2013/05/03 00:00

1st アルバム『明日など来るな』のデビューから5年の時を経てリリースされるレイトの新作『君を愛す』。今回、OTOTOYではレイトの魅力を伝えるべく、本人が手掛けるアート・ワークを余すことなく披露。60枚以上にも及ぶアート・ワークを『レイトの画廊』として、誰でも無料で『電子書籍』や『紙本』をつくり、公開し、販売することができるWebサービス「BCCKS」で公開! 新作『君を愛す』をより深く理解できるように、音源とアートの双方の魅力を存分に感じてください。

3年振りの新作、5年振りのフル・アルバムをリリース

レイト / 君を愛す
ヒップホップのみならず様々な音楽をクロスオーヴァーさせるこのセカンド・フル・アルバムは、レイトが自分自身や現実を受容し、外へ歩き出す記録でもある。クソみたいな現実を前に、そこから這い上がる言葉の数々が並ぶ。

【販売価格】
mp3、wav共に : 単曲 200円 / アルバム 2,100円

「そのリリックが描き出す世界は、いま学校や社会の片隅で、居心地のいい場所を見つけられないまま、膝を抱えてうずくまっている少年少女たちにとっては、だれよりもリアルに響くメッセージに、こころ震わされる物語に満ちている」
「この人はこんなに若くして、いままでどれだけ長い、真っ黒なトンネルを歩いてきたのだろう。ひとりっきりで。手探りで」ー 都築響一『ヒップホップの詩人たち』より

『レイトの画廊』電子書籍の閲覧について

レイトがいままで描き貯めてきた直筆アート・ワークを、デジタル・アート・ワークとして公開! 60枚をこえる独特な世界観をもったアート・ワークは、見れば見るほど引き込まれる。新作『君を愛す』を聴きながら、じっくりとレイトの世界観を堪能してほしい。

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『レイトの画廊』は「データ本」(無料)で、閲覧することが出来ます。
1. OTOTOY書店へ行き『レイトの画廊』をクリック
2. 電子書籍で読むを選択
こちらからデータ本「読む」をクリック。無料でご覧頂けます。

BCCKSとは
BCCKS(ブックス)は、誰でも無料で『電子書籍』や『紙本』をつくり、公開し、販売することができるWebサービス。エディタで一冊本をつくるだけで、Webブラウザ、iPhone、iPad、Android、紙を含むすべてのデバイスにスピード出版できます。BCCKSのリーダーアプリの他、EPUB3ファイルでお好きなリーダーでも読書をお楽しみいただけます。
※電子書籍は、PCではSafari、Chrome最新版、デバイスではリーダーアプリ「bccks reader」またはEPUB3ファイルを落として対応リーダーでご覧いただけます

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生きる希望に満ち溢れているアルバム

ファースト・アルバム『明日など来るな』で2008年にデビューし、その作品がremix誌2008年度ベストディスクにランクインするほか、ROCKIN'ON JAPANやSTUDIO VOICEなど各誌でも高い評価を受け、翌年のFUJI ROCK FESTIVALにも出演を果たしたレイト。その後のレコーディングは難航。2010年にミニ・アルバム『さよなら昨日』を発表したものの、それに続く新作の発表はなかった。が、しかし、2013年3月15日にセカンド・アルバム『君を愛す』のリリースを発表。そして3年降りとなる新作が、この5月2日、シーンに放たれた。

公式ホームページにもあるように、レイトは今回のアルバムができるまで、苦悩し、何度も自分自身と向き合ってきた。そして完成した作品は意外なものであった。これまでの彼の作品と言えば、その目の前の現実とはどんなものであるかを包み隠さずに表現してきた。例えば家庭崩壊、学校での辛い生活、いじめ… そこから生まれる負の感情からリリックを作っているのではと思える曲が多くみられた。トラックもリリックに合わせ重苦しいものであったり、不気味であったりとダークな世界が広がっていた。

しかし今作は違っていた。アルバムのタイトルからも、これまでの作品とは方向性がまったく違うということが見て取れる。そして良い意味で力が抜けている。「それを愛す」ではたくさんの苦悩を乗り越えてきたレイト自身の今の気持ちを素直に表現している。続く「少年R」はバスケ部時代のことを歌っており、そこでも辛いながらも必死についていこう、生きていこうという意志がはっきりみえる。と、ここまで聴いてきて、明らかにこれまでとは違うものを感じる。それはトラックだ。

今作ではヒップホップでよく使われるような威圧感のあるバリバリな音のみならず、ギター、ドラム、またキーボードなど多くの音をクロスオーバーさせている。それによりヒップホップに抵抗を持っている人にも聴きやすく、またこれまで以上に緊迫感とメリハリがはっきりとわかる。個人的に驚いたのが「黒い春」だ。タイトルを見た時は暗い曲なのかと思ったが、聴いてみると曲調はすごく明るい。この曲では、現実で戦う女性の様子を歌っているが、ライヴではとても盛り上がりそうな出来になっている。この曲を聴くと自然と身体揺れてしまうだろう。そしてアルバムのタイトル曲でもある「君を愛す」。この曲でもトラックの緊迫感により、リリックの良さが際立っている。この曲は自殺をしようとしている人に対して、そんなことするくらいなら一緒に遊ぼうぜって生きてほしいというメッセージを伝える歌。ここで歌われている君とはリスナーである私たちなのだろう。ここにはレイトなりの人との交わり方が表れている。

これまでの作品はどちらかというと、自分自身の為に作ったきたかのように思える。しかし今作においては誰かの為に作ったのではないか。このアルバムは生きる希望に満ち溢れている。(text by 益子直人)

レイトの過去作もチェック

レイト / さよなら昨日

前作『明日など来るな』より約1年3ヶ月ぶりとなるリリース。ダークなトラック・メイキングと圧倒的なリリックはそのままに、今作では前向きな部分が垣間見える。いじめられっ子の明日への切実な思いを叫ぶパンクなキラー・チューン「さよなら昨日」、過ぎ去る日々を歌う瑞々しく切ない青春ソング「流星」やたったひとりで世界と対峙するような壮大な叙事詩「巨人」などの待望の新曲と、森雄大(neco眠る)、竹久圏(KIRIHITO)、そして自身によるリミックスを収録。新境地へと踏み出す全9曲。

>>>レイトの特集はこちら

レイト / 明日など来るな

家族、コンビニ、学校、犯罪、いじめ。少年の透明で純粋な瞳に映る冷酷で不条理な真実。身も蓋もない言葉が時にコミカルに、時にリリカルに、この世界の「リアル」を容赦なく炙り出す。パンキッシュなキラーチューン「馬鹿な奴」、家庭崩壊の中でかすかな希望を描く「言いづらいこと」、少年の“ダメな日常”を歌うアンセム「鼓動」、「明日からは断わろう」と連呼する「パシリ」。高い文学性と誇る圧倒的なリリックで、「ヒロトやベンジーがラッパーだったら」とも例えられる驚異の新人、衝撃のデビュー。

PROFILE

レイト

石川県金沢市出身。「トイレ」を逆から読んだ名を持つラッパー / トラックメイカー。2008年、アルバム『明日など来るな』でデビュー。同作でremix誌年間ベスト・ディスクにランク・イン。FUJI ROCK FESTIVAL 2009に出演。2010年ミニ・アルバム『さよなら昨日』リリース。客演もいくつか。

レイト official HP

この記事の筆者

[レヴュー] レイト

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