HQDファイルで再現される迫力のライブ【Parabolica JAM’09】
オトトイが提唱するHQD(ハイ・クォリティー・ディストリビューション)、24bit/48KHzのデータによるライヴ音源の配信がいよいよスタート。第一弾はプログレッシヴで鋭角的なリフ、エモーショナルなライヴが好評の主催の2009年10月28日に渋谷QUATTROにて行われた【Parabolica JAM’09】。今回高音質ライヴ音源を配信するのはアメリカ・サンフランシスコ出身のマス・ロック・バンド、アイルランド出身の、そして主催の。HQDファイルならではの会場の空気感と、日欧米3組のアクロバティックな演奏の激突を高音質HQDファイルで是非体感してください!!
Parabolica JAM’09 ライヴ・レポート 2009.10.28@渋谷 QUATTRO
既存のフォーマットに乗っ取った音楽ではつまらない。様々なサウンドを折衷させていきたい。未体験の興奮を味わいたい———そういった価値観から〈ポスト・ロック〉という言葉は生まれた。90年代初頭の〈シカゴ音響派〉を始めとする、先人達の作り上げた革新的なサウンドは世界中に飛び火し、多数のフォロワーを生んだ。それだけに至らず、現在ではその方法論のみを抽出し、ポップ・ソングとして昇華させるバンドも次々と現れている。もちろんそれはオリジネイターの偉大さを指し示すものでもあるし、彼らの生み出した作品の魅力を霞める事はないのだが、〈ポスト・ロック〉という言葉の意味合いが定型化して認識されてきているのは否めない。だが、〈ポスト・ロック〉とはそもそも一時代のムーヴメントを指したものでもなければ、もちろんジャンル名でもない。「過去に〈ポスト・ロック〉と呼ばれたサウンドからもはみ出して、自分達の鳴らす音楽を新たな領域に押し上げよう」という意志が存在する限り、〈ポスト・ロック〉に終わりはないのだ。そして今この国でそこに最も高い次元で取り組んでいるのが、恐らくだろう。
そのの井澤惇が主宰するParabolica Recordsのツアー・イヴェント【Parabolica JAM’09】から、アメリカ・サンフランシスコ出身の、アイルランド出身の、そしてのライヴ音源がリリースされる。一聴すると規律がないようで、所々に甘味なメロディを挟み込んでくる。プログレッシヴな展開は見せるものの、変に技巧に走らない、いい意味で大味な演奏がポップさを生んでいる。そしては最新作『』でシンセサイザーを大胆に導入して新機軸を手にしたばかり。3バンドの共通点はインストゥルメンタルをメインとしているという事くらいで、サウンドの個性は見事にバラバラだ。だが向いているベクトルは限りなく近いのだろう。井澤は『Turn Red EP』リリース時のインタビューで「彼らと共に時代のシーンを作っていきたい」と語っているが、それが冗談でも何でもないことは、この3バンドの熱演を聴いてもらえばわかるはずだ。ここがまた新たなシーンの発火点になるのかもしれない。そんな興奮を、是非このライヴ音源から感じ取ってもらいたい。
text by 渡辺裕也
PROFILE & LIVE PHOTO by Wataru Sasaki
LITE
2003年結成、4人組インスト・ロック・バンド。独特のプログレッシヴで鋭角的なリフやリズムからなる、エモーショナルでスリリングな楽曲は瞬く間に話題となり、新人ながら ELLEGARDEN、ストレイテナーやTHE BACK HORNと共に出演など、国内での注目を集め始める。1stミニ・アルバムと1stアルバムが、UKのインディー・レーベル「TRANSDUCTION RECORDS」よりヨーロッパ・リリース、初のヨーロッパ・ツアーを成功させる。これまでにDEERHOOF、Sleeping People、31knots、Mike Watt、Joan of Arc、ALOHA、Collections of Colonies of Bees(ex.Pele)、PELICANやAdebisi Shankなどの来日ツアーのサポートを勤めるなど国内外を問わず多くのバンドからの支持も得ている。2007年、Mike Wattより、SPLITの指名を受け、Mike WattとThe Go! TeamのKaoriによるユニットFUNANORIとのSPLIT『A Tiny Twofer』をリリースし、その年のFUJI ROCK FESTIVAL 07への出演や、2度目のヨーロッパ・ツアーを行う。
- LITE website : http://lite-web.com/
tera melos
アメリカ・サンフランシスコはサクラメント出身の3人組ポスト・ハードコア、アヴァン・マス・ロック・バンド。BATTLESなどに代表されるマス・ロックとBLACK FLAGなどのハードコアをミックスしたサウンドに、Cap'n JazzやMODEST MOUSEなどの泣き変態エモ的な歌メロが乗り、とにかく独創的なその音楽性は、日本国内でも中毒者を次々生んでいる状況である。カオティックな中の美しいメロディー、そしてプログレッシブだが崩壊的な、まるでジェット・コースターに乗っているかのような綱渡りな危うさを感じる楽曲。変則リフ、リズムの応酬な突然変異的なフリーキーさが一度聴いたら忘れられず、数あるマス・ロック・バンドの中でも群を抜いた存在である。
- tera melos website : http://teramelosmusic.com/
Adebisi Shank
アイルランド、Wexford在住の3人組 Adebisi Shank。2nd Album『This is the album of a band called Adebisi Shank』はワシントンD.C.のハードコア・パンク・シーンの重鎮、J・ロビンズ(Jawbox)をプロデューサーに迎え、アメリカにてレコーディング。掻きなるギター、けたたましいドラム、気狂いベースが作り出す、ぶっ飛んだ世界は異次元そのもの。プログレッシヴで複雑な曲展開ながらも、聞くものの体を自然と揺さぶるストレートな8ビートは、NEU! 等のジャーマン・プログレ後継者の突然変異とも言える。平均23歳の3人が放つ熱球のような音の塊をぶつけ合い絡ませあうライヴは、音にうるさいヨーロッパのマス・ロック系リスナーも納得させ、ここ日本でもフォロアーを増産中。
LITE LIVE SCHEDULE
- 2009/12/09(水) 千葉LOOK 20th anniversary 〜6×9=53days〜@ 千葉 LOOK
- 2009/12/13(日) LITE「Turns Red」Release tour@名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL
- 2009/12/31(木) We Jam Econo 2009 -Mike Watt 52th & nels cline 54th birthday-@下北沢 ERA
- 2010/01/09(土) LITE「Turns Red」Release tour -FREE THROW NIIGATA-@新潟 CLUB RIVERST
- 2010/01/10(日) LITE「Turns Red」Release tour -FREE THROW NAGANO-@長野 LIVE HOUSE J
- 2010/01/11(月) LITE「Turns Red」Release tour@大阪 十三FANDANGO
- 2010/01/16(sat) LITE「Turns Red」Release tour@仙台 BIRDLAND
- 2010/02/10(wed) LITE「Turns Red」Release tour ワンマンライブ@渋谷 CLUB QUATTRO
ADV \2,500 / DOOR \3,000
発売日: 11/23
チケットぴあ (Pコード:340-007)
ローソンチケット(Lコード:70778)
イープラス
GANBAN(店頭販売のみ)