2013/02/14 00:00

2010年11月に結成された、ワールドワイドな音楽を無邪気に横断するフレッシュな女子4人組バンド、鬼の右腕。秘境祭などコアなパーティー・ピープルが集う野外フェス、都内のライヴ・ハウスで極められた瑞々しい感覚をこのたび初めて音源化!! なぜ鬼の右腕というバンド名になったのか、そしてどんな考えの元バンド活動を行っているのか。これからの活躍が期待される彼女たちにインタビューを決行しました。1曲フリー・ダウンロードとともに鬼の右腕の衝撃を味わってください!!

>>>「胎児」のフリー・ダウンロードはこちら


鬼の右腕 / タオイバクメディ
【配信形態】
mp3 : 単曲150円 まとめ購入1,000円

【Track List】
1. 胎児 / 2. くちゃ / 3. おしゃらか / 4. いも / 5. メラ / 6. ディ ラカ レミオ / 7. バウス

しなやかに舞い上がり、音に乗って旅をする。ワールドワイドな音楽を無邪気に横断するフレッシュな女子4人組バンド。秘境祭などコアなパーティー・ピープルが集う野外フェス、都内のライヴ・ハウスで極められた瑞々しい感覚が詰まったファースト・アルバム。

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INTERVIEW : 鬼の右腕

鬼の右腕に「ガールズ・バンド」という言葉は似合わない。それは彼女たちが女らしくないということではない。インタビューに現れた4人は、23歳の明朗な女の子たちだった。しかし、ステージに立つ彼女たちは力強く、表現に対する好奇心と向上心に溢れている。そんな彼女たちを、「ガールズ・バンド」という言葉によって作られるイメージの中に収めてしまうのは勿体ないと感じたのだ。2010年の結成から3年間、「ほぼ初心者」のところから各メンバーのスキル・アップ、民族音楽、ロックやR&Bなど、様々なジャンルへのアプローチを重ねて、今回初めての音源制作、初めてのレコ発イベントという大きな節目を迎えた4人。この4人でしかできない音楽を、ジャンルレスなアプローチによって生み出している彼女たちが、これからどのような成長を遂げていくのか。まずは今の鬼の右腕を、初インタビューとフリー・ダウンロードの1曲で、知っていただきたい。同世代としても、いちリスナーとしても追いかけていきたいと感じる、2010年代の超新星の登場だ。

インタビュー&文 : 櫻井希

世代も年代も、性別もジャンルも、何も考えてないですね

——結成はいつ頃だったんですか?

うてな : 3年くらい前にスティール・パンの弾き語りをする機会がありまして。ちょうどその頃、よしだとのじりがベースとギターを買ったっていう噂を聞いたので、2人を誘ってライヴをしたのがきっかけです。その次からみどりをパーカッションで誘ってやり始めました。

——元々、3人とはどんな繋がりがあったんですか?

うてな : 大学の同期です。みどり以外の3人はガムラン・サークルに所属していました。

左から、みどり、うてな、のじり、よしだ

——民族音楽はいつ頃から聴いていたんですか?

うてな : 大学に入ってガムランやディジュリドゥの音に触れて、倍音がすごく気持ちよくて、そこからよく聴くようになりました。元々インドの音楽は好きだったんですけど、ワールド・ミュージックに触れる前は、宗教曲が好きでした。

——宗教音楽ですか?!

うてな : でもノイズをやってみたりしていたし、中高の時はMTVで流れてくる曲を何でも聴いてました。出身が村なので、兄とMTVからの情報が殆どでした。
よしだ : 私も大学に入った頃からですね。この大学にはやりたいことがないなって思ったんですけど、ガムランの音だけはすごく好きだったんです。一時期耳が悪くなって、あまり音楽も聴かないようにしてたんですけど、その時期を経て色んなジャンルの音楽が新鮮に聴けるようになりましたね。うてなさんの持ってきたデモもすごく新鮮に感じて、今は何でも取り入れられる感じです。

——みどりさんはガムラン部ではなかったんですよね。

みどり : 元々民族楽器というか、ハンド・パーカッションがすごく好きで、高校生の時からコンガとかジャンベは好きで叩いていました。最初はパーカッションのセットで、コンガ2つとカホンとかでやってたんです。

——今もその頃のセットは残っている部分がありますね。

みどり : そうですね。ジャンベとウェーブ・ドラムは今も使っています。リズムをタイトにまとめたい時とか、ドラムの音が欲しいっていう場面があったんです。ドラムを叩くのは初めてではなかったんですけど、ブランクがあったので、最初はバチを持つと手が震えました(笑)。
うてな : そうだったね(笑)。

——オリジナルをずっとやっていたんですか?

うてな : そうですね。最初は歌ものだったのが、インスト寄りになってきて、今は無法地帯です(笑)。

——バンド名はどのように決まったんですか?

うてな : 元々、“何者でも御座いません”っていう名前でやってたんです。当時私が働いていたライヴハウスの方に(赤木TKC)「鬼の右腕にしなよ」って言われて、適当に返事してたら、そうなりました(笑)。

——(笑)。では特に意味がある訳ではないんですね。

うてな : そうですね、何も意味ないんですよ(笑)。男のバンドだと思っていたとか、よく言われます。

——確かに、ガールズ・バンドにしてはいかつい名前ですよね。

うてな : ガールズ・バンド的な要素は鬼の右腕に明らかに欠けてるんですよね。ガールズ・バンドという自覚はあまり無いです。

——鬼の右腕の音楽には、色々なジャンルの音楽が混ざっていると感じます。所属意識が無いというのは、バンドの音楽にも現れている気がしますね。

よしだ : 世代も年代も、性別もジャンルも、何も考えてないですね。

——なるほど。では、バンドを続けるモチベーションはどこにあるのでしょう?

うてな : 音楽に対する熱量って人それぞれだと思うんですけど、鬼の右腕に関して言えば、あまりガツガツしてないんですよね。バンドでどんな風になっていきたいというよりも、単純に4人でどんな音楽をやったら楽しいかとか、もっと色んなことやりたいなっていう好奇心で音楽をやってます。
よしだ : 人の評価っていうよりも、ライヴをやって、自分たちでまた練ってゆく感じだよね。

——バンド内でライヴの評価や感想を話し合ったりはするんですか?

うてな : 基本的に反省会をしています。

——ゲストとか、この人と一緒にやってみたいなみたいなものもありますか?

うてな : コーラスを入れたいです。ボディーからグルーヴが溢れ出してる人、いいな。あとグレゴリオ聖歌もいいな。
一同 : (笑)。
のじり : ダンサーとかも入れたいな。
みどり : VJさんとかもまた一緒にできたらいいね。

——音楽以外でも、色々な表現をやっている人たちとコラボレーションをしたいというのは、新たなものが生まれることへの期待でしょうか。

うてな : 「やってみたら楽しいかな」みたいな感じです。でも「楽しい」がキーワードになってるけど、ただ楽しければいいっていう訳ではなくて、楽しむためには、自分たちで色んな準備とかスキルが必要なので、楽しむために何が必要かっていうのは常に考えていないといけないなと思ってます。結成当時の音源と比べちゃいけないけど、みんなほぼ初心者みたいなところから始めたので、初期の音源を聴くと笑えます。少しずつだけど皆で変化しているのが嬉しいです。

——では最初から伝えたいこととか、やりたいことはあまり変わっていないということですか。

うてな : 変わってないかもしれないです。バンドで何を伝えたいかっていう質問をたまにされたりするんですけど、明確に伝えたいメッセージみたいなものは持っていなくて。「鬼の右腕としてどんな音楽をやったらおもしろいか」しか考えていません。今後も4人で、色んな事に挑戦してみたいです。

皆でお菓子を食べつつ、引続き頑張っていきたい

——曲はうてなさんが全部書いてるんですか?

うてな : そうですね。デモを送って、スタジオで合わせて。皆でアイデアを出したりアレンジしたりして。

——なるほど。鬼の右腕のヴォーカルってとても独特で、不思議だなと思ったんです。あれって日本語ではないですよね?

うてな : あくまで日本語を歌いやすいように崩してるって感じです。あとは、家でデモを作っている時に、口から出任せで出てきた言葉です。
みどり : 昨日のリハも凄かったね。録音を聴いてほしいくらい。
うてな : 歌いだしの瞬間に「ラップだ」と思って、「ヘイヨ~!」って言って(笑)。
一同 : (笑)。
のじり : 一瞬何が起こったかわからなかった(笑)。

——(笑)。作っていく段階では試行錯誤を経ているんですね。音源を作らず、ずっとライヴだけだったのは意図的だったんですか?

うてな : 自分は鬼の右腕をCDで聴きたいと思わなかったので、音源は興味がなかったんです。でもスタジオのライヴを撮影するっていう企画のサイトに撮ってもらったことがあって、そのライヴ映像を見たら本当に下手だったんです(笑)。このライヴ映像だけインターネットの海の中にあるのはよくないなって思って、録ろうと決めました。見切り発車だったよね。
みどり : アレンジをし直したり、新曲を入れたり。結構時間的にはパツパツだったけど。勉強になりました。

——はじめての音源制作は大変でしたか?

のじり : 予定が合わなかったよね。
よしだ : 2日で7曲録りました。
うてな : 急ピッチのレコーディングはもうやらないと思います(笑)。

——ライヴだと生ものじゃないですか。録音をした時に表現の仕方は変わりましたか? 録り直しも加工もできるわけじゃないですか。

うてな : そうですね。違いはありましたけど、そんなに録り直しはできなかったので、ありのままが聴ける音源ですね(笑)。

——(笑)。出来上がった音源を聴いた印象はいかがでしたか?

うてな : 何回も聴いたので、そろそろ聴き慣れてきたかなと思います(笑)。
みどり : 「エンジニアさんありがとう」って感じですね。ほんと、勉強になった。
よしだ : 初めてだったからね。
のじり : 次に繋げていければいい。この経験を生かして、もっともっといいものを作って行けばいい!!

——ではまたしばらくはライヴですか? レコ発ももうすぐですね。

うてな : どうでしょうね。レコ発は色んな人が一緒に出演してくださるので、楽しみです。
みどり : ありがたいね。
のじり : お客さんに楽しんでもらいたいし、自分たちも楽しくやりたいよね。

——これからは、どんなことをやっていきたいと思っていますか?

みどり : 個人的にはスキル・アップですね。うてなが持ってきてくれたデモを超えて、自分発信のものを作っていきたいです。
のじり : 私もスキル・アップですね。ちょっと雰囲気を変えたいと言われた時に、その空気に合ったフレーズを返せるようになりたいですね。
よしだ : じゃあスキル・アップで(笑)。でもスキル・アップは常に念頭に置いておかなくてはいけないと思うんです。レコ発とか音源制作を見据えた時のみんなの焦り様はすごく成長に繫がっていると思うので、最近は鬼の右腕が変化した期間だと思っています。この流れを更に繋げて行けるように活動していきたいなと思いますね。
うてな : あまり先のこととかも考えていないので、何も言えないです。皆でお菓子を食べつつ、引続き頑張っていきたいと思います。

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LIVE SCHEDULE

春節のかりゆし2013 鬼の右腕『タオイバクメディ』レコ発パーティー

2013年2月19日(火)@月見ル君想フ
開場 / 開演 : 18:30 / 19:30
出演 : 鬼の右腕 / TAIKUH JIKANG(濱元智行(gamelan) / GO ARAI(violin) / 徳久ウィリアム(voice)/ さとうじゅんこ(voice) / AYA(bass) / 辻圭介(pa) & 川村亘平斎(gamelan))
DJ : 蓮沼執太
イタリアンプログレッシブピザ→オータケコーハン(LAGITAGIDA,sajjanu)

PROFILE

鬼の右腕

2010年11月結成。
編成はうてな / のじり / よしだ / みどりの4人。
好きなお菓子はケチャップ、好きなアイテムは毛布、好きな食べ物は餅、好きなゲームはUNO。

鬼の右腕 official HP

[インタヴュー] 鬼の右腕

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