2013/10/10 00:00

2013/10/9~10/15の注目の2作品をレビュー!!

今週もたくさんの新譜が入荷しました! 全部は聴いていられない! そんなあなたのために、このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤を2~3枚ピックアップし、ライターによるレビューとともにご紹介いたします。 音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をおたのしみください。あなたとすてきな音楽の出会いがありますよう。

住所不定無職『GOLD FUTURE BASIC,』


住所不定無職 / GOLD FUTURE BASIC,
【配信形式】
mp3

【価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム購入 1,800円

今年1月に新メンバー、℃-want you!(シ・ウォンチュ)を迎え、4人体制となった住所不定無職。シングル発売から5か月、現編成としては初のアルバムとなる。

これまでの住所不定無職といえば、60~70年代の正統派ロックからの影響を色濃く感じさせる、手堅くも味わいやすい聴きごこちが特徴であり、中性的でたくましいサウンド構築が話題となった。本新譜ではそのスタンダード・ロックの要素を受け継ぎつつも、さまざまな音楽ジャンルの要素をふんだんに取り入れている。前半部では日本の70~80年代シティ・ポップ、ニュー・ロックからの手法を感じさせる、きらびやかでおしゃれな雰囲気が押し出されていくが、後半では各楽曲でモチーフとしたジャンルの違いが明確化。一曲の中で各ジャンルの要素を抽出して混ぜ合わせるのではなく、一つのジャンルをピックアップしていくような造りへと変わり、貪欲にアプローチを吸収しようとする姿勢が伝わっている。新しい手法を提起しつつも、合間に挟まるインタールードでモダンな表情を浮かべ、新旧織り交ぜたフル・エイジな仕様で完成。まさにジャンル不定異色の一作となった。(text by 高橋拓也)

忘レ敵『朝の光』


忘レ敵 / 朝の光
【配信形式】
WAV、mp3

【価格】
WAV 、mp3ともに 単曲 250円 / アルバム購入 1,500円

※アルバム購入のお客様には歌詞ブックレットが特典としてついてきます。

自主レーベルを立ち上げ、”真に自分たちが聴きたい音楽を作る”ということに活動の軸を置いてきた忘レ敵が、2ndミニ・アルバム『朝の光』をリリースする。新しい朝を優しく迎える「はじまりの朝」、繊細で美しいギター・サウンドの重なりで夜が明けていくさまを表現した「AM5:57」、過ぎ去った季節への思いをアコギとともに優しく歌いあげる「薫風」など、あたり前に過ぎ去っていく風景とともに君への思いをめぐらせながら、また新しい一歩を踏み出そうとしようとしている。「始まりの朝」と「群青」に出てくる<僕は時代遅れの歌に乗せて祈るように>という歌詞からも、インディーズで活動することにこだわってきた自分たちの活動を強く肯定しようとする意志を感じることができる。今回の2ndアルバム『朝の光』は、12月発売の3rdミニ・アルバム『夜の灯』と対になる作品。今作は、夜が終わって、またはじまっていく朝が照らしてくれる柔わらかい光を描いたが、1日を終わらせていく夜ではどんな光を描くのかとても楽しみである。(text by 山本夏美)

この記事の筆者

[レヴュー] 忘レ敵

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