【2ヶ月連続特集】越川和磨&ハジメタルと語るロックンロール・バンド、THE 夏の魔物とは

ロック・フェス〈夏の魔物〉の主催者・成田大致によって結成された7人組ロックンロール・バンド、THE 夏の魔物が、1stシングル『僕と君のロックンロール』を完成させた。浅野尚志作曲、只野菜摘作詞による「僕と君のロックンロール」、浅野尚志と成田大致による共作の作曲、アントーニオ本多による作詞による「over the hill」の2曲をOTOTOYで配信開始。先月のスタジオ潜入レポートに続き、今回は初期衝動に溢れた本作について、担当ギターで参加した越川和磨、キーボードで参加したハジメタルを迎え、成田大致と泉茉里との座談会を行った。

THE 夏の魔物、1stシングルを配信スタート

THE 夏の魔物 / 僕と君のロックンロール

【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC : 単曲 257円 まとめ価格 500円(税込)

【Track List】
1. 僕と君のロックンロール
2. over the hill


THE 夏の魔物 / 僕と君のロックンロール


INTERVIEW : 成田大致 × 泉茉里 × ハジメタル × 越川和磨

THE 夏の魔物1stシングル「僕と君のロックンロール」「over the hill」で成田大致と泉茉里のヴォーカルを中心に据えたシンプルなサウンドを支えているのがギターの越川和磨(THE STARBEMS、ex. 毛皮のマリーズ)とキーボードのハジメタル(ex.ミドリ)の2人だ。それぞれ成田とは旧知の間柄にあり、キャニオン期のシングル曲「どきめきライブ・ラリ」「バイバイトレイン」等のレコーディングに参加、現在は「シン・マモノBAND」のメンバーとしてライヴには欠かせない存在となっている。今回はお2人を招き、成田・茉里との対談を敢行。THE 夏の魔物のメンバー、作品について感じていることを、数々の経験を積み第一線のミュージシャンとして活躍する2人ならではの、愛ある言葉で語ってくれた。

インタヴュー&文 : 岡本貴之
写真 : Jumpei Yamada

自分は昔、1回バンドをやることをあきらめたんですよ

ーー2月16日新代田FEVERで11曲を生演奏しましたが、いかがでしたか?

越川和磨(Gt・以下、越川) : すごくよかったですよ。魔物のメンバーがバンド形態に慣れてきたというか、ちょっと余裕が見れたというか。僕は1回目から参加しているんですけど、そのときはみんな「どうしたらいいんだろう?」って硬い感じがあったんです。でも段々、慣れてきて楽しめるようになってきたんだなって。それは自分も含めてですけど。バンド感みたいなものが出てきたかなって思いましたね。

ハジメタル(Key) : たしかに。トラックで歌うのとはまた全然違うので。ガイドとするメロディを取るにしてもリズムを取るにしても、基本とする部分は毎回変わっているんですよね。何故なら(シン・マモノBANDは)ドラマーが代わったりするし、ギタリストもベーシストも代わったりするので。だからより柔軟性が求められているようになっているんじゃないですかね。しかも豪華なメンバーですし。

左から、越川和磨、ハジメタル

越川 : うん、そうっすね。自分もメンバーが違う構成で3回ライヴをやっているんですけど、やっぱり毎回違って、バンドのグルーヴ感とかテンポも変わるので、長年バンドをやってる自分でもなかなか対応するのが難しいんですけど、それに乗っかれるように魔物のメンバーがなってきたんじゃないかなって思います。

泉茉里(Vo・以下、茉里) : 翌日の名古屋でのワンマンはオケでのライヴだったんですけど、やっぱり全然違いました。バンドだとステージの中音がガッと来てくれるので、オケでのライヴは一瞬不安にはなったんですけど、オケはオケの音の数がいっぱいあるのでそれも楽しいし、バンドは1人1人が演奏しているものがライヴごとに違いますし、楽しみ方が全然違いますね。THE 夏の魔物はオケとバンドと分けて全然違うところを見せられるところがいいなって思いながらやってます。

ーー最初キャニオン期に参加した曲「どきめきライブ・ラリ」は、以前から成田さんの活動を知っているお2人にはどう感じられたのでしょうか。

越川 : 「どきめきライブ・ラリ」は最初、自分的にはわけがわからなかったんですよね。展開がすごいし、わちゃわちゃしているし、「これ、エレキギターいるのか!?」っていうところから始まって。でも俺に頼んだということは、何かしら意味があるんかなっていうことを考えた結果、曲として軸がびっしりなところにちょっと“訛り”を入れるというか。曲としてはすごく標準語なんですけど、それに関西弁を入れるというか、そういうことが必要なんじゃないかって。自分が経験したことのない音楽性で女の子がいっぱいいて色んなキャラクターが出てきて展開もすごくて、しかも鍵盤とかすごい情報量がある中でどうやるかというのはちょっと戸惑いましたけど、何曲かやっていくうちになんとなく言ってることが理解できてきた感じです。

ーー成田さんが打ち込みでのサウンド作りを経て、西さんやハジメタルさんが参加するようなバンドサウンドになってきたのはどうしてなんですか。

左から、成田大致、泉茉里

成田大致(Vo・以下、成田) : 自分は昔、1回バンドをやることをあきらめたんですよ。実力不足… っていうのか、その時の俺は、バンドをやっても誰にも何も届けられないと思って。でも、チャン達に出会って、またバンドができるんじゃないかって、このメンバーなら唯一無二のバンドが出来るんじゃないかって思ってまた始めました。自分的にはライヴをバンド・セットでいつかやれるように、その第一歩として作った曲が「どきめきライブ・ラリ」だったんです。重要になったのが、頭から歌ってもらってるチャン(泉茉里)のヴォーカルなんですよ。歌入れのときに自分の中で、ハジメさんのキーボードが入ってる、西さんのギターが入ってる、チャンの歌があることで色んな挑戦ができるっていうのが確信に変わったんです。イントロでチャンがブレスした瞬間は、未だにはっきり覚えていますね。

茉里 : 「どきめきライブ・ラリ」は特にイントロの部分を「ここは頑張ろう」って思って歌ったのを覚えていますね。

THE 夏の魔物になって「シンガー・成田大致」はより前に出た

ーー西さん、ハジメタルさんから見たヴォーカリストの成田さんと茉里ちゃんにはどんな印象を持っているのでしょう?

ハジメタル : バンドのヴォーカリストという感じでもないし、アイドルっていう感じでもないし、結構面白いミクスチャーだと思いますけどね、2人とも。

越川 : たぶん、大致だけがヴォーカルだったら、キーが違うんだろうなって思うんですよ。要は他の女の子で歌う人のキーとの兼ね合いで、曲を作っているから、もっと声をワーッと張れたりするキーもあるんだろうなとは思うんだけど、やっぱりその兼ね合いで、大致は今はちょっと低い声で歌ってると思うんです。でも、「そこをどうしたいのかな?」とは思う。よく「ハイロウズがテーマです」っていうけど、そこに行くには後ろがロックバンドになっただけではそうはならないじゃん? きっと。だからそこは大致がどう歌うかとかだと思う。たぶん女の子はキーが上の方で歌ってるから声を張れるんやけど、大致だけテンションが低めになってるでしょ。

成田 : そうですね、今はみんなの良いところがでるように、自分のレンジより低いところでサビを作ったりとかは多いです。

越川 : だよね? だから、サビでガーンと行くような感じがもうちょっとあってもいいのかなって思いながら、ワーッて弾いてる (笑)。

ハジメタル : 男女混合でってなると、どっちかに寄ったときにどっちかはキツイっていうのは、もう決まってるので。そのためには転調するしかないってことになると、当然曲はそういう風になるし。ただ、それが個性ともいえるし。大致君は昔いったん歌い手としては一歩引いたところに行ったけども、THE 夏の魔物になって「シンガー・成田大致」はより前に出たので、今の指摘は今後の課題なのかもしれないよね。でも、今まで関わってきた中で1番楽しそうにやってるなって、見てて思いますよ。

越川 : 1つフォーマットが出来たらもっと楽にできるんじゃないかなって思う。アレンジにせよ、テンポ感にせよ。毎回変わると大変だし。でもそこはむずかしいよね、(演奏するバンドは)正式メンバーという形を取っていないから。それはドレスコーズにも同じことを思うけど。毎回、ドラムは中村達也さんだったり菅(大智)さんだったり、アヒト・イナザワさんのときもあって。でも毎回変わるっていうのは歌い手からすると楽しいんでしょ?

成田 : 楽しいから固定しないというよりも、スケジュール調整が一番大変です(笑)。自分としては、固定でやれるようになりたいっていう欲が強いです。それってバンドでやりたい方向性が見えてきたというか、やっとそれを掴み始めてるからなんですけど。

越川 : ああ、なるほどね。THE 夏の魔物の曲はキメも多ければ展開も多いから、覚えて体に入るまでに時間がかかるというか、ロックバンドのフォーマットにすっぽり入るものじゃないから、すごくむずかしいんだよね。毎回メンバーが代わると、「やっとやれそうやな」っていうところでライヴがあって、終わって次は違う人になるっていう繰り返しだから、それがいいのか悪いのか、ケミストリーを楽しむものなのか、もしくは積み上げていくものなのかっていうのは、どこかしらでハッキリしないとね。そこをどうしていくかっていうのは、結構重要なことなのかもしれない。

ハジメタル : ゆくゆくはメンバーの中での方向性みたいなものが見つかればいいですよね。

客観的に見てたのがどんどん愛着が湧いてきた

ーーTHE 夏の魔物メンバーとはコミュニケーションも取れていますか?

越川 : 最初は全然コミュニケーション取れなかったです。みなさん、うちに籠ってはる人たちなんで(笑)。でも男組はすんなりいけるというか、大内くんとかアントンさんはプロレスの話をしたりとか、アントンさんは昔からフェスの夏の魔物で会ったりもしているので。大致は大致で…… まあでもむずかしいですよ? 何考えてるかわからないので、結局。顔は笑っているけど、絶対笑ってないなとか。

茉里 : あははははは!

成田 : いやいやいや、そんなことないですよ(笑)。

越川 : あるよ、そういう瞬間が。「なんか不敵な笑いやなーでも絶対笑ってないけど」っていうときが。

ハジメタル : わかる (笑)。

成田 : いやいや、そんなことないですって(笑)。

越川 : だからまあ男は割といけるけど、女の子はちょっと入り込むのがむずかしくて。やっとこの前の新代田FEVERのときに舞ちゃんと話したんだけど、最初のうちはお互い緊張があるんできっかけがないとなかなかね。でもチャンちゃんは見ての通りバカなのですぐ突っ込めるというか。

茉里 : え~なんでですか(笑)!?。

越川 : まあ同じ関西のグルーヴがあるというか。みずほちゃんは不思議な子だよね。でもこれからは結構あの子がキーになってくるんじゃないの?

成田 : はい、そうですね。

越川 : るびいちゃんは本番前がナイーヴな子なので、「大丈夫か?」って声を掛けるんですけど、どこまで入っていいかわからないんですよ、みんなナイーヴな人たちだなっていうのがあるので。

ハジメタル : それは僕もそう思います。基本的に歌を歌う人はそういうところがあると思うんですけど、それが何人もいるとね。単独で活動していた人も中にはいるので、「バンドっていうものはなんなんだろう」っていうのを初めて経験する人もいると思うんですよ。だからそういうところもTHE 夏の魔物になってどうなって行くんだろうって、期待しているところですね。

越川 : なんか、客観的に見てたのがどんどん愛着が湧いてきたというか。楽屋でメンバーがぶつかってるのとかを見たりすると、ちゃんとグループで人と人とで当たるんだなあって。

成田・茉里 : (笑)。

越川 : やっぱり、そういうのを見ると愛らしくなってくるんですよね。

ハジメタル : そうそう、「ああ~、この感じ昔あったなあ」って。

一同 : (爆笑)。

ハジメタル : 懐かしいなあ~って思いました。

3人の覚醒する姿が見れると思います

ーー「僕と君のロックンロール」「over the hill」の制作はいかがでしたか?

越川 : 今回の曲が1番情報量が少ないんですよ。今回はわりかし「マジでバンドじゃん、これ」みたいな。

ハジメタル : ギターが中心になった2曲というか、音的にはかなりの変化じゃないですかね。

越川 : デモがきて「えっ? 情報量これだけなの?」みたいな感じで。「僕と君のロックンロール」は割とすんなりいった感じがありますね。ただ、「over the hill」の方は時間がかかって大変でしたね。

ハジメタル : あれは積んでますよね、いっぱい。

越川 : 「これでOKだよね」ってバーンっと送ったら、TDの前日の夜11時くらいに「西さん、1個やっぱりワガママ言っていいですか? オアシスみたいなすごい歪んだギターいけますか?」って言ってきて。「えぇ~昨日OKって言うたやん!?」って思って。時間もなかったんで、「ちょっと厳しいかなあ」って返したら「そうですよね… じゃああきらめます」みたいなことを言ってくるんですよ。それ見てカチーンときて。「あきらめるってなに!?」って結局朝6時7時まで作って間に合わせたんですけど。「あきらめる」とか言われると、「俺に頼んでおいてあきらめないでよ」って思っちゃうんですよね。たぶんそれがわかってて言ってきてると思うんですけど(笑)。

成田 : いや、何にも考えないで、やっぱり無理なこと言ってるよなあ… って思ってたので(笑)。

越川 : でも無理なことをやっていかんとアカンやろ、ロックって。寝やんかったら良いだけの話やから。それをやれるエナジー。そう、それがエナジー。

茉里 : そう、それがエナジー(笑)。


THE 夏の魔物 / over the hill

ーーハジメタルさんは「over the hill」でオルガン・ソロを後から入れたそうですね。

成田 : 「over the hill」はキーボードをダビングする予定なかったんですよ。でも西さんと「オルガンが聴こえちゃったよね」っていう話になって。

ハジメタル : オルガン・ソロって、人生初かもしれないですね。あんまりやったことないですけど、エレファントカシマシとかイエローモンキーみたいな感じのイメージなのかなって思いながらやりました。

越川 : 間奏と後奏で2回ソロが出てくるから、ライヴでやるときにオルガン・ソロの方が盛り上がるじゃんっていうのもあって、ハジメさんにソロをやってもらった方が絶対いいやんって思ったんです。

茉里 : 「over the hill」はすごくいい曲ですよね。歌うとテンション上がります。

成田 : 今回のシングルは、メンバーみんなの良いところを出していきたいっていうのと、西さんがギターを弾いてハジメさんがキーボードを弾くっていう大前提で全部作っていて、ライヴの画とか全員で歌っているところとかを想定したからこそできたと思ってます。

越川 : 舞ちゃんが卒業したら、彼女のパートはどうするの? 結構高い声出してるよね?

成田 : 女子パートはチャンを中心に、ガールズ3人とも歌えるようになればいいなと思っています。そのために、みずほとるびいも今ボイトレに行ってますし、3月18日のツアー・ファイナルからは戦闘スタイルの衣装も公開するし、3人の覚醒する姿が見れると思います。THE 夏の魔物として初めての名阪ワンマン・ツアーを経て、俺の人生でも初めてとなるツアー・ファイナルなので、ロックファンが1人でも多く来てくれるように、全員で目の前のことを全力で頑張っていきたいです。全国の魔物チルドレン(THE 夏の魔物ファンの総称)のみなさん、3月18日は新宿MARZに集結セヨ!!!

THE 夏の魔物、スタジオ潜入レポート&インタヴューはこちら

LIVE INFORMATION

THE 夏の魔物登場!!! TOUR FINAL 6人体制初ワンマンGIG
2017年3月18日(土)@新宿MARZ
時間 : 開場 19:00 開演 19:30
出演 : THE 夏の魔物
※バンド編成でのライヴとなります
チケット : 各プレイガイドにて絶賛発売中

THE 夏の魔物 presents “MAMONO HOUSE 2”
2017年4月4日(火)@阿佐ヶ谷ロフトA
時間 : 開場 18:30 開演 19:30
出演: THE 夏の魔物
チケット : 阿佐ヶ谷ロフトA ホームページにて発売中

対バンの魔物
2017年4月10日(月)@新代田FEVER
時間 : 開場 19:00 開演 19:30
出演 : THE 夏の魔物、BiS
※バンド編成でのツーマン・ライヴとなります。

対バンの魔物
2017年5月18日(木)@新代田FEVER
時間 : 開場 19:00 開演 19:30
出演 : THE 夏の魔物、後日発表
※バンド編成でのツーマン・ライヴとなります。

対バンの魔物
2017年6月12日(月)@新代田FEVER
時間 : 開場 19:00 開演 19:30
出演 : THE 夏の魔物、後日発表
※バンド編成でのツーマン・ライヴとなります。

PROFILE

THE 夏の魔物

ロック・フェス〈夏の魔物〉の主催者である成田大致によって、2017年1月6日に新たに結成された7人組ロックンロール・バンド。メンバーは成田大致、泉茉里、塚本舞、麻宮みずほ、大内雷電、鏡るびい、アントーニオ本多。2017年3月15日に浅野尚志作曲、只野菜摘作詞によるファースト・シングル・リリースが決定。

>>THE 夏の魔物 OFFICIAL WEBSITE

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インタヴュー

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