド)キッズ」という熱烈ファンも増加中。昨年の下北沢の街全体で行われた「下北沢インディーファンクラブ」においては、現リリース作が一枚のないにも関わらず、入場規制がかかった。東京インディーズ・シーンにおいて、最も作品の発表が待たれるバンドのひとつ。

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