2016/07/09 10:21

魅了される「攻め」の姿勢──callme、最新シングルをハイレゾ配信&メンバー・インタヴュー

左から、RUUNA、MIMORI、KOUMI

自ら作詞、作曲、振付などを手がける3人組、callmeが第3弾シングル『Confession』をリリース。「告白」をテーマに、イントロのピアノが頭に残る印象的な作品に仕上がった。本作品以外にも、OTOTOYではほぼ全作をハイレゾ配信中。今年全員20歳を迎え、ますます磨きがかかる彼女たちにOTOTOY初インタヴューです!

callme / Confession(24bit/48kHz)
【配信形態】
ALAC / FLAC / WAV / AAC

【価格】
単曲 540円(税込) アルバム 1,100円(税込)

【Track List】
01. Confession
02. Take my time
03. Summer of love

callme / Confession -Music Video-
callme / Confession -Music Video-

INTERVIEW : callme

冒頭のイントロからいきなりテンションの高いパワフルなピアノ・プレイが鳴り響き、そのまま疾走するピアノとダンス・ビートに乗せて、3人のメンバーが妖しくシリアスな歌声を次々に聴かせていく。callmeの通算3枚目となるニュー・シングル『Confession』は、そんなミステリアスで大人っぽいムードを漂わせるR&Bナンバーだ。

callmeはメンバーが自ら作詞、作曲、振付などを手がける、セルフ・プロデュースのユニット。その非凡な才能は、EDMを中心にディスコ、ヒップホップ、ボサノヴァなどの要素を取り入れて多彩なポップスを作り上げた、昨年のファースト・アルバム『Who is callme?』ですでに証明済みだ。そこから今年に入って出したシングル『Can not change nothing』と今回の『Confession』で、さらにクオリティが増し洗練されてきている感があり、枚数を重ねるごとに彼女たちは成長しているように思える。

 彼女たちはアイドル的な魅力も持ち合わせているのだが、それでいて音楽的にとんがったかっこいいポップスをどんどん繰り出していて、そのギャップがおもしろい。今の国内シーンに於いて、希有な存在といえるだろう。今回はこの『Confession』や、7月に行われるライヴ・ツアーについて、3人に話を訊いた。

インタヴュー& 文 : 小山守
撮影 : 林晋介

callmeに合った曲がどんどん生まれてきています

──ひとつ前のシングル『Can not change nothing』が4月に出て、今回の『Confession』が6月ですから、リリースのペースがはやいですね。

RUUNA : そうなんですよ。今年は勝負の年って自分たちでも思ってて、今年で全員20歳になるというのもあって、たたみかけたいんです。作品を出して、たくさんの人に知ってもらう機会を増やしていきたいので、短いスパンでどんどん出していきたいです。

──callmeの場合は自分たちで曲を書くので、大変じゃないですか。

KOUMI : 前回の『Can not change nothing』のリリースイベントの時くらいから、『Confession』を作り始めていたんです。リリイベなんだけど、次の曲も考えなきゃいけないみたいな感じだったので、そこは大変でした。

──作曲のストックもあるそうですけど、そういうのは使わないで、イチから作るんですか。

MIMORI : 今回は作っちゃいましたね。「Confession」を作ったら、それにあわせてカップリング曲のバランスもあるから、じゃあもっとこういう曲も入れたいね、って、結局全部作っちゃった、って感じです。

──MIMORIさんが作曲担当ですけど、煮詰まらずにたくさん書けるんですか。

MIMORI : そうですね、作るって決めたら、それに集中して取り組むので、短い時間でけっこうな曲数ができます。

──昨年4月のファースト・ワンマンで、新曲を一気に10曲作ったんですよね。そういうので鍛えられて、作曲のコツを掴んだみたいな感じがあるんですか。

MIMORI : そういうコツを掴んできたのはわりと最近なんです。今までは、がんばって自分の思うようなメロディーを出していく、みたいな感じだったんですけど、最近は自分が歌いたいメロディーとか、こんな曲あったらいいなとか、そういうことを考えて、楽しみながらできるようになりました。今すごく楽しく曲を作れていて、callmeに合った曲がどんどん生まれてきているので、そういう気持ちがとても大事だなって思っています。

──プレッシャーよりも、楽しいっていうほうが先にきている感じですか。

MIMORI : そうですね。プレッシャーはそこまで感じていなくて、とりあえず作ってみよう、というところから始まるんですよ。それでいいものができたら世に出していこう、っていう感じでどんどんやっています。

左から、MIMORI、KOUMI

──ではこの『Confession』の聴きどころについて、それぞれ話してもらえますか。

KOUMI : callmeは今までも大人っぽい曲は持っていたんですけど、今年20歳になって、10代と20代って1歳しか違わないですけど、感覚的にすごく大きな差があるなあって感じたんです。今までよりももっとcallmeの大人な部分を、この「Confession」で見てもらえるんじゃないかなあって思ってて。この曲の歌詞をみもちゃんからもらって、私もこの歌詞の女性みたいな性格なんじゃないかな、って改めて気づけたんですよね。

──この曲の歌詞って“告白”がテーマで、相手に告白してもらいたくて、誘ったりアプローチしたりしているんですよね。

KOUMI : 向こうから自分を求めて欲しいから、誘惑して、アプローチをしてもらう感じなんだなって思って。私もそういうタイプだなって思うので。だから、大人っぽいけどすごく歌いやすかったです。

MIMORI : この曲の歌詞は、強気の女の人を書いたんですね。自分が告白するのは、腑に落ちないような女の人なんですよ(笑)。

──こっちから言うんじゃなくて、言わせたいってことですよね。

MIMORI : そう、相手から告白して“ああ、別にいいよ、付き合ってあげるよ”って、ちょっと上から目線の女の人を書いているんです(笑)。なぜかそういう曲はすごく得意なんですよ(笑)。そういう曲ばかり書いちゃうんですけど(笑)。AメロとBメロは閉じこもっているメロディーで、気持ちを隠しているんですけど、でも自分の気持ちは抑えられないから、早く相手から告白の言葉を聞きたいよって、サビに向けて感情が爆発するようなメロディーにしているんです。感情の起伏と、メロディーがあがっていく感じと、あうようにしているので、そういうところも聴きどころかなと思います。

RUUNA : 今まではいつも、表題曲は明るい曲を持ってきていたんですよ。幅広いかたに受け入れてもらうために、っていうことで。でもcallmeはデビュー曲からずっとこういう(明るくない)曲を中心に作ってきていたし、サード・シングルは夏前に出すってことで、勝負を賭けたいというのがあったので、今回は私たちとしてもすごく挑戦なんです。

──確かに今回収録の3曲の中では、たとえば「Summer of love」のほうが明るい曲ですよね。それをあえて「Confession」を表題曲にしたと?

RUUNA : そこがcallmeのいちばんおもしろいところだなって、私たち自身も思っているので。「Confession」を表題曲にするにあたって、歌詞も深くいきすぎないようにとか、コアになりすぎないように、でもポップにもいきすぎないようにって、注文をつけてやってもらったんです。

MIMORI : 2人からすごかったです(笑)。

──そういうダメ出しが入るんですか。

MIMORI : 曲を作る時に、毎回のようにダメ出しが入ります。“このメロディー怖すぎるんだよ”とか、“もうちょっとポップにできないの?”とか、“ポップすぎて耳に残らない”とか。2人から言われたりするので、そういうバランスを取るのは難しいなあって、まだ勉強中です。

3人ですごくいいものを作る、って気持ちでやっている

──MIMORIさんの曲って、概してセンチメンタルでちょっとダークで、“泣き”の入った曲が多いですよね。ひとつの作風になっていると思うんですけど、普通に曲を書こうとするとこうなるんですか。

MIMORI : 自分ではそういう気持ちはないんですけど、曲や歌詞を作ると、2人やスタッフのかたから“MIMORIって暗いよね”って言われるんですよ(笑)。確かに私は明るいタイプじゃないと思うんですけど。普段はおちゃらけていたりするんですけど、ひとりでいる時はじっとしているというか、どっちかというと引きこもりタイプだったので、小学校の頃からずっとパソコンと向き合ってばかりいて、中学生の時に中2病という病気を患って(笑)。こういう性格だからこういうメロディーになっちゃうのかな、というのは、最近ちょっと痛感しています。

──みなさん言っているように、大人っぽくて、ちょっとミステリアスで妖しい曲ですよね。もともとのイメージみたいなものはあったんですか。

MIMORI : 歌詞のイメージは、メロディーを作った段階で、アレンジャーさんのアレンジを聴いて、自分が思い浮かぶ女性像を絵に描くんですよ。その描いた女性で、物語やマンガを作って、こういう女性だったらこんなこと言うんだろうなあとか、そういう想像をして作ったんです。最近こういう曲を作る時に、峰不二子さんにハマっていたんです(笑)。20歳になるってことで、私の思う大人の女性のイメージが峰不二子さんだったので、こういう女性になりたいな、という願望も含めて、ちょっとミステリアスなところも入れました。

──アレンジ的には、イントロのピアノのインパクトが強烈で、1曲通してピアノがサウンドの核になっていますよね。

MIMORI : アレンジャーのRumbさんはピアノがとても得意なほうで、ビックリするようなピアノの弾きかたを出してくるんですよね。

──callmeはデビュー曲「To Shine」からピアノをフィーチャーしていますし、「I’m alone」や「Real love」など、ピアノ曲が多いですよね。ピアノはやはり大事ですか。

MIMORI : そうですね。ピアノが入ったアレンジのほうが、グッとくるというか、私たちらしいなって思いますね。「To Shine」の頃からピアノを軸としていて、私も小さい頃からピアノを習っていて、趣味で作る時もピアノを中心にやっていたので、そういう面ではピアノにすごく助けられています。

──カップリングの「Take my time」は、幻想的なミディアムで、ノイジーなギターが入っていたり、歌詞も内省的だったり、ちょっと今までになかった曲ですね。

MIMORI : 曲のイメージがまどろむ感じというか、ぼやけているんですよ。歌詞は休日にひとりでいたい感じを歌っているんですけど、ひとりになりたいって時に、自分はベッドの上でまどろんでいるというか、ダラダラしているんですね。そういうボヤッとした感じを出すには、こういうアレンジがちょうどいいんじゃないかな、って思って。歌も丁寧というか、やさしく歌っていて、いつもとは違った歌いかたにしたりして。全体的に包み込むような感じに仕上げました。

──もうひとつのカップリング曲「Summer of love」は、今回の3曲の中ではいちばんポップで、タイトル通り夏っぽい、爽やかな曲ですね。歌詞がRUUNAさんで、こういうJ-POP的な歌詞は得意だそうですけど。

RUUNA

RUUNA : そうですね。基本、こういうポップで爽やかな曲ができあがると、必ず私に歌詞が来るんです(笑)。今までは全部日本語だったんですけど、今回初めて、英語にもチャレンジしてみたんです。最初は英語をいろいろ調べてみたりしたんですけど“そういうのは求めていないです。RUUNAさんには誰にでも伝わりやすい王道なのをお願いします”って言われて(笑)。それで知ってる単語をかき集めて。夏っぽい爽やかな曲だったので、テーマもわかりやすく“初恋”っていうピュアな感じで。でもみんな初デートとかしたことがないので(笑)。恋愛の曲を書く時は、(参考にするのが)マンガだけだと2次元の感じになっちゃうので、もっとリアリティが欲しいなっていうのを前から思っていて、スタッフさんも入れて、みんなで初デートについて会議をしたりとか(笑)。あと自分の中で、地元の仙台の情景を入れて、ピンポイントでこの場所、っていうのを思い浮かべて書いてみました。

──ちなみにOTOTOYではハイレゾでの配信がありますけど、自分たちのハイレゾについてはどう思いますか。

MIMORI : 音がすごくリアルに聴こえますよね。

RUUNA : いつもより声が生々しく聴こえるっていうか。すぐ目の前で歌っているような気分になります。近く聴こえますよね。

ライヴだとcallmeの音楽をベストの環境で聴けるように準備しています

──それで、ファースト・アルバムの後に出したシングル2枚は、どちらもシリアスな曲調で、方向性としてはアーティスティックなほうへいっていると思うんですよ。アイドルかアーティストかというと、どんどんアーティスト方面にいっているわけで、そういう今の流れについて、どう思っていますか。

KOUMI : 最近はどう見られようとかはあまり気にせずに、ただ自分たちがやりたい音楽と、私たちがみなさんにライヴでどういう気持ちになって欲しいとか、というのをいちばんに考えて、楽曲は作るようになっていますね。

RUUNA : すごく絶妙なラインにいるなって、私たち自身思っていて。アイドルとかアーティストとか、特に思っていなくて。どっちに言われてもすごくうれしいなって思っていて。どっちかに偏って曲の幅が狭くなったりするのも、すごくイヤですし。特に決められていないからこそ、自分たちでやっている価値があるんじゃないかなって思いますね。

MIMORI : そういう意識って全然していなくて。どちらにとられてもいいと思ってます。でも3人ですごくいいものを作る、って気持ちでやっているので、どんどん進化していってるし、毎回、前作を超えられる自分たちでいたいんです。アレンジャーのRumbさんも一緒になって、前作でこういうことをしたから、今回はこういう風にして、また次の一歩を踏み出せる、って感じなんですよね。

KOUMI : ジャンル分けってすごく難しいと思うんですよ。海外だとあまりそういった事にとらわれずに活動しているかたもいるじゃないですか。callmeは海外も視野に目指しているので、そういう意味ではどちらでもいいと思っています。

──このままでいくと、セカンド・アルバムはすごくアーティスティックな内容になるんじゃないか、って思いますけど。

RUUNA : セカンド・アルバムは、今年中には出したいなって考えていて。今回『Confession』を出したんですけど、常に私たちは次に向かっているので、すでにいろんな曲ができてきているんです。セカンド・アルバムも、また違う自分たちが出てきそうです。

──では最後に、これから全国ツアーもありますけど、どんなツアーになりそうですか。

KOUMI : 半年ぶりのライヴ・ツアーなので、前回を上回った私たちを見せたいのと、やっぱり常にビックリさせたいですね。いつも見てくれる人はもちろんなんですけど、初めて見にきてくれるかたにも、すごいなーとか、感動させられるライヴを作りたいなと思います。

──KOUMIさんは振付担当なので、楽曲ができてライヴで披露するってなると、出番になるわけですよね。

KOUMI : そうですね。曲が完成すると私の出番ですね。まだ振付が付いていない曲がたくさんあるので、ツアーに向けて、最終段階を今やっているところです。しっかり、ツアーまでに完成させたいと思います。新しい曲ができるたびに、新しいステップとかを入れたりしているので、そういうのをおもしろがって見てもらえるようにしたいな、というのは毎回思っています。

MIMORI : (ツアーのタイトルが)“callme Live Museum”なので、美術館じゃないですか。耳で聴いても目で見ても、ほんとに心が躍るような、楽しいライヴを作りたいなと思っていて。毎回ライヴの完成度をあげて、どんどんみなさんがビックリするような私たちでいたいなと思っています。期待をいい意味で思いっきり裏切っていきたいです。あと今回は、ファイナル(7月30日の恵比寿リキッドルーム)でRumbさんもピアノやDJで出演します。原曲とは違った感じのサウンドになると思いますので、そちらも期待して欲しいです。

RUUNA : 今年に入って初めてのライヴ・ツアーなんですけど、ライヴはファンのみなさんと音楽のやり取りができる場所なので、毎回新曲を披露して、その場で反応が返ってくるのが、私たち自身も刺激になるので、すごく大切にしていますし、楽しみです。あと、作品の音源とライヴ用の音源をいつも変えいて、ライヴだとcallmeの音楽をベストの環境で聴けるように準備しています。そういう意味でも、違った魅力のcallmeを楽しみにしててもらいたいなと思います。

DISCOGRAPHY

LIVE SCHEDULE

callme Live Museum 2016 Sounds Of Summer

2016年07月10日 (日)@仙台MA.CA.NA
2016年07月16日 (土)@阿倍野ROCKTOWN
2016年07月18日 (月・祝)@名古屋RAD HALL
2016年07月30日 (土)@恵比寿LIQUIDROOM

PROFILE

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人によるガールズユニット。
2014年12月30日に結成。それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフプロデュースする新しいスタイルのガールズユニットとして活動をスタート。
リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3人が一体となったクオリティーの高いダンスと楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅力。

>>オフィシャル HP

[インタヴュー] kolme

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