これぞパティロケ! な音づくり── Party Rockets GT、ニューシングル独占ハイレゾ配信
仙台出身5人組ガールズ・ユニット、Party Rockets GT(通称パティロケ)。先月5月17日にリリースされた『START!!』をOTOTOY独占ハイレゾ配信開始! 南波一海によるサウンド・プロデューサー・三宅英明へのインタヴューとともにお楽しみください。
Party Rockets GT / START!!
【収録曲】
1. START!!
2. Beyond
3. 01 -ゼロイチ-
4. キミと見た空
5. START!! (Instrumental)
6. Beyond (Instrumental)
7. 01 -ゼロイチ- (Instrumental)
8. キミと見た空 (Instrumental)
【配信形態】
24bit/48kHz WAV / FLAC / ALAC / AAC
【配信価格】
単曲 324円(税込) / まとめ価格 2,592円(税込)
INTERVIEW : 三宅英明
6月25日にグループ史上最大規模の赤坂BLITZ単独公演を控えるParty Rockets GT。彼女たちの最新シングル「START!!」のハイレゾ配信を記念して、グループのスタート時から楽曲制作に関わり、本作の表題曲「START!!」と「01-ゼロイチ-」の作曲編曲、「キミと見た空」と「Beyond」では編曲を手がけるキーパーソン、三宅英明氏に話を訊いた。初期から変わらず貫き通されてきたロック・サウンドの秘密を探る。
インタヴュー& 文 : 南波一海
オファーがあればその通りに作ろうと思っています
──三宅さんは最初からParty Rocketsの楽曲に関わっていますが、なにがきっかけだったのでしょうか。
三宅英明 : まずはコンペでした。Party Rocketsっていう名前は伏せられていたんですが、若い子が歌うアニソンっぽいメロディーで後ろのオケはハード・ロックみたいな曲がほしいと言われて。それで作ってみたのがファースト・シングルになった「初恋ロケット」です。
──そこからずっと続いているというのは、「初恋ロケット」で制作サイドとバチッとハマるものがあったということなんですよね。
三宅 : そう……なんですかね?
今西一晃(制作ディレクター) : セカンド・シングルの「MIRAIE」という曲は、MR.BIGのエリック・マーティンに依頼して作曲してもらって、アレンジは日本のアレンジャーがやるということで、そこまでの流れがあるから彼(三宅)に任せて。それでエリックに送ったときに、「このアレンジャーは誰だ」「ギター弾いてるのは誰だ」という話になって。いたく気に入ってくれたんですね。そういうこともあり、「この人は使える」と(笑)。彼も駆け出しで、まだそれほど作家活動はしてなかったんですけど、才能があるし、会社としてもこの人を伸ばしていきたいと思ったし、なによりパティロケに合っていてたので、しばらくの間はやりましょうと。それがいまも続いている感じです。
──作家として活動する以前はどうされていたんですか?
三宅 : 普通にバンド活動をしてました。ギターでライヴハウスを転々と、みたいな。その頃から作詞、作曲、編曲もやっていて、作るのが好きだから将来はそっちをやっていきたいなと常々思っていました。人前に出てやるよりは、自分が作った曲を誰かが演奏して、それを客席から見るのが好きっていうのに途中から気づいて。
──「ステージに立つ側でないかも」と?
三宅 : 高校生から始めて、その頃はもちろんギター・ヒーローになりたいと思っていたんですけど、途中からそういう気持ちが強くなっていきました。
──ちなみにどんな音楽が好きでしたか?
三宅 : 基本はギターがメインのハード・ロックとかヘヴィー・メタルを聴いてました。でも、それこそビートルズとかクラシックとかもよく聴いていたので、偏ってハード・ロックしか好きじゃないということもなくて。J-POPのメロディが好きで、後ろの音は洋楽のメタル系が好きっていう。だから、やっていたバンドもパティロケでやってることとあんまり変わらない感じでしたね。
──こういう方向性でやってほしいとオファーされてやっているというより、そもそもご自身に合った音楽をやっている。
三宅 : そうですね。わりとそのままな感じです。依頼された内容が合致していたので、これはすぐいけそうだなと思って、すぐに作って送りました。
どちらかと言うと曲作りのキー的には女性のほうがすごい合ってた
──「初恋ロケット」を作った手応えとしてはいかがでしたか。
三宅 : 自分的にはいいと思いました。
──女の子が歌う曲を書いたのは初めて?
三宅 : 女の人が歌う曲はちょいちょい書いたことがありました。もともと男ヴォーカルと一緒にやっていたんですけど、キーを高く書くクセがあって。なので、どちらかと言うと曲作りのキー的には女性のほうがすごい合ってたんですよ。ギターをメインで考えると、開放弦が使える……フレーズが作りやすいから。例えばEm、Amっていう5〜6弦を使うキーで、自分がメロディーを作りやすいのがそこからだから、男性から見るとハイトーンになっちゃうのかなと。
──その後、様々な人に楽曲提供していくことになるわけですが、Party Rocketsとそれ以外でどう書き分けようとかは考えたりはされるのでしょうか?
三宅 : 指示によりますね。ロックと言われればロックにするし、ダンスと言われればダンスっぽいのを作ります。おかませのときもあります。パティロケはわりかし、GTになる前はおまかせな感じでした。
今西 : 途中からサウンドプロデュース的に入ってもらうことになって、彼に任せておけば間違いないと思っていました。GTになってからは絡む人も増えたので、話し合いも多くなりました。
──それ以前は三宅さんが方向性を形作っていったわけですね。
三宅 : ライヴを見に行って、「こういう曲があるといいな」とか「こういうほうがウケるだろう」とか考えて、リリースがなくても作って、会社に送ってました。それが使われたり、シングルになるということも結構ありました。
──GT以降はより多くのスタッフでアイディアを揉んで、という感じになり。
三宅 : そうですね。今回の「START!!」だったら、春っぽいポップでロックな曲、みたいな。
──作家として、以前といまとでどちらがやりやすいとかありますか?
三宅 : どちらかと言うと自分で考えたほうがやりやすいですけど、オファーがあればその通りに作ろうと思っています。ただ、言われちゃうと型にハマり過ぎちゃう傾向があって、参考曲がこれだと言われると、それっぽくしなきゃって思っちゃうんですよ。
──ああ、近づいてしまうと。
三宅 : 近づいてしまうし、近づけないとと思ってしまうので。アレンジだったりメロディだったりテンポ感だったりが。そこはいつも悩むところです。
──Party Rockets〜Party Rockets GTに至るまで様々なメンバーの変遷がありましたが、曲を書くときはメンバーについて考えたりするのでしょうか。
三宅 : 初期は特に考えてました。3枚目の「セツナソラ」までは渡邉幸愛さん(現SUPER GiRLS)の歌を軸に考えていて。彼女はハスキーで、ロックにもすごく馴染む声だったので。彼女の声でこういうメロディーだったら合うだろうとかは考えましたね。
──では、渡邉さんがグループを移ったときは大変だったんじゃないでしょうか。
三宅 : 最後のライヴの日は今西さんとお酒を呑みましたよ。2人ともお酒を呑めない体質なのに(笑)。
今西 : 最初の頃は1枚ごとにメンバーが変わっていたので(笑)。やっと何枚か続けて同じメンバーで出せるという状況になりました。
──いまは安定してますよね。
三宅 : いまは役割ができていますね。たとえばAYUMIさんが帰国子女で英語の発音がものすごくいいから、英語のフレーズは彼女がやったり。そういう分担ができるので、作りやすいですね。
──歌割りも三宅さんが決めているんですか?
三宅 : 僕ではないです。自分のイメージでここはこの子って考えながら作ってます。イメージ通りに返ってくることもあるし、自分にとって意外な歌割りになるときもありますね。
「パティロケはこれだ」というのをファンのみなさんが持ってくれている
──シングル「START!!」の話をお聞かせください。ご自身のブログにも書かれていましたが、「START!!」と「01-ゼロイチ-」はプロデューサーの橋元恵一さんからアニソンっぽいものというオファーがあったんですよね。具体的なアニソンのサンプルはあったのでしょうか。
三宅 : いや、このアニソンということではなくて、あくまでアニソンみたいなメロが立つ曲というざっくりとしたものでした。
──メンバーそれぞれの声も立ってますよね。
三宅 : オリジナル・メンバーのHARUKAちゃんとFUMIKAちゃんはすごいわかりやすい声をしていて、色んなアイドルのなかでも珍しいと思っているんですよ。HIMEKAちゃんは見た目は可愛いのに、反して歌声は低域にも芯がある、そしてNANASEちゃんとAYUMIちゃんは歌がすごく上手なので、そこは軸になっていると思います。それこそアニソン系に合うというか。だからバランスがいいんですよね。
──作曲が高田英紀さんで、三宅さんがアレンジを担当された「キミと見た空」はもとはギターレスだったんですよね。フィニッシュまでギターレスにしようと考えたことはあるのでしょうか。
三宅 : パティロケでギターが入ってない曲はないですね。
──ですよね。だからデモの段階でギターがないものもあるんだと思って新鮮に感じたんです。
三宅 : でも、僕が作曲した曲でも、最初にバラードを作って、それをロックにしているっていうのが結構多いんですよ。「セツナソラ」とか「KASABUTA」とかはもともとバラードで作っていた曲をロックにリアレンジしたんです。ロックのサウンドありきでメロディーを作ると、緩やかじゃなくなっちゃうんですけど、バラードからロックにすると、緩やかさを残しながらロックになるので。
──もとがメロディーを聴かせる曲だから。
三宅 : そうですね。僕のなかではメロディーとバックのバランスがよくて。いい感じに混ざるというか。最初からロックで作るとメロディーもやや攻撃的になる(笑)。パティロケに関して自分のなかで考えているのは、あくまでも歌謡曲っていう位置づけなんです。ドラムがツーバスやっていようが、ギターが速弾きしていようが歪ませていようが、歌謡曲。
──音の質感もそうですよね。
三宅 : 僕はミックスとかマスタリングはやっていないですけど、尖らせすぎないようにっていうのは考えてます。いまどきのロックのCDは音圧もすごくてジャキジャキしたエッジの利いたものが多いですけど、パティロケは10代の子が歌う歌謡曲だと思ってます。本格的なハード・ロックを作るぞという気分ではやっていないというか。ハード・ロックとかヘヴィーメタルを聴きたいのであれば本場の人のを聴いたほうがいいし。
──そこが一貫しているがゆえに『BURRN!』から流れ弾を受けたり。
三宅 : 完全に流れ弾です(笑)。誰と対抗する気も全然ないんですけどね(笑)。アプローチも違うので。
──正直、面白いなと思って眺めてました(笑)。話を戻して、ご自身で作曲される場合と、アレンジのみの場合で取り組む姿勢は違ったりしますか?
三宅 : 特には変わらないですね。今回のシングルで言うと「キミと見た空」はさっきも話したとおりもともとのデモは全然違いました。「Beyond」に関してはわりとそのままで、ブラッシュアップしたというか。ファンクなノリでカッティングがメインの曲なんですけど、パティロケに馴染むように、いつもの歪ませたギターのシロタマをLRにバンと入れたりはしてます。ファンクなだけだとあまりに雰囲気が違っちゃうかなと思ったので。
──録音でカッティングは滅多にしないと言ってましたもんね。
三宅 : しないですね。練習ではやりますけど。
──最終的には音のイメージがずっとブレていないのはすごいことだと思います。
三宅 : みなさんのお陰だと思います。言っちゃえば、橋元さんがひと言「変えよう」と言えば変わると思うんですよ。ただ、「パティロケはこれだ」というのをファンのみなさんが持ってくれているので、一貫性があるんだと思います。
──今後もこのテイストでいくと。
三宅 : の、つもりです。僕個人としては(笑)。
LIVE INFORMATION
Party Rockets GT ONEMAN LIVE「~beyond~」
2017年6/25(日)@赤坂BLITZ
アイドル横丁夏まつり!!〜2017〜
2017年7月8日(土)、9日(日)@横浜赤レンガパーク
@JAM in 上海 2017
2017年7月15日(土)@上海 万代南夢宮上海文化センター 夢想劇場
TOKYO IDOL FESTIVAL 2017
2017年8月4日(金)、5日(土)、6日(日)@お台場・青海周辺エリア
@JAM EXPO 2017
2017年8月26日(土)、27(日)@横浜アリーナ
PROFILE
Party Rockets GT
仙台発 現役女子高生ガールズユニット、Party Rockets GT。 キャッチコピーは「ロックのパーティのような楽しさと、ティーンズの大きな夢を乗せてより上に飛びだそう!」
2012年8月に前身のユニット名“Party Rockets”としてデビューシングル『初恋ロケット』にてデビュー。 これまでに5枚のシングルとフルアルバム1枚をリリース。
まだ幼さが残る少女的外見からは想像もつかないハードなロックサウンドと完成度の高いヴォーカル&ダンスが魅力の彼女達のパフォーマンスは活動拠点の仙台に留まらず既にアイドルファンの口コミで全国に広がりを見せている。
米ロックバンド“Mr. Big”のフロントマンであるエリック・マーティンが直々に楽曲を書き下ろし、アイドル業界に留まらず幅広い分野にて話題を集めるなど、次世代アイドルの期待の星として躍進中。
2015年からは活動の拠点を仙台から東京に移し、初期メンバーのHARUKA、FUMIKAを中心に、新メンバーのAYUMI、NANASE、HIMEKAを加え、ユニット名も“Party Rockets GT”と改名。パティロケ第2章として、新たな躍進を目指し活動していく!