2013/06/19 00:00

2013/6/19~6/25の注目2作品をレビュー!!

今週もたくさんの新譜が入荷しました! 全部は聴いていられない! そんなあなたのために、このコーナーでは、OTOTOY編集部がオススメする今週の推薦盤を2~3枚ピックアップし、ライターによるレビューとともにご紹介いたします。 音源を試聴しながらレビューを読んで、ゆったりとした時間をおたのしみください。あなたとすてきな音楽の出会いがありますよう。

OWEN『L'AMI DU PEUPLE』


OWEN / L'AMI DU PEUPLE
【配信形式】
mp3、wav

【価格】
mp3 単曲 150円 / アルバム 1,500円
wav 単曲 200円 / アルバム 2,000円

>>OWENの過去作はこちら

偶然見た夕焼けが、とても美しかったこと、水たまりに映った空がキラキラと輝いていたこと、芝生の上を風を切りながらかけること、日常のなかには映画のような瞬間がいくつもある。OWENの楽曲を聴くたびに、そういった、毎日のなかに少しの輝きを加えてくれる瞬間たちを思い出すことができるだろう。

前作「GHOST TOWN」から2年弱、彼の7枚目のアルバムがリリースされた。前作同様にプロデューサーにはBonne "Prince" Billy、Andrew Birdや、Iron & Wineなどを手がけるNeil Stauchが迎えられた。前作は完成された楽曲を数週間で録り終えるという制作スタイルだったが、今作は曲作りの初期の段階からNeilを巻き込み、2人でアイディアを出しながら数か月かけて制作されたという。結果的に、これまでの作品とはまたちがう、新たなOWENを垣間見ることができるものとなった。それは、今作の1曲目「I GOT HIGH」から、さっそく感じとることができる。

ギター、グロッケンの音色に、Mikeの少しかすれた、優しさをすくいあげたような声で清々しくはじまるこの楽曲は、ドラムの登場で一気に壮大な世界を目の前に映し出す。野はらを駆け回る少年たちの声、遠くに太陽が沈むのが見える、夏を含んだ濃度の高い風がほほを撫でてゆく、そんな情景が頭のなかを駆け巡る。思わず胸が高鳴った。OWENの世界はダイナミックさをまとい、押し寄せ、こちらは一気に引き込まれてゆく。続く「BAD BLOOD」では、厚く重ねられた音の上にのるメロディに、ふと『At Home With Owen』収録の「A Bird In Hand」の美しいコーラスが頭をよぎる。

音の厚みやダイナミックさが増しても、楽器の絡み合いかたや、細かな気配り、メロディなどはぶれずに今作にもきちんと受け継がれているようだ。その後、アルバム『NEW LEAVES』や、前作収録の「Too Many Moons」を思いおこさせる「LOVE IS NOT ENOUGH」、「COFFIN COMPANIONS」が続く。OWENの新しい世界は、楽曲を追うごとに聴くものの思い出、想像力、そして今に色を添えながら、どんどんと展開されてゆく。9曲目の「WHERE DO I BEGIN?」から、ラスト「VIVID DREAMS」にかけては、ギター、ピアノ、Mikeの歌声といったシンプルな構成で聴かせる。少ない楽器構成はMikeの腕の見せどころであり、真骨頂。この2曲の存在で、アルバム後半に少しの名残惜しさを残しながら、今作は爽やかに夜風に溶けてゆく。

Joan of arc の中核的存在であるキンセラ兄弟、そしてその弟であるMike kinsellaが、OWENとしてデビューし12年が経つ。ぶれず、マイペースに、そしてコンスタントに自身の楽曲をつくりつづけ、着実に発展していくMike。7thアルバムである今作は、彼の楽曲の壮大さを感じることができた。新たな彼の金字塔となることは、今作を聴いていただけたら頷けるだろう。(text by 釘田沙來)

DUO LIBRA『a dedication』


DUO LIBRA / a dedication
【配信形式】
wav

【価格】
wav 単曲 200円 / アルバム 2,200円
※購入者にはブックレットが付いてきます

フュージョン・バンドT-SQUAREの元キーボーディストであり、現在はジャズ・フュージョン・ピアニストとして活躍する和泉宏隆と、IMEHA、MELODICAなどのアコースティック・ユニットの活動を経て、現在はアコースティック・ギターを中心に活動する榊原長紀によって構成される、DUO LIBRAのデヴュー作『a dedication』がリリースされた。

“LIBRA”は天秤座の意で、2人とも天秤座なことからこのユニット名になったそう。一般的にむずかしいといわれるピアノとギターのデュオだが、2人の息はぴったりで、まったくそれを感じさせない。どちらかが主張することなく、完全に一体となった音が柔らかく耳に響く。削ぎ落とされたシンプルな音のなかに、熟練したテクニック・センスがキラリと光り、その心地よさはまるで、広大な草原でそよ風に吹かれているかのようだ。ピアノとギターのデュオの可能性をも拡げているこの一枚。今回OTOTOYではHQDで配信をしているので、ぜひとも高音質で、キラキラした音の粒を感じてもらいたい。(text by 岩瀬知菜美)

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