神戸発ジャンルを飛び越えたポップスの新星、SAPPY初の全国流通盤をリリース
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神戸からtofubeatsに続き現れたポップスの新星、その名もSAPPY。ヴォーカルのさっぴ、ギターの樽本を中心に、2012年に結成。初の全国流通音源は『NEVER LOOK BACK!』。洋楽も邦楽も、ジャンルすらも飛び越えていきたいという彼らのサウンドは、オルタネティヴで捻くれていながらも、突き抜けていくさっぴの声によって、どこまでもポップな感覚を忘れない1枚となった。
OTOTOYではアルバムの配信と共に、アルバムの1曲である「かけだしていく」の期間限定フリー・ダウンロードを実施中。跳ねるようなギターのカッティングとキーボードが絡むポップな1曲は必聴。Shiggy Jr. 等を注目している人にこそ、聴いて欲しい。
>>「かけだしてく」の無料配信はこちらから(2015年10月28日(水)18:00〜11月8日(日)23:59)
デジタル・ブックレット付き!
SAPPY / NEVER LOOK BACK!
【配信形態】
ALAC / FLAC / WAV / AAC / MP3
【配信価格】
ALAC / FLAC / WAV : 単曲 300円(税込) / まとめ購入 1,620円(税込)
AAC / MP3 : 単曲 250円(税込) / まとめ購入 1,500円(税込)
【Track List】
01.(Life is) Only a dream / 02.かけだしてく / 03.妄想ループ / 04.DANCE XX / 05.Wake me up! / 06.Ivy / 07.Your song
SAPPY『かけだしてく』MVSAPPY『かけだしてく』MV
INTERVIEW : SAPPY
もはや「シティ・ポップ」という言葉だけが1人歩きをしているように、その言葉が乱用されている昨今。そこに「さよなら、CITY POP。」なんて挑戦的な言葉を投げ掛けて初の全国流通盤をリリースする2人組、SAPPY。ポップスの真の魅力はその表層だけにあるのではなく、むしろその奥にピリっとあるような毒、または羊の皮を被った狼のようなもので、甘く見ているとやられてしまうところにあると思う。先へ行ってしまった同世代への嫉妬心や悔しさ、様々なジャンルの音を吸収した上でSAPPY流ポップスに落とし込まれたこの作品は、全国への名刺として強烈な1枚になっているのは間違いない。
インタヴュー : 飯田仁一郎
「J-POP好き」とか「洋楽好き」とかが集まるんじゃなく、ミックスした音楽を作りたい
ーーバンド名のSAPPYはどういう意味ですか?
さっぴ : 「SAD」と「HAPPY」です。対照の言葉を合わせて、人の持てる全ての感情に寄り添う音楽をしますよっていうコンセプトです。
ーー今作は初めての全国流通盤なんですね。SAPPYの結成はいつ?
樽本 : 2012年2月です。大学の軽音サークルで出会って、さっぴは1つ下の後輩でした。僕はその時、まだ違うバンドをやっていたんですけど、女の子が自分の曲を歌ったらどうなるんだろうっていう興味がありまして。その時、たまたまさっぴがcharaのコピー・バンドをしているライヴを見て、声とか歌い方がいいなあと思って誘いました。
ーーへえ。樽本さんは、その頃はどんな音楽をやっていたんですか?
樽本 : その頃はもっとオルタナで、ダイナソー・ジュニアとか、ニルヴァーナとか。
ーーSAPPYでは最初はどういう音楽をやろうとしていたんですか?
樽本 : 音楽は、僕が作った洋楽っていうかオルタナみたいなポップスに、J-POPぽい声を混ぜたのをやろうとしていました。
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ーーなぜ、そういう音楽をやろうと思ったんですか?
樽本 : なんでやろ…。おもろいっていうか、また違った音楽ができるのかなと思って。「J-POP好き」とか「洋楽好き」とかが集まるんじゃなく、ミックスした音楽を作りたいなって。
ーー当時は珍しかったんじゃないですか?
樽本 : 確かに、その時は今ほどシティ・ポップみたいなブームもまだやったし、あんまり周りにはいなかったです。僕も昔はキュウソネコカミとかと対バンしていたようなバンドをやっていたので。
ーー確かに3年前ってキュウソとかが台頭してきた頃だ! 関西は当時、どういう状況だったんですか?
樽本 : 僕が神戸でバンドをやり始めた時は、踊ってばかりの国とか女王蜂が神戸では有名で、A MAD TEA PARTYとかHAPPYとかが出てきた頃でしたね。フレデリックとかも駆け出しの頃で。
さっぴ : 対バンしましたね。
樽本 : うん。キュウソとかも全然神戸とかでやってる頃で、ガレージとかサイケっぽいのが強かった。
ーーそういう状況で、樽本くんはどういう気持ちだったんですか?
樽本 : その時はシティ・ポップという言葉も流行ってなかったし。とりあえず曲を作るのが好きなのでやっていたけど、周りからはどういう風に見えてたんかな…。ただ、曲が好きって言ってくれる人は増えたり、レコード会社の人も音源に反応してくれたりしていたので、ニーズがある予感はしてました(笑)。
ーーなるほど。さっぴさんはもともと歌ってたんですか?
さっぴ : 前はドラムをやったりはしていたんですけど、ヴォーカルとしては大学のサークルが初めてでした。
もっとわかりやすく可愛い子とやっていたら、もっとパッと売れてたかも(笑)
ーーこのアルバムを出すまでに、SAPPYはどういう軌跡を辿ってきたのでしょうか?
樽本 : 最初はドラムがいたり、ギターを入れて5人でやってたりもしました。地元、神戸のマージビートとか太陽と虎とかでやって、〈COMIN'KOBE〉とかに出させてもらったり、タワレコ神戸店とかにCDを置いてもらったりして。でもそのうち、大阪のほうがシーンも広いしいろんなバンドがおるから、大阪に移っていきました。
ーーへえ、どういうバンドと一緒にやっていたんですか?
さっぴ : 神戸の頃はプププランドとか。仲もいいです、企画とかに出てもらったり。
樽本 : もともと僕が昔やってたバンドが、キュウソとかプププランドの前のバンドとかNoise and milkとかとやっていたので、その繋がりでSAPPYでもまた対バンすることも多かったんです。
ーーなるほど、樽本くんはその辺の人なんやね?
樽本 : はい。その時はSAPPYの演奏も今よりグシャーっとしてて、サウンドも洋楽寄りの好きなことをやってたんで、一緒にやって変ではなかったのかな…。今はちょっと変わってきてますけど。
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ーーへえ、こんな音じゃなかったんですか! 女性ヴォーカルにこだわった理由はなんだったのでしょう?
樽本 : それまで男ヴォーカルのバンドをずっとやってきたので、違うことをしたいなって気持ちになってきたんです。曲を作ってそれを歌わせたいともすごく思っていました。
ーーちょっと前って所謂”男バンド”が多くでてきたじゃない? でもそのタイミングで、女性ヴォーカルをやりたくなるって、凄い感性だなと。
樽本 : いやいや…。ちなみに今でも、神戸とか大阪やったら”男バンド”の方が集客もあるしモテるんです。それが最近イヤだ(笑)。
さっぴ : 個人的なあれだね(笑)。
ーー今作を全国流通で出そうと思ったきっかけはなんですか?
樽本 : もともと前作の『TEENAGE POPS!!!』は、大学を卒業する前に形に残したいっていう気持ちで、神戸とか大阪だけで出したんですよ。そのアルバムが結構周りから好評だったので、次はちゃんとしたアルバムを作りたいなと思っていたところ、CDリリースの話があって。流通させるからには、いろんな人に受け入れられそうな音楽を作ろうと思って作りましたね。
ーーポップですごく良いアルバムでしたよ。前作とはまた違うものになりましたね。
樽本 : はい、前のものはもっとインディーです。
ーー樽本くんは、バンドマンというよりコンポーザー気質なんですね。アニソンとかDTM界隈にはそういう人いるけど、実はバンド界隈には樽本くんみたいな人、少ない気がします。だから面白い!
樽本 : ありがとうございます(笑)。
さっぴ : 目線が違いますよね、分かります。
ーーSAPPYってこのアルバム出す前、オーディションとか受けてたんだね。
樽本 : オーディションで受けがいいんですよ。特に音源受けが良くて、音源審査はぽんぽんっといけるんですけど、ライヴが追いついてないんです。
ーーそれは何が原因なんだろう?
樽本 : さっぴ、かな(笑)。不器用なんですよ(笑)。たとえばShiggy Jr.の池田さん(Vo.)とか、愛想も良くてライヴも頑張って、女の子としてすごく器用じゃないですか。さっぴはそういうタイプじゃなくて、歌声はすごく良いんですけど、もっと無口だし不器用。それなのに音源を出したらどんどんそういう要素が周りから求められてきて、今頑張っているところです。
さっぴ : そうですね、音源のクオリティに追いつくものが出来なければいかんと思って、今奮闘してます。
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ーーなるほど。樽本さんはなんでさっぴさんとやりたいと思ったんですか?
樽本 : 声がすごく通るし、どこか中性的なとこもあって、エモーショナルでいいなって思ったんです。ただのJ-POPの声じゃなくて。ただ、もっとわかりやすく可愛い子とやっていたら、もっとパッと売れてたかも(笑)。
さっぴ : めっちゃ言われるんですよ! プロデューサー的な立場だから、指導も入るし。
ーー売れたら見返したらええよ (笑)。でも樽本くんが言ってたように、声とか歌唱力とか素晴らしいと思ったよ。
樽本 : 声だけは、練習で手に入るもんちゃうからな。
さっぴ : それだけは大切にしていきます。
樽本 : 音感もリズム感もすごくいいです、ハモりとかもパッと作れるし。パフォーマンスの部分がちょっと弱いけど、音楽の素質は俺より全然あると思う。
さっぴ : 確かにそこは樽さんよりあるなって思う(笑)。
たまたま周りがすごいから、悔しいっていうか早く追いつきたい
ーー樽本くんは、どういうアルバムを作ろうと思って、このアルバムを作ったんですか?
樽本 : 前作はバンドマンとか洋楽好きな人とかに受けが良かったんです。でももっと売れたいっていう気持ちがあったので、もっと多くの人に受け入れられるものへの予測を立てて、その中で自分ができる限りいい曲にしようと。「SAPPYはこういうバンドです」っていう名刺みたいなアルバムにしようと思ってました。
ーー僕は、3曲目「妄想ループ」と1曲目「(Life is)Only a dream」がずば抜けてるって思ったんですが、メンバーとしての推し曲はどれですか?
さっぴ : 個人的には「(Life is)Only a dream」が、すごく好きです。でもライヴでは「DANCE XX」がお客さんから一番反応ある曲ですね、キャッチーでポップで。
樽本 : 最後の「Your song」が僕としては新境地です。
ーーアルバム名『NEVER LOOK BACK』はどういう意味?
樽本 : もともとの仮タイトルは『大人になってしまった』っていうのを考えていたんですよ。大学卒業して社会人になって、「ああ、もう世間的に見たら大人なんか」って感じで。でも周りから暗いって言われて(笑)。だったら逆に、過去を振りかえらずに進んで行くみたいな気持ちで付けました。
ーーなるほど。今回サポートの人もいるけど、レコーディングは何人でスタジオに入ったの?
樽本 : 曲にもよるんですけど、1部の曲はもともと今年の春まで5人メンバーでやってた時に作ったものです。
ーーそれは正式メンバーだったの?
樽本 : はい。でも就職するタイミングで辞めて、2人になっちゃって。でもアルバム出したいし、曲も5曲しかないしこのままじゃまずいと思って、間宮くん(ex.空きっ腹に酒)とサカイくん(ex.宇宙コンビニ)に入ってもらって2曲完成させました。
ーー大変だったんだ。さっぴさんはまだ学生?
さっぴ : 2人とも卒業してて、社会人です。
ーーえっ! 2人とも働いてる割には、曲作りのペースが早いですね。
樽本 : 最近しんどいですよ(笑)。でも中学から大学までの同級生にtofubeatsとかいたりして。あとCrossfaithのベースも中学の同級生で、Fear, and Loathing in Las VegasnのヴォーカルMinamiくんも中学から大学まで一緒だったりとか。たまたま周りがすごいから、悔しいっていうか早く追いつきたいなって。
ーーそうだよ、でも焦らずね。
樽本 : SAPPYは意地で、絶対いったろって気持ちでやってます。
ーー「さよなら、CITY POP。」って言葉、なかなか挑戦的だけれど、どういう気持ちが入っているんですか?
樽本 : 僕ら、やってる途中からシティ・ポップの流れが関西にもやってきて、SAPPYもそれに括られたんです。それを便利に感じたこともあったけど、実際は別にルーツでもないし、全然ちゃうなって。だから、さよならしとこって(笑)。
さっぴ : Shiggy Jr.さんの影響も大きいです。「似てる」とか「関西のシギー」って言われるようになって、わたしたちも意識するようになりました。でもわたしたちにはSAPPYの音楽があるので、それをもっと表現して知ってもらいたい。
ーーうん、そっちの方がいいと思うよ。だから「さよなら、CITY POP。」って、すごくいいと思う。SAPPYは今後どうしていきたい?
樽本 : 僕としてはこの作品でSAPPYが広まって、次のアルバムで僕らにしかできない音楽を出したろって思ってます。まずは今回が大事だけど。
さっぴ : 今作で、もっといろいろな人に知ってほしいんです。その上で、もっとSAPPYらしい音楽をこれから出していきたい。
ーー樽本君の作曲センスは十分通用すると思う。メンバーは増やしていくの?
樽本 : あんまり考えてないですね。でもライヴのサポート・メンバーがほしいな。
さっぴ : 正式なメンバーとしては、今の2人が、がちっと固まっていればいいかな。
ーーサポートを入れてやっていくの?
樽本 : そうですね。でもSAPPYのやりたい方向を理解して一緒にやってくれるなら、ぜひメンバーとしてやってほしいです。今までメンバーの脱退でリリースが遅れたりもしたので、サポートを入れて2人でやっていく方が早いなと思ってたんですけど。でももしいい人が見つかったら是非入ってほしいな。
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LIVE INFORMATION
SAPPY 全国流通1stEP『NEVER LOOK BACK!』 Release Party!!
2015年11月3日(火・祝)@大阪 南堀江knave
2015年11月1日(日)@兵庫 ヴィレッジヴァンガード三宮店
2015年11月8日(日)@下北沢mona records
2015年11月21日(土)@タワーレコード広島店
2015年11月21日(土)@広島4.14
2015年12月5日(土)@名古屋 栄R.A.D,TIGHT ROPE,Party's
PROFILE
SAPPY
ボーカルさっぴとギター樽本を中心に2012年結成。
洋楽と邦楽の素晴らしさをハイブリッドした楽曲に、ポップで透明感溢れる歌声。
ちょっと涙の出そうになる、多幸感溢れる新世代POPミュージック。