2016/11/13 13:47

OGRE YOU ASSHOLE、2年振りのオリジナル・アルバムを独占配信、〈RYA〉のフル尺文字起こし掲載

OGRE YOU ASSHOLEが、2年振りのオリジナル・アルバム『ハンドルを放す前に』をリリースした。『homely』『100年後』『ペーパークラフト』という3部作を経ての本作はメンバーによるセルフ・プロデュース。OTOTOYではバンド初の独占ハイレゾ配信、スタジオでのサウンドをそのままお届けする。そして、本作のリリースを記念し、メンバー4人が好きなレコードをかけまくるUstream番組〈RECORD YOU ASSHOLE〉の11月9日放送分を記事にて掲載。これを元にレコードを購入して聴き込むもよし、『ハンドルを放す前に』のヒントを探すもより、ぜひ活用していただけたら幸いだ。

セルフ・プロデュースによるフル・アルバムを独占ハイレゾ配信

OGRE YOU ASSHOLE / ハンドルを放す前に(24bit/48kHz)
【Track List】
1. ハンドルを放つ前に
2. かんたんな自由
3. なくした
4. あの気分でもう一度
5. 頭の体操
6. 寝つけない
7. はじまりの感じ
8. ムードに
9. 移住計画
10. もしあったなら
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV / AAC

【配信価格】
単曲 300円(税込) / アルバム 2,500円(税込)

1曲目 清水セレクト Moritz Von Oswald / Sounding line

Moritz Von Oswald Trio「Sounding Line 5 (Spectre)」
Moritz Von Oswald Trio「Sounding Line 5 (Spectre)」

清水 : OGRE YOU ASSHOLEのメンバーがレコードを聴きまくる番組「RECORD YOU ASSHOLE」。今回はニュー・アルバム『ハンドルを放す前に』の発売記念で、メンバー4人でやっていきます。

一同 : (軽く一礼)

清水 : 1曲目は清水セレクトで、Moritz Von Oswald(モーリッツォ)の「Sounding line」でした。これ、曲名がよくわからないんだけど、今流しているのはC面の1曲目です。2枚組みのレコードで2015年の作品で、トニー・アレンがドラムをやっているというものです。

清水 : (全員を伺いつつ)どうですか?

一同 : (無言)

馬渕 : … 昔のほうが好きですね。

清水 : Rhythm & Sound?

馬渕 : (うなずきつつ)最近はこういう感じなんですね。

出戸 : ね。生ドラムとやってる。最近日本に来てたんだよね?

勝浦 : 何の人ですか?

清水 : モーリッツォは、ドイツ人でテクノをやってた人で、Rhythm & Soundっていうミニマル・ダブみたいなことを、90年代終わりとかから2000年代半ば位までやってて。

馬渕 : それがすごいかっこいいの。

清水 : 自分はリアルタイムでよく聴いてたんだけど。ここ数年、馬渕くんとか出戸くんと一緒に聴いたりしてた。これはモーリッツオの最近の仕事、トリオでやってるやつで。どうですかね。(3人を伺う)

清水 : … シーン(笑)。

勝浦 : コメントのしようが無い(笑)。

清水 : えーと! 取りあえずですね、今日はこのあと全部で10曲ほど聴いて、途中でアルバムからのMVを流したりします。この番組がMVの初公開になるんですよね。なんかこんなにひっそりした感じで始まってますけど。いいのかな??

出戸 : (意に介さずレコードを聴いている)… 意外とドラム、ゆるいですよね。リラックス感があるのかな? このシーケンス、たまにリズムと合ってないよね。これはわざとなんですかね?

清水 : あ、これ。どうやって作ってるんだろうね。

出戸 : もうおじいちゃんですよね? トニーって。

清水 : フェラ・クティのバンドにいた人で、アフロビートのバリバリの名手だもんね… と、それはさておき。今日はオウガの新譜の発売日なんですよ! これ、まだレコード盤がないから、この番組ではまだかけられないんだよね。

馬渕 : レコードも出るんですよね?

清水 : 多分その予定ですけど… まだ声を大にして言ってない感じなので。まあいいか、じゃあ曲をがんがんかけますか。次の曲、出戸くんですね。

出戸 : どっちにしようかなー。

2曲目 出戸セレクト Robert Jr. Lockwood / TANYA

Robert Lockwood Jr. & The Aces - Steady Rollin' Man
Robert Lockwood Jr. & The Aces - Steady Rollin' Man

レーベル P-VINE RECORDS  発売2011年

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

出戸 : Robert Jr. Lockwoodって人の「TANYA」って曲です。なんかA面ではこういう感じのブルースなんだけど、このB面の最後の曲がインストでちょっと変わってて面白くて、気に入りました。これは実家レコードです。最近、実家の倉庫にあるレコードを1枚1枚聴いてんだけど。

清水 : お父さんのやつ?

出戸 : 叔父さんの(笑)。最近、それが楽しみになってるんです。よさげなジャケのだけ選んで200枚位持ってきてる。

勝浦 : 結構いいの、ある?

出戸 : たまにいいのある。忙しかったりして全然レコード買えてないから、こういうのを聴いてるんです。まあ腐ってるのも多いけど、面白いのもあるね。

馬渕 : 酔いどれ感がありましたね。

出戸 : (聴きながら)酔いどれギター(笑)。

勝浦 : ちょっとRy Cooderっぽい感じもあるね。Manuel Galbanとやってる、あの南米っぽい感じのやつ。

清水 : これは何時頃の、何処の人なの?

出戸 : アメリカの人だと思うんですけど、このレコード自体1974年って書いてあるね。お母さんが離婚してて、その再婚相手がロバート・ジョンソンだったらしくて。

馬渕 : この人のお母さんの??

出戸 : そう。だから、Robert Leroy Johnsonに子供の頃からギターを教わった、言ってみれば英才教育なんですよ。

清水 : えー、ところで! 今日は『ハンドルを放す前に』の発売記念って言ってますけど、今日流すレコードはみんな、新譜と関係あるの?

出戸 : これは作ってから聴いたんで、関係ないっちゃ関係ないです、でも次かけるやつは昔から知ってるから関係なくはないかも。

清水 : というか、もっとニュー・アルバムの話したほうがいいのかな(笑)。だいたいですね、すでにいくつも取材とかインタヴューがあったから、アルバムについては大方話しちゃったじゃないですか。だからいざ話そうと思っても、なんか新鮮味がないというか(笑)。

出戸 : まあ、みんなそんなの読んでないかもしれないですよ(笑)。

清水 : インタビューってさ、何回もやってると話がどんどん似通ってくるんだよね。なんか新作についての新しい話、ないですか(笑)?

出戸 : 頑張ったんで聴いてくださいとしか(笑)。結構長くかけて作ったんで。1st以来のセルフ・プロデュース、というか… 1stアルバムも、CD作るか、作ってみたいですとか言ったら連れて行かれたのが小室哲也のスタジオで。そこのポップスを作るスタジオで撮ったから、インディ感とか全然なくて。1stは一応セルフ・プロデュースではあったけど、経験もなくて、まったく音のことがわかってなかった状態だったから。今回は初めての自分たちの意識を持ってやった。

清水 : ちなみに1stの時はドラムの音を決めようとか、そういうのはやったの?

出戸 : いやまったくやってないですし、こういう風に録りたいとも言ってなかったです。撮り方とかも向こうのエンジニアさんの指定でって感じでした。

清水 : 要するに、実質的には今回が初のセルフ・プロデュースであると。

出戸 : はい。

清水 : なるほどー… とかちょいちょい話をしつつ、次の曲いきましょうか。勝浦くんお願いします。

3曲目 勝浦セレクト HENRY TREE / Countty Son

HENRY TREE「Country Son」
HENRY TREE「Country Son」

勝浦 : HENRY TREEってバンドの「Countty Son」って曲です。

清水 : 途中で曲が終わって、2曲目に行ったと思ったら。

勝浦 : ピアノみたいのになって、でもまた戻ってきてそれで1曲。でも意外とそんな時間は長くなくて、5分55秒しかないんですけど。アメリカのジャズ・ミュージシャン3人がジャズ・ロック・バンドをやっているって感じなんですよ。

清水 : いつごろの曲なの?

勝浦 : ’69年って書いてあったかな。ちょっとはっきりしないんですけど。

馬渕 : 若干サイケデリック的な要素あった。

勝浦 : 結構アルバムで聴くと面白くて、さっきみたいに途中で変なパートが入ってくるのもそうだし。

出戸 : 2曲目ジャズっぽくなってるし、さっきの1曲目もサイケ・ロックって感じだし。

勝浦 : 音の感じもすごい好きで、ジャリジャムしててバタード・オーナメンツ感もあって、なんとなくスカスカな感じとか。

出戸 : 演奏もすごいタイトというかはっきりしてるね、アコギが帰ってくるところのカッティングとか、演奏がはっきりしてたよね。

勝浦 : ゆるそうだけど実はすごいみたいな、味のある感じで。

清水 : (ジャケットに目をやりながら)勝浦くん、このアルバム何処で買ったの?

勝浦 : これ、多分アメリカ・ツアー行ったときに買ったのかな? 覚えてないんですけど(笑)。

馬渕 : ボロボロだし、ジャケにマジックでなんか書いてある(笑)。勝浦さん、アメリカでいっぱいレコード買ってたもんね。

清水 : で、またアルバムの話をまたしたいんですけど、今回が通算7枚目の作品ってことにまりますね。

出戸 : 今回はいつもより評判が気になりますね。セルフ・プロデュースなんで。

清水 : 良くても悪くても、全部自分たちのせいになるもんね。

出戸 : そうそうそう。

清水 : 今回、曲数が増えてるよね。

馬渕 : 初めてアルバムで10曲やったんじゃないですか? 時間的には長くないかもしれないけど、曲数が多いので楽しんでもらえるかと。 。

清水 : で、ここで馬渕くんが1曲どうぞ。

4曲目 馬渕セレクト Marvin Franklin with Kimo And The Guys / Kona Winds

Marvin Franklin With Kimo And The Guys「Kona Winds」
Marvin Franklin With Kimo And The Guys「Kona Winds」

馬渕 : Marvin Franklin with Kimo And The Guysって人たちの「Kona Winds」って曲なんですけど、「Aloha Got Soul」っていうハワイのコンピレーション・アルバムから。ハワイアンじゃなくて、Rare Soulっていうのか、そんな感じのものが入っててなかなか面白いです。

清水 : この演奏、ハワイの人がやってるの?

馬渕 : 全部ハワイ。去年出たのかな? 2枚組で結構入ってておすすめです。入ってる中だとTender Leafって人とか有名ですよね。

勝浦 : 哀愁というか、夕日っぽい感じがありますよね、演奏、荒くて(笑)。パーカッションが大暴走してた。

馬渕 : リズムがズレてて、みんなすごい「うう…」って顔しながら聴いてましたね。

出戸 : 全体の雰囲気としてはよかったですよね。

清水 : なんか馬渕くんっぽいよね。ちょっと「なくした」の雰囲気も感じた(笑)。

馬渕 : そうですか? これもともとアンドラス・フォックスっていうオーストラリアの若いDJがイベントで使ってたんだけど、そのヴァージョンもかっこよくて。で、曲を探してたらちょうどコンピが出るタイミングだったんですよ。この人たちの音源は、この曲位しか残ってないんでしょうね。

勝浦 : ハワイのローカル・バンドなのかな。

馬渕 : まあ、そんな感じだよね、演奏もアマチュアぽい。一応多重録音にはなっていた、と思うんだけど

出戸 : でもなんかヴォーカルも熱量がなくて、だるーい感じでいいよね。

馬渕 : こういう感じで、コンピに入った1曲しか残ってないグループで、それがすごくいいってこと、あるよね。音もすごいローファイなんだけど、それが良いみたいな。狙ってなくて、たまたま1曲だけ格好良く録れたって曲。

出戸 : この曲もそういう感じの曲だね。

清水 : で、ですね。このあとMVが初公開になります。観てみますか?

出戸 : 観てみましょう。

清水 : ではOGRE YOU ASSHOLEで、『なくした』。

ORGE YOU ASSHOLE / なくした

OGRE YOU ASSHOLE「なくした」
OGRE YOU ASSHOLE「なくした」

出戸 : これはアルバム版よりちょっと短くなってます。RADIO MIXだね。

馬渕 : そうだね、アルバムに入ってるのは5分くらいある。

清水 : MIX違い? って言うのかな。

馬渕 : 正確には長さだけ変えました。

清水 : MVは原村で撮影したんだよね。

勝浦 : 出戸君の実家の近くの森のなかで、裏庭っていうんですかね(笑)。

出戸 : 裏庭というか裏森というか(笑)。

清水 : めちゃめちゃ「森」の映像だったと思うんですけど、これ実際、出戸君が育ったところだもんね(笑)?

馬渕 : 実家の周りですもんね。

出戸 : ドローンを飛ばしてるのも家の周りですもんね。

清水 : そこにスタジオもあって、僕らはそこで週に何回か練習してるって感じなんですけど。

出戸 : 外で練習してるわけじゃないですけどね(笑)。

清水 : ああいう森とか煙の中では練習してない(笑)。

出戸 : 撮影は楽器運ぶのだけで大変でしたね。

清水 : でもあんな中では練習してないと言いつつ、あれはスタジオのすぐ横だもんね。

勝浦 : 練習しながらいつも見てる、窓の外の景色でしたね。

清水 : 冷静に見るとすっごい森のなかで活動してるよね。で、今回はMr.麿(スタジオ石 / Still Ichimiya)に監督してもらったわけですけど、それも面白かったですよね。

馬渕 : 面白かったですねー(笑)。

清水 : 麿さんってすごくセンスが良いというか、上手くまとめてくれて。

出戸 : 取ってるときはキャラがキャラだから、ちょっと不安なんだけど(笑)。映像見るとさすがプロだなって感じさせてくれました。撮影の雰囲気をリラックスさせてくれてるってのもあると思うけど、いわゆるプロの現場っぽくないのが良かった。「バンコクナイツ」って映画を録りにタイに半年行ってて、そこで鍛えられた後だったからってのもあったのかな。

清水 : このMVはなかなか監督が決まらなくて、録音してから映像の完成まで、すごく時間がかかったよね。

出戸 : 困ってた時に、麿さんとたまたま会って。

勝浦 : どこで?

出戸 : うちに遊びに来た。

勝浦 : あ、遊びに来たんだ(笑)。

馬渕 : 彼は山梨に住んでるんだよね。

出戸 : そこで監督やらないですか? って聞いたらやれそうな時間があるってことで。

清水 : そこから急に話が進んだよね。MVはYouTubeなどでも公開してますので、繰り返し見ていただいて、よかったらアルバムを入手いただきたいです。… じゃあ、次の曲を流しますか。

出戸 : 次は清水さんですね。

5曲目 清水セレクト Sine / Rotation

Sine「Rotaion」
Sine「Rotaion」

清水 : Sineっていうグループの「Rotation」って曲でした。覚えてる? 出戸君が買ったCDのコンピで、ヒップホップの元ネタなんかが入ってるやつ… これこれ(iPhoneでジャケットを見せる)。

出戸 : あーこれ、パトリック・アダムスっていうプロデューサーの。

清水 : そのコンピレーションで、確か移動中のハイエースでみんなで聴いてて。

出戸 : Yo La TengoのJamesがこれいいって喋ってるのを聞いて、それで買いました。

馬渕 : このメロ、ドラゴンボールじゃないですか…?

出戸 : ああホントだ、だから聴いたことあるのか。

清水 : ドラゴンボールのオープニングよりもこっちのほうが後なのかな? って思って調べてみたらこの曲は1983年で、ドラゴンボールよりもこっちが数年早かったんですよ。ドラゴンボールからパクったのかと思ったら違ってた。ドラゴンボールがここから取ったのかな?

馬渕 : そういうことではないでしょうね。でも似てるよね。

清水 : 車の中で、これを聴いてたとき、中村さんが突然ドラゴンボールのテーマを歌いだして、みんなで爆笑したよね。

出戸 : あのコンピはこういうのも多いけど、普通のソウルみたいなのもあったと思う、というかみんな何回も聴いてると思うよ。車の中でリピートされてる感じ。

馬渕 : そうだっけ?

勝浦 : 全然記憶にない。

清水 : (笑)。自分は気になってレコードまで買ったんだけど。ところでレコ発ツアーのフライヤー、ポスターがここにあるんですけど。レコ発ツアー、今月末から始まりますね。結構慌ただしいですよね。

出戸 : 11月26日の仙台公演から始まって、来年2月4日のLIQUIDROOMまで。

馬渕 : 長いですね。

出戸 : まあ、少しずつツアーの準備やアレンジも考え中ですけど。古い曲もやろうって感じですね。いろんな曲を掘り出すために、清水さんが入る前のライブ動画をYouTubeなんかで見てたんですけど。… ぜんぜん違うバンドだね(笑)。自分で言うのもあれだけど(笑)。

勝浦 : 出戸君は特にわかりやすいよね、声とか違ってて。

出戸 : そうですね、でも演奏とか、ギターの音色とかすべてが今と違う。

勝浦 : アレンジも。

出戸 : そして今考えると、謎の展開が多い。Aメロ、Bメロ、C、Dときて下手したらF、G位まで行っちゃう。全然繰り返さない感じで、それをテーマにしてたというか頑なにこだわってた所あるよね。

勝浦 : 今見るとなかなか無理がある展開も多かったよね(笑)。

馬渕 : みんなで観て、なんか恥ずかしかった。

勝浦 : 恥ずかしいね(笑)。

清水 : 人は同じだけど、弾いてる楽器も違うでしょ?

出戸 : 弾いてる楽器も違うし、PAさんも違うし、メンタリティもぜんぜん違う。見た目も声も若いですね。

清水 : それくらいすっごく久し振りな曲をやるかもってこと?

出戸 : かもしれない。まあまだわからないですけど。

清水 : でも聴いたら、今回やってもしっくり来そうな曲もあったよね。

出戸 : 流れによってはね。練って、良いセットリストにしていきたいですね。

清水 : ぜひ今月末から始まるツアー、来て欲しいです。チケットもまだまだ売ってますので、よろしくお願いします。じゃ次は出戸君。

6曲目 出戸セレクト GARY WILSON / You Keep On Looking

GARY WILSON「You Keep On Looking」
GARY WILSON「You Keep On Looking」

出戸 : GARY WILSONで「You Keep On Looking」って曲ですね。A面の2曲目ですね。1曲目はへんなインストみたいなものが入ってて。この人すごく良いですよね。

清水 : これは僕もよく聴きますね。

出戸 : ’70年代後半位に、自分ちの地下室でやった宅録らしいんだけど、自主レーベルで出して全然売れてなかったのを、BECKが「Odelay」でこの人の名前を歌ってるんだよね。

清水 : 「Odelay」にそんな部分があったんだ。

出戸 : それで再評価されて、それでまあBECK以外も色んな人がフェイバリットで挙げてて再評価でブレイクしたって流れで。

勝浦 : 音は未来っぽい感じだね。

出戸 : 小さい頃に、誰かのところで現代音楽とかも勉強してるみたいだよ。

勝浦 : わざとこういう風にやってるのかな?

出戸 : わざとやってるかもしれないけど、基本変態っぽいね。ライヴもガムテープとかビニールのテープで身体をぐるぐる巻きにしてたり、ダッチワイフを上に乗せてたり。

馬渕 : で、そのダッチワイフを動かす係もいるんだよね。そのダッチワイフをルーシーとか名前つけて歌ったりしてる。そういうことばっか歌ってるんだよね、最近になって出したアルバムでもそうだよね。

出戸 : PVとかでもその女の人が出てきて、その人のことをずっと歌ってるんですよ。まあ変な人ですね。

清水 : 最近も何枚か出してるじゃないですか? あれもいいよね。ここか何年かは結構コンスタントに出してますよね。

馬渕 : まだ日本には来たことないんでしたっけ?

出戸 : 来たことないって聞いたよ。呼べないかなって話してるけど、どうだろうね。

清水 : このアルバム、馬渕くんの車の中でよく聴いたな。じゃあ次行きますか。

7曲目 勝浦セレクト STEREOLAB / Get A Shot Of The Refrigerator

STEREOLAB「Get A Shot Of The Refrigerator」
STEREOLAB「Get A Shot Of The Refrigerator」

勝浦 : 曲は、STEREOLABで「Get A Shot Of The Refrigerator」。

出戸 : このアルバム(『Fab Four Sutur』)は良いね。昔聴いた時と印象が違う。テンポも早く感じるし。

馬渕 : わりとガッツがありますね。

清水 : アナログは10インチの2枚組なんだ。いいね。

勝浦 : そうですね、これは10年前のアルバムで、昔大好きだったんですけど、久し振りに聴いたらいいなって思って。

清水 : 勝浦くんと出会った頃も、勝浦くんステレオラブが好きだったよね。

勝浦 : そうですね、もう20年位前ですよね。あの頃1番好きでしたね。

清水 : 『Dots And Loops』、あのグリーンのアルバム、よく聴いたよね。

馬渕 : ステレオラブって今もやってるんですか?

勝浦 : いや、やってないんじゃないですか?(※2010年に活動休止)

出戸 : メンバーの誰かが死んじゃって。

勝浦 : キーボードの人だね。

馬渕 : でもその後はやってたよね?

勝浦 : やってたと思う。出戸君もたまに聴いてたよね。

出戸 : 聴いてましたね、最近はあんまり聴いてなかったですけど。ああ、でもあれは聴いてたNURSE WITH WOUNDとやってた…。

勝浦 : あー! 俺のところから持っていったやつ?

出戸 : いや違う違う、仙台で買ったやつ。銀色のジャケでおじさんが驚いた顔してるやつ。勝浦さんから貰ったやつはまあそこそこって感じだった。

馬渕 : 前にかけたよね、RECORD YOU ASSHOLEで。

清水 : … で、ちょっとまたアルバムの話に戻りますか。インタヴューの時、どの曲が1番好きかって話して、全員「寝つけない」が好きってことが判明したんだよね。

出戸 : 俺は言ってないです。

清水 : あれ? そうだっけ?

出戸 : おれは敢えて変えたんですけど(笑)。

清水 : じゃあやっぱ好きなんじゃん。

出戸 : まあ好きなんですけど(笑)。

勝浦 : 僕は「移住計画」も結構好きですね。

清水 : 出戸君はなんて言ったんだっけ?

出戸 : おれは4曲目の「あの気分でもう一度」って言ったんですけど。

清水 : それで… 馬渕くんは?

馬渕 : 『寝つけない』。

一同 : (笑)。

出戸 : でも、どの曲も…。

馬渕 : いいっすよ!

勝浦 : 自画自賛コーナーになってきたね(笑)。

出戸 : でも、あのタワレコ限定で出したシングルに入ってる「はじまりの感じ」の気持ち悪いヴァージョン…(※“vacant ver.”)・

勝浦 : 気持ち悪いヴァージョン(笑)。

出戸 : あの、おじさんのコーラスグループみたいなやつのアレンジも好きですけどね。

清水 : 寂しい感じのやつですね、寂しくもないか、夜っぽい?

出戸 : 夜っぽくもないですね。

勝浦 : 気持ち悪いやつです(笑)。

清水 : あのシングル、もう終わっちゃったのかな?

出戸 : それはわかんないです。限定だからないかもしれないし探せばあるかもしれないけど。

勝浦 : ぜひ、これ(アルバム)には入ってないし、アナログとかも出す予定がないから、そっちのCDも聴いてほしいですね。

馬渕 : もともとはアルバムに“vacant ver.”を入れる予定だったよね?

出戸 : その予定だったんですけど、入れてみたらアルバム全体が沈みすぎて。

清水 : 今回は本当セルフ・プロデュースってこともあって、曲順も本当に悩んだよね。

出戸 : 曲が全部出揃ったところで、何が1曲目なのかわかんなくなって、最後の曲も何にするかもわからなったし、考えても色んなパターンがありすぎて。

馬渕 : 今回は色んなタイプの曲があったから、並べるのが難しかったね。

出戸 : 曲順によっても曲そのもののイメージがガラッと変わってくるから。アルバムとしては何を1曲目にするかによって、結構変わってくると思いますよ。

清水 : でも良い曲順にまとまったよね。これしかないって感じがします。あと今回はOGRE YOU ASSHOLEのCDとしては、久し振りのプラケースなんですよね。

勝浦 : そうですね。

清水 : 「homely」以来ですね。特にこだわった訳じゃないんですが。前回の初回限定盤はBOXぽいパッケージで、カセットテープ入りにしたんですよね。で、今回は割とシンプルにCDらしいフォーマットで作ってあるっていう感じ。

出戸 : ジャケットのデザインの感じに、このケースが合うかなって思ってね。デジパックとか紙ジャケとかよりも良いかと思いました。

清水 : 裏ジャケに何もないっていう。で、紙の質感がちょっとツルッとしてます。買って実際に開けてもらうとわかるって感じですね。ぜひとも手にとって見て欲しいです。では馬渕くんの曲、いってください。

8曲目 馬渕セレクト ROBERT LESTER FOLSOM / Music And Dreams

ROBERT LESTER FOLSOM「Music And Dreams」
ROBERT LESTER FOLSOM「Music And Dreams」

馬渕 : ROBERT LESTER FOLSOMの「Music And Dreams」って曲でした。これは1976年のアメリカの人の作品なんですけど、元は自主制作らしいです。宅録ですね。

勝浦 : The Flaming Lipsっぽいですよね

清水 : 聴きながら、みんなでこれはリップスっぽいねって言ってました(笑)。

勝浦 : ブレイクでベースの上がってく感じとか。

出戸 : こんな音があったんですね、’70年代に。いい曲ですよね。

清水 : なかなかドリーミーな感じだね。

馬渕 : ただ、編成がどの曲も一緒だから、ずっと聴いてると楽器が限られてる感がつのってくる。

清水 : でも、いいアルバムですね。これ再発のレコードだよね。 で、ですね。ところで今回のオウガの新作なんですが、初めてのハイレゾ配信があるんですね。

出戸 : え? 初めてだっけ?

清水 : これまでハイレゾに対応する形式でレコーディングしてなかったって話があって。今回ピースミュージックの機材が新しくなって、やってみようかってことになった。

出戸 : ハイレゾ、聴いてみたいですけどね。

清水 : 今までずーっと「ハイレゾはやんないんですか?」ってOTOTOYの西澤さんに言われてたんですけど。「いや、それはやらないです」って答えてて(笑)。でも番組は続けましょうなんてわがままを…。

出戸 : ムリなことを言い続けたと(笑)。

清水 : そうですね(笑)。僕はハイレゾと普通のやつ? の違いはよくわかんないんですけど、興味がある人は是非聴いていただければと思います。 … えーと、そろそろ終わりに近づいてきましたが、言い残したことはありますか?

一同 : (無言)

清水 : 改めて言うなら、レコ発ツアーが11月26日から始まるので、ぜひ来て欲しい、とかかなあ。オウガは毎回そうなんですけど、アルバムを聴いてライヴに来ると2度美味しい? というか。レコーディングに入ってる音をそのまま演奏できないというか、そのまま演奏しないので、どうなるのか確認するというか(笑)。それも含めて是非ライヴに来てほしいです。

出戸 : ほか、なんかありますか?

馬渕 : ないです。

一同 : (笑)。

勝浦 : 清水さんが最後にかけて終わりになりますね。

清水 : じゃあBen Wattを久し振りにかけます。Ben Watt、この前日本に来てたらしいね。渋谷WWWXに。

出戸 : あと京都メトロ。

清水 : それで思いだして、久し振りに古いレコード聴いたら、結構良かったんでかけます。これは1983年のソロ1作目からで、曲は「Waiting Like Mad」です。(勝浦に)これ、懐かしいよね。

勝浦 : 学生の頃、周りの人たちとよく聴いてましたね。

清水 : というところで、そろそろRECORD YOU ASSHOLE・新譜発売記念の4人ヴァージョン、終了します。どうもありがとうございました。

一同 : ありがとうございましたー。

9曲目 清水セレクト Ben Watt / Waiting Like Mad

Ben Watt「waiting like mad」
Ben Watt「waiting like mad」

OGRE YOU ASSHOLEの音源を絶賛配信中

OGRE YOU ASSHOLE / workshop

OGRE YOU ASSHOLEが、活動10周年にして初のライヴ・アルバム『workshop』をリリース。ライヴPAエンジニアリングを佐々木幸生が、サウンド・エフェクト(及びレコーディング、ミックス)を中村宗一郎が務め、アルバム・プロデューサーに石原洋が参加。彼らの現在をストレートに伝える盤石のライヴ・アルバムとなっている。

インタヴューはこちら

OGRE YOU ASSHOLE / ペーパークラフト

ポストパンク、サイケ〜プログレ、AOR、ノイズ・エクスペリメンタルなど、様々なモードを咀嚼した末に、叙情的でありながらクールでデカダンな「ミニマルメロウ」とでも言うべき新境地に至った、彼らの最新にして最高傑作がここに…。

インタヴューはこちら

OGRE YOU ASSHOLE / 100年後

OGRE YOU ASSHOLEの通算5作目となるアルバムは、その名の通り100年後にも残るであろう名盤。絵画的、都会的なサウンドに、出戸学の叙情的なメロディがとけ込み、唯一無二の世界観を描き出している。音楽の持つエネルギーに静かに圧倒されることは間違いない。

インタヴューはこちら

LIVE INFORMATION

アルバム発売記念・全国ツアー・14公演
OGRE YOU ASSHOLE ニュー・アルバム・リリースツアー 2016-2017

2016年11月26日(土)@仙台 Hook
2016年11月27日(日)@熊谷 HEAVEN’S ROCK VJ-1
2016年12月3日(土)@札幌 Bessie Hall
2016年12月9日(金)@長野 ネオンホール
2016年12月10日(土)@金沢 vanvanV4
2016年12月11日(日)@甲府 桜座
2016年12月16日(金)@岡山 YEBISU YA PRO
2016年12月17日(土)@広島 4.14
2017年1月14日(土)@福岡 BEAT STATION
2017年1月15日(日)@鹿児島 SRホール
2017年1月21日(土)@名古屋 CLUB QUATTRO
2017年1月22日(日)@梅田 AKASO
2017年1月28日(土)@松本 ALECX
2017年2月4日(土)@恵比寿 LIQUIDROOM ※ツアーファイナル

PROFILE

OGRE YOU ASSHOLE

出戸学 guitar,vocals
清水隆史 bass
勝浦隆嗣 drums
馬渕啓 guitar

ORGE YOU ASSHOLE Official HP

[インタヴュー] OGRE YOU ASSHOLE

TOP