2014/10/16 13:14

ハイレゾもボートラもOTOTOYだけ!! Tomo Nakayama、大聖堂のようなホールで“宅録”した初ソロ作

Tomo Nakayama

シアトルで活躍する日系アメリカ人シンガー・ソングライター、Tomo Nakayamaが、自身初のソロ作をハイレゾで発表した。Asahi、Grand Hallwayという2つのバンドを経て、清々しく美しいアコースティック・サウンドを確立してきたTomo。ジェフ・バックリーとも比較される穢れのない歌声、生楽器をふんだんに使用したそのチェンバー・ポップは、まさにハイレゾで聴くのにぴったりだ。

しかもこの作品、大聖堂のような外観を持つ築92年の建築、シアトル・タウン・ホールを長期間自由に、いわば“宅録”するような感覚で使いながら録音されたという。メイン・ホールに響き渡るスタインウェイの和音、地下回廊の天然リヴァーブを利用して記録されたギターの音色、それらは確実に、このアルバムに宿る清廉な空気感をつくりあげている。

OTOTOYでは、そんな本作の配信をスタート。ボーナストラックとして、新曲「Floating」、そして「Magnolias (for Philip)」の弾き語りヴァージョンが付属する。このボーナストラックが手に入るのは、OTOTOYだけ!!


大聖堂のようなホールで“宅録”された渾身の初ソロ!!
OTOTOYだけのボーナストラックあり!!

Tomo Nakayama / Fog on the Lens
【配信形態】
[左] ALAC / FLAC / WAV(24bit/96kHz)
[右] mp3

【価格】
ALAC / FLAC / WAV : 2,000円(税込)(単曲は各200円)
mp3 : 1,500円(税込)(単曲は各150円)

【収録曲】
01. Fog on the Lens
02. Fallen Cedar
03. Green World
04. Magnolias (for Philip)
05. Nightingale
06. Cold Clear Moon
07. Shadows
08. Darkest of Seasons
09. Open Room
10. Off the Grid
11. If I Needed You
12. Horses
13. Floating [Bonus track]
14. Magnolias (for Philip) [LIVE] [Bonus track]

※24bit/96kHz版に収録されるボーナストラックおよび予約特典は、16bit/44.1kHzの通常音質です。

【OTOTOYだけのボーナストラック】
新曲「Floating」
収録曲「Magnolias (for Philip)」の弾き語りヴァージョン

安定と不安定、強さと弱さといった相反する2つが絶妙に共存

曇ったレンズ越しに見える、幽玄な世界。過去にはAsahiやGrand Hallwayなどのバンドでも活躍した、シアトル在住のシンガー・ソングライターであるTomo Nakayamaがソロとしては初のアルバムを完成させた。

インディ・ギター・ロックの路線から、ストリングスを導入してチェンバー・ポップな方向性を取っていた彼がより生々しく、実験的なサウンドを求めて作ったという今作。一聴してすぐに分かる、今作の聴き所は彼の歌声だろう。儚く消えかかりそうであり、幻想的な雰囲気を持つ彼の歌声は、安定と不安定、強さと弱さといった相反する2つを絶妙に共存させている。今作で彼の歌声を際立たせたのは2つのレコーディングの妙がある。1つは、シアトルにある古いローマ建築様式のタウン・ホールで録音を行い、その場所の天然のリヴァーブを利用したこと。もう1つは、ミックスの際にThe ShinsやTear Dropsのメンバーとしても知られ、自身もソロとして活動を行うYuuki Matthewsがシンセやキーボードのオーバー・ダブを加えたこと。曲の土台は極めてシンプルなアコギやピアノのフレーズであるが、このミックスによって一癖も二癖もある楽曲に仕上がった。

中でも今作のリード・トラックである「Open Room」は、ピアノのフレーズとハンド・クラップにエレクトロな要素が加わり、そこに突き抜けるような彼の歌声が乗る印象的な1曲である。OTOTOYでは予約特典としてこの楽曲のライヴ音源が付属しており、こちらはギター1本によるシンプルな弾き語りが楽しめる。ぜひこちらを聴き比べて楽しむのをオススメしたい。

11月にはTomoとMatthewの2人が来日。日本からoono yuukiとROTH BART BARONを加えた4アーティストでツアーを回る予定となっている。今作で彼の歌声と世界観が気になった方は、ライヴで彼らの歌声を楽しめる貴重なチャンスになると思うのでこちらもチェックしてもらいたい。

(text by 高木理太)

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PROFILE

Tomo Nakayama
シアトル在住のシンガー・ソングライター。2000年より地元の仲間と結成したAsahiのヴォーカルとして活動を開始する。2004年、同郷の女性シンガー・ソングライターJen Woodのバック・メンバーとして来日。弾き語りでオープニング・アクトを務め、ジェフ・バックリーにも比肩しうる歌声を披露、絶賛を浴びる。これをきっかけに地元でリリースされていた1stアルバム『HEAD ABOVE WATER』が、最新音源4曲を追加収録して、& recordsよりリリースされる。

その後、Asahiは解散。2007年にGrand Hallwayを結成。ストリングスを導入するなど、インディー・ギター・ロックな路線から、よりチェンバー・ポップな方向性にシフトしていく。これまでに3枚のアルバムをリリースし、同じ頃にデビューした同郷のArthur & Yuとともに2007年に来日、トクマルシューゴをゲストに迎えてツアーを敢行するなど精力的に活動する。その後、2013年に、Tomoは、サンダンス映画祭の大陪審賞にノミネートされたLynn Shelton監督の映画『Touchy Feely』に出演、演奏シーンも披露する。この経験にインスパイアされたTomoは、今度はチェンバー・ポップな方向性から、より生々しく、インティメイトで、実験的なサウンドを求め、ソロとして『Fog on the Lens』の制作に入る。

ちょうどその頃、築92年になる古いローマ建築様式のシアトル・タウン・ホールを自由に使うことができるようになったTomoは、そこでレコーディングを開始する。メイン・ホールでは、スタインウェイのピアノで曲を書き、レコーディングし、バック・ステージは、ギター用のブースに、よく反響する地下の廊下では天然のリヴァーブでヴォーカルを、といった具合に、完全なる自由のもと、まったく1人でラップトップに録音していった。ミックス段階にあたって、The ShinsやTeardropsのメンバーであり、Sufjan Stevensのバック・メンバーでもあるYuuki Matthewsに協力を依頼。初のコラボレーションながら、相性は抜群で、彼がオーバーダブしたアナログ・シンセやホームメイド・キーボードの感触は、アルバムのドリーミーな雰囲気に大きく貢献している。アコースティックとエレクトロニック、アナログとデジタル、都会と田舎、そんな相反する要素が混在する、新たなスタンダードとも呼べる傑作が誕生した。TomoとYuukiは、このアルバムを引っさげての来日を予定している。

>>Tomo Nakayama Official HP
>>Tomo Nakayama (& records)

[レヴュー] Tomo Nakayama

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