2012/08/14 00:00

LOOLOWNINGEN&THE FAR EAST IDIOTSや1/2btb+S.S等でも活躍する沙知(pf.vo)、諏訪創(ds.etc)、内田典文(pa.dub.b)の3人によるフリー・ポップ・バンド、ハリネコ。彼らの初の音源が完成しました! 即興と歌を掛け合わせ、時にエキセントリックに、時に穏やかに、多面的でどことも似つかわない風景を描き出す彼らの音楽は、少しいびつながら、ポップに振り切れた仕上がり。どこまでも自由で、未知の世界へとつれていく新しいポップスの誕生です。OTOTOYでは、CDの発売に先駆けて先行発売を開始。まずは1曲、フリー・ダウンロードでお届けします!

>>「とまと」のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 8/16〜8/22)

ハリネコ / とうきょう

POPSを軸に、即興やあらゆるアイディアを織り交ぜながら、「音を楽しむ」ということに純粋に向き合って作り上げられた初作。表題曲「とうきょう」はおどろおどろしい叫び声からはじまったかと思えば、一転してポップな歌を聴かせるなど、ハリネコの特徴を全て盛り込んだ衝撃的な1曲。その他、アコースティック演奏とエフェクトが絶妙に混じり合う、ポップで遊び心たっぷりの全6曲を収録。

1. とうきょう / 2. まわる / 3. Mother Sun. / 4. とまと / 5. 手紙 / 6. はれうた
価格 : mp3/WAV共に1000円

音の隙間から浮き上がってくる感情

東京を拠点に活動するハリネコは、ヴォーカルとピアノの沙知とドラムとパーカッションなどを担当する諏訪創、楽曲にダブ処理を施し、時おりベースをプレイする内田典文の3人からなる。彼らは自ら、歌ものポップスと即興による演奏を軸にしたハリネコの音楽を“FREE POP”だと言う。その言葉どおり、たしかに自由だ。3人はただひたすら心のおもむくままに歌を歌い、楽器を奏でる。のびのびとした雰囲気と開放的な空気が隅々にまで行き渡っている。

ここではポップスとロックにほんの少しだけジャズを加えながら、エレクトロニカやアンビエントめいたテイストまでを取り込んだような演奏が展開されている。しなやかなポップスからジャンクなロックのように、アヴァンギャルドなジャズのように暴れてぶっ壊れたかと思ったら、その次にはゆったりとした穏やかな音の世界へと流れていく。沙知の歌もそうだ。大きな声で叫んでいるところがあれば、静かに歌を聴かせるところがある。泣いていたのに、少し経ったら笑っている…。喜んでいたのに、怒っている…。様々な感情を表現する小さな子供のようである。歌と演奏はクルクルと表情を変えながら、静と動を行き来する。

ハリネコの魅力はその振れ幅の広さにある。1曲目「とうきょう」のオープニングで沙知の叫び声を聴き、その後に展開されるアップダウンの激しい大胆な演奏を聴けば、これはなかなかエキセントリックなバンドだなと思うだろう。純粋に歌を聴かせるバンドではないと思わせる要素が数多く散りばめられている。そうであるからこそ、5曲目「手紙」で心を落ち着かせるしっとりとしたメロディが聴こえてきたときに、それまでに見えていなかったハリネコの姿を発見することになる。ヘンテコで奇抜な… と言ってもいい歌と演奏に耳を持っていかれるからこそ、音と音の隙間から浮き上がってくる、時にかわいらしく時に切ないメロディにハッとさせられる瞬間があるというわけだ。

様々な表情を見せるそれらの音楽は、聴き手の心をパッと明るくしたり、ホッと温かくしたり、グッと悲しくしたりする。聴き手の感情を様々な方向に揺さぶる。楽しい日があれば、なんてことのない日もあるし、しんどい日もある。人はいろいろなことを感じ、思いながら生活している。そんな市井の人々の毎日みたいな音楽ではないか。(text by 小澤剛)

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LIVE SCHEDULE

2012年8月31日(金)ハリネコpresents『って。』@渋谷LastWaltz
w/ sajjanu / 表現(Hyogen) / むせいらん

▼「とうきょう」リリースライブ▼

2012年9月15日(土)、16日(日)「TOBIU CAMP 2012」@白老町飛生の森
w/ Marewrew / 後藤正文 (ASIAN KUNG-FU GENERATION) / 志人 from 降神 / B.I.G. Joe / アキオカマサコ / 碧衣スイミング / aota / 伴 翼 / Chuva Chuva / Connect. / コルネリア・プト / ハリネコ / cosmic stew / death gerro / DJ Gak / Free Kick / 富士翔太朗 / 藤掛久美子 / 平山 操 / isobeck! / jealousguy / 柿崎 均 / かたつむりスピード / Kazuya a.k.a.Pee / Kick / 木村綾子 / kokoz / 紺野龍太 / 小助川裕康 / 小助川美雪 / 国松希根太 / MC Mango / 宮内優里 / 森迫暁夫 / Moskitoo / Naohito Uchiyama / Naoito / 西田秀己 / 奥山三彩 / Olololop / Rhythm village / 木木木人 / Sugai Ken / Suzken / 鈴木明倫 / 高張直樹 / 竹浦小学校の子どもたち / 瀧原 祥 / Tawoo / Tokky / 富田 歩 / Tremolos / yarn:moor / イヲルマン / 雪音堂 / and more ・・・

2012年9月17日(月)『discommunication』@札幌SPIRITUAL LOUNGE
w/ DESERT / TEENS TALK SEX / とびだせ!おともだち / sea sui / whisper’s

2012年9月18日(火)『THUNDER IN THE EAST』@札幌161倉庫
w/ indifference / cigar terrace / サトウアミ / つよし祭り / オバケハトモダチ

2012年10月12日(金)『さんごじゅなす』@渋谷LastWaltz
w/ 日比谷カタン / スッパバンド / OTOTOI GROUP

PROFILE

沙知(vo、pf) / 諏訪創(ds、per、etc) / 内田典文(pa、dubたまにb)

歌物POPS+即興を軸に、景色観を描いたアート・パフォーマンスのような音楽世界を展開する変幻自在バンド。歌を軸に、柔らかくもあり強くもある幅広いドラミングとパーカッション・プレイ、さらに広がりあるエフェクトで、その世界観を時にロックに時に美しく増幅。ほかに類のない世界を描いている。と、同時に「音を楽しむ」ことも忘れず、聴く人すべてが楽しく・ワクワクするようなPOPSを体現。活動拠点は主に東京。しかしながら、美味しいものと素敵な場所があれば、全国はたまた海外へでも飛んでいく、とても愉快な三人組です。

>>ハリネコ WEB

[レヴュー] ハリネコ

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