2018/05/08 15:00

京都発のローファイ・バンド“Kailios”──心地のいい空気感を詰め込んだ、初のフル・アルバムをリリース!!

左から、naoki otogawa(Gt/Vo) / uchiyama uchio(Gt/Cho) / chika “chiluco” kitamura(Gt/Cho) / shinji fujita(Ba) / yoshiaki sakata(Dr)

タイトなリズムに浮遊感のあるメロディーが絡む、3ギターに男女ツイン・ヴォーカルの5人組ローファイ・バンド、Kailios(カイロス)。そんな彼らの初のフル・アルバム『Alternate Location』が5月2日にリリースされた。フル・アルバムならではの収録曲数を存分に活かし、この一枚を通してKailiosを存分に楽しめる作品へと仕上がっている。OTOTOYでは、今作に収録されている、M2「summer sun」のフリー・ダウンロードを実施! ドライブにマストな渾身の一曲となっている。また、今作をより楽しんでいただくためインタヴューを敢行した。国内に留まらず今後さらなる活躍が期待される彼らを見逃すな!

まずは「summer sun」をお聴きください!

Kailios / summer sun(期間限定フリー配信)

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(配信形態 16bit/44.1kHz) / AAC

初のフル・アルバム!!

Kailios / Alternate Location

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(配信形態 16bit/44.1kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 257円(税込) / アルバム 1,697円(税込)

【収録曲】
1. Suburbia
2. Summer Sun
3. Round and Round (album ver. )
4. 8mm
5. Hot Dog (album ver. )
6. Gone
7. Tender (album ver. )
8. Skyfish


Kailios - Alternate Location(Album Trailer)
Kailios - Alternate Location(Album Trailer)

INTERVIEW : Kailios

2016年にリリースした完全自主制作の1st EP『Round and Round EP』が関西を中心に注目を集めた5人組ポップ・バンド、Kailios。彼らが初のフル・アルバム『Alternate Location』をリリースした。1980年代から1990年代のUSインディ・ロックからの影響を受けた楽曲は、3人のギターとコーラスによって紡がれ、最高のギター・ポップをつくりあげている。今回がはじめてのインタヴューという彼らに、結成のいきさつや、はじめてのアルバム制作、そして今後の目標まで語ってもらった。

インタヴュー&文 : 鈴木雄希

「ドライブで聴きたい音楽」がコンセプトなんです

──まずはじめに結成のいきさつを教えてください。

おとがわ(Gt / Vo) : Fujita(Ba)とchika "chiluco" kitamura(以下、chiluco / Gt,Cho)がやっていた「スナトメリ」というバンドと、僕がやっていた「lllill」というバンドがあって。この2バンドで7~8年前に何度か対バンをしていたんです。

──結構前からの付き合いなんですね。

おとがわ : そうなんです。その後、いろいろとあってお互いのバンドが活動できなくなってしまったので、「新しいバンドでも始めるか」って感じで、2013年の秋くらいに活動をはじめました。その頃、個人的に山奥にコンテナを借りていたので、週末に集まってみんなで音を出すみたいな感じで活動をスタートしました。

──前のバンドではどんな音楽をやっていたんですか?

shinji fujita(以下、fujita / Ba) : スナトメリは、メンバーみんながシューゲイザー好きで爆音を出していました。lllillは、シューゲイザーやポスト・ロックのように心地よいのと、ガレージのように早くてうるさくて目が覚めるような音楽のどっちもやるバンドを目指してました。なので、いまやってるインディ・ポップ的な方向には、あえて行かないようにしていましたね。

──なぜ、いまのような音楽性に?

おとがわ : セッションで偶然出てきたフレーズを繋ぎ合わせて「Round and Round」という曲ができたんです。その流れでこうなった感じです(笑)。

fujita : そうですね。もともとメンバーのみんなもUSインディが好きだったので、そういうフレーズが出てきたんじゃないかな。

──現在の曲の作り方もセッションから?

fujita : いまはおとがわが曲のベースを作ってきて、それをもとにみんなでアレンジをしています。

8mm / Kailios (カイロス)
8mm / Kailios (カイロス)

──作詞もおとがわさんですね。

おとがわ : そうですね。今回のアルバムに入っているものは、全部ぼくが書きました。映画が好きなので、印象深いシーンや耳に残る台詞から着想を得たり、レディオ・ヘッドやザ・ビートルズの歌詞だったり、チャールズ・シュルツのスヌーピーの漫画からインスピレーションを受けたりして、歌詞を書くことが多かったです。

──歌詞は全曲英詞ですね。

おとがわ : 日本語だと、どうしても言葉の意味や内容に意識がいってしまうので、そうなるのをなるべく避けたいなと。文法的におかしくても、語感や音のリズムを重視しています。

──Kailiosは「ドライブで聴きたい音楽」がコンセプトなんですよね。

fujita : 車で片道30分くらいかけて、山奥のコンテナに行っていたんですが、その車の中でラジオを聴いていて。ラジオって、ポップスからR&B、ディープなアバンギャルドまで何でも流れるじゃないですか? そういう「いろんな音楽がかかってくる」というもののキーワードとして「ラジオ」が僕らの中にはありました。

おとがわ : あと、聴いてて気持ちいい音楽というのも、ドライブに合うかな、と。ラジオ局みたいな感じで、ひとつ通して聴いて、その空気を感じてもらえたらなと思っています。

これまでのKailiosになかった曲に挑戦できた

──今回、初のフル・アルバムとなりますが、コンセプトはあったんでしょうか。

fujita : 1枚を通して全体としてアルバムを聴けるような空気感は意識してましたね。

──アルバムとEPで違うことはありましたか?

おとがわ : まったく違いましたね。どうしてもEPだと短い時間に可能な限りキャッチーな要素を詰め込まねば!!と考えがちでしたが、曲数を多く収録できるアルバムではインスト曲の「Gone」や、最後の「Skyfish」のように、これまでのKailiosになかった曲に挑戦できました。また、前回のEPリリース後にUchiyama Uchio(リード・ギター)が加入してギタリストが3人に増えたので、それまで思いつかなかったフレーズやアレンジをできるようになったのも大きなポイントでした。

──高山さんは今作を聴いて、どんな印象を持ちましたか?

高山維晋(サポート・ギター) : 1番はじめのデモCDでは、音数が分厚くないのにすごいスッキリしてて、おいしいところだけが見えてくるような音像でした。EPではコーラスとかもレベルアップしていたんです。今回のフル・アルバムでは、そのすべて出し切って、進化してきてるなぁ、と思いました。

fujita : 身内に褒められるのはすごい恥ずかしいな(笑)。

──音像に関してのこだわりはどうでしょうか。

fujita : レコーディングとミックスは、京都にあるStudio inoの吉岡さん(LLama/sawa)にお願いしたんです。吉岡さんはすごい耳がいいというか、バランス感覚がいい方で。音像がどんどん良くなってるっていうのも彼の助けがあったからだと思います。自分たちでやってると、どうしてもやりたいことやエゴが先走っちゃうけど、吉岡さんが一緒にやってくれることで客観的な視点で見てくれた。

fujita : バチバチにぶつかることもあったんですけどね(笑)。でも最終的にいいバランスに仕上げられたかなと思います。

──それぞれアルバムの中でお気に入りの曲を教えてください。

fujita : 頑張ったなという意味では「Skyfish」ですね。ベースラインですごく悩んで、16パターンくらい作りましたね。

──Kailiosの曲のベースで意識しているところはありますか?

fujita : 前のバンドのときから出しゃばりなベースラインだったんですけど、Kailiosはギターが3本いるので、出過ぎてしまうベースを抑えることを意識していますね。

──坂田さんはいかがですか?

坂田 : 僕は「Tender」という女性ヴォーカルの曲ですね。レコーディング前は、力強いニュアンスをもった曲だったのですが、レコーディングを進めるなかで、吉岡さんと「女性ヴォーカルをもっと活かそう」という話をしていて。ボリューム感や、いろいろなニュアンスについてもアドバイスをもらって、レコーディングの中で変化していった曲なんです。だからその分思い入れもあるし、ほんとによくなったなあって。Kailiosの違った顔を見てもらえる1曲なんじゃないかと思ってます。

──いままで女性ヴォーカルの曲はなかったんですか。

fujita : パートを歌っている曲はあったんですけど、全部歌うのはなかったですね。

──「Tender」もアルバム・バージョンで収録されていますが、EPのときからの変化は?

おとがわ : もともとのバージョンはもう少しキーが高かったのですが、chilucoが1番声をキレイに出せる音域に変更しました。フレーズに関してもちょっとメリハリをつけるよう心がけたので、アルバム・バージョンになって、より歌に寄り添う演奏にできた気がします。

fujita : あと、バスドラムのキックのパターンが少し変わってます(笑)。

坂田 : 普通の人は気づかないと思うんですけど(笑)。

──おとがわさんいかがですか?

おとがわ : 全部思い入れは強いけど、強いて言うなら「Summer Sun」ですね。いままでの曲よりも、もうひとつ上のクオリティを目指して作りはじめたんですけど、なかなか納得できる形にならなくて…ギターのフレーズからアレンジまでどんどん変えてって、レコーディング直前にようやくまとまりました。ご機嫌なメロディが書けましたし、The FaxのKanioちゃんにも声を入れてもらって、満足いく仕上がりになったなあと。

naoki otogawa(Gt/Vo)

──高山さんがアルバムの中で1番好きな曲はどれですか?

高山 : 「Round and Round」は常に変わり続けてきた曲であり、いろんな面からKailiosを改めて見る機会をくれた曲ですね。「Round and Round」はリスナーの方もいい曲だと言ってくれることが多いし。前にオリジナル・メンバーのuchiyama (uchio)さんに「「Round and Round」についてどう思いますか」という話をしたときに、「Kailiosはちょっと「Round and Round」に囚われているかもしれない」って(笑)。

全員 : (笑)

高山 : でも自分たちが出した名曲を超えるために、もっと良い曲を書くぞ! という意味では「Round and Round」は大きな1曲だと思うし、どこまでいってもいい曲だなと思います。

──アルバム1枚を通して聴いたときに、6曲目に収録されているインスト曲「Gone」の存在が大きいなって思いました。

fujita : 休憩ポイントですね。

おとがわ : 「Yo La TengoのSummer SunやPavementのCrooked Rainみたいに、インスト曲がアルバムのスパイスになってるのKailiosでもやりたいよね~」ということを話していて。コンテナでセッションしている時にベースのフレーズがでてきて、そこにリバーブをたっぷり効かせたFender JaguarとJazzmaster、音響系ギターが重なっておもしろい曲になったかなと。Uchiyama UchioのJaguarが心地よい音してます。インストが入ることでアルバム自体にもメリハリがつけられるかなという意図で6曲目に収録しました。

fujita : 夕方の帰り道に聴いたら気持ちいいですね。

この勢いで〈フジロック〉に出たい!

──先日(4月7日)のThe Middle Coastの来日公演にも出演したり来日アーティストと一緒にライヴをする機会が多いですよね。海外のアーティストさんとライブして発見したことなどはありましたか?

おとがわ : この間一緒にライヴをしたThe Middle Coastはすごい若いのに、「音楽だけで食べている」みたいな話をしていて。すごく刺激を受けましたね。同時にライヴや音楽にかける姿勢というか、真剣さもまったく違いましたね。

──なるほど。

おとがわ : それと、海外のバンドって、ステージ上の振る舞いが、とっても自然体でええなぁといつも感じます。 そういう真剣な部分とステージを楽しんでいるような雰囲気は、普段の生活から音楽の比重を高めることで培われているのかなと思ったりしますね。

──今後、海外に進出も考えている?

fujita : それは結成当初からありますね。

おとがわ : 中国ツアーとかは行けそうな気配があったりしつつも、〈SXSW〉を絡めてアメリカに行きたいし、憧れのイギリス~ヨーロッパにも行きたいですし、野望は膨らむ一方ですね。ただ、来日アーティストを見てると、Kailiosとして磨かないといけないところがまだまだあるのも実感するので、もっとブラッシュアップしていきたいですね。

──今後、バンドとして目指していくべきところは?

fujita : 〈フジロック〉の《グリーン・ステージ》には立ってみたい! 「〈フジロック〉に出たいね」っていうのは、何年も言っていて。

おとがわ : 毎年、ROOKIE A GO-GOに送って、7月くらいに「今年もダメだったね。来年も頑張ろう」みたいな感じなので……(笑)。アルバム出した勢いでこのまま行きたいです!!

『Alternate Location』のご購入はこちらから

レーベル Dead Funny Records  発売日 2018/05/02

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07. 08.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 257円(税込) / アルバム 1,697円(税込)
【配信ページ】

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LIVE SCHEDULE

リリース記念インストア・ライヴ!!
2018年05月11日(金)@TOWER RECORDS 京都店(opa 9階)
時間 : START 19:00
チケット料金 : 無料

PROFILE

Kailios
「ドライブに似合うチープで気持ちよい音楽をつくろう」をコンセプトに結成し、2013年京都にて活動開始。 タイトなリズムに浮遊感のあるメロディーが絡む、3ギターに男女ツイン・ヴォーカルの5人組ローファイ・バンド。

Kailios 公式HP
Kailios Twitter

[インタヴュー] Kailios

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