万華鏡のように混ざり合う、現在のUSオルタナとオールド・ミュージック――NEW HOUSE、2ndアルバムをリリース&特典が1stアルバム!?

クラウト・ロックからヒップホップ、ワールド・ミュージックからエレクトロニカ。幅広く音楽を吸収しながらオリエンタルかつキャッチーなメロディを鳴らすNEW HOUSEが2年ぶりの新作をリリース! 録音 / ミックスはセルフ・プロデュースながらも、マスタリングにはアニマル・コレクティヴやオーウェン・パレットなどの作品も手掛けるエンジニア、アラン・ドーチェスに依頼。OTOTOYではそのマスタリングの妙が光る24bit/44.1kHzのハイレゾで登場です。さらに今回、なんと期間限定で今作を購入すると1stアルバムがセットで付いてきます!! 1枚のアルバム価格で2枚のアルバムがダウンロードできてしまうこの機をお見逃しなく。

NEW HOUSE / Kaleidoscopic Anima

【配信形態】
【左】ハイレゾ(24bit/44.1kHz) alac / flac / wav : 単曲 250円 / アルバム購入 2,000円
【右】mp3 : 単曲 200円 / アルバム購入 1,500円

【Track List】
01. The River Singers / 2. Do Splash Happy / 03. Blow Wind Blow / 04. Your Kaleidscopic Anima Pt1 / 05. Landscape / 06. Natural Blessings / 07. Sunset Mirage / 08. Your Kaleidoscopic Anima Pt2 / 09. ALMA ALBA

期間限定!! 今作の購入特典に1stアルバム『Burning Ship Fractal』がまるまる付いてくる!? (〜7月9日(水)まで)
期間内に2ndアルバム『Kaleidoscopic Anima』を購入すると、1stアルバム『Burning Ship Fractal』がセットになってダウンロードされます。alac / flac / wavで購入された方にはwav(16bit/44.1kHz)音源、mp3で購入された方にはmp3音源で付いてきます。

>>1stアルバムの特集はこちら

INTERVIEW : NEW HOUSE

柔らかで奥行きのあるプロダクション。聴いているこちらの気持ちも沸くようなフックを備えたグッド・メロディ。そして、ボトムの深いトライバル・ビートのもたらす、優しげなダンスの高揚。NEW HOUSEの新作『Kaleidoscopic Anima』は、あっという間に過ぎ去った春を惜しみ、それはそれは楽しい夏を待ちわびる、このジメジメとした季節にも間違いなく爽やかな幸せを運んでくれる作品である。もちろん、本人たちも十分自覚的なように、聴くひとによっては、アニマル・コレクティブに代表される21世紀ブルックリン勢との共通点いくつか見出すこともできるだろう。だが、そうした音楽がしばしば実験性を重んじるばかりに陥りがちな殺伐としたムードはここには微塵もない。ギザギザとしたクラウト・ロックやUSオルタナからの影響が色濃かった2012年の1stアルバム『Burning Ship Fractal』と比べても、なんともポップに開かれた、穏やかな印象さえ受ける作品なのだ。あるいは、本インタヴューを通して、自らの作品にインスピレーションを与えた普遍的なオールド・ミュージックへの愛を語ってくれた際のバンドのすがた同様、とてもリラックスしたムードを持った音楽である、という言い方もできるだろう。なんとも素敵じゃないか。

さて、そのアルバムは去りし6月2日、バンドの所属する京都のインディ・レーベル、Second Royal Records(通称セカロイ)のbandcamp上でもリリースされた。今どきbandcampやその他の配信サイトを発表の場に選ぶアーティストは珍しくないとは言え、既にCDでもリリース経験のあるバンドとしてはやはり思い切った選択だと言えるだろう。その辺りの、リリースに関するもろもろの試みも含めて、この作品が出来上がるまでにはどのような背景があったのか。梅雨入りわずか3日間で、例年の梅雨期の総降水量に匹敵するほどの雨が降ったとも言われる六月初旬の週末、Yuta、Punpun、Seiyaの3人に話を訊いてみた。(ちなみに、アルバム不参加のKomuroはこの日は欠席。一方、Moroは… ぜひ本文で確認して欲しい。)

インタヴュー&文 : 佐藤優太

コーヒーを飲んだり、くだらない話をしたりしながら作ったアルバムなので、僕たち自身の作品の捉え方も、前作よりずっとパーソナルな感じ

――いきなりですが今回、bandcampで先行して配信という形を採ったのは、どういう理由からだったんですか?

Punpun : もともとはアルバムのイメージがライトな感じで、っていうところから始まってるのかなと僕は思ってます。前作(『Burning Ship Fractal』)から2年間、個人個人はそれぞれ活動をしてたと思うんですけど、バンドとしては何もリリースしてなかったし、ライヴも減らしていたので、そういう中で出た作品が重い感じに受け取られるのが嫌だなと。

Yuta : それと、前作はちゃんとしたスタジオで、バンドでジャムったりしながら作ったアルバムだったんですけど、今作は、僕の自宅に機材を揃えて、そこに週1回メンバーに集まってもらって、コーヒーを飲んだり、くだらない話をしたりしながら作ったアルバムなので、僕たち自身の作品の捉え方も、前作よりずっとパーソナルな感じがあって。

Punpun : そうそう。だから、ここでいきなり「アルバム出来ました! バーン!」ってCDをリリースするイメージがなかなか湧かなかった。

Yuta : そういうのをも踏まえて、セカロイの人たちとも相談させてもらって、そこで1番建設的に決まったのが、レーベルと連携しつつ、まずはbandcampでリリースするっていうアイデアだったんです。

――bandcampの方が、サラリと出せるイメージがあったということですか?

Yuta : そうです。それに、最近の海外のレーベル、特にアンビエントのレーベルとかを見てると、フィジカル自体はカセットで、そこにダウンロード・コードを付けてリリース、みたいなものも多かったりして、リリース形態も多様化してますよね。今回、僕たちもTシャツも先に発売していて、そのTシャツ着てるとアルバムが聴ける、みたいなことも試したりしてるんです。もちろんモノが欲しい人は買ってもらえれば良いですし。その上で、まずはソフトの良さを感じて欲しいみたいな気持ちもありましたね。

Yuta

――ある種の手作り感みたいなものを意識した部分もありますか?

Punpun : そうですね。でも、それもやっぱり作品自体がパーソナルなものだったから、ということが大きいのかなと思います。

――今作はメンバーで録音やミックスまで手がけてますが、曲作りはどうやって進めたんでしょうか?

Yuta : 最初はまずオケを僕が作って、みんなに聴いてもらって、リズムはどうか? ギターはどうか? みたいな感じで、ああでもない、こうでもないと考えながら作っていく感じでした。

Punpun : それも最初はデモ作りのつもりで、前作同様、最後は人にお願いして録り直そうと思ってたんです。でも、作って行くうちに、もはや自分たちでしか仕上げられないような気がして来たというか。

Yuta : うん。ミックスとか、RECの段階からこだわって作ったものを、改めて人に頼むのも違うんじゃないか、という話がメンバーからも出て来て。だったら自分たちで仕上げた方が良いんじゃないかとなっていったというか。

――なるほど。

Yuta : あと、これだけ配信とかWEBが自分たちで揃えられる中で、曲を作って後は置いておくだけが音楽じゃないんじゃないか、みたいな気分も内心あって。だから今回、まず配信から、という形を取れたのは、そういう意味でも良かったのかなと。

制作時に、すごく古いオールド・ミュージックをたくさん聴いてた影響もあって、曲全体に前よりもフックがあるといいなとも思っていて

――前作からの変化という点ではどうですか?

Yuta : 前作は、ちょっとドローンっぽかったり、ノイジーで深みのある音だったり、あとはジャム感があったり、みたいに音へのこだわりをテーマに作ったアルバムだったんですけど、今回はもっと、普遍的ないい曲がたくさん入ってるイメージで、パッケージしよう、みたいな感覚はあんまりなかったんです。制作時に、すごく古いオールド・ミュージックをたくさん聴いてた影響もあって、曲全体に前よりもフックがあるといいなとも思っていて。ワン・コードから展開していくような曲でも、前作ならテクノとかにもよくある、最後に1回だけ一気に展開する、みたいなのが多かったんですけど、今作はある程度、メロがあって、サビがあって、間奏があって、みたいな形を意識しながら作ってました。


「Blow Wind Blow」MV

――オールド・ミュージックというのは具体的にどの辺の音楽のことですか?

Yuta : 個人個人でも色々あると思うんですけど、バンドとしてある程度目標にしてたのは、たとえば、フィル・スペクターの関わっていたオールディーズ作品や、60sのザ・ムーブとかミレニアムみたいなソフト・ロック、毎回名前を挙げている90sのサン・シティ・ガールズとかのジャンクなロック。あとは30年代のアフリカのマリとか中東のフォークとか、そういう普遍的なものを聴いてましたね。あと、今回初めて自分でミックスやったんですけど、最近の音楽ってわりと立体的で、音が前に出てくるようなものが多いんですけど、昔のモノ録音とかって、ドラムの音が奥の方にあって注意しないとよく聴こえないみたいなものが結構あって、自分が作るものにもそういう奥行きみたいなものが出るといいな、と意識してミックスしたりしてました。

――たしかに今作は色んな音が沈んでるというか、耳を向けて拾い上げようと思えば色んな音が拾える、みたい感じがあるなと思いました。

Seiya : (唐突に)いま、Moroから「スカイプで参加したい」ってメールが来たんで、ちょっと準備します。

(一同笑)

――MoroさんはLEF!!!CREW!!!のツアーで沖縄に行ってるんですよね。

Punpun : さっき1時間くらい前に「沖縄着いた」って、インスタに上げてましたね(笑)。

Yuta : うざい(笑)。iPhoneに顔を写して写真を撮ってもらったらいいんじゃない?

――あ!

Yuta : Moro!あんま調子乗ると消すからな!(笑)

Moro : あ、どうも。今どんな感じですかね?

Yuta : 大丈夫だよ、映ってる。

Seiya : Moro自己紹介しろよ!

Moro : えー…、NEW HOUSEのMoroと申し上げます。スカイプをご覧のみなさん、いかがお過ごしでしょうか?

(一同笑)

――こんにちは! … えーと、じゃあ、何かあったら言って下さいね!

Yuta : 全然そんな感じで良いですよ(笑)。

ポスト・インターネットみたいなことも言われたりするんですけど、ただただ身近にある音楽を聴いてただけ、っていうのが大きかった気がします

――では改めて、もうちょっとオールド・ミュージックからの影響という部分について訊かせて下さい。古いものを掘り下げて聴くようになったことにきっかけは何かありますか?

Yuta : 今思うと、学生のころの経験が大きい気がしますね。ちょうどそのころの東京って、ワルシャワレコードやスモールミュージックみたいなお店もあって、ムーンドッグとか、子供向け番組の電子音楽の人とか、(スティーヴ・)ライヒみたいなちょっとニッチな音楽と、リアルタイムのヒップホップとかを並行して聴ける土壌が作られた時期だったという印象があるんです。僕たち、たまにポスト・インターネットみたいなことも言われたりするんですけど、実際はそうではなくて、その当時たまたま東京に住んでて、ただただ身近にある音楽を聴いてただけ、っていうのが大きかった気がします。僕たちなりにあのときのストリートを生きてたというか。

Punpun : うん。だから別に古いものだからどうこうというのはなくて、ただ好きな音楽、おもしろい音楽を掘り下げているうちに、例えばサブライム・フリーケンシーズのコンピをすごく気軽におもしろく聴けるみたいな状況があって、それをむしろ新しく感じたというか。

――そうか、「新しい」感覚なんですね。

Punpun : そう。しかも、その「新しさ」を直接的に提示されるんじゃなくて、コンピとかでサラッと聴けるのも良くて。ある意味、今回の自分たちの作品も、そういうライトさが欲しいなと思ってました。

Yuta : そうだね。歴史がある中で、特別に突出するんじゃなくて、流れのうちのひとつになりたいみたいなね。

――今作を作るときに聴いていたものだと、どういうアーティスト名が挙がりますか?

Yuta : いっぱいありますけど、アルバムを作ってたときに聴いてたのだと、ウィー・オール・トゥギャザー(70年代より活動するペルーのサイケ・ロック・バンド)とかですかね。「ペルーのビートルズ」って呼ばれるような、みんな聴いたら一発で好きになっちゃうようなすごい良いバンドなんですけど。

Punpun : 僕はオス・ノヴォス・バイアノス(70年代を中心に活躍したブラジルのサイケ・ロック・バンド)なんかをその時期よく聴いてましたね。古い云々というより、すごくおもしろい、オルタナティヴな音楽という感じがするんです。

Punpun
――どちらも南米のバンドですね。先ほどのお話にも、アフリカや中東の音楽の話が出て来ましたが、非西洋圏から出て来た音楽に特別に惹かれたりするような部分はありますか?

Yuta : うん、それはやっぱり、惹かれてますね。そういう音楽を聴くと、単純に音階が違うし、リズムの取り方もイチから違う。そういうのを混ぜ合わせてオリジナルの音楽を作りたいという気持ちはあります。

Punpun : あと、YouTubeでそういう人たちの映像を見たりすると、みんなでプールの横に集まってジャカジャカぬるい感じでやってたりしてて。でも、それがすごく気持ちの良さそうで、すごく羨ましく見えるんですよね。

Yuta : やっぱり僕らの場合、リスペクトから全部はじまってるんですよね。なんだかんだパイオニアが気になって仕方ない。オタク気質というか。でも、今作に関して言えば、オタク的に突き詰めて古いテイストするんじゃなくて、そういう古い音楽のフィーリングを今の時代に変換するにはどうすれば良いのか、みたいなところでやれたのが良かったかのなと思います。

Punpun : わざわざその日、録りがあるわけでもないやつも集まって、空気感を共有しながらやってたことがきっと良かったんでしょうね。憧れてた感覚にちょっと近づけたんじゃないか、みたいな。

1番かっこいい楽器ってなんだろう? って考えたときに、ギターが1番かっこいいなって

――今作で、前作との1番大きな変化だと個人的に思ったのが、ギターが前面に出るようになったことなのですが、その辺はどうですか?

Yuta : それは今作のテーマだったんです。シンセサイザーみたいな電子楽器も勿論好きなんですけど、今こんなにエレクトリックな音楽が巷にあふれている中で、1番かっこいい楽器ってなんだろう? って考えたときに、ギターが1番かっこいいなって思って、Punpunにも頑張って貰いました。

――そうなんですね。てっきりギターのPunpunさんのソロ(Punpun circle)からの影響もあるのかな? と思ったのですが。

Punpun : いや、そういうわけではなくて。いま思い返すと、前作のときの方が自分の色を出そう、という意識がすごく強くて。そのころは、Yutaが持ってくるものをあえて壊した方がおもしろいだろうみたいな気持ちも正直あったんです。でも今回は、自分の関わり方も変わって、週一回の限られた時間での作業で、なるべくYutaの意思に沿うような形で、曲がもっと良くなるように努めるっていう考え方をしていて。その上で、今回はギターを弾いてくれって頼まれたので、じゃあがんばるよ、みたいなに感じに思ってました。

――今作はマスタリングをアニマル・コレクティブ等の仕事で有名なアラン・ドーチェスに依頼していますが、これはどういう理由で決まったんですか?

Yuta : 僕たちアニマル・コレクティブみたいってすごい言われるんですよ。じゃあ、いっそやってる人に頼んじゃおうって思って。っていうのは冗談ですけど(笑)。

――(笑)。アニマル・コレクティブって言われるのはどうなんですか?

Yuta : もちろん、ミュージシャンとしては尊敬する部分も多々あるんで、嫌な気持ちはないんですけど、まあ、もう少しNEW HOUSEって言われたいな、とは思います。だからと言って、今回のオファーが当てつけということは全然なくて。実際、候補は他にも色々あったんですけど、やっぱその方の仕事の中に、本当に僕たちの好きなアーティストがたくさんいて。アヴァンギャルド・ヒップホップとか…。

――かなりヘヴィな音楽も手がけてますよね。

Punpun : コンヴァージとか!

Yuta : そうそう。後はマーティン・デニーとか、RUN DMCとかも手がけてたり。70年代とか80年代をメインに、とにかくすごいキャリアのある人で、2000年代には、僕らの青春時代に流行ってたニューヨークの音楽とかを一手に担っていた人でもあって。それこそパンダ・ベアの『パーソンズ・ピッチ』とか、スフィアン・スティーブンスとか。アニコレだと『ストロベリー・ジャム』とか、『フィールズ』とか。特に『フィールズ』は、サン・シティ・ガールをRECした人(Scott Colburn)と教会で録ってたりもするし。そういうのもあって、メンバーに相談して決めました。

――仕上がりはどうでしたか?

Yuta : 今回はアナログテープによるマスタリングをしてもらってるんですけど、ほんと、こういう音楽にはこれくらいの音圧だよなっていう自然な感じで。なおかつ、後半に行くにつれてだんだん低音が上がって来る、みたいな、ちゃんとアルバム全体の流れも感じられるよう仕上がってて、さすがだなと思いましたね。

――アルバム・タイトルの『Kaleidoscopic Anima』については、どういったイメージでつけたんですか?

Yuta : これはもともとPunpunがつけてくれて…

Punpun : いや、僕はただ「カレイド・スコープがいい」っていっただけで、それをYutaがかっこ良くアレンジしてくれた、としか思ってないです(笑)。

Yuta : (笑)。『Kaleidoscopic Anima』っていうのは… そもそもカレイド・スコープっていうバンドが僕たちすごい好きで。メキシコの方のカレイド・スコープも、UKのカレイド・スコープも。あと、製品としてのカレイド・スコープも好きで、レコーディング中に新しく買ったりしたくらいなんですけど(笑)。

――へえ(笑)。

Yuta : で、自分たちの音楽は、英語で歌っているし、欧米の音楽の影響も強いんですけど、今回はそういう影響に加えて、自分たちの内側から出てくるものが、それこそ万華鏡みたいに混ざり合って、半々に出ればいいなって思ってたんです。そういう意味でフォーキーで、普遍性のある作品というか。そういうイメージから膨らませて、「パーソナル」とかそういう意味の言葉がないかなと思って調べてたときに、「anima」って言葉に行き着いて。それが魂とか人とかを形作る、ちょっとゆらぎがあって形のないもののことなんですけど、タイトルにちょうど良いんじゃないかと思ったんです。それに「anima」って言葉自体も英語じゃないので、少し非英米圏的なニュアンスが出るのもいいなと思って。

――あ、なるほど。

Yuta : 実際、アルバムにはタイトル曲が二曲あるんですけど(「Kaleidoscopic Anima Pt1 & Pt2」)、それは人間の持つ色んな面、どうしようもない業の深さのようなものがある反面、優しさがあったりとか、そういう複雑さみたいなものを表現してみたいという意図が「Pt1」と「Pt2」にはあったんです。

――その2曲って、ギターのリフ自体は同じなんだけど、サウンドとか他の楽器との組み合わせによって全く違って聴こえるという風になってて、それによってある種の多面性を表そうとしているのかな、と思っていたのですが、そういう解釈は間違ってはいない?

Yuta : そうですね。まったく真意を捉えてると思います。

フォーク・アンビエンスというか、人としてのアンビエンスみたいなものが反映されたら良いなと思って作ってました

――もうひとつ作品のテーマ的な部分で訊きたいことあるのですが、曲名を見ていると、自然をモチーフにしたタイトルが多い気がするのですが、そういう意識はあったりしますか?

Yuta : あります。僕自身、海沿いの生まれで、家で寝てると海の音が聴こえるような田舎で育ったんですけど、やっぱり友達と山とか川に遊びに行ったりしても、そこで感じたアトモスフィアというか、深いところで鳴ってる音とか、洞窟の中の残響音とかみたいな、そういうフィーリングがずっと残ってて、それをアウトプットする、みたいなのは自分の中に普通にありますね。曲を作るときから意識してると思います。

Punpun : 僕自身は意識したことはないですけど、実際Yutaの作ったものを聴いてると、そういう風に作ってるんじゃないかって感じることはありますね。でも、そういう感覚を落としこんだ結果、ホントに色んな音が入ってて、すごく作り込んでもいるんだけど、そこまで気にしなくても全然聴けちゃう。そういうのも含めて、森とか海に遊びに行ったり、誰かがSNSに自然の写真とかを撮って載っけてるのを見つけたときの感覚と近いような。

Yuta : インスタで海が写ってる写真にいいね、的な?

Punpun : そうそうそう(笑)。

――そういう意味では、音楽自体はポップスなんだけど、いわゆる「家具の音楽」から繋がるような、環境音楽的な面もある気がします。

Yuta : オールディーズの音楽とかもある意味そういう部分があると思うんです。ダンスホールとかパブとかで、変に気を引いて邪魔しちゃいけない的な。そこからアンビエントとか、環境音楽とか、今ならポップ・ドローンとか、そういう音楽の歴史もあるし。だから今作では、それをフォークのサウンドでやってみたいっていう気持ちもあって。フォーク・アンビエンスというか、人としてのアンビエンスみたいなものが反映されたら良いなと思って作ってました。あと、今回に関しては、真夏にこもった部屋の中で、エアコンを止めてヴォーカルを録ったりもしてたので、そういうのも影響が出てるんじゃないかとか思います。

Seiya : 季節が変わって寒くなってきちゃったね、とかね(笑)。

Seiya

――それは整理されたスタジオで短期間で録ったのでは感じない変化ですね。

Seiya : でも、インスタじゃないけど、ほんとライトに聴いてもらえると嬉しいよね。

――質問は以上です。今日はお話ありがとうございました。

Punpun : そう言えばMoroくんってどうなったの?

――あ、そう言えば。

Yuta : まぁ写真は取れたと思うので。

Punpun : Moroくんに聴きたいこととかも特にないんですよね?

――バンドの役割的に、音源に入ってるノイズとか、ビートとかがMoroさんの影響なのかな、とか思ってたんですけど、そういうワケではなさそうですし。Moroさんってバンドの中でいつもはどんな感じなんですか?

Yuta : Moroくんて… 何だろうね?

Seiya : にぎやかし。

(一同笑)

Punpun : うーん、あいつの良いところってなんだろう?

Yuta : あいつの良いところは、人と仲良くするところ。空気感。人としてのアンビエンス(笑)。

Seiya : なんだかんだやろうとする。あと良きプレーヤー。

Yuta : それはあるね! あと、色んな音楽を受け入れるキャパシティはすごくあるよね?

Punpun : あるねぇ。

Yuta : これ良いんじゃない? 彼はバンド・メンバーとしても友人としても、僕たちの考えを一瞬で共感できるキャパシティを持った、良きプレーヤーであるっていう(笑)。

NEW HOUSE 過去作

NEW HOUSE / Burning Ship Fractal

デビュー・ミニ・アルバムから2年の時を経て大胆な進化を果たしたNEW HOUSE、初のフル・アルバム。アニマル・コレクティヴやアトラス・サウンドなどのサイケデリック・ポップから、アンチコン系エレクトロニカ~ヒップ・ホップまでを吸収。そこにオリエンタルかつキャッチーな独創的メロディと、煌びやかなアレンジが加わって、彼らにしか成し遂げる事ができないであろう唯一無二のサウンドに仕上がった。

LIVE INFORMATION

SAUNA COOL OFF
2014年6月29日(日)@下北沢THREE
w/ car10、PINK POLITICS、Super VHS、Teen Runnings、Ykiki Beat

PROFILE

NEW HOUSE

2009年11月に1stミニ・アルバム『Want Alone But Help Me』、2012年1stフル・アルバム『Burning Ship Fractal』をそれぞれリリース。ブラック・リップス、ヴィヴィアン・ガールズ、他多くの海外バンドの日本公演をサポートしUSツアーも経験、ブラック・リップスのニューヨーク2公演のフロント・アクト、「SXSW」への出演を果たした。そして、今年2014年、2ndフル・アルバムをリリース。

>>NEW HOUSE Official HP

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インタヴュー

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by 阿部 文香
筆者について
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