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2022/03/07 00:30

 

〈ギタージャンボリー2022〉初日で布袋寅泰、真心、カネコアヤノ、小林私らが大熱演-OTOTOY独自レポ

 

2022年3月5日(土)6日(日) の2日間に渡り両国国技館にて、豪華アーティストがギター弾き語りで共演するライヴイベント〈J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2022 supported by 奥村組〉(以下・ギタージャンボリー)が開催された。

この記事では、初日の模様をOTOTOYニュース独自レポートでお届けする。

2013年にスタートして今回で7回目を迎えた〈ギタージャンボリー〉。コロナ禍もあり、春の開催は3年振りとなる。会場に入ると、土俵に見立てたセンターステージが設置されており、BGMにはCCRやドアーズなどの洋楽の流れているという、〈ギタージャンボリー〉ならではの異空間が広がっていた。開演時間の14:00になると、MCを務めるクリス・ペプラー(J-WAVEナビゲーター)がステージに上がり、四方の客席に向かって「どすこい」と一礼。「まずは音楽の神様に生演奏を奉納しようと思います」と、ギター芸人SAKURAIを呼び込んだ。アコースティックギターを弾きながら、“チャーハンを炒めるときに使う筋肉” “縦歩きもできる蟹”等、次々と “どうしても伝えたい事” を披露。観客のマスクの下を笑顔にさせる愉快な奉納行事でイベントが始まった。

ギター芸人SAKURAI
〈セットリスト〉
どうしても伝えたい事

竹内アンナ
呼び出しから懸賞幕と共にアーティストが花道に登場するシーンが〈ギタージャンボリー〉のお楽しみのひとつ。「一番手のギター侍」として、西の花道から入場したのは竹内アンナ。「トップバッター、全力で盛り上げに行きたいなと思います」と、“ALRIGHT”でライヴをスタート。伸びやかな歌声と間奏で聴かせたファンキーなカッティングで観客の目を惹きつける。“I My Me Myself”では、「せっかくだから回してもらおうかな」と、回転するステージの上で東西、正面、向正面の客席を眺めながら歌い上げる。3月2日リリースの2ndアルバム『TICKETS』収録曲の“手のひら重ねれば”で手拍子を促して会場を一体化させて、初出演ながら見事にトップバッターの大役を果たした。
〈セットリスト〉
1. ALRIGHT
2. Free! Free! Free!
3. I My Me Myself
4. 手のひら重ねれば
5. Love Your Love

小林私
クリス・ペプラーから「今日は寝坊せずに来てくれました!」といじられつつの紹介から、呼び込まれた小林私。名前が書かれた幕を持ったカート・コバーン風ファッションの本人が懸賞幕を持つ黒子の人々と共に入場、ステージに上がったものの一周してみんなと一緒に帰って行ってしまった。場内からクスクスと笑い声が漏れる中、踵を返した小林はステージに向かい髪を振り乱して猛ダッシュ。ステージに上がると息を切らせつつ、「すみません、間違えました」とひと言。息を整えると激しくギターをかき鳴らしながら “目下Ⅱ” でライヴを開始した。変わった人だな……と思いつつ眺めていると、時折ファルセットを織り交ぜて歌う骨っぽいヴォーカルにすぐに耳を奪われた。続く“HEALTHY”では、真っ赤に染まる照明の中、ジャジーなムードで妖し気に歌う。こぶしを回すような独特の歌い回しが特徴的だ。饒舌なMCでも個性を発揮しつつ、“花も咲かない束の間に”で酔いどれ詩人のように歌い上げて、僅か20分程のステージを降りた。テレビカメラに向かい何やらアピールしながら退場するなど、終始一貫、期待以上の小林私ワールドで楽しませてくれた。
〈セットリスト〉
1. 目下Ⅱ
2. HEALTHY
3. 花も咲かない束の間に

DedachiKenta
3年振りの登場となるDedachiKentaは、“Tattooed Hollywood”を歌うと、「僕は普段、LAに住んでいる大学4年生なんですけど、コロナが始まってから1年間ぐらい日本にいたときにLAを思って書いたが今の“Tattooed Hollywood”です」と曲紹介。さらに「なかなか元の生活には戻らないですけど、一緒に力を合わせて頑張っていこうという曲です」と、“Stay with me (Eng. Ver.)”へ。シェイクスピアが妬みを緑色の目と表現したことをモチーフに書いたという“Green Eyed Monster”では会場がグリーンの照明に包まれた。日本語の歌詞を交えた“Life Line”まで、空に広がっていくようなサウンドスケープと爽やかな歌声で清涼感のあるライヴを見せてくれた。
〈セットリスト〉
1. Tattooed Hollywood
2. Stay with me (Eng. Ver.)
3. Green Eyed Monster
4. Life Line

カネコアヤノ
ステージに上がり椅子に座りチューニングして、豪快にギターを鳴らして“光の方へ”から始まったカネコアヤノのライヴ。その鬼気迫る迫力にいきなりゾクっとさせられた。言葉が明瞭に聴こえるよく通る歌声が両国国技館の空気を引き締める。リズミカルにギターをつま弾きながらの“週明け”、3拍子のリズムで歌う“グレープフルーツ”と、MC無しで次々と曲を披露。天井を突き抜けていきそうな大きな声に、会場中が息をのんでステージを見つめながら聴き入っている。カントリータッチの“栄えた街の”から、ラストの“愛のままを”を歌い終え「ありがとうございました」とひと言。圧倒的なステージに、客席からは大きな拍手が送られた。
〈セットリスト〉
1. 光の方へ
2. 週明け
3. グレープフルーツ
4. わたしたちへ
5. 栄えた街の
6. 愛のままを

ゲストアクト 神戸のあらた
休憩中、ステージにはゲストアクト「SONAR MUSIC Road to RYOGOKU」グランプリ・ミュージシャンの1人「神戸のあらた」が登場。見事な歌声で“ラジオ”、“リビング”というタイプの違う2曲を歌い、休憩中にも関わらず多くの人が耳を傾けていた。

真心ブラザーズ
「横綱級のギター侍」とクリス・ペプラーに紹介されて登場したのは真心ブラザーズ。今日は揃いのグレーのスーツでビシッとキメている。1曲目はYO-KINGがハンドマイク、桜井秀俊がギターを弾いて、いきなりの“サマーヌード”でスタート。客席ではサビに合わせて右手を左右に振って盛り上がっているファンの姿も見られた。「素敵なスーツで」(YO-KING)「そちらこそ」(桜井)と和やかにやり取りしつついつもの真心節を聴かせたが、中盤で聴かせた“人間はもう終わりだ!”の歌詞、〈平和なんか一人のバカがぶっこわす〉がこの状況下で聴くと、これまで以上に心に刺さった。この曲を“風になりたい”(川村ゆうこカバー)、“風を浴びて君想う”という抒情的な曲に挟んで歌うところが、真心らしさ、カッコよさだ。“どか~ん”で大いに盛り上げた後は、“空にまいあがれ”で、ガツンとロックンロールな演奏と爽快な歌で締めくくり、横綱相撲を見せてくれた。
〈セットリスト〉
1. サマーヌード
2. 風になりたい(川村ゆうこカバー)
3. 人間はもう終わりだ!
4. 風を浴びて君想う
5. どか~ん
6. 空にまいあがれ

石崎ひゅーい
ステージから客席を見渡すと、「こんにちは、石崎ひゅーいです。3年振りのギタージャンボリーなんですけど、たまりませんね、この景色。初っ端から、力貸してもらっていいですか?」と、“夜間飛行”を歌出した。会場中が手拍子で歌を盛り立てる。徐々にエキサイトしていくヴォーカルに圧倒された。菅田将暉への提供曲としても知られる “さよならエレジー”では、しゃくりあげるように情熱的なメロディを歌う。「ここで、“秘技・土俵回しの術” 使っていいすか?」と、ステージを回転させてもらうと、向正面に向かって“アヤメ”を優しく歌い上げた。最後は音数の少ないギターの演奏に乗せてしっとりと歌ったバラード“花瓶の花”。その歌声の魅力を存分に堪能させてくれるパフォーマンスだった。
〈セットリスト〉
1. 夜間飛行
2. さよならエレジー
3. アヤメ
4. 花瓶の花

竹原ピストル
竹原ピストルのライヴは、「精一杯やらせてもらうので、のんびりお付き合いください」との挨拶から“おーい!おーい!!”で始まった。歌の舞台、登場人物に引き付けられるライヴ定番曲“LIVE IN 和歌山”など、MCでの穏やかな口調とは裏腹に、歌声の力強さとド迫力、ガシガシと弾く骨太なギターの音が際立っている。文学的な歌詞とマイナーなメロディによる“初詣”を歌うと、ステージを回転させて向正面に。「足元にも及ばないけど、心からの尊敬の気持ちと憧れの気持ちを込めて」と、中島みゆきのカバー“ファイト!”を、言葉を噛みしめるように歌い上げた。アグレッシブなラストナンバー“ギラギラなやつをまだ持ってる”まで、溢れるエネルギーを人々に与えるライヴを見せた。
〈セットリスト〉
1. おーい!おーい!!
2. LIVE IN 和歌山
3. 初詣
4. ファイト!(中島みゆきカバー)
5. ギラギラなやつをまだ持ってる

斉藤和義
トレードマークのJ‐45を抱えてステージに立つと、疾走感溢れる“Boy”で勢いよく演奏を始めた斉藤和義。客席には立ち上がって踊っているファンもいて、オープニングから躍動感たっぷりに会場を盛り上げる。デビュー曲“僕の見たビートルズはTVの中”、“歌うたいのバラッド”と、代表曲を続けて披露。アップテンポでもバラードでもギター1本で映える楽曲の良さが伝わってくる。ステージを回して四方のお客さんに向かってパフォーマンスしたり、華麗にステップを踏んでみたりと、大いなるサービス精神を発揮。“メトロに乗って”等、集まったファンのみならず初めて斉藤のライヴを観る観客も楽しめるセットリストとなっていた。
〈セットリスト〉
1. Boy
2. 僕の見たビートルズはTVの中
3. 歌うたいのバラッド
4. メトロに乗って
5. 空に星が綺麗

スガ シカオ
スガシカオのライヴは、今年2月にリリースから25周年を迎えたデビューシングル“ヒットチャートをかけぬけろ”でスタート。メロディアスで親しみやすい曲調と16ビートを感じさせるギタープレイが独特のタイム感でファンキーなノリを出している。「寒い日が続いていたので、今年最後の冬の歌を歌おうと思って練習してたら、ここ何日かですごく暖かくなってきて(笑)。でも用意してきたんで歌います」とのMCから、前奏で星空を思わせる煌びやかなフレーズを弾いた後に飛び出したのは、大ヒット曲 “夜空ノムコウ”。丁寧な歌い回しによる繊細なメロディが会場を包み込んだ。イントロでドッと盛り上がった“Progress” (NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』主題歌)をじっくりと聴かせた後は、“Party People”で客席に呼び掛けながら盛り上げて、唯一無二のファンク侍っぷりを見せつけた。
〈セットリスト〉
1. ヒットチャートをかけぬけろ
2. 傷口
3. 夜空ノムコウ
4. Progress
5. Party People

布袋寅泰
「ギタージャンボリー初日の結びの一番はこの方です!」とのクリス・ペプラーの紹介から呼び込まれた布袋寅泰。真っ赤な衣装に身を包んで花道に姿を現すと、客席からは思わず「おおっ!」というどよめきの声が。椅子に腰かけておもむろに弾き出したのは、“バンビーナ”だ。初っ端からのハイテンションの高速チューンで会場中の熱量が一気に上がった。自らのコーラスとユニゾンでギターを弾くなど、超絶テクはアコギでも存分に発揮されて、布袋節全開のオープニングとなった。「こんばんは、布袋寅泰です!ビッグボスと呼んでください(笑)」と、先日テレビ番組で対談した日本ハムの新庄剛志監督ばりの真っ赤な衣装を指して笑わせると、「初めてのギタージャンボリー、お邪魔します。みなさんで大切に育んできたイベントに招いていただいて嬉しく思っています」と謙虚な挨拶に拍手が起こる。手拍子によるコール&レスポンスを観客にレクチャーしてから始まったのは、COMPLEXの“BE MY BABY”。同期のコーラスに合わせて観客が“チャチャチャ”と手拍子して、間奏ではギターのブレイクにビシッと手拍子が入るなんとも気持ちの良い盛り上がりとなった。「次の曲は、自分のライヴではほとんどやらない曲ですけど、たくさんの人が知ってると思いますし、女性の方は歌ったこともあるかもしれません」と紹介してから、今井美樹に提供した“PRIDE” が歌われた。冒頭のコーラスを歌い出すと、一斉に拍手が沸き起こり、観客はじっと聴き入っていた。最後はニューアルバム『Still Dreamin’』収録曲“コキア”を聴かせてステージを降りた。

アンコールの拍手に応えて再びステージに上がると、代表曲の1つでセクシーな大人の魅力を感じさせる“POISON”を披露した。そして、「今日はそれぞれのアーティストがいろんな思いをみなさんに伝えたと思います。今日は楽しいだけではないというか、触れないわけにはいかないのがウクライナ情勢です。本当に怒りと悲しみしかないんですけど、今日はみなさん声を出すことができないでしょうから、みんなの代わりに僕からひとこと言わせてください。戦争反対!」との言葉に、会場中から大きな拍手がステージに向けられた。「音楽がある限り、孤独な人なんかいません。次は、大切な言葉をみなさんの代わりに僕が歌います。“愛してる”というひと言を、みなさんも掌で握りしめながら想いを熱くして、我々にできることをやっていきましょう」とのメッセージから、バラード曲 “ヒトコト”を歌い、ギタージャンボリー初日を締めくくった。
〈セットリスト〉
1. バンビーナ
2. BE MY BABY
3. PRIDE
4. コキア
EN1. POISON
EN2. ヒトコト

取材・文:岡本貴之
Photo by 上飯坂一

イベント情報
〈J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2022 supported by 奥村組〉
2022年3月5日(土)6日(日)両国国技館
■3月5日(土)出演者
布袋寅泰/ スガ シカオ / 斉藤和義 / 竹原ピストル / 石崎ひゅーい / 真心ブラザーズ / カネコアヤノ / DedachiKenta / 小林私 / 竹内アンナ
MC:クリス・ペプラー(J-WAVEナビゲーター)

・オフィシャル・ウェブサイト
https://www.j-wave.co.jp/special/guitarjamboree2022/?jw_ref=gj2022_jnw

[ニュース] Kenta Dedachi, カネコアヤノ, スガ シカオ, 小林私, 布袋寅泰, 斉藤和義, 真心ブラザーズ, 石崎ひゅーい, 竹原ピストル

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