
CONVEX LEVEL、オリジナルとしては10年ぶりとなる新作を発表!
未知の音楽をひたすら探し回っては貪るように聴き続けて、ひとつ実感した事がある。それは、個性ある作品には必ず明確なバック・グラウンドがあるという事だ。音楽家であれば、自分の作った作品が「他のどこにも鳴っていなかったものでありたい」と願うのは何も不思議な事ではない。しかし、仮に現代の編集技術を駆使してこれまで存在しなかったようなリズムやテクスチャーを組み立てたとしても、そこに作家の個性は宿らない。優れたポップ・ミュージックとは、常に過去と何かしらの連なりを持ったものだ。そこに作り手の新たなアイデアと思想が注ぎ込まれた時、始めてその作品は真の個性を勝ち得る事が出来る。
00年代は過去の音楽がアーカイヴ化され、すべてが並列に揃えられた時代だった。それに伴ってリヴァイヴァル・ムーヴメントが次々と起こった事と、コンヴェックス・レヴェルがリリース活動を行わなかった事は、もしかすると無関係ではないのかもしれない。「ポップ・ミュージックにおけるオリジナリティとは何か」を時代が改めて問われている最中、この3ピース・バンドは既に確立していたはずのフォーマットをもう一度見直し、アップデートさせる事に時間を費やした。そしてあまりに唐突な形で届いたのが、このキャリア4作目となるフル・アルバム『New Moon 1st Contact』だ。ここにはポスト・パンク/ニュー・ウェーブ期から受け継いだ、冷めた視線と実験性がある。滑らかな転調と変拍子。鉄壁のリズム・セクション。追走するシークエンス。そのすべてが複雑に絡み合いながら、最終的にはポップ・ソングとして結実していく。まさにコンヴェックス・レヴェルにしか作り得ない、唯一無二の作品が完成した。関西アンダーグラウンド・シーンの至宝、10年ぶりの帰還だ。(text by 渡辺裕也)

「What's Going On」のフリー・ダウンロードはこちらから(期間 : 1/28〜2/4)
CONVEX LEVELのオフィシャル・ページでは曲目違いのフリー・ダウンロード・バージョンも配信中。そちらも合わせてどうぞ。
CONVEX LEVEL web : http://convexlevel.net/
PROFILE
渡辺 良 Watanabe Ryo ’67 (guitars / vocals)
前川 健一 Maekawa Kenichi ’67 (bass guitar / vocal)
中道 圭介 Nakamichi Keisuke ’67 (drums / vocal)
CONVEX LEVELとして渡辺と前川が高校時代に音楽活動を開始。当初は電子音楽ユニットであった。その後同じく高校の同級生のドラマー中道が加わり渡辺、前川の二人も弦楽器に持ち替えスリー・ピース・バンドとなる。以降二十数年に渡って同じメンバーでライブ活動を続けている。息のあった演奏力と高度な音楽性で一部の音楽ファンの間で根強い人気を保っている。また録音、ミックスやマスタリングをすべてメンバーが行い、ギターの渡辺は90年代に関西の数々のインディー・オルタナティヴ・バンドのプロデュースを手がけた。今はなきgreen recordsの主催者でもある。ベースの前川は山本精一率いる羅針盤に参加するなど幅広い音楽活動を展開している。彼らの音楽からは様々なアーティストが想起される。例えば、CAMPER VAN BEETHOVEN、NEIL YOUNG & CRAZY HORSE、PIXIES、SEA & CAKE、WIRE、JOY DIVISION、THIS HEAT、XTC、KING CLIMSONやPETER GABRIELなど。 2009年暮れに突如ニュー・アルバム(4th album)『New Moon 1st Contact』を自主発売。オフィシャル・ページでは曲目違いのフリー・ダウンロード・バージョンも配信中。
CONVEX LEVEL web : http://convexlevel.net/
渡辺良主催 green recordsの作品はこちら
bambi synapse
渡辺良(CONVEX LEVEL, green records)、渡辺美智代(green records)、OKIHIDE(TANZMUZIK)の3人組。生ドラムとエレクトロニクスが組み合わさって生まれる、神経を刺激するトラックとヴォーカルは、心地良さと中毒性を兼ね備えています。
CONVEX LEVELと共にシーンを盛り上げたミュージシャン達
TOKYO LOOP サウンドトラック / 山本精一
アニメーション映画の誕生100年を記念した、日本を代表する先鋭的クリエイターたちが一同に会した、大都市「東京」をテーマに贈る、傑作オムニバス・アニメーション『TOKYO LOOP』。全ての短編の音楽を手掛けるのは山本精一。映画から独立した傑作商品集としても楽しめる、エクスペリメンタルかつポップな味わいのサウンド・トラック。
Free Time / 少年ナイフ
ガールズ・ロック・バンドの最高峰! 36公演の海外ツアーを経てリリースされた本作は、気さくに、気取らず、でも、カッコいい。面白いと思ったものならなんでも柔軟に自分たちの音楽に取り入れる姿勢で、ロック&ポップのエッセンスをオリジナルなセンスでまとめ上げています。
LTD / Limited Express(has gone?)
解散、上京、加入、出産・・・数々の出来事を重ねてきたLimited Express(has gone?)の、約5年ぶりとなる最新作。谷口順(U.G.MAN)と竹久圏(KIRIHITO)をプロデューサーに迎えて制作された今作では、持ち前のアヴァンギャルドさはそのままに、ライブを重ねてきたことで生まれた強靭なグルーヴ&バンド・サウンドを繰り広げています。