今年はポップ・インストゥメンタルで最高に爽やかな夏を!
T-SQUARE、41枚目のニュー・アルバムをDSD配信&インタヴュー
デビューから37年、日本が世界に誇るポップ・インストゥルメンタル・バンド、T-SQUARE。通算41枚目となる『PARADISE』をOTOTOYでは2.8MHz DSDと24bit/44.1kHzのflacで配信。「夏」をテーマに、ストーリー性のあるアルバムに仕上がった。「ジャズ・フュージョン」というジャンルにとらわれない多彩な音色は、聴かず嫌いの人にこそ聴いてもらいたい1枚だ。じつは今年始めには完成していたというアルバム制作の話から、時代とともに変化していくリスニング環境や音楽配信に対する思いまで、リーダーの安藤正容にインタヴュー。
T-SQUARE / PARADISE
【配信形態】
(左)2.8MHz dsd+mp3 (右)FLAC(24bit/44.1kHz)
【配信価格】
(左)アルバム : 3,700円(税込) (右)アルバム : 3,200円(税込)
【Track List】
01. Mystic Island
02. Vivid
03. Paradise
04. Through The Thunderhead
05. 彼女と麦わら帽子
06. Eternal Glory
07. Knock Me Out
08. Night Cruise
09. 夏の終わり
INTERVIEW : 安藤正容
ロックやヒップホップ、クラブ・ミュージック等を好んで聴いているリスナーにとって、「ジャズ・フュージョン」というと、なんとなく楽器の演奏に特化している分、専門分野的なとっつきにくいイメージがあるかもしれない。T-SQUAREのニュー・アルバム『PARADISE』は、そんなイメージとは真逆ともいえるじつにポップで親しみやすい作品だ。そもそも、T-SQUAREはジャズ・フュージョンというジャンルに捉われない歌心のあるメロディを主体とした作品を発表し続けることで、長年多くのファンを獲得してきたバンド。1978年のデビュー以来、今年で活動37年目、毎年欠かさずことなく発表し続けたオリジナル・アルバムはなんと今作で41枚目(!)という大ベテランでありながら、とても瑞々しい印象を受ける今作について、ギタリストでありリーダーの安藤正容にインタヴューをおこなった。ユーモアを交えながらも音楽への尽きせぬ情熱を感じさせるその発言は、全ての音楽ファン、ミュージシャンにメッセージとして受け止めてもらいたい。
インタヴュー& 文 : 岡本貴之
写真 : 大橋祐希
技術じゃなくて自分の気持ちがプレイに表せたら良いなというのがすごくあって
ーーT-SQUAREはデビュー以来毎年欠かさず作品を発表していらっしゃいますが、『PARADISE』にはとても鮮烈で新鮮な印象を受けました。アルバムが完成した現在の率直な感想を教えて頂けますか?
安藤正容(Gt、以下安藤) : じつは『PARADISE』のレコーディングは1月に終わっていまして。例年だと、春先にリリースする予定でスケジュールが進んでいたんですけど、今年は色んな事情で今までのパターンと違うイレギュラーな形にしようということで、春先に企画ものを一枚出しているんですよ(『DOLPHIN THROUGH』)。そのレコーディングが3月くらいだったんで、今僕の中ではそっちの印象が強くて『PARADISE』がどんな感じだったか忘れてる状態だったんですけど(笑)。今日くるときに車の中で出来上がったものを聴いてみたら、やってたときの気分はもうちょっとヘヴィなごっつい感じ、音がそれぞれ尖っているようなイメージで作っていたような気がしていたんですけど、客観的に聴いてみたら爽やかで軽快な感じがあるなと思って、自分でもちょっと意外でした(笑)。例えば1曲目「Mystic Island」は坂東慧(Dr)の曲なんですけど、ドラマーなりの難しいセクションがあったりして、そのイメージがあったんです。それを演奏者から離れて聴いてみると、あんまりそういう感じはしなくて、スッと聴けるなと。
ーー「Mystic Island」は無機的なリズム・パターンに印象的なフレーズが乗った曲になっていますね。あれは何の楽器を使っているんですか?
安藤 : あれはシンセ・ベースを使っているんです。T-SQUAREにはあまりないファンクっぽいパターンですね。坂東は昔から手弾きのシンセ・ベースがすごく上手で。ファンキーな感じ、ちょっとビートを重くするようなベースが上手いんです。こういうファンキーな曲が1曲目にくることもなかったので、新鮮でしたね。
ーー前半の割と淡々としたパターンから、後半になるとセッション的に各パートがソロを取って盛り上がっていく感じですね。
安藤 : 特にドラム・ソロのセクションのパターンがすごく難しくて。坂東が自由にソロをやっていて、僕は歪んだ音で“ガーン” ってやってますから、そこがすごくヘヴィに感じていたんです。ただ聴いてみると、演奏しているときのイメージとは違うって割とすんなり聴けるなと思いました。
ーー今回は「Mystic Island」をはじめ、坂東さんが半数以上の5曲を書いていますが、これには理由があるんですか?
安藤 : まあ、たまたま選んでいったらこうなった感じだったんですけど、坂東はいつも1回のアルバムに20曲くらい書いてくるんですよ。それと他のメンバーが書いてくる曲を合せて、今回はたまたまこういう選曲になっています。
ーー坂東さんが書いてくる曲は安藤さんの発想とはだいぶ違うところがありますか?
安藤 : かなり違うんじゃないですかね? ただ、坂東も河野(啓三・Key)君もそうですけど、T-SQUAREらしさ、メロディを大切にするような楽曲作りというのは必ず踏襲してくるので、そこはT-SQUAREの良さを失わずに、なおかつ彼らの新しいセンスが入ってきているところですね。僕と発想は違っても“メロディを大切にしましょう” というところだけは共通していると思います。
ーー安藤さん作曲の表題曲「Paradise」が最もT-SQUAREらしさのある曲だと感じたんですが、こういったメロディアスな曲が安藤さんの持ち味ですね。
安藤 : なんというか、僕の場合は… ダサいんですかね? 古臭いというか(笑)。
ーー(笑)いやいや、そんなことないと思います。すごく親しみやすい曲調というか。
安藤 : 僕は最近、ハーモニーも頓にシンプル化してまして。どんどんハーモニーのテンション(7th以上の9th 11th 13thが付加されたコード構成)が少なくなってきていて。本当に「F」とか「B♭」とかで、「B♭7なんとか11th~」とかそういうのはあんまり出てこなくなっているんです。
ーーなるほど、それはギター・プレイにも言えることですか?
安藤 : そうですね。ギターも昔は“俺はこういうことが出来るぞ!” みたいなものを突っ込もうとしていたんです。今はそれよりも引っ掛かりのあるような、みんなに“おっ! ここ渋いね!” って言われるような、技術じゃなくて自分の気持ちがプレイに表せたら良いなというのがすごくあって。そこは昔と変わってきているところですね。
ーー確かに、今作で安藤さんが書いているもう1曲の「Knock Me Out」ではかなり熱くソロを弾きまくっていますが、テクニカルなものを聴かせるというよりはどちらかというとブルージーなフレーズを聴かせています。
安藤 : 音を詰め込むんではなくて、どこかが引っ掛かる演奏をしたいなといつも思うんですけど、ついついこう、焦ってワ~っと弾いちゃったりとか、手グセのフレーズを羅列しちゃったりとかいうことがよくあるんです。そこから抜け出したい、というのが目標ですね。
ーー引き算というか、そぎ落とす作業の方を意識しているということでしょうか。
安藤 : そうですね、そういう風にできたら。それで熱くできたら一番良いなと思います。
ーー「Paradise」のソロでもバイオリン奏法で“引っ掛かり”を作っている印象を受けます。
安藤 : ああ、あんまりないパターンで、中間部に“す”が入るようなところがあって、漂うようなムードを出したいなと思って。ギターで浮遊する感じを出そうとしたんです。
今何か聴きたいんだ、というときにパッとDLできるのはすごいなと思います
ーー今回はコンセプトとして夏らしいアルバムを作ろうということだったんですか?
安藤 : そうですね。毎回ではないですけど、“T-SQUAREといえば夏”ということが多かったんです。『夏の惑星』(1994年)というアルバムがあったりとか。
ーーデビュー・アルバムも『LUCKY SUMMER LADY』(1978)というタイトルですし。
安藤 : そうなんです。最近はそういうコンセプトとかお題が無いことが多かったんですけど、今回はチーフ・プロデューサーが「改めて夏を意識してやりましょうよ」とみんなにメールをくれて。みんなそれを考えつつ曲を書いたということです。
ーー曲の並びは、1曲目から最後まで夏の1日を時系列で並べているんでしょうか?
安藤 : いや、そこまでは意識していなかったですね。そんな感じに聴こえますか?
ーーそうですね。後半になると夕暮れてきたようなメロウな曲もありますし、「Night Cruise」という曲も入っていますので。1日を過ごしたような気持になります。
安藤 : じつはこのシークエンスは坂東が考えたものなんで、もしかしたら坂東はそう考えていたかもしれないですね。でもレコードの時代からそうですけど、曲順はいつも気にしていて。頭から聞き始めて終わりまで聴いて、そこに1つの物語があれば良いなと思っているんです。だからCDになって曲を飛ばしちゃったりとか、好きな曲だけiPodに入れたりとかされちゃうと、僕らとしてはね(笑)。僕らの世代は、アルバムを通して表現したいという気持がありますし、そこは大事にしているんですけどね。段々時代が変わって、曲順にどれだけの意味があるんだという感じも出てきていますけど。
ーー音楽配信についてはどのようにお考えですか?
安藤 : 僕は最近、ほとんどiTunesでダウンロードしちゃうんですよ。Amazonでもポチっとすれば次の日くらいには来ますけど、試聴できて“あ、これ良いな。今聴きたい”と思ったときに買えるというのは、配信って素晴らしいなと思っていて。よくiTunesで「なんか良いのないかなあ」って色々探しています。ちょっと前だとダイアナ・クラールのカヴァー・アルバム(『Wallflower』)を発見して試聴したときには、これはすごいと思ってすぐDLして買いました。今何か聴きたいんだ、というときにパッとDLできるのはすごいなと思いますし、良いですよね。
ーーそれは音楽を発信する側からしても良いことですよね。
安藤 : ただ、色んなことが今起きていて。音楽ビジネス自体が危うい、みたいな。その辺がどうなっていくのか不安な部分もありますね。
ーーT-SQUAREは今年でデビュー37年目で、その間音楽を取り巻く状況は相当変化していますが、現在の音楽業界自体への危機感も感じていらっしゃるんでしょうか?
安藤 : それはすごくありますね。自分が育ってきたのはレコード盤で、もちろん中身が大事なわけですけど、同時にその中身が入っているものとしてのレコード盤であったりジャケットであったりを、ものすごく大切にしてたんですよ。宝物を扱うようにプレイヤーに乗せて針を乗せて、という風に聴いてましたから。その行為も音楽に繋がっているような気がして。レコードの時代ならA面を聴いて、裏返して、じゃあB面はどんな感じだろう? っていうワクワク感がありましたから。今の人がそういうワクワク感とか音楽を芸術として聴いてくれるのかな? っていう。そういうところは僕らの時代よりは減ってきているような気がして。ありふれた状態ですぐに聴けるし、YouTubeで映像も観れるし、それこそ音が悪くてもタダでゲットできればいいや、とか。もちろんその曲に対する思い入れや感動はあるんでしょうけど、僕らの時代にはもっともっとその1曲だったりアルバムが大切なもので、大事にしていたと思いますし、今はどんどん消費されていって捨てられているような気がしてそこが寂しいですね。アルバムが1つの芸術作品で、1枚で1つのアーティストの言いたいことなんだというのが作品だったのが、今はあんまりそういう気がしないし。
ーー今おっしゃった気持ちがある反面、先程のお話のように『PARADISE』にも手軽に試聴してすぐにDLして聴けるというメリットがあるわけで。
安藤 : もちろん、そうですね。
ーー正直、T-SQUAREの「ジャズ・フュージョン」というイメージだけで聴くのを遠ざけているリスナーの人もいると思うんです。ただ、今回の『PARADISE』はすごくポップなアルバムですし、流れてきたときに「これ誰の曲だろう!?」って思ったときにすぐに配信で聴いてもらえるという意味で今まで聴かず嫌いだった人たちにも届くのではないでしょうか。
安藤 : まあ、長いことそういう気持ちはありましたからね。
ーーかつての安藤さんの発言で“ポップ・インストゥメンタル・バンド”という言葉がありますが、あまりジャズ・フュージョンという枠組みに捉われたくないというお気持ちが以前からありますか?
安藤 : あんまりいないんですよね、こういう風にメロディが歌モノみたいに長くあるバンドって。もちろんインプロビゼーションもあるんだけど、ジャズ・フュージョンってもっとそっちに重きを置いているものだから。世界で見てもこういうバンドってあまりないと思うので。まあフュージョンって言っちゃうとちょっとおこがましいなというのもあって。ポップ・インストゥメンタル・バンドという言い方が僕らには合っていると思うんです。
ーーこのアルバムでも、そのまま歌っても良いようなメロディが中心にあるなと思ったんですが、そこは意識しているところなんですか?
安藤 : そうですね。でも歌うと、結構歌えないんですよ(笑)。音域が広かったりとか音の飛び方が難しかったりとか。
ーーこれまでもヴォーカルの方を入れて曲を発表していますが、歌を乗せるのが難しかった時も結構あったんですか?
安藤 : ああ、ありますよ。ヴォーカル曲ばかりで作ったアルバムもありましたし。一聴すると歌えそうな感じなんですけど、最初から歌うと音域が広すぎて歌えなかったりとか。でも器楽曲だけど、例えば昔のクラシック、「運命」だと“ジャジャジャジャーン” とか、そのフレーズがすごく印象に残るじゃないですか? そういうのは目指していて。リフレインがどこか引っかかるとか。そういう瞬間を常に求めるようにしていますね。
いかにライヴの時間をドラマティックにみんなに楽しんでもらえるかを考えた選曲をします
ーー昨年はデビュー35周年、昨年は40枚目のアルバムという区切りに年になりましたが、今年41枚目のアルバムを出す上では新たな挑戦をして行こうというお気持ちもあったんでしょうか?
安藤 : 特に35周年とかあんまり意識しているわけでないんですけど、僕らがどんなことをやっているのか、節目節目で伝えていくことは大事だなと思ってます。ただ、僕らの場合ずっと継続しているので、“じゃあ次はこうだから新しくこういうことをやろう” みたいなものは僕個人としてはあまり考えていなくて。常に毎回、新しい気持ちでやってますから。常に上を見ていて、自分の理想を求めてずっと生きている感じで。“これは完璧だ” と思ったら終わっちゃうじゃないですか? だから“ここがダメだったな” とか常に思うんですよね(笑)。
ーーそれはギタリストとしてまだまだ追及しているということですか?
安藤 : もう、全然。毎回“ああ、今日はダメだ~” とかの連続ですよ。10回やって9回ダメでも1回良かったりすると、“俺ってもしかしてイケるんじゃないか?” って思って(笑)、次へのステップになるんですよね。やっぱり自分が目指しているギタリストがいて、この人みたいにこういう風に弾けたらなというのは常に思ってやってますから。
ーー最近の若いミュージシャンから刺激を受けたりすることもありますか?
安藤 : 若い人にはあんまり好きな人は出てきていないんですよね。それなりに聴いていますけど。YouTubeを見たりすると、“なにコイツ!?” みたいなめちゃくちゃ上手い奴が沢山出てきますから。それを見てるとね、段々落ちこんでくるんですよ。“もう辞めようかなあ~” って。
ーー:(笑)。安藤さんにそう言われたら、他のギタリストはもっと落ち込んじゃいますよ。
安藤 : いや、でもどんどん技術的なレベルは上がってきてますからね。海外の人もそうだけど、日本人も。やっぱり情報が多いからですかね、どうやったらそれが弾けるかというのは今は簡単にわかるから。後は小さい頃から始める人が多いですよね。それこそ錦織圭も5歳でテニスをやっていたっていうし、ギターも小さい頃からやっている子が多いから。坂東なんかもアメリカに行ってちょっとやろうよって言ったら全然できるというか。僕らの時代はアメリカのミュージシャンとやるなんて、畏れ多かったですから。今の若い子は技術レベルで言えば同レベルというか、日本人の方が上手い場合もあるんじゃないですかね。
ーーカジュアルな感じで海外で活動する若いミュージシャンが増えましたよね。
安藤 : そうそう、普通に。それが凄く良いと思うんですよね。たださっきのレコードの話に繋がるかもしれないんですけど、音楽に対するディープな思い込みというのは失ってほしくないですよね。
ーー今後、チャレンジしていきたいこと、昔から念願に思っていることはありますか?
安藤 : ずっと思っていて出来ないんですけど、ワールド・ツアーをやりたいんですよね。なかなか事情が許さないので出来ていないんですけど(笑)。昔アメリカでツアーをしたりとか、最近ではアジア圏でライヴをやることはたまにありますけど。よその土地に行って、アウェイになるとすごくバンドが固まるんですよ(笑)。“俺たちって良いバンドだな!?” みたいな。知らない土地に来てみんなが盛り上がってくれると“やったね!” って結束が強まるので。もちろん国内ツアーもいっぱいやりたいですけど、知らない土地に行って“T-SQUARE? なにそれ?” っていう人の前でやってみたい気持ちがすごくあります。
ーーアルバムが出た後はライヴ・ハウス・ツアーとホール・ツアーがありますね。今回の配信で初めてT-SQUAREの作品を聴いてライヴに行ってみようという人もいると思いますが、ライヴではどんな楽しみ方をしたら良いか教えてもらえますか?
安藤 : “歌がないですよ” ということを取りあえず言っておかないといけないですね(笑)。
ーーそれは大丈夫だと思うんですが(笑)。
安藤 : いや、前に“なかなか歌が始まらないな” と思って観ていた人がいたみたいだから(笑)。“なんかイントロ長いな~” って。そしたら最後まで歌が出てこないじゃん、みたいな。
ーーなるほどそういうこともあるんですね(笑)。この記事をご覧のみなさんはT-SQUAREはインスト・バンドだということを覚えておいて下さい。
安藤 : でも、やっぱり音源だけ聴くとどうやってライヴで聴けば良いのかわからないという人も結構多いんだと思うんですけど、例えばサックスを吹いているのを目の当たりにするとか、ドラマーが叩いているのを間近で観るとか、ライヴにあまり行ったことがない人だったら惹きこまれると思うんですよ。同じ空気感のあるところでメロディを聴くことって、方法じゃなくて体感できると思うので、聴いてみてちょっとでも面白いなと思ってもらえたらライヴに来てもらうと、“あ、こういうことか!” と思ってもらえると思います。
ーーT-SQUAREの特徴の一つであるウィンドシンセという楽器もなかなか演奏を観る機会もないかもしれないですし。T-SQUAREといえばF1グランプリ中継のテーマ曲「TRUTH」というイメージを持っている人も多いと思いますが、ライヴではそうしたヒット曲も含めて演奏を期待して良いですか?
安藤 : 必ず新曲と旧曲を織り交ぜて演奏していますので。昔からのコアなファンの方は“あれが聴きたいこれが聴きたい” ってみんな勝手なことを言うんで(笑)。その中から、じゃあ今回はこれだ、というのを選りすぐって。
ーーこれだけ作品があると、全ての要望に応えるのは無理ですよね(笑)。
安藤 : そうですね。41枚やったらどうなっちゃうんだろうって(笑)。
ーー夏をテーマにしたアルバムで夏にライヴがありますから、選曲も夏を意識したものになりそうですか?
安藤 : 夏というよりは、ライヴもアルバムと同じで一つのストーリーになりますから、いかにライヴの時間をドラマティックにみんなに楽しんでもらえるかを考えた選曲をします。
ーーOTOTOYをご覧になっている方に中には、インディーズで自分たちでバンドをやっている方もいるのですが、T-SQUAREがここまで毎年アルバムを出し続けて長く活動できている理由を教えて頂けますか?
安藤 : これという1つには絞れないですけど、まずは自分が常に前向きな気持ちで音楽をクリエイトする情熱があるかということ。それと、T-SQUAREの場合は今まで色んなミュージシャンが入ってきて辞めて次のミュージシャンが入ってきていましたけど、どのミュージシャンもT-SQUAREが持っている音楽性を最大限引き出そうと一生懸命やってくれたことですね。だから在籍したミュージシャンによるところが大きいということと、後はスタッフにすごく恵まれているということですね。自分が情熱を持っているだけではどうにもならないこともありましたから、同じようにバンドを続けさせたい、と思ってくれるスタッフがいてくれたこと。ミュージシャンにしろスタッフにしろ、周りの人に恵まれていたこと、自分が持っている音楽を、“やっていこうよ” って言ってくれる仲間がいたということ、それが一番大きいです。
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2004年、京都で結成されたクラブ・ジャズ・バンド、JABBERLOOP。ファンクやレゲエなど様々なジャンルを飲み込んだ熱気溢れるメロディと確かな技術に裏打ちされたライヴ・パフォーマンスで、その音楽は聴く者の体を否応なしに動かす2014年元旦にリリースされたアルバム。
LIVE INFORMATION
T-SQUAREライブハウスツアー2015
2015年7月10日(金)@大分ブリックブロック
2015年7月11日(土)@LIVEHOUSE 熊本B.9
2015年7月12日(日)@鹿児島キャパルボホール
2015年7月13日(月)@長崎DRUM Be-7
2015年7月15日(水)@広島ナミキジャンクション
2015年7月16日(木)@岡山MO:GLA
2015年7月17日(金)@KYOTO MUSE
T-SQUAREホールツアー2015
2015年8月30日(日)@Zepp名古屋
2015年9月5日(土)@なんばハッチ
2015年9月12日(土)@中野サンプラザ
2015年9月19日(土)@福岡イムズホール
軽井沢大賀ホール主催公演 T-SQUAREちょっと大人なT-SQUARE @軽井沢
2015年9月27日(日)@軽井沢大賀ホール
PROFILE
T-SQUARE
デビュー37年目を迎えた、日本が世界に誇るポップ・インストゥルメンタル・バンド。1976年、安藤正容を中心に“THE SQUARE”結成。1978年、アルバム『LUCKY SUMMER LADY』でCBSソニーより鮮烈デビュー。今年の新作で通算41枚目のオリジナル・アルバムをリリース。世界でも類を見ない多くの作品群、その全てが未だに聴かれ続けている。海外でも精力的に活動しており、全米でのアルバム・リリース(1988,89年)やプレイボーイジャズフェスティバル(1994年)への出演、ライヴツアーの他、アジア圏、特に韓国では1994年の初公演以降、これまでに4度にわたって公演を敢行し、現地で絶大な人気を得ている。