KAGERO×Yellow Studsが、リスペクトし合ったスプリット盤をリリース!

ジャズ、パンク、ハードコアを独自に消化した4人組インスト・バンド、KAGERO。ガレージやロカビリーを土台とし、ハスキーな歌声が印象的な5人組ロック・バンドYellow Studs。旧知の2バンドが、スプリット盤「HYSTERIA vs PIPI」をリリース! お互いの楽曲をカバーしたスタジオ音源と、自分たちの楽曲を披露したライヴ音源が収録されており、オリジナルとカバーの聞き比べができる内容となっている。そこでOTOTOYでは、両バンドの首謀者の対談を敢行。出会いや人となり、音楽の話を進めていくうちに、世代やジャンル、ネットの話まで飛び出すことに。個人的に「女」と「邪念」の話が聞けてよかったです。

インタビュー & 文 : 福アニー
写真 : 藤森沙羅

白水悠(KAGERO) × 野村太一(Yellow Studs)

OTOTOY独占先行配信のスプリット盤をリリース!

KAGERO/Yellow Studs / HYSTERIA vs PIPI

Yellow Studsの野村(Vo.)がKAGEROの「HYSTERIA」に歌詞を付ける一方で、KAGEROは歌詞のあるYellow Studsの楽曲「PIPI」をインストルメンタルでカバー。「インスト vs 歌モノ」の対決ともいえる企画を披露し話題となったが、そのカバー音源やライヴ音源を含むスプリット作品。

【Track List】
01. PIPI by KAGERO / 02. HYSTERIA by Yellow Studs / 03. PIPI by Yellow Studs live ver / 04. HYSTERIA by KAGERO live ver / 05. LIBERTINE SPECIAL by KAGERO live ver / 06. 十分前 by Yellow Studs live ver

【配信価格】
mp3、wav : 750円(まとめ購入のみ)

対談 : 白水悠(KAGERO)×野村太一(Yellow Studs)

——前回はKAGEROのサード・アルバム『Ⅲ』リリース時に、KAGERO単体でインタビューさせてもらいました。白水さんがほろ酔いだったのが印象深いです(笑)。今回はYellow Studsとのスプリット盤リリースにちなみ、野村さんとの対談で進めていこうと思います。

白水悠(KAGERO、Ba) : 前回の泥酔っぷりが信じられない… 言ったことは軽く覚えてるんですけど。だって2011年の年末にやったライヴの直後でしたもんね(笑)。

——そうでしたね。さっそくですが、KAGEROとYellow Studsは出会って長いんですか?

野村太一(Yellow Studs、Vo&G) : 長いですよ。俺たち結成して10年目なんですけど、6年前くらいから周りのバンドマンたちの間で「KAGEROがすげえ半端ない」って噂が飛び交ってて。
白水 : 当時、浅草KURAWOODってライヴ・ハウスに僕らもYellow Studsも出てたんだけど、対バンしたことはなくて。共通の知り合いやファンから「Yellow Studsすごいよ」って聞いてたんだけど、「あっそう」みたいな(笑)。
野村 : お互い若いですからね。かっこいいバンドってのは認めたくない。

——でも最初のライヴを観たときはどんな印象でした?

白水 : やっぱ「わーかっけえな」と思ったよ。いろんな評判を聞いていたから「あーわかるな。これならそう言われるだろうな」って感じ。
野村 : 俺は「やだなー」と思いましたよ。バンドマンって基本うまい人っていないんですよ。楽譜読めないやつがバンドをやっているってのが多いから。でもKAGEROは「本物のミュージシャンきちゃったよ」って。

(一同笑)

——どちらも見知っていながら牽制しつつ。それがどうして一緒にやろうと?

野村 : ちゃんとしゃべるようになったのは 2年前くらい?
白水 : うん。吉祥寺スターパインズカフェで初めて一緒にやったのもそれくらいだよね。僕ら自主企画で2マン・イベントをずっとやってたんですけど、NEATBEATSが決まったときにYellow Studsも呼びたいと思って、オープニング・アクトで出てもらったんですよ。

——2011年12月にも、新宿紅布でKAGERO、Yellow Studs、ピラミッドスの3マンをやりましたよね。

白水 : その時はうちのRUPPA君が1バンド、僕が1バンド呼んで3マンにしようってなったんだけど、僕はやっぱりYellow Studsがいいなと。

——それはどうして?

野村 : まずはお客さん呼べるかどうかじゃない?
白水 : まあそれもあるけど(笑)。一緒にやって一番刺激をもらえるんですよね。浅草界隈のバンドはもうほとんどいないんですよ。どんどん解散していく。でもその中で残っているっていうのは「なんかしら」あるんだと思うし、その「なんかしら」っていうのはYellow StudsKAGEROでは種類が違うかもしれないけど、それを同じ場所で出したかったっていうのはあるかな。
野村 : 俺がKAGEROで刺激を受けるのは「グルーヴでしょうね。他のバンドと格段に違うんで。ライヴの時ってギタリストは手元見たり、ドラムはガチガチだったりってのが多いんですけど、KAGEROがすごいのは、みんなリラックスしているんですよ。100%にほぼ近いものが出てる。技術とセンスがともなっているから、ライヴがすごくやわらかいんですよね。しかも上手いだけじゃなくて、いい意味で汚い。邪念もなさそうだし。
白水 : 結構邪念だらけだよ、演奏中。盛り上がってんのかなーって。

(一同笑)

——白水さんが思うYellow Studsの魅力って?

白水 : やっぱ「歌」ですね。でも最初聞いたときは、ミッシェルぽいと思いましたけどね。よく言われるでしょ?
野村 : よく言われる(笑)。
白水 : でも「PIPI」を聞いたときに、「あー全然違うんだ」と思って。そこでひとつ僕の中でYellow Studsに対して認識が改まったんですよね。「あ、この人別にミッシェルとか聞いてないだろうな」って。
野村 : 聞いてないよ。歌が下手くそだとああいう歌い方になっちゃうの。

——音楽の話はよくするんですか?

白水 : あんまりしないよね。飲んでても「バンドマンあるある」みたいな話ばっか。
野村 : あと「男と女のあるある」。まあ下世話な話ですよ!
白水 : そういう話ができるやつもなかなかいない。バンドマンと飲むと機材や音源の話になるけど、僕はあんまりわかんないんでね。彼とはそういうところが似てるのかも。
野村 : 熱く語るやつに限って大したことないし、いい機材持ってるやつに限ってそんなにうまくないっていう(笑)。

——「機材じゃねえよ」っていう…。

白水・野村 : まあいい機材はほしいですけどね(笑)!

——KAGEROとYellow Studsのスプリット盤を発売し、カバーし合うというアイディアは、いつ頃出てきたんですか?

白水 : 4月15日に下北沢シェルターで2マンをやったんだけど、そのイベントの予約特典を激レア音源にしようって決めたの。そのために何をやろうかって話してて、お互いの曲をカバーし合おうと。やっぱカバーって、もとの感じと全然違うと一番おもしろいんだよね。KAGEROもインストのカバーの話はくるけど、それよりも歌のあるもののカバーがしたいとずーっと思ってて。レコーディングをしなくちゃいけないし無茶かなとも思ったんだけど、それをYellow Studsに言ったら結構乗り気で。
野村 : まあ大変だったよ。
白水 : すいません(笑)。

——KAGEROはYellow Studsの「PIPI」を、Yellow StudsはKAGEROの「HYSTERIA」をカバーしたわけですが、選曲の決め手は?

白水 : 僕の中でYellow Studsのイメージって、いつまでも「PIPI」なんだよね、悪い意味じゃなくて。歌も楽器も超前に出るし、キャッチーだし、フックもあるし。お手本がない感じ。あれ聞いてほんとに変わったんだ、ミッシェルのカバーじゃなくてほんとに音楽を作りたいんだな、Yellow Studsの音楽を構築したいんだなっていうのが伝わってきたから。
野村 : 2、3年前に作ったんですけど、似たような曲がないものを作りたかったんで… 実はDメロくらいまであるんです。絶対受けないだろうって前提で。
白水 : そうだよね、構成もいっぱいあって。変拍子も入ってたもんね。
野村 : そのときの事務所と仲が悪くなった曲なんですけどね。それきっかけで「どフリー」になったんですよ。だから、僕たちがいい意味でも悪い意味でも「翼が折れた曲」。

(一同笑)

——でもその曲をめっちゃ気に入って、固定観念をぶっ壊された白水さんのような人もいるわけで…。

野村 : それはありがたいですよね。これは売れねえよって納得してたし。

——それ以前に作った曲は、「売れる曲を作ろう」と気を遣いつつ作っていた?

野村 : やっぱり売れたいからって邪念は入りますよね。これを伝えたいんだっていうのを、100%出せる人って世の中にそんなにいないんじゃないかな。この人が聞いたらどう思うかな、これがテレビに流れたらどういう風に聞こえるんだろうとか、絶対無意識のうちにでも考えると思うんですよね。だから「「PIPI」はストレートに出しちゃいかんいかん。いや、自分のやりたいことやんなきゃ」っていうのを100回くらい思って作った曲なんです。そしたら見事に人気が出なくて、もうやめちゃおうかなって思った。
白水 : 客観視すると邪念になるからね。でも「PIPI」を聞かなかったら、一緒にやってなかったかもしんないし。

——自問自答を経ての「PIPI」だったんですね。

野村 : そうですね。でもそれで路線が変わって、お客さんがずどーんと消えちゃったんですよ。それまではスウィングやってたのに「PIPI」で“ファック”とか言ったもんだから(笑)。
白水 : そういうところ近いかもなあ。うちも昔の方がジャズ要素あったし、おしゃれなことをやろうとしていたし、その方が受けんのかなと思ってた。でも飽きちゃうし幅が狭くなると思ったし、だんだんハードになっていったんだよね。
野村 : 飽きるよね。メンバーがそれぞれ聞く音楽が全然違うんで、やるジャンルをしぼるってこと自体に無理があった。やりたいこと全部やろうと。俺にいたってはほぼ音楽聞かないですからねえ。ただ、うちのおかんが昔からジャニス・ジョプリンやロッド・スチュワートの声を「ハスキーよねえ、いいわよねえ」って言ってたから、自分で歌う時もそういうかすれた声がいいと思ってるところはありますね。無意識のうちに褒めらる為にやっているのかなとか。まあ下手くそが歌うと勝手にこうなっちゃうんですけど。
白水 : でもジャンルのことで言うと、たとえばリーゼントにして、革ジャン着て、ロックンロールやってる人たちいっぱいいるじゃない? みんな割り切ってんのかなって。それしか聞かないんじゃなくて、いろんな音楽聞いてる中で「このバンドではロックンロールです」っていう風にさ。それがいいとか悪いとかじゃなくて、自分たちはそんなに器用にできない… 僕らの世代なのかね?
野村 : たぶんそうだと思うよ。

思い切りはKAGEROの勝利(野村)

——ちなみにおふたりは何年生まれで?

白水 : 僕は81年生まれで、彼は80年。

——あ、私は82年生まれなので、ちょうど「キレる世代」ですね(笑)。

野村 : まーしっかりした仕事してるねえ。変わってほしい。
白水 : 安達祐美、松坂大輔、広末涼子世代ですね。音楽は、中学の時からジャンルで聞いてたような人も周りにいなかったし…。
野村 : たぶんみんな同じこと言うと思うんだけど、80年代、90年代のバブルってダサイでしょ。そのなかでルースターズを小学生の時に聞いてたやつなんていないでしょ。流れるのはチャゲアス、米米、TK、ミスチルとかだったし、「浪漫飛行歌いたい! 」みたいなさ。
白水 : 高校の時売れてたのはヴィジュアル系だったしね。GLAY、ラルク、LUNA SEA… もちろんディスるわけじゃないけど。90年代と2000年代って、そんなに単純な時代じゃなかったと思う。「これ聞いてりゃかっこいいみたいなものがあったわけじゃないし。
野村 : 俺なんて高校生の時、間違えてバックストリート・ボーイズ買っちゃったしね。群馬県の北橘村出身なんだけど、なんか洋楽聞いたほうがいいんじゃないって言われてCDショップに行ったら、おすすめされたのがそれで。

(一同笑)

——群馬、この頃熱いですよね、特産品のネギやキャベツを使って日本全土を征服していく「ぐんまのやぼう」ってゲームも流行っていますし。

白水 : 今ホットな県なんだ… ってジャンルの話ね。俺高校のはじめくらい、メタルやったらモテんのかなって勘違いしてやったけど、全然モテなかった(笑)。後、ネットが一気にきたよね。
野村 : ダイヤルアップ回線!
白水 : Windows95とかでしょ? 電話代かかってたっていうのがすごいよね。ネットをしていると、家族が電話できないっていう。

——バンド活動をしていくうえで、ネットの役割も大きい?

白水 : やりやすいとは思う。20代前半の頃はすごい嫌だったの、ネットで音源買われるのってすごい抵抗あって。でもYouTubeが出てきて、パソコンのソフト一個買えばセンス一発でPV作れるようになって… 昔と違っていまは自分達の手でPVを作って流せたり、やろうと思えば今日録ったものをすぐミックスして「新曲です」って発表できたり、いろいろおもしろいことが出来るわけじゃん。瞬発力って意味では格段に変わったよね。
野村 : Twitterだけで売上も結構変わるし、さまさまですよね。SNSには感謝しています。
白水 : ファンの子同士がそれでつながって友達になると、次のライヴも来やすくなるみたいだし… びっくりツールですよ。あとTwitter始めたら、あからさまにライヴのあと声かけられる頻度があがったんだよ。
野村 : なめられてんだよ(笑)。確かに話しかけづらい顔はしてるよね。
白水 : 結構にこやかにしてるよ?
野村 : ああ、初対面の人に結構テンション高めで「グオーン」っていくよね。最初、よくしゃべんなあって思ったもん。
白水 : 超気使ってんだよ。Yellow Studsとからみだしたのも、最初(野村)太一とじゃなくて、他のメンバーとだったよね。
野村 : 俺は最後のほうにしゃべって… いいやつなんじゃんって。
白水 : 怖い人かもと思って、僕も警戒したんだよ。

——ところで話は戻りますが、Yellow Studsが「HYSTERIA」をカバーした決め手は?

野村 : ほんとは「GAS」をやろうと思ったんですけど、「キーが同じだから歌のんねえや」ってやめたんです。それで「HYSTERIA」だったら歌乗るしかっこいいし、はじめて聞いた人でも聞きやすいと思って決めました。

——以前、KAGEROの菊池さんに、『Ⅲ』で特に思い入れのある曲はありますかと聞いたときに、ピアノをちゃんと重ねて録ったから「HYSTERIA」とおっしゃっていて。私もすごく聞きやすい曲だなあと思ったんですが、それに野村さんがあの歌詞を付けるのがすごくおもしろいなと。聞いたときにそういう情景が浮かんだんですか?

野村 : 最初「HYSTERIA」って花か植物のことかと思ったんですけど、それ「ラフレシア」だと思って。「HYSTERIA」ってヒステリーな子のこと言うんだなって。僕、ヒステリーな子がいっぱい寄ってくるんですよ。ヘビーなメンタルや悩みを抱えてて、そういう子を思い出して作りました。
白水 : そういうとこも似てんだよね、僕らは。
野村 : ラブホテルで「後、2時間もあるんだけど、やばい。もう帰りたい」っていう時あるじゃないですか。そういう気持ちを歌にしてみました。
白水 : あれはそういう歌詞だったんだ、染みるわー。僕はセカンド・アルバムくらいから、ずっと「HYSTERIA」ってタイトルを温めてて。でも、その時は作れなくて、サード・アルバムでやっと作れたんです。個人的には「HYSTERIA」を1曲目にしようと思って作ったくらい、思い入れのある曲なんです(実際の1曲目は「GAS」)。

——「10分前」もそうですけど、野村さんの書く歌詞ってほんと赤裸々ですよね。

白水 : 太一のかっこよさって、ほんと赤裸々なところ。僕はすごい照れちゃうから、うらやましいなあって思う。
野村 : 「愛してる」とか、みんなが共感するようなことを歌ってもな… っていのはあります。悩んだりしたときに、それをそのまま歌詞に乗せる感じですかね。おしゃれにできない。

——そして「PIPI」は疾走感全開で、大胆なカバーになりましたよね。

白水 : 「PIPI」はメロディーがほぼなかったんで苦労しました。原曲と全然違う風にしてやろうっていうのはカバーするとき常にあるけど、「PIPI」ってわかんなくなったらまずいし、バランスは意識しましたかね。でも、今聞いたらちょっとやりすぎたかなって… あんまり「PIPI」っぽくない(笑)。
野村 : うん、オリジナルみたいになってた。「HYSTERIA」は「HYSTERIA」を壊さないように大事にやったんだけど、送られた「PIPI」を聞いたときにそこまでやってよかったんだって。思い切りはKAGEROの勝利でしょうね。

どんどん理想があがっていく(白水)

——白水さんは『Ⅱ』でライヴ感のあるアルバムはやりきったから、『Ⅲ』では「音源」を作ったとおっしゃっていました。それで今回、またライヴ感あふれるスプリットを出したのはその反動なんでしょうか?

白水 : 前回のインタビューが昨年末でしょ、そこから半年以上経ってるから変わっていきますよね。うちらはドラムが変わったってのが一番でかいんだけど。曲作るときに余裕も出てきたし、前はこういうアルバムにしようと思って、それに向かっている感じがあったんだけど、今はもっと自由な発想で出来てるかな。どんどん理想があがっていくし、次に次にっていうのが常にありますね。

——Yellow Studsは沖縄のYOUとコラボしたり、シングルを発売したりして、年末にはアルバム発売も控えていますね。今後やりたいことは?

野村 : ピアノをフィーチャーした、メロディアスでかっこいいものを作りたいですね。あと僕、人生経験から歌詞を作っているんですけど、今スランプでして。これ以上いくと「ピー」しか入んないじゃないかっていう話しかなくなってきたから、レコーディング前に歌を探しに旅に行こうと思ってます。本当は女の子の歌を歌いたいんですよ。僕の歌詞は女の子への手紙みたいなもんなので。
白水 : 一曲一曲、女の子の名前つけていけばいいじゃない。
野村 : つくつく(笑)。でも、現在進行中の大切な人の歌が出てこないのはなんでなんですかね。まあ正直な歌にします。
白水 : 常にそうじゃない? 現在進行中の人に対する思い入れってなかなかないから。別れてからの方が美しいものばかりになっていく気がするな。

——KAGEROは『Ⅲ』発売、メンバー・チェンジと改名を経てのフェス出演、ツアー、スプリット盤とベスト的アルバム発売(1曲新曲が入っているため)と、今年はかなり攻めの1年になったんじゃないですか?

白水 : そうですね。ベストと言っても、全部録り直したからね。ドラムも変わったし、テンポもアレンジも変わってるから、今までの曲を全部録り直したいと思ってて。そうしたら、ちょうどレーベル側から次はベストを出そうって言われて、じゃあ録り直させてってなったんです。すげえいいタイミングだった。

——1曲入っている新曲は、今までの中でどういう位置づけなんですか?

白水 : 萩(新ドラマーの萩原朋学)になって始めて4人で作ったんだよね。原曲はサックスのRUPPAさんなんだけど、今年の春先くらいに僕がアレンジも、曲作りもできないスランプが続いたんです。2ヶ月くらい悩んで、6月のツアー前後に「ぱーん」とできて。萩の力も強かったと思う。

——萩原さんになってよりアグレッシヴになった?

白水 : バンドの感じは変わったんじゃないかな。どのドラマーでも出したかったものは同じなんだけど、萩が一番ダイレクトにはまってる。それで皆が持ってるエネルギーがすごいあがって… 噛み合ってるところが強いんだろうね。

——そして10月27日にも、渋谷PLUGで2マン・レコ発ですね。毎回2マンすると馴れ合ってしまうリスクもあると思うんですが、今回も食うか食われるかになりそうです。最後にお互いの言葉で宣戦布告をお願いします。

白水 : 「食うか食われるか」って感覚があるのがYellow Studsくらいだから、今回もやるのかもしれませんね。でかいバンドさんとやらせてもらって胸を借りる。音楽的に近いからやる。超仲いいからやるって感じでもないし。
野村 : 殺す気でいきますからね。貴方のお客さん盗むよーって。
白水 : おもしろいもんで、彼らとやるとお客さんが行き来するから。もともとKAGEROファンの女の子が、俺らとYellow Studsがかぶったときに、Yellow Studsに行ってたからね。俺ら都内で、彼ら大阪でライヴだったのに!
野村 : お互い悔しい思いをしてますよ。
白水 : でもそれでお互いの裾野がだんだん広がってさ、KAGEROYellow Studsでやればもっともっとでかいところでやれるってなったら絶対おもしろいし、それも馴れ合いじゃなくやっていければいいなって。やるたびに真剣勝負になれる環境ってなかなかないからさ、同じような歳で同じような修羅場くぐってきたからそうなるんだろうけど。
野村 : その日一番、ちやほやされたいっしょ。調子こきたいから勝つしかないんですよね。
白水 : あー、すっごいちやほやされたい。調子こきたい。

——ぜひ殺り合ってほしいと思います(笑)。ありがとうございました。

LIVE INFORMATION

KAGERO×YELLOW STUDS「HYSTERIA vs PIPI」 release party
2012年10月27日(土)@渋谷PLUG

KAGEROとYellow Studsの配信音源もチェック!

PROFILE

KAGERO
ジャズ・カルテット編成の想像を覆す攻撃的な轟音とパンク・スピリット溢れるライヴ・パフォーマンスを武器に、活動当初から都内アンダーグラウンド・シーンで話題沸騰。ジャズ、パンク、ハードコア・シーンを股にかける異端児として国内外から注目を集めている。

KAGERO official HP

Yellow Studs
Yellow Studs(イエロースタッズ)は日本のロック・バンド。東京を中心に全国的に活動。ガレージ、ロック、ロカビリー、ジャズ、様々な要素を楽曲に取り入れ、(Vo.)野村太一の独特のしゃがれ声で独自の世界観を繰り広げる。2008年11月(Gu.)野村良平を加え5人編成での活動開始。2011年1月、(Dr.)木村耕平脱退。新ドラムに前川和彦が加入。

Yellow Studs official HP

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