自由なるハウス / テクノへの飛翔、世界的評価を受けるGONNOのファースト・アルバム、先行ハイレゾ配信

もし、あなたがジェミー・XXやエイフェックス・ツインのアルバムの、その先にあるエレクトロニック・ミュージックを聴きたければ、本作を聴いてみるといいだろう。それらの作品と同じ様な”ポップ”なポテンシャルも本作は持ち合わせている。

ディープなテクノ、ハウスのファンには、フランスを代表するテクノDJ、ロラン・ガルニエの手に渡った彼の曲の入ったデモがプレイされ、いつしか世界的ヒットとなったこと。そのシングルをリリースしたレーベルが、あのDJハーヴィなどがリリースする〈International Feel〉であったこと、と、このサクセス・ストーリーを聞けば、彼の作品がどのような質のものであるかがわかるだろう。

アーティストとして、そしてDJとしても海外で高い評価を受け活躍するGONNO。彼のニュー・アルバム『remember the life is beautiful』は、そんな彼の現在の勢い、それを裏打ちする音楽的キャリアもしっかりと示すようなそんな色彩にあふれた作品だ。

OTOTOYでは本作を1週間先行でしかもハイレゾ配信。きめ細やかなシンセのライン、立体的な音響的配置など、ハイレゾだからこそ聴ける『remember the life is beautiful』の姿があるはずである。作品に関してはもちろんのこと、ここ最近のヨーロッパ事情、そしてダンス・ミュージックとハイレゾ… 制作においても、そしてDJとしても確かな”耳”を持つ彼にそんなトピックも含めて話を訊いた。

GONNO / Remember the life is beautiful(24bit/44.1kHz)
【配信形態】
24bit/44.1kHz : ALAC / FLAC / WAV / AAC

【価格】
アルバム購入のみ 2,268円(税込)

【Track List】
01. Hippies / 02.The Worst Day Ever / 03.Stop (Album Version) / 04. Confusion / 05.Beasts In Your Mind / 06. Across The Sadness (Album Version) / 07. Already Almost / 08.Revoked / 09. The Island I've Never Been / 10. Green Days (Album Version)

INTERVIEW : GONNO

開放感のあるバリアリック・フィーリングとともに、ハウス、テクノ、アンビエントなどさまざまなエレクトロニック・ミュージックのフィールドを縦横無尽に駆け巡る。GONNOのアルバム『remember the life is beautiful』は、彼の立脚点でもあるディープなDJカルチャーはもちろんこと、それこそインディ・ロック・ファンも含め、幅広い層にアピールできる間口の広さ、豊かな音楽性を持っている。

2000年代においても、国内のレーベル / イベント〈WC〉を拠点にしながら、イギリスやドイツのレーベルなどからシングルをリリースするなど、国内外を問わず活動を行ってきた。しかし転機となったのは、本人もいうように、DJハーヴィーらもリリースするニュー・ディスコ系の牙城、〈International Feel〉からの2011年のシングル「Acdise #2」の世界的なヒットだろう。それから、彼を取り巻く状況は一気に加速するように、国内外含めて変化した。そんなタイミングでのリリースである。

本アルバムのリリースは、こちらも日本のレーベルながらワールド・ワイドに活躍する〈Mule Musiq〉のサブ・レーベル〈Endless Flight〉から。つまるところ、アルバム・サイズの作品は、世界へ向けて本格的な発信となる。また朋友とも言える同世代のトラック・メイカー2人、INNER SCIENCEとDJ CRYSTAL(Traks Boys、(((さらうんど)))、JINTANA&EMERALDS)の2人との共作トラックもある。

さぁ、2015年の夏、日本を、いや世界を代表するであるエレクトロニック・ダンス・ミュージックの金字塔的アルバム、そして彼を取り巻くここ数年の動きをきいてみよう。

インタヴュー& 文 : 河村祐介
編集協力 : 天野東成

自分としてはやってることってそんなに変わらない

ーーOTOTOYでは初のインタビュー、あとはダンス系のメディアでもないのでちょっと最近の動き含めて、いろいろと話を聴こうかと。今回のアルバム、ワールド・ワイドのディストリビューションに乗るのが1stということで、実質は2005年に日本の〈WC〉というレーベルから出した『My Existence』に続く、2ndなんですよね。ここ数年海外での活躍も増えてますがその契機ってなんでしょうか?

GONNO : そうですね、前回の『My Existence』は流通も国内だったので。まず海外に関して言うと、初めて海外公演したのっていうのは2007年で、確かライヴだったかな…。〈Perc Trax〉からリリースしたレコードが海外でちょっとしたヒットになって、それが契機でした。あとは来日アーティストと公演して話して仲良くなって「じゃあベルリン来たときに一緒にやろうよ」って声をかれられてやってみたりとか。だから海外で何か活動しはじめたのは2010年以前からなんです。それに海外でのリリース自体は2005年に初めてレコードも出してるんですよ。

ーーどちらかというと〈WC〉時代はもろにテクノのフィールドとしてはテクノで、ここ最近は〈International Feel〉のイメージが強いからかもだけど、わりとハウスものというか。ちょっとイメージが変わった部分があって。

GONNO : それは本当によく言われることなんです(笑)、やっぱり〈International Feel〉からのリリースのインパクトが大きかったからだと思います。そこでパブリック・イメージが変わったのかなと思う。でも例えば〈International Feel〉からリリースされた「Acdise #2」も、リズムだけとか、アシッド・ベースラインだけ聴いてみると、そんなに以前の〈Perc Trax〉のレコードなんかと比較しても変わらないんです。だから自分がやってること自体もそんなに変えたつもりはないんですよ。


ACDise

ーーなるほど。

GONNO : もしハウスやディスコに振れたといわれる所以があるとすれば、僕がもともとはUSハウスやディスコ、フランキー・ナックルズの〈Def Mix〉とか、DJ EMMAさん、クラブでいえばいわゆる芝浦の〈GOLD〉とか、そういったものに洗礼を受けてDJをはじめたっていう経緯があって、最近それに帰りつつあるのも大きいかもしれません。今までもセットに少し組んできたけど、また最近その頃のハウスや、昔のディスコをよく掛けるようになったから。そういったものを聴き始めてDJを始めた当時は、90年代の日本のディープ・ハウスのシーンはすごい本物志向というか、とても保守的で、2000年代初めはそういったものから逃げたくて。そういうものに辟易してた2000年代初頭に、エレクトロニカとかテクノとか、〈WC〉とも出会って、そういうサウンドに傾倒していった。正直なところ現在のテクノも、だんだん様式美化してきていると思うんですが、今またそういうところからも、自分が逃げたくなってきているのかもしれないですね。だからこのアルバムもいわゆる"テクノ”っていわれるような曲が1曲もないんだと思います。

ーーあとはこの5年ていうと、日本国内での活躍のフィールドも変わったのかなと。フィールド的にもFUTURE TERRORに出たりとか、それまでとは違ったイメージもあって。DJ NOBUさんとの出会いは?

GONNO : 2010年に〈WC〉が終わった頃に、たまたまNOBUくんとUNITかどこかのクラブで会って、話が盛り上がって、平日水曜の〈Oppa-La〉で一緒にやりませんか? と誘ってくれて。いまでも覚えてるんだけど、そのOppa-Laで、DJが終わる頃にはNOBUくんが「いえーい!」ってなってくれて、本当に嬉しかった。あの光景は忘れられないですね。それでDJ後、楽屋に行ったら「来月のFUTURE TERRORでやってくれませんか?」っていきなり言ってくれて。

ーーその1回ってすごいですね。

GONNO : びっくりしました。いま思うと大きな転機の瞬間だったんだと思います。それまで自分は東京の特定のシーンでしか存在を知られてなかったと思うんですが、その後もNOBUくんがMyspaceとかで「ゴンノがいいぞ」って書いてくれて、そのあたりから、いろんな場所に誘われるようになって。だからNOBUくんには勝手ながらとっても恩を感じてます。あとは同時期にDJ CRYSTALくん、DJ DYE(Tha Blue Herb)くんも、International FeelのAcdise #2や他の僕の曲を色んなところで紹介してくれて、札幌に呼んでくれたり、長野に呼んでくれたりして、とても恩義に感じてますよ。ちなみにそのふたりは加茂くん(元Yellow/eleven、現Saloonスタッフ)がハブになってるなぁ。

ーー加茂くんちの狭い部屋で鍋やりましたね…。

GONNO : やりましたね(笑)。他にもフランソワ・ケヴォーキアンさんやEMMAさんのミックスCDに入れてもらえたり、実にいろんな方々にフォーカスしていただいて、本当にラッキーだったと思います。もちろん〈International Feel〉からの「Acdise #2」のリリース自体とても大きい転機でした。その4要素が大きいかな。Shhhhhくんとかも、NOBUくん経由で繋がって、初めてDJを聴いて衝撃をもらって……。それにその時期だよね、河村くんと出会ったのも。

ーーそうですね。Future Terrorか加茂くんルート(笑)。

GONNO : そうそう。最初は河村くん「GONNOくん、俺のこと嫌いだからなぁ」っていうところから入ってね。「そんなことないっつーの!」ってね。

ーーだははは(笑)。うざい酔っ払い、ひどいな俺。アルバムの話の前に、ちょこっと話は逸れますが、毎年1回か2回ぐらいは海外ツアーでDJやられてますが、ヨーロッパはどうなんですか? どのあたりがおもしろい?

GONNO : やっぱりヨーロッパの中でもベルリンは今でも特殊ですね。もうダンス・ミュージック王国みたいになってて、逆にロンドンとか大きな都市はけっこう東京と似てるかも。メガ・クラブって言われる所は観光客がすごい来てて、そうでないアンダーグラウンドのパーティーはレンタル・スペースを借りて、完全にウェアハウス・パーティーみたいなものが主流ですね。去年、俺がレゴウェルトやウィリー・バーンズと一緒に出たロンドンでのパーティーはそんな感じのウェアハウス・パーティーで。

ーー何人ぐらいの規模でやるんですか?

GONNO : 2000人ぐらいの規模だったんじゃないかな、4階建てくらいのビルの中の2、3階の凄く広いスペースを借り切ってて。リキッドルームのフロアが上下2階あるみたいな感じ。でもそういうパーティでもいまセキュリティをちゃんとつけなくちゃいけないみたいで、そのセキュリティがとても厳しくて。時間通りに終わらせなければいけなくて、最後はセキュリティに音止められて。「5時で完全に終了!」みたいな。

GONNO

ーーそういう感じじゃないと許可が下りないって感じなんですかね。ベルリンは?

GONNO : ベルリンは全くそういうのは無いですね。ほとんどのクラブが、土曜日の夜開いて、もう月曜日の朝ぐらいまでずーっと。で夏になると金曜日の夜から、時には火曜日の朝まで(笑)。もちろんスタッフとかは交代制でやってるとは思うけど、3日間ぐらいずっと開きっぱなしで。だからちょっとベルリンは特殊ですよね。体験としておもしろい場所だと思います。

ーーGONNOさんも瀧見憲司さんも呼ばれていた〈Homopatik〉っていうパーティもすごい話題になってますよね。

GONNO : あれは〈://about blank(アバウト・ブランク)〉ってクラブでやってて。場所はOstkreutzっていう駅があるベルリンの一番東の方の駅の近く。そのクラブ自体は〈ベルグハイン〉と比べるとサウンド・システムとかそんな凄いものではないんだけど、〈Homopatik〉はパーティー感がすごいのかな。毎回面白いことをやろうとしているから、お客さんも個性的な人が集まってきて。あとメインDJ、Mr.Tiesのカリスマ性もあって、開催すると延べ2000ぐらいバーッとお客さんが来る感じです。それまでのベルリンってどっちかと言うとダークで、退廃的なイメージだったんだけど、〈Homopat! ik〉はもっとファンキーで、おふざけしている感じ。

ーー〈ベルグハイン〉のイメージが大きいですからね。

GONNO : 〈Homopatik〉って運営陣やDJのほとんどがイタリア系なんだよね。国民性なのか、あの「いくとこまでいくぜ!」みたいな、苛烈な感じがすごい面白いですよ。ベルリンというロケーションで、イタリアン・アヴァンギャルド映画みたいな、ああいう世界観のパーティーがあるのはとっても面白い。

ーーラテン系なんですね。DJもパワーいりそうですね。

GONNO : たいていDJの後って、DJ中どれだけ長い時間やっても「もうちょっとやりたかったな」って思うんですけど、〈Homopatik〉の場合はほんと最後の方は「勘弁してください」って言いたくなる感じで(笑)。

単純に1人のリスナーとしてアルバムとして全部イーブン・キックの曲が流れてるのって、あんまりおもしろいものだとは思わなくて

ーーそういえば、そろそろアルバムの話もしないと。まず今回制作期間は、どのぐらいから?

GONNO : 実際に作業したのは2ヶ月ぐらい、3月~4月にバーッとまとめる作業をして。でも一番古い曲「Already Almost」は、2011年頭ぐらいにほとんど作られてますよ。

ーーじゃあこの5年間のスパンぐらいの曲がギュッとって感じですかね。〈International Feel〉から出した楽曲とかと、作った時期が変わらない曲も入ってるってことですよね。まとめる上でコンセプトって何かあったんですか? さっき言ったみたいに、いわゆるDJツールっぽい曲ってはいってないですよね。

GONNO : うんうん、完全なDJツールみたいな、そういうのは入ってないかもしれない。そういえば「アルバムにクラブ・トラックがあんまり入ってない」っていうのもすごく言われますね…。 でも、単純に1人のリスナーとしてアルバムとして全部イーブン・キックの曲が流れてるのって、あんまりおもしろいものだとは思わないし、あとこれ、僕の持論なんですけど、どんな音楽でもダンスってできると思うんですよ。別にイーヴンキックじゃなくても、BPM120~130とかじゃなくても。

ーーたしかに。

GONNO : なので、リズムの全くない環境音楽然としたものはまた違うけど、そうでないものは、全部ダンス・ミュージックと思ってつくっている節はありますよ。やっぱり自分がDJをやってるからなんだと思う。例えば僕のDJをいつも聴いてくれてる人からすると、今回のアルバムはとても合点がいくと思いますよ。オープニングで全く音が鳴ってない状態からスタート、というときの僕のDJのセットって、必ずこのアルバムに入っているテンポの遅い曲をたくさんかけるんです。それでそこからど んどんスピードが上がってってみたいな流れをつくる。このアルバムの進行にとても似ていると思いますよ。

ーーあと一晩の締めのころとか含めるといろんなタイプの曲はかかりますよね。あとは差し色じゃないけど、ダークでミニマルの曲の間にメロディアスなものかけるみたいなこともあると思うし。

GONNO : そうそう。カラフルさや多彩さがでてくる。

ーーでもDJカルチャー出身の人って、ここまで複雑なメロディとか構成的なものが作れないって人もいるわけじゃないですか、和声であるとか。独学なんですか?

GONNO : 全然! 独学ですよ。「幼少のころピアノ習ってました」とかじゃないです。だからボキャブラリーもたぶん皆が思ってるより少ないんじゃないかな。当たり前だけど、DJがつくる音楽ってリズム面はどの曲も本当に優秀だと思うんです。自分でそれをプレイして踊らせるわけだから。その分リズムに関しては、DJでトラック・メイキングもしている方は、みんなこだわりがあると思うんですけど、一方でメロディアスなもの、和声の進行だったりとか、作曲をする方からしたら当たり前だけど、音の高低っていうのもとても奥深いものですよ。ドレミファソラシドの中で表現できるものに限りがあるって昔の現代音楽家の人たちは考えて脱構築に向かっていったと思うんですけど、それはやっぱり楽典をよく理解した上で話せることで、僕は理論をそこまで知らないままそういったことを言いたくないですし。だからつくっていて面白いなと思ってやってます。

ーー独学って言ってましてけど、やはりそこの部分、例えばメロディの部分とかをリズムじゃなくて探求するってことに興味を覚えるというのもイコール、アーティストとしての個性ですよね。

GONNO : そうかもしれませんね。音楽ってせっかく何をしなければいけないというものではないのだから、色々な可能性を追求していって良いんじゃないかと思っていつもつくるし、その好きにやっていった方が自身の個性になるんじゃないかな。

ーーアルバム1枚で表現したかったこととかありますか?

GONNO : やっぱり物語性というのはかなり意識しました。自分のDJでもそうなんですけど、いわゆるミニマル・テクノ / ハウスのずっと変わらない世界観ってあるじゃないですか? あれもとても独特で魅力的な世界観だと思うんですが、一方では自分の音楽はそれだけに限らないというのがあって。例えば、デヴィッド・マンキューソが素敵なことを昔言っていて、「理想的なDJの一晩の流れっていうのは、陽が落ちて、陽が昇るような、そういう選曲だ」って。その1日の中で、日差しのあるときに何かが起こり、夜にも何かが起こる、そんな流れがあるわけじゃないですか。DJではそういった物語性をいつも意識してて、今回のアルバムに関しても、物語性っていうのがこだわりとして自然に出てきました。

ーーさっきちらっと出ましたけど、「Already Almost」みたいな曲を聴くと、アンビエントのプロジェクトも聴いてみたいなって思んですが。

GONNO: 興味はあるけど、自分一人ではたぶんできないかもなぁ。アンビエントの世界も奥深いと思ってますから。これだっていうものをもっと沢山つくれるようになれたら、やってみたいですけどね。例えば宙君(Inner Science)とかのアンビエントの世界観ってすごいと思う。宙君のほうにそのサウンドに長けてる人と何か一緒にできたら、と思ったりしますね。

ーーなるほどね。いまちょっと話出たんで。「Green Days」は、まさにCrystalさん、Inner Scienceさんの2人とやられてますけど。

GONNO : 2014年にザ・フィールドがきたときに、この3人で共演したんですよ。その日のバーカウンターかどこかで、「ノリで3人で何か曲をつくってみましょう」って言い出して、確か宙くんが。そんなきっかけです。音のやり取り自体は完全にメール・ベースでやりました。3人とも出自がそれぞれ全然違うんですけど、でもなぜか共鳴するところがあるんですよね。もちろん、2人とも尊敬の念というのもあるけど。強いていえば3人ともメロディの意識があるからかな。ダンス・ミュージックの機能美よりも、メロディックな要素も折衷として持っているというか。

ーータイトル『remember the life is beautiful』って、なんかわりと捉え方によってはわりと感傷的なタイトルで。

GONNO : これは以前に縁あって、とある方の家に遊びにいったことがあって、オーストラリアの方なので英語ですが、そのときに挨拶みたいに帰りに言われた言葉がこれで、いいフレーズだなと。ずっと覚えてていつかアルバム出すときに使いたいなと思ってた言葉なんです。ただ、「人生は美しいと覚えておこう」みたいなフレーズって、今のこんな不安な時代性からすると、すごく違和感があると思って一度違うタイトルにしようとしたんですけど、それでも、やっぱり啓蒙としてでも、このタイトルにしようと決めました。

16bitと24bitだと、大音量のフロアでかけると全然違う

ーー今回ハイレゾでのリリースなんですが、アーティストの側からみてどうですか?

GONNO : ハイレゾの定義って、24bit/44.1kHz以上だよね? だとしたら普段、制作環境で触れている音質なんですよね。アナログ・レコードをDJ用にデータに置き換かえたりするんだけど、いつも 24bit/44.1kHzで録ってたりするので、そういったものもハイレゾの定義の中なんですよね?

ーーCDJ 2000以上のモデルとかだとそれをそのまま読み込めますしね。

GONNO : そうそう。だから僕、正直まだあまりハイレゾについてわかってない部分があって。

ーーでも、24bitってレコードのアーカイヴィングしているって24bitの音の良さが経験値みたいなところで頭にあるからでしょ?

GONNO : 16bitと24bitだと、大音量のフロアでかけると全然違う。ハットとかキックとかダイナミックな音は、24bitだとトランジェントがもの凄く鋭角的に聴こえる。今回マスタリングはKuniyukiさんなんで、ダイナミックレンジもとても上手く残してくださって、そこも聴き甲斐があると思うのでぜひ24bitで聴いてほしいですね。CDはCDという規格に合わせて16bitにしているわけですからね。

ーーDJに関して言うと、CDJの対応とか考えると実は24bitの環境って身近なんですよね。

GONNO : そうかもしれないね。24bitの音源かけてるってことは、俺、ハイレゾDJなのか(笑)。

ーーだははは(笑)。でもいま24bitでアーカイヴィングしてるDJけっこういるから、PIONEERのCDJとかファイル・プレイヤー、PCDJで24bit再生できる機種だったらそうなりますよね。

GONNO : ハイレゾっていうと、どうしても24bit/96kHzとかかなりハイファイなものなのかなと思ってました。

ーーでもなんとなくですが、クラブ系のトラックでいえば音圧感とかも考えると24bit/48kHzあたりが、24bitの音の良さを享受できていいのかなとか。

GONNO : それは僕も感じます。クラシック音楽とかの場合はダイナミック・レンジがとても重要になってきますけど、対してエレクトロニックなダンス・ミュージックってやっぱりダイナミクスがある程度一定で進んで行くからそのぐらいのがいいのかもね。

ーー最後にひとつお聴きしたいんですが、〈WC〉を一緒にやっていた朋友のサーモンくんが亡くなられてから5年近くが経って、なんとなく実はこのアルバムのタイトルがわりと感傷的なタイトルとか深読みしてしまったんですが。

GONNO : 取り分けた用事という用事ではなかったけど、今日ちょうどサーモンくんのお姉さんからメッセージが来て、やり取りしてましたよ。でもこのアルバム・タイトルと、サーモン君とは関連性はないというか、切り離して捉えて欲しいです。彼に捧げるアルバムというわけではないですから。サーモン君に関してはひとつもふたつも、あるいは100個もエピソードが言えるけど、とにかくユニークで天才でした。曲作りとかアイディアに関してもそうでしたが、彼に生前言われてから守っていることが2つあって、ひとつは「音楽を作るなら誰とも違うことをやった方がいい」っていうこと、もうひとつ生前にしれっと言われたのは「ゴンちゃんの作る曲は、そこはかとポップな要素があるから、そのポッ プさはすごい大事にした方がいいよ」って言われて。その2つはいまの曲作りでもずっと頭の中にある要素です。「革新性=誰とも違うこと」「普遍性=ポップである」っていうことだと思うけど。そのふたつは今でもずっと意識してますね。

RECOMMEND

Jamie xx / In Colour(24bit/48kHz)

現場経由のバシバシのハウスながら、かなりのポップ対応もしっかりという意味では本作にちょっと近い感覚もある。UKの人気バンド、ザ・エックス・エックスのサウンドのブレインでありながら、DJとしても活躍するジェイミー・XXのファースト・ソロ。ベース・ミュージックとレイヴ、ハウスのハイブリッド。

INNER SCIENCE /Assembles 1-4

新作リリースも間近とも言われているInner Scienceの目下の最新作。DJ CrystalとともにGonnoのアルバムに曲作で参加中。この作品はいわゆるアーティスト・アルバムのリリース群からは少々外れた、実験的なエレクトロニクス& コラージュによる作品シリーズ。ディープなアンビエントと電子音の戯れが楽しめる。

(((さらうんど))) /See you,Blue(24bit/48kHz)

ある意味でここ最近のインディーのシティ・ポップ・ブームの先駆者とも言えるのがDJ Crystalの動き。シティ・ポップ=ある種の和製バリアリック・リヴァイヴァルと考えると、オリジネイターたる彼らが次の段階のテック・ハウス~ディスコへと先鋭化したこともうなづけるのではないだろうか。

LIVE INFORMATION

GONNO『Remember The Life Is Beautiful』 RELEASE TOUR

2015年7月31日(金)@大阪CIRCUS
with DAVE DK, FUMI
2015年8月1日(土)@代官山AIR
with Dave DK, Toshiya Kawasaki, Sisi, Crystal, INNER SCIENCE, NUMAN, Dasha, Tatsuoki, Yoshinori Hayashi, Taka, TOMOYOSHI NOMIZO
2015年8月8日(土)@福岡Blackout
with MOKS, KENBOW(garage), KEI(JAMEVIEW / OPTICAL), GAASUU(BLUE HOUSE), DJ Shodai
2015年8月14日(金)@京都SPANISH HARLEM LATIN CLUB
with RILLA, RAIJIN, YAN-YAN, SOTA
2015年8月15日(土)Dirty Circuit “Beach Party” @淡路BLUE JAWS
with HIKARU, Roy Comanchero, TELLY, Yuko Nishida,TKO
2015年8月28日(金)@仙台CLUB SHAFT
with KAGAYAMA, BOW
2015年8月29日(土)MOUNTAIN MASSIVE@岩手高原スノーパーク特設会場
2015年9月4日(金)@静岡JAKATA
2015年9月5日(土)@豊橋Quark
2015年9月11日(金)@郡山#9
2015年9月12日(土)@岩手音酔処 Bugpipe
2015年9月20日(土)秘境祭@山梨玉川キャンプ村
with ALTZ, DJ Kent, and more

PROFILE

GONNO

Gonno (Beats In Space / International Feel)ハウス / テクノの新世代アーティストとして国内外レーベルより数々の作品を発表、メロディックかつアシッドなサウンドを基調としながらもストーリー性溢れるDJスタイルで各地でプレイ。2011年にバレアリック・レーベルInternational Feelより発表された”Acdise #2”がLaurent GarnierやJames Holden、Francois Kevorkianを初めとする多くの国内外DJにプレイされスマッシュ・ヒットとなり、2013年にはNYのBeats In Spaceから12インチEP “The Noughties”をリリース、また同年にはJeff Millsのアルバム”Where Light Ends”に自身のリミックスも提供した。ヨーロッパ公演も幾多に渡り行い、2013年はロンドンでのBoiler Room出演などが話題となった。

>>GONNO Twitter

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