2011/04/12 00:00

スガダイロー七夜連続七番勝負 第5弾・スガダイロー VS 志人

21世紀の日本でただ一人のバリバリのフリー・ジャズ・ピアニスト、スガダイロー! バークリー音楽大学に4年間留学し、帰国後渋さ知らズ等に参加。NATSUMENのギタリスト・A×S×Eと壮絶なセッションを繰り広げ、08年満を持してリリースした初のリーダー・アルバム『スガダイローの肖像』には、山下洋輔から「双子の銀河系の誕生を目撃しているような体験をした。その中に須賀大郎の世界が姿を現わし始めている。戦慄だ。」と賛辞を贈られた男。彼が、2010年9月3日から9日まで荻窪velvet sunで開催した異様な七夜があった。それが、「スガダイロー七夜連続七番勝負」。スガダイローと、志人、松下敦(ZAZEN BOYS)、U-zhaan、山本達久、本田珠也、七尾旅人、そしてThe Sun calls Starsが、セッションでは無く、音楽という武器を持って闘う前代未聞の決闘を繰り広げた。ぎゅうぎゅうに詰め込まれたお客さんは、その緊迫した雰囲気に呑み込まれ、鬼のような形相のアーティストを息をつく暇もなくただ見つめるばかり。出来たのは、ただ一つ。その闘いが終わった瞬間に、賞賛の雄叫びをあげるだけであった。

嘘だと思うなら、一度聞いてみたらいい。OTOTOYでは、この「スガダイロー七夜連続七番勝負」を最高音質のDSD+mp3(320k)で配信開始します。さらに、ボーナス・トラックには、スガダイローによるオーディオ・コメント(mp3/320k)もプレゼント。本作をバックに、スガダイローが語る(聞き手 : ノイズ中村)対決イベントの本質と総括が、CDで言うセルフ・レビューのようで、この刻まれた記録を分かりやすく伝えてくれる。

果たしてスガダイローは、勝ったのか? 負けたのか? 荻窪で行われていた事件を覗いて欲しい。それと共に、スガダイローの才能に歓喜していただきたい。

第5弾は、志人!!!
スガダイロー vs 志人『2010.09.03 3rd SET』

販売形式 : DSD+mp3(320k)
※さらに、ボーナス・トラックとして、スガダイローによるオーディオ・コメント(mp3/320k)もついてきます。
価格 : 700円

>>DSDの聴き方
第4弾
スガダイロー vs 山本達久『2010.09.06 3rd SET』

販売形式 : DSD+mp3(320k)
※さらに、ボーナス・トラックとして、スガダイローによるオーディオ・コメント(聞き手 : 清宮陵一、mp3/320k)もついてきます。
価格 : 700円

>>DSDの聴き方
第3弾
スガダイロー vs The Sun calls Stars (オータコージ+伊藤大助)『2010.09.09 3rd SET』

販売形式 : DSD+mp3(320k)
※さらに、ボーナス・トラックとして、スガダイローによるオーディオ・コメント(mp3/320k)もついてきます。
価格 : 700円

>>DSDの聴き方
第2弾
スガダイロー vs 本田珠也『2010.09.07 1st SET』

販売形式 : DSD+mp3(320k) 
※さらに、ボーナス・トラックとして、スガダイローによるオーディオ・コメント(mp3/320k)もついてきます。
価格 : 700円

>>DSDの聴き方
第1弾
スガダイロー vs 松下敦『2010.09.04 3rd SET』

販売形式 : DSD+mp3(320k) 
※さらに、ボーナス・トラックとして、スガダイローによるオーディオ・コメント(mp3/320k)もついてきます。
価格 : 700円

>>DSDの聴き方
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「スガダイロー七夜連続七番勝負」によせて

彼に初めて会ったのは、2004年末にリリースした、当時カタチになりつつあった日本JAZZの新たな潮流を追いかけたBOYCOTT RHYTHM MACHINEというコンピレーション・アルバムを制作している最中でした。既に収録を終えていた渋さ知らズのライブ録音。あまりにも”渋さ的”過ぎたその内容から、思い切ってリーダーである不破さんに「これまでと違った面の渋さが録りたいので、もう一度録音させて欲しい」と申し出たところ、「次のピット・インで新しいピアニストが入る。こいつは面白い。録った方がいい」と言われました。それが同アルバムに収録された渋さ知らズによる “Theme of Inuhime”。04年10月1日新宿ピット・インでの録音です。この録音はいまだに語り草になるほど、渋さ知らズの持つジャズの側面が濃縮極まったような、本当に素晴らしい奇跡のアンサンブルでした。そんな中、この日初めて渋さに参加し、あまりのプレイの壮絶さにピット・インのピアノの弦を2本切った男が————スガダイローでした。

それから丸2年。BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUSをイメージした段階から、全く無名と言っていい彼の名前は、企画の最初から絶対に外せないひとりとしてラインナップしました。そして、BoatやNATSUMENで活躍している天才作曲家であり超絶ギタリストであるAxSxEと対戦した彼は、この作品のインタビューで「ジャズはもうとっくに終わっている。いや、元々日本には無い。そんな日本で”衝突”を作っていくのが自分の役目だと思っている」と語りました。高木正勝、菊地成孔、dj KENTARO、DJ BAKUといった最前線で活躍する才能たちの中にあって、この作品のエンドロールに使用した映像は、収録中に録ったスガダイロー率いるREAL BLUEのセッション・シーンでした。このシーンは、作品の最後に提示したかった”これからの音楽”を意味する、ある種の希望を表したものでした。

それから丸2年。BOYCOTT IIを観てくれた友人から、「スガダイローのアルバムを作りたい。一緒にやりませんか?」との誘いを受けました。断る理由など何処にもありません。そして、あらゆる試行錯誤を詰め込み、ファースト・ソロ・アルバム『スガダイローの肖像』が完成しました。彼の師匠筋にあたる山下洋輔氏は「双子の銀河系の誕生を目撃しているような体験をした。その中に須賀大郎の世界が確実に姿を現わし始めている。戦慄だ。」というコメントを残してくださいました。

初めてスガダイローを新宿ピットインで見た日から丸4年と1日。ついに、そのジャズの聖地で初めて彼は主役を張りました。当日は『スガダイローの肖像』にも参加してもらった二階堂和美さんもヴォーカルで登場。レコーディングの際、彼女は、スガダイロー率いるバンドとともに3曲の得体の知れない新しい生き物を産み落としました。特にジャックスのカバー「マリアンヌ」は、初めて会った日に作り上げたとは信じられないような、奇跡としか言いようの無いプレイが繰り広げられました。当然、そのレコ発ライブも大成功を収めることが出来ました。あの日、緊張感と緊迫感、どちらかと言えばヒリヒリとしたプレイを展開するステージを、客席はより広く覆い、包み込み、全てを迎え入れるような、何か不思議な空気が流れていた事が今も忘れられません。

そこからまた丁度2年の月日が流れました。

スガダイローは、今を生きているフリー・ジャズ・ピアニストです。 その、曖昧ながらも毅然と純然と五十年ものあいだそこに在り続けている「フリー・ジャズ」の意味を、今この時代に、ほとんど唯一といっていいほど味わい、考える事のできる七日間がもうすぐやってきます。僕と同じ年齢のこの男が、何度も奇跡的な場面を目の前に現出させた男が、これから何処まで音楽の世界でのぼり詰めるか、そのスタート・ダッシュの”衝突”を、ぜひ刮目して全身でご覧ください。

vinylsoyuz / BOYCOTT RHYTHM MACHINE project 主宰 清宮陵一

スガダイロー PROFILE

1974年生まれ、鎌倉育ち。学生時代は生物学者を目指すも其の道から挫折、ピアノに転向する。バークリー音楽大学に4年間留学し、帰国後渋さ知らズ等で活躍。06年ドキュメンタリー『BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUS』にてNATSUMENのギタリスト・A×S×Eと壮絶なセッションを繰り広げ、08年満を持してリリースした初のリーダー・アルバム『スガダイローの肖像』(二階堂和美がヴォーカルで3曲参加)には山下洋輔から「双子の銀河系の誕生を目撃しているような体験をした。その中に須賀大郎の世界が姿を現わし始めている。戦慄だ。」というコメントが贈られている。09年、坂本龍馬へのオマージュ作『坂本龍馬の拳銃』『黒船・ビギニング』をリリース。年末には中村達也(ex.BJC)との壮絶な異種格闘技決戦を1時間に渡って繰り広げる。10年9月「七夜連続七番勝負」を開催、連日会場を興奮の坩堝に。以降も、那須高原SPECTACLE in the Farm、渋谷WWW「Touch My Piano vol.1」に出演するなど、活動領域を着実に広げている、間違いなく21世紀の日本でただ一人のバリバリのフリー・ジャズ・ピアニストである。若手主体のコンセプチュアル・フリーアヴァンギャルド・バンド「REAL BLUE」や、「ok.hp」「リトルブルー」「スガダイローTRIO」「スガダイローQUINTET」などを率い、撼天動地に暗躍中。

山本達久 PROFILE

82年10月25日生。drums&perc担当。 07年まで、地元山口県防府市bar印度洋を拠点に、様々な音楽活動と並行して様々なイベントのオーガナイズをするなど精力的に活動し、基本となる音楽観、人生観などなどの礎を築く。 現在では、数々の即興演奏を軸に、完全生演奏でのミニマル一人テクノsolo、SSWである石橋英子との様々な活動、Jim O'rourke BANDへの参加、千住宗臣とのダブルドラムDuo、ナスノミツル率いるミニマルロックBAND「teneleven」、勝井祐二、marronとのJAMtrio「プラマイゼロ」、田村夏樹、藤井郷子、Kelly ChurkoとのアコースティックノイズインプロBAND「First Meeting」、町田良夫steelpanとのDUOunit「オハナミ」、大友良英、Jim O'rourkeと共にカヒミ・カリィ・BANDへの参加、AxSxE率いるロックバンド「NATSUMEN」、softのshimiz、marron a.k.a dubmarronicsによる「ギターヒーロー観光協会's」推薦ドラマーでもある。 また、タテタカコ、タニザワトモフミ、長谷川健一、el-malo、柚木隆一郎、phew、pagtas、見汐麻衣(埋火)、andersens、タバタミツル、などなどのレコーディングやLIVEサポートなども行うなど、様々な現場、プロジェクトに参加し、都内を中心に活動。

[レヴュー] スガダイロー vs 志人

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