2014/09/04 19:13

ファナ・モリーナと並ぶアルゼンチンの歌姫、フロレンシア・ルイスのライヴ音源をDSD & ハイレゾで独占配信!!

フロレンシア・ルイス

フロレンシア・ルイスをご存知だろうか。ファナ・モリーナ、アレハンドロ・フラノフ、フェルナンド・カブサッキらと並び、実験精神に溢れるアルゼンチン・シーンを代表する女性アーティストのひとりだ。2008年の初来日以降、日本でも多くのリスナーが注目してきた彼女のライヴを、OTOTOYは独自に高音質レコーディング。このたび、10曲入りのライヴ・アルバムとして、5.6MHzのDSDおよび24bit/96kHzのハイレゾで独占リリースする。

音源が収録されたのは、今年の5月〜6月にかけておこなわれた彼女の来日ツアーの最終日、渋谷クラブクアトロでのライヴ。演奏には、鬼怒無月(Gt)、佐野篤(Ba / etc)、ヤヒロトモヒロ(Perc)の3人からなるLos Hongos Orientales、そしてアルゼンチンの若手、マルセロ・ルピス(Vn / Cho)が参加し、彼女のバックに唯一無二の世界観を築き上げた。日本の熟練ミュージシャンたちと、アルゼンチンの新鋭らによる貴重な“文化交流”。ぜひ、デジタル・フォーマットの最高音質と言われるDSD、そしてより手軽に楽しめる24bit/96kHzで体験していただきたい。

Florencia Ruiz & Los Hongos Orientales / Live in Shibuya Club Quattro
【配信フォーマット / 価格】
[左] DSD(1bit/5.6MHz) + mp3 : 2,376円(まとめ購入のみ)
[右] ALAC/FLAC/WAV(24bit/96kHz) : 1,944円(単曲は各250円)

【収録曲】
01. Todo Dolor
02. Invierno
03. Movimiento Final
04. De Buscar
05. Desato
06. Que Péna!
07. Letras〜Viviré〜Tiemblo
08. Mundo
09. Naves
10. No Sabrás

Recording Date 2014.06.16
Recorded at Shibuya Club Quattro
Recorded & Mixed by 高橋健太郎

地球の裏側からやってきたフロレンシアが届けてくれた素敵な一夜

地球の裏側から運ばれてきたような、エキゾチックでノスタルジックな一夜が収められたライヴ音源だ。収録されたのは2014年6月16日の渋谷クラブクアトロ。1ヶ月にわたってツアーをともにしたバンド、ロス・オンゴス・オリエンタレスに加え、ゲストとしてヴァイオリンやコーラスなどを手掛けるアルゼンチンの若手ミュージシャン、マルセロ・ルピスも参加した。当日披露された楽曲から12曲(「Letras〜Viviré〜Tiemblo」はメドレーで1曲扱い)を収録した本作からは、フロレンシアの卓越した個性はもちろんのこと、ツアーを通して確実にブラッシュアップされたひとつのバンドとしての音が伝わってくる。

フロレンシア・ルイス

アルゼンチン音響派の1人として語られることの多いフロレンシアだが、その楽曲には簡単に一括りにできないオリジナリティ、そしてシーンやジャンルとは無関係に人の心を打つパワーがある。それは今回の音源からもあらためて感じることができるし、ライヴであるがゆえに、1児の母でもある彼女の、繊細さと力強さを兼ね備えた歌声がより際立っていると言えるだろう。また、本作はスタジオ・アルバムに比べて音の構成がシンプルである分、彼女がもともと持っているロックやジャズの素養が前面に出ている点にも注目したい。

フロレンシア・ルイス / Que Péna!
フロレンシア・ルイス / Que Péna!

加えて、バックを支えるロス・オンゴス・オリエンタレスの演奏に触れないわけにはいかない。2013年に結成された新しいバンドであるものの、鬼怒無月(Gt)、佐野篤(Ba / etc)、ヤヒロトモヒロ(Per)氏の3人全員が、数々の大物と渡り合ってきたミュージシャン。そんな彼らの熟練されたプレイを楽しめるのも、このライヴ盤の大きな魅力だ。特に「Movimiento Final」や「Naves」における鬼怒無月氏のギター・プレイは本作のハイライトのひとつであり、アルバム全編を通して聴かれる佐野、ヤヒロ両氏のベースラインとパーカッションは、フロレンシアの楽曲に含まれた南米的なリズムをこれ以上ない精度で具体化している。また、フロレンシアと同郷の若手、マルセロ・ルピス(Vn / Cho)のヴァイオリンが、フロレンシアの楽曲がもつどこか崇高な雰囲気を作り出していると言えるだろう。

ロス・オンゴス・オリエンタレスとマルセロ・ルピス
左から、佐野篤、鬼怒無月、フロレンシア・ルイス、マルセロ・ルピス、ヤヒロトモヒロ

これだけひとつのバンドとして完成されたライヴを聴くと、次はぜひこのメンバーでスタジオ・レコーディングされた音源も聴いてみたいと思ってしまう。だがその前にまずは、地球の裏側からやってきたフロレンシアが届けてくれたこの素敵な一夜を、あなたの耳で味わってもらいたい。(text by 高木理太)

RECOMMEND

Juana Molina / Wed 21

ワールド・ミュージックの枠を大きく飛び越え、アルゼンチン音響派の重要アーティストとして注目される歌姫ファナ・モリーナの約5年ぶりとなる6thアルバム。演奏のすべてをファナが担当し、ブエノスアイレス郊外の彼女のスタジオで完全セルフ・プロデュースでレコーディング。これまでになく芳醇で、これまでになく生々しいリズムをもったサイケデリック・ミュージック。

>>レヴューはこちら

アレハンドロ・フラノフ / Solo Piano

本作はアルゼンチン南部リオネグロ州のアンデス地帯にある「ザ・ボルソン」と呼ばれる地域にある友人のホーム・スタジオで、スタインウェイを使用して録音された作品。そこに位置するピルトリキトロン山に触発され制作された今作は、超自然的な佇まい。そして、その旋律はため息が出るほどの美しさ。

>>レヴューはこちら

フェルナンド・カブサッキ & 大友良英 / -PHON vol.1- Improvised Session 20110501 (2.8MHz dsd + mp3)

2011年5月1日、原宿VACANTで開催された〈PHON〉。その第1回目に出演した、フェルナンド・カブサッキ & 大友良英の2人の即興ギタリストによるセッションを記録したもの。美しいメランコリックなメロディを紡ぎ、心地よいアンビエント空間をつくり出す。次々と変化していく緊張感たっぷりの演奏を、LIVEのダイジェスト映像 + フォト・ブックレットとともに。

>>特集ページはこちら

PROFILE

フロレンシア・ルイス (Florencia Ruiz)
1977年、ブエノスアイレス生まれのギタリスト & シンガー・ソングライター。アルベルト・ヒナステーラ音楽学校の出身で、保育園の保母さんをしながら音楽活動を続ける。フェルナンド・カブサッキ、アレハンドロ・フラノフらとの共演もあって、アルゼンチン音響派との共通点も指摘されるが、ロックをベースにしたストレートな唯一無二の音楽性は早くから注目を浴びる。

2000年、6曲入りの1stミニ・アルバム『CENTRO』(セントロ)をリリース、シンプルながらも斬新な音楽と歌詞の鋭さが話題を呼ぶ。2003年、2ndアルバム『CUERPO』(クエルポ)を発表、さらに進化したサウンドはより多くのリスナーの注目を集める。2005年に3rdアルバム『CORRER』(コレール)を発表、この頃にはアメリカ、チリ、メキシコでも彼女のアルバムがリリースされるようになり、2007年、4枚目となる『MAYOR』(マジョール)を発表後、2008年4月にはプロモーションの形で初来日を果たす。その際、ミニ・アルバム『tiemblo e.p.』(ティエンブロ・エ・ペ)を大洋レコードからリリース。同年、元ロス・ファブロソス・カデラクスのアリエル・ミニマルとのデュオによるアルバム『ESE IMPULSO SUPERIOR』を経て、2011年には時間を費やした大作『ルス・デ・ラ・ノーチェ』(Luz de la Noche)を発表、2度目のプロモーション来日を果たした。なお、弟アンドレス・ルイスも独自のサウンドで広く注目を集めるシンガー・ソングライターであり、ブエノスアイレスでは共演もよくおこなっている。(プロフィール作成 : PaPiTa MuSiCa)

>>フロレンシア・ルイス OFFICIAL HP


ロス・オンゴス・オリエンタレス (Los Hongos Orientales)
ラテン、ジャズ、ファンク、アフリカン、ロックなど、メンバー各自の個性が共鳴し混ざり合うハイブリッドなラテン・プログレ・ロック・バンド。熟練ミュージシャンの音楽センスと技術が集結し、2013年に結成された。

【メンバー】
鬼怒無月(Gt)
1964年、神奈川県出身。1990年に自己のグループ、ボンデージフルーツを結成、1998年、〈スカンジナビアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル〉、1999年、サンフランシスコの〈Prog Fest '99〉に招かれるなど海外での評価も高い。勝井祐二とのデュオ「Pere-Furu」、壷井彰久との「FRA」、吉田達也の「是巨人」、カルメンマキの「サラマンドラ」、さらに灰野敬ニ、常味裕司とのコラボレーション、鈴木大介とのギター・デュオ「The Duo」、ギター・ソロなど。日々自己のギター・スタイルを進化させ続ける異才ギタリスト。
>>OFFICIAL HP

佐野篤(Ba / Gt / Cello / Per)
一般的にはベーシストとして知られる。他数多くの楽器を演奏する。主に作詞作曲を得意とし、その旋律は情景的であり、そのリズムは立体的に構成される。アフリカ修行後、長年にわたり、バンド「KING」を主宰。多くのミュージシャンからリズムに関しても大きな信頼を得ている。BEGIN、矢沢永吉、エスケン & ホットボンボンズ、山根麻衣、ティポグラフィカなどとも共演する。

ヤヒロトモヒロ(Per)
少年時代をカナリア諸島で過ごした異色の打楽器奏者。山下洋輔、久石譲、さだまさしなどの公演やツアーに参加。伝説のアフロ・ファンク・バンド「じゃがたら」や「エスケン & ホットボンボンズ」のレギュラー・サポートも務める。「武満徹メモリアルコンサート」でNYカーネギーホールなどに招かれ、小澤征爾氏総監督の〈サイトウ・キネン・フェスティヴァル 松本〉は2010年から3年連続出演。ウーゴ・ファトルーソとのドス・オリエンタレス、ガイアクアトロなど、多岐にわたり国内外で活躍中。


マルセロ・ルピス (Marcelo Lupis)
ヴァイオリン弾き語りからギターにサックスとマルチな才能を発揮するブエノスアイレスの音楽家。特有のインテリジェンスとちょっとスノッブなユーモアが話題になり、米国ツアーや演劇音楽なども手掛ける。想像力に富んだアルゼンチンの気鋭の若手ミュージシャン。

[レヴュー] Florencia Ruiz & Los Hongos Orientales

TOP