2011/05/15 00:00

Twitterのタイムライン、高円寺や渋谷のデモ、ライブ・ハウスでアーティストが連呼する... 等、『原発反対』と言う言葉がムーブメントのようになった。けれど「原発に反対する。そして我々は、これからどうするべきか! 」という具体的な行動を見つける事が出来ずにいた。そんなときに、鎌仲ひとみ監督の『ミツバチの羽音と地球の回転』という映画を見た。この映画には、『原発反対』の言葉のその先が描かれている。流れている報道が正しいかどうかも分からないし、原子力発電所は全く予断を許さない状況で、今我々に最も必要な情報が描かれていた。「我々は、これからどうするべきだ! 」。 このページでは、『ミツバチの羽音と地球の回転』のサントラ、そのサントラを作ったShing02の言葉、そして上映情報を記載した。是非このサントラを聞いて欲しい。是非、この映画を見て欲しい。この映画を見て、反対の言葉のその先を得た時に、発する『原発反対』の言葉はより一層大きな声で響くだろう。

ASHES TO HONEY

V.A.

¥ 1,834
鎌仲ひとみ監督作品『ミツバチの羽音と地球の回転』
オリジナル・サウンドトラック
『ASHES TO HONEY』

1. Overture / Taiko Saito, Naoko Sato
2. Parallelogram / Emi Meyer
3. Silent Tides / Taiko Saito, Naoko Sato
4. Whispering Plants / Emi Meyer
5. Passage / Taiko Saito, Naoko Sato
6. Hayabusa / Shing02
7. Okagura (interlude) / Shing02
8. Bright Future / Ras Takashi
9. Cruel World (Featuring Shing02) / Danny McEvoy
10. Indignation / Ras Takashi
11. Indignation (dub) / Ras Takashi
12. Bright Future (dub) / Ras Takashi
13. Cruel World instrumental / Shing02

■販売形式 : mp3 / wav
■価格 : mp3 1500円 / wav 1800円

comments from Shing02

鎌仲監督とは「ヒバクシャ」(2003年)の英語字幕を手伝ったのがきっかけで作品に触れるようになり、自分が坂本龍一氏と「Stop-Rokkasho」を立ち上げた2006年は鎌仲さんが「六ヶ所ラプソディー」を発表したり、色々な縁が重なって、ようやくお話をする機会が出来ました。「ミツバチの羽音と地球の回転」のサウンドトラックを監督から依頼された時は、自由に制作して良いと言って頂いたので、スタジオに籠って「何を作曲しよう」と考え込むよりは、出来るだけ外に出て、自然に組み立てて行こうと心がけました。

2009年の秋にベルリンをぶらりと訪れた時、たまたま通りかかったジャズバーで齋藤易子さんがマリンバのリハーサルをしている所でした。数時間後に戻ると着物姿でデュエットをしていて、ライブを見た所、曲風が素晴らしく独創的で「是非サントラに参加して欲しい」と思い、ライブ後に声をかけました。後日、齋藤さんがライブで来日したタイミングで、浅草のスタジオでセッションをお願いしました。その時に紹介されたのが、齋藤さんとは旧知の仲であるパーカッショニストの佐藤直子さんです。佐藤さんとはそれ以来、レコーディングやライブでもお世話になっていて、素晴らしい表現者です。レコーディングは簡単なディレクションはしたものの、基本的に彼女達が繰り広げたフリーセッションです。鎌仲監督が映画のシーンのために抜粋したものが、楽曲として収録されています。

ラップ曲の「隼」も、セッション中のグルーブをトラック用に編集したものです。隼のモチーフは、祝島を訪れた時にそこに生息しているると知って以来、俯瞰した視点を持つシンボルとして題材にしました。歌詞を書くのに時間がかかってしまったため、ブルックリンにある仲間のスタジオから期限ギリギリで納品したのが、今となっては良い思い出です。録音はつくづく「なまもの」だと思いますが、結果的に緊迫した雰囲気が伝わったと思います。

エミ・マイヤーと録音したピアノ楽曲はスウェーデンのシーンで使われていまですが、祝島を彩るマリンバのセッションとは対照的なイメージを醸し出すことが狙いでした。2004年にスウェーデンでライブをする機会もあったので、北欧特有の透明感のある情景を思い浮かべて作曲しました。

Ras Takashiは以前からレコーディングでお世話になっていて、人間的にも慕っているのですが、祝島に強い興味を持っていたのでサウンドトラックにも参加して貰うことになりました。Cruel Worldのダブ・バージョンを制作する所から始め、オリジナル曲の「Bright Future」も貢献してもらいました。レゲエ発祥のジャマイカと同じく、日本も島国。祝島の自然と共に暮らす精神が音楽を通じて世界と繋がって行けば、と切に願っています。

「Cruel World」は実は五年くらい前から温めていた曲で、始めはDanny McEvoy(ダニー・マッカヴォイ)のデモをネットで聴いて、リミックスしたいと頼んだのがきっかけです。Dannyはリバプール近郊に住む若手ミュージシャンで、ラッパーでもあるんですが、独特のボイシングとメッセージ性の強い曲だったので「いつか何かの映画のエンドロールにしよう」とリリース時期を見計らっていた所、ちょうどこのサウンドトラックに使わせてもらえることになったのです。彼にリバプールも案内して貰いましたが、奴隷博物館もあって、昔は奴隷貿易のための造船が盛んだったそうです。何世紀も経って、世界は目まぐるしい発展をしながらも、多くの問題も増やしています。どんどん広がる格差、進む環境変化を乗り越えて、自然を尊ぶ心を忘れないためにはお互いに何を確認すべきなのか。

製品を産み続ける以上、誰もが矛盾と課題を抱えています。しかしながら、その生活の中でも持続可能な世界、消費のサイクルを求めることは既に不可欠であり、逆にエネルギー源を選ぶことが可能な時代になっています。便利な情報社会において、誰もが言動を持って活躍できるチャンスがあるのは、素晴らしいこと。これからも、日本のみならず世界に目を向けながら共生と言うテーマを真剣に考えて行きたいと思っています。

鎌仲ひとみ監督作品『ミツバチの羽音と地球の回転』上映情報

——ここで生きていく決意が世界を動かす。
瀬戸内海祝島では自給自足的な暮しが営まれ、漁師やおばちゃんたちがきれいな海を守りたいと28年間も原発建設に反対してきた。島で一番若い働き手、孝くんはエネルギーの自給もしたいと望んでいる。しかし、圧倒的な経済力と権力が原発建設を推進し続けている。一方、北欧のスウェーデンでは脱石油・脱原発を決め、着実にエネルギーを自然エネルギーへとシフトし、持続可能な社会づくりが進んでいる。 どうしたら未来のエネルギーを自分たちの手で選択し、作りだせるのか。私たちと全く同じ普通の人々の感性と思いが国を越えて交差し、新しいビジョンを描き出す。未来を待たずに、今、未来を作り出す現場がここにある。自然と共振し、エネルギーを生み出すミツバチのような人々の羽音が聞こえてくる。

監督 : 鎌仲ひとみ
音楽 : Shing02
制作 : グループ現代

東京

ユーロスペース

6月4日(土)~17日(金)
土日 10:00 12:40 15:50 18:30
平日 10:00 12:40 15:20 18:00

6月18日(土)~24日(金)20:50
6月25日(土)~7月1日(金)10:30

※6月4日は鎌仲監督のトーク有り(12:40の回上映終了後)。また、他の日時でもゲストトークを予定しています。随時HP、Twitterにて発表します。
※毎週日曜日の15:50の回は、聴覚障害者の方にもご覧いただけるよう「日本語字幕付」で上映いたします。

当日一般1,700円、大学生・専門学校生1400円、会員1,200円、シニア1000円、高校生800円、中学生以下500円、身障者割引(身障者と付添い1名)1000円
自由席/整理券制
渋谷区円山町1‐5(渋谷・文化村前交差点左折)
03-3461-0211

神奈川

シネマ・ジャック&ベティ(横浜)

2011年5月7日(土)~5月27日(金)
横浜市中区若葉町3-51
京浜急行 黄金町駅5分
市営地下鉄 阪東橋駅5分
JR関内駅 15分
Tel. 045-241-5460

石川

金沢シネモンド

2011年5月7日(土)~5月20日(金)
※ 5月9日(月)、19日(木)は『六ヶ所村ラプソディー』を、10日(火)、18日(水)は『ヒバクシャ 世界の終わりに』を上映
〒920-0981 石川県金沢市香林坊2-1-1 KOHRINBO 109.4F
076-220-5007

長野

上田でんき館

5月14日(土)~19日(木) 追加上映決定! ※17日は休館

★下記の上映のみ、託児サービスがあります。
16日(月)10:30~12:50ミツバチ
18日(水)13:15~15:19六ケ所
19日(木)15:45~17:46ヒバクシャ

それぞれ前々日までに要予約
mirai-o-erabu(at)willcom.com (フジカワ)
一歳半以上。小学生もOK。一人につき100円(お菓子代)
飲み物持参
*ボランティアスタッフがお世話します。

長野県上田市中央1-6-13
0268-23-3357

大阪

第七藝術劇場

2011年5月28日(土)~6月10日(金)
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F
06-6302-2073

東京

UPLINK FACTORY

追加上映決定! 『ヒバクシャ 世界の終わりに』と『六ヶ所村ラプソディー』、さらにこの映画ににおさまりきらなかった、その後の六ヶ所村を追いかけた取材レポートをまとめた『六ヶ所村通信 no.4』も加えて、鎌仲ひとみ特集として上映することになりました。

5/8(日)『ヒバクシャ』(15:30)/『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『通信no4』(20:30)
5/14(土)『ヒバクシャ』(15:30)/『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『通信no4』(20:30)
5/16(月)『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『ヒバクシャ』(20:30)
5/17(火)『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『通信no4』(20:30)
5/23(月)『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『ヒバクシャ』(20:30)
5/24(火)『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『通信no4』(20:30)
5/26(木)『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『ヒバクシャ』(20:30)
5/28(土)『ヒバクシャ』(15:30)
5/30(月)『六ヶ所村ラプソディー』(18:00)/『通信no4』(20:30)

料金:一律¥1,000 3作品鑑賞¥2,700

【劇場】渋谷UPLINK FACTORY
渋谷区宇田川町37-18
03-6825-5502

青森

フォーラム八戸

追加上映決定!
5月28日(土)~6月3日(金)
青森県八戸市十三日町16チーノ5F
0178-71-1555

愛媛

シネマルナティック

6月4日(土)~6月10日(金)
〒790-0012 愛媛県松山市湊町3-1-9 マツゲキビル2F
089-933-9240

北海道

札幌マリオンシネマ

6月4日(土)~6月24日(金)
札幌市中央区南3条西2丁目リバティ4F
011-231-5138

京都

CLUB METRO

『メトロ大學 緊急上映会』

6月20日(月)
『メトロ大學 緊急上映会:311以後を生きる』-day1-
『六ヶ所村ラプソディー』上映会&鎌仲ひとみ監督 トークショー
開場:19:00 / 上映開始 19:30 → 22:30 終講予定
¥1,500 1drink
http://www.metro.ne.jp/schedule/2011/06/20/index.html

6月21日(火)
『メトロ大學 緊急上映会:311以後を生きる』-day2-
『ヒバクシャ~世界の終わりに~』上映会&鎌仲ひとみ監督 トークショー
開場:19:00 / 上映開始 19:30 → 22:10 終講予定
¥1,500 1drink
http://www.metro.ne.jp/schedule/2011/06/21/index.html

※前売りメール予約→ticket(at)metro.ne.jp 前日までに、公演日、お名前と枚数を明記してメールしてください。

[レヴュー] Danny McEvoy, Emi Meyer, Shing02, Taiko Saito, Naoko Sato

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