2012/01/26 00:00

これはジャズか? ロックか、ファンクか、はたまたダンス・ミュージックか? ジャンルの枠を超えたスペクタクルな音を、サックス、ベース、カホン&ドラムのたった3人だけで奏でるバンド、横田寛之ETHNIC MINORITY。2012年が明けるやいなや早速OTOTOY限定で高音質ライヴ音源を発表。この度、ファースト・アルバム『Startin'』をひっさげ、菊地成孔とペぺ・トルメント・アスカラール、DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENを擁するレコード・レーベル、ewe recordsからデビューする。本作にはオリジナル曲の他にディープ・パープルの「Black Night」、オーネット・コールマンの「Times Square」のカヴァーを収録。風圧を感じさせる大迫力の音の連続。圧倒されつつも体を揺らしてしまうダンサブルでキャッチーなキラー・チューン。渋みと攻撃力を兼ね揃えた横田寛之ETHNIC MINORITYの音楽をスタジオ版、ライヴ版と併せてお楽しみください!

乱れ打つハイテンション・インストゥルメンタル・ミュージック!

横田寛之ETHNIC MINORITY 『Startin'』
【トラック・リスト】
01. Minority D-(横田寛之ETHNIC MINORITY) / 02. Times Square(Ornette Coleman) / 03. Dr. Wild(横田寛之) / 04. Upper Summer Love(横田寛之) / 05. Black Night(Deep Purple) / 06. Minority C-(横田寛之ETHNIC MINORITY) / 07. Always There(William Jeffery/Ronnie Laws) / 08. BITMAP(横田寛之)

【配信形態/価格】
MP3 : 単曲150円、アルバム購入1100円
WAV : 単曲200円、アルバム購入1500円
横田寛之ETHNIC MINORITYのライヴ音源を高音質で独占配信中!

『Introducing ETHNIC MINORITY live at Yoyogi』
左) DSD+mp3 ver.>>DSDの聴き方はこちらから
右) HQD(24bit/48kHz WAV) ver.

【トラック・リスト】
01. Minority D- / 02. Times Square / 03. Upper Summer Love / 04. Smells Like Teen Spirit / 05. Always There

Mixed & Mastering by 高橋健太郎 at Memory Lab
Recorded & Mastering by KORG MR-2000S DSD recorder

たった3人の少数民族(=ETHNIC MINORITY)の狩猟場、東京

初めて横田寛之ETHNIC MINORITYを聴いたのは、都内の某ライヴ会場だった。ステージに立つサックスやベースの足元にはエフェクター類が並び、ドラムの足元には四角いバスドラ… いや、なんとカホンが(しかもツイン・ペダル)! 音を聴く前から何ともそそられるではないか! 当日は、J.A.M (ピアノ・トリオ from SOIL&"PIMP"SESSIONS)、類家心平4 PIECE BAND、藤本一馬(from orange pekoe)といった現在の日本ジャズを牽引するアーティストが名を連ね、一番手に登場した横田寛之ETHNIC MINORITYにとっては相当厳しい状況だろうと思われた。しかし、そんな心配をよそに第一音が発せられた時、既にそこは彼らの独壇場となっていたのだ。一曲目からブッチギリのハイテンションで一気に駆け上がる! 更にその後も全くペースを緩めるどころか、どんどん加速していくそのジェット・コースターはベルトを締め直す暇すら与えぬ危険な代物だ。

横田寛之ETHNIC MINORITYの形容詞として“ストリート”というキーワードが外せない。渋谷や吉祥寺など、これまでストリートでライヴを行い、百人以上の聴衆を集めることもあったそうだ。ストリートと言えば実にシビアな環境である。目の前を通り過ぎる十数秒が勝負であり、周囲のノイズや音の拡散などの音響面でも多いに影響を受ける。そのためストリートならではの曲構成や音の選び方、パフォーミングなどが必要とされる。しかし、横田寛之ETHNIC MINORITYの音を聴いてもらえれば、彼らがストリートで受け入れられるのも頷けるだろう。イントロのファースト・コンタクトからキャッチーなメロディーとダンサブルなビートが人々の足をとめ、そしてサックスがグイグイと咆哮していく中、ロックでダイナミズム満載のドラムに、ベースの絶妙なフレーズがグルーヴを生み出す時にはもはやその場を離れるどころか自然と身体が動いてしまうのだ。そして全編を通してハイテンションに畳みかけ、最高潮への到達まで凄まじい瞬発力で聴かせてくれる。密閉されたライヴ・ハウスでは音が充満しすぎて息苦しい… ストリートで天高くどこまでもその音を轟かせてほしいと思わせてくれる。

更に今作のスタジオ録音を聴いてみると、彼らの音楽性の幅広さ以外にも、繊細かつ緻密な音作りに対するこだわりが伺える。演奏のテクニックや曲のクオリティに裏付けされたサウンドがこれほどの説得力を持たせているのだ。最後に、彼らのバック・グラウンドが垣間見られる、今作にも収録されているDeep Purpleの「Black Night」や、ライヴで披露していたNIRVANA「Smells Like Teen Spirit」等の秀逸なアレンジも是非オススメしたい。見事に三人で自分たちの音へと昇華している。たった3人の少数民族(ETHNIC MINORITY)は、この東京という狩猟場で、一度に百人以上の獲物を狩ってきた。2012年彼らは『Startin’』という武器を引っ提げ、更なる獲物を求めてその狩猟場を拡げていくことだろう。(text by石丸鉄平 (masterplan/communication!))

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横田寛之ETHNIC MINORITY PROFILE

横田寛之(saxophone、sound effect)
サトウヒロ(bass)
島野和樹(cajon、drums.)

2009年10月、リーダー横田寛之の呼びかけで始まった横田寛之ETHNIC MINORITY。メンバーは横田寛之(saxophone)、サトウヒロ(bass)、島野和樹(cajon)のスリー・ピース。ETHNIC MINORITYは英語で「少数民族」の意味。世界中を旅しながら生活し、ロマンティックで美しい芸術を生む移動民族と、ストリート・ライヴ、ジャズ、ロックのイメージを重ね合わせて名付けられた。主な活動場所を渋谷路上とし、元々は広告、生活費目的で始まった。長時間の路上ライヴに耐えられるよう、当初はサックス、アコースティック・ベース、カホンという小音量でミニマルな編成・音楽を志向していたが、島野和樹がカホンを改造、バス・ドラムに代えてオリジナル・ドラムを開発して以来、ロック、ファンク、グランジなどを取り入れたアバンギャルドなジャズを演奏するようになった。サトウヒロと横田寛之は早稲田大学ハイソサエティオーケストラの同期。2004年の卒業後、しばらく一緒に演奏する機会はなかったが、サトウヒロのポップス・バンド「Summer Soft」のサポートとして横田寛之、島野和樹が出会い、ETHNIC MINORITYの構想が生まれる。毎晩のように行うストリート・ライヴが数多くのクリエイター、イベント・オーガナイザの注目を集め、さまざまなクラブ・イベントにて演奏を始める。渋谷・吉祥寺などのストリートでは100~200人の聴衆を熱狂させるようになり、2011年3月、本格的にバンドとして始動。2011年12月、東京ザヴィヌルバッハ with ヨスヴァニーテリーライヴのオープニング・アクトを務めた。2012年1月25日、East Works Entertainmentより1stアルバム『Startin'』リリース予定。また月に一回、インターネットTV"SPOTMOTION.JP"にて、横田寛之によるテレビ番組「ゴーシュダビンチTV」に出演している。

[レヴュー] 横田寛之ETHNIC MINORITY

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