2015/07/29 16:07

どれだけ今までの自分を変えられるか——★STAR GUiTARニュー・アルバムを、“恐ろしく音の良い”32bit特典音源とともにハイレゾ配信

★STAR GUiTAR

華麗なピアノ・フレーズを軸に、ハウスやドラムンベースなどの多彩なダンス・ミュージックをポップなサウンドに昇華してきた★STAR GUiTAR。彼の約1年ぶりの新作『Wherever I am』ハイレゾ版の予約受付を開始(8月5日発売)。7名のピアニストとコラボレーションした前作『Schrodinger's Scale』とは打って変わり、フィーチャリング・アーティスト2組という、★STAR GUiTAR史上最も少ないゲスト数で作られた挑戦作となった。『どれだけ今までの自分を変えられるか』がテーマとなっている本作をぜひ高音質で。

そしてOTOTOYでは前作の試みと同様、「せっかくなら32bitで聴いてほしい」という★STAR GUiTARの想いを受けて今回も予約特典として本アルバムの32bit float /48kHz音源をプレゼント! 32bit音源で聴いたとき、★STAR GUiTAR本人がスタジオで聴いていた音、そしてOTOTOYプロデューサー高橋健太郎が「恐ろしく良い音」と評したのはこれなのだとわかるだろう。その音の真髄をインタヴューとともに体感していただきたい。

予約特典は同内容のノン・マスタリング32bit音源!!


★STAR GUiTAR / Wherever I am(24bit/48kHz)
【配信形態】
ALAC / FLAC / WAV / AAC(24bit/48kHz) : 単曲 300円(税込) まとめ購入 2,000円(税込)
ハイレゾについてはこちらから

【Track List】
01. Everyday is a new day / 02. Be The Change You Wish / 03. The Curtain Rises feat. fox capture plan / 04. Journey to Nothing / 05. I Spell You / 06. detour feat. LASTorder / 07. One more thing / 08. knowledge / 09. Mind Float / 10. before dark / 11. inherit

予約期間内(7月29日(水)00:00〜8月4日(火)23:59)に、アルバムをまとめ購入いただいた方には『Wherever I am』の32bit float /48kHz wav音源(Unmastered)が特典として付属します

※32bit float/48kHzのWAVデータは、Mac/Windowsともに、 iTunesやAudioGateなどでも再生はできます。ただし、現状、その実際の音質は、OSの機能で16bit/44.1kHzにダウンコンバートされたり、各PC内蔵のDAC性能に準拠します。その音質を最大限に生かすネイティヴ再生は、32bit float音源対応のDACやポータブル・プレイヤー、ネットワーク・オーディオ・プレイヤーにて行ってください。32bit float音源の再生方法に関しては、各機器の取り扱い説明書を参照してください。

INTERVIEW : ★STAR GUiTAR

昨年9月に通算5作目となるアルバム『Schrodinger’s Scale』を発表した★STAR GUiTAR。このアルバムは「ピアノ×ダンス・ミュージック」をコンセプトに、MELTEN、H ZETT M、HIDETAKE TAKAYAMA、世武裕子といった気鋭のピアニスト達をゲストに迎えて制作されたアルバムだった。STAR GUiTARにとって5枚目のアルバムとなったこの『Schrodinger’s Scale』は、かつてないスケールのヒット作となるとともに、音楽的にも大きなターニングポイントとなったようだ。

AAA、西野カナ、倖田來未といったJ-POPアーティストから、アンダーグラウンドなクラブ・ミュージックまで幅広いジャンルでプロデューサー / アレンジャー / リミキサーして活躍してきた“SiZK”が、2010年にスタートさせたソロ・プロジェクトが★STARGUiTARで、過去のアルバムではフロアを意識したアッパーなダンス・ミュージックを量産してきた。しかし、前作の経験を経て、2014年の暮れから制作に入ったという最新作『Wherever I am』は、これまでの枠に囚われず、新しい領域に挑んだアルバムになっている。今回もメロディー楽器としてピアノをフィーチャーしてはいるが、前作とは違って、ゲスト・ピアニストの参加は1曲のみ。あとは全て打ち込みのピアノなのだが、精密に構築されたそのピアノがめくるめく高揚感を伴って、曲をリードしていく。アルバム全体の構成もドラマチック。強靭なダンス・ビートを引き継ぎつつも、これまでになく“聴かせる”アルバムとして、仕上がっている。

アルバム『Schrodinger’s Scale』のリリース時には、OTOTOYでは24bit/48khzのハイレゾ・ファイル配信に加え、予約特典として32bit/48khzのファイルをプレゼントするという企画を行った。これはOTOTOYでも最も早い32bitへの取り組みだったが、今回も同様、予約特典として32bit音源をプレゼントする。音質的にもまさしく、現在のエレクトロ・ミュージックの最前線にあると言っていい『Wherever I am』。インタヴューでは、その制作の内側について、じっくり聞いてみた。

インタヴュー&文 : 高橋健太郎

学んだことをもっと自分なりにアップデートして出してみたいと思って

——昨年の暮れ、前作『Schrodinger's Scale』のリリース時に、OTOTOYのDSD SHOPのイヴェントに来ていただいて以来ですけれど、あれから、まだそんなに期間が空いていないですよね? 今回のアルバムというのは、あれ以後に作り始めたものなんですか?

★STAR GUiTAR : そうです。去年の暮れ頃から曲を作りはじめて、1月の終わり頃には曲はできていました。その時の最初に作ったものをSoundCloudにデモとして上げているのですが、そこからどうしよう、ということで、半年くらいかけて、1曲ずつブラッシュアップしていった。

——前作は、各曲に一人づつピアニストをゲストとして入れるというコンセプトがあったと思うのですが、その次のアルバムに進むにあたって、明確なコンセプトなり、テーマなりはあったんでしょうか?

★STAR GUiTAR : テーマとしては、どれだけ今までの自分を変えられるかな、というのがテーマでした。前作は完全にゲストのピアニストありき、で作ったんですが、今回は極端にフィーチャリングを減らしているんです。★STAR GUiTARのアルバムとしても、今までで一番少ない。

——といっても、今回のアルバムでも、音色的にメロディー楽器として一番多く使われているのはピアノですよね?

★STAR GUiTAR : そうですね。それを自分で弾くようになりました。いろんなピアニストをフィーチャリングして作ってみて、学んだことをもっと自分なりにアップデートして出してみたいと思って。

——ゲストのフィーチャリングは2曲だけありますね。

★STAR GUiTAR : 前作にも参加してもらっているMELTEN(岸本亮)くんに1曲参加してもらいました。でも、今回はバンドごと、fox capture planのフィーチャリングという、やったことのない試みをしています。ピアノも前作ではMIDIデータでやりとりして、音源のピアノだったのが、今回は生のピアノを録っています。それからLASTorderくんは、もともと彼の曲が大好きで、以前のリリース・パーティーにも出演してもらったりしていたんですが、今回はぜひということで。

★STAR GUiTAR - The Curtain Rises feat. fox capture plan
★STAR GUiTAR - The Curtain Rises feat. fox capture plan

——でも、LASTorderさんの場合は、コラボって言っても、基本的に二人ともDAW上で同じような作業をやっていくんですよね?

★STAR GUiTAR : そうですね、だからリミックスのようなもので、僕が最初に素材を渡して、これを使って、どうやっても良いからということで、お互いリミックスしあっていくみたいな形で何回かやりとりして。

——それはマルチトラックのオーディオで?

★STAR GUiTAR : そうです、だから最後はものすごいデータ量のやりとりになって、大変でした(笑)。

僕は今まで正しいところに音を置き過ぎてきたのかと思う

——アルバムの冒頭がオーケストラのチューニングから始まっていて、その後もこれまでになくクラシカルな雰囲気が強いアルバムに思えたのですが、そのあたりは意識的なことですか?

★STAR GUiTAR : 一番意識しているのは、僕はこれまでループ・ミュージックを作ってきたんですけれど、今回は自分の中で展開をひたすらしてみよう、と。それがこれまでとの大きな違いです。今までは4、8、16小節とかの繰り返しの中で、音を足したり弾いたりする、いわゆるダンス・ミュージックの作り方でやってきたのが、今回はちゃんと展開をする。クラシック的に聞こえるというのも、そういうところなのかなと思いますね。今までに使わない音階なども使うようなっていたり。

——ループ・ミュージックって、たいていループをずっと鳴らしながら作るじゃないですか。それに対して、今回は作り方自体が違ったということですか?

★STAR GUiTAR : 全然違いましたね。僕は楽器を演奏するのが上手いわけではないので、ポロンポロンとこの音が来て、この音が来て、とやっているうちに曲がだんだん出来てくるという。転調とかも僕は全然使わなかったのが、気がついたら、使うようになっていて。そのへんはアルバムを作りながら、どんどんアップデートしていった感じですね。

——転調とか、大きく展開せざる得ないような重力の働きみたいのが、曲に仕掛けられている感じがします。

★STAR GUiTAR : そうですね、そういうのは自分でも作ったことがなかったんです、これまで。でも、前回、ピアニストの人達とやってみて、作れるかも、という気になったんです。

——ピアニストの人達というのは、たいていクラシックが背景にあって、どんどん展開する曲をたくさん弾いてきているわけですよね。

★STAR GUiTAR : まさにそうで、一緒に作り上げていく中で、同じコードを弾くのでも、人によってこう弾くんだ、こうも弾くんだみたいな、全然、僕の中にはなかったもので、それを何人もとやっていたら、これは自分だけでも面白いことできそうだと思うようになったんですね。

——それはピアノだけじゃなくて、他の楽器にも影響があったんじゃないですか?

★STAR GUiTAR : そうです、特にドラムなどは。僕は今まで正しいところに音を置き過ぎてきたのかと思うようになって、ちょっと外すということを覚えました。

どこにいても自分だよ

——クラシック自体はもともと好きだったんですか?

★STAR GUiTAR : いや、ほぼ通ってきていないです。クラシックで何が好きですか? と言われても、エリック・サティとか出てくるくらいで、ちゃんとしたクラシックって、ほとんど聞いていない。G線上のアリアとか有名なものしか分からないです。ただ、自分ではあまり意識していなかったんですが、僕の曲は美しいと言われることが多くて、自分ではあまり、そう思ってなかったんですが、なんか音の選び方にクラシック的なところがあるのかもしれないですね。あとは、エニグマがすごく好きで、彼らは教会音楽とかサンプリングして使っていたりするじゃないですか。3枚目『Le Roi Est Mort, Vive Le Roi!』か4枚目『The Screen Behind The Mirror』かな、聖歌隊とか使っているアルバムが大好きで、そういうのが自分のルーツになっているのかもしれないですね。

Enigma - Le Roi est mort, vive le Roi!
Enigma - Le Roi est mort, vive le Roi!

——ループ・ミュージック的な作り方というのは、もともとはハウスとかテクノの影響で始めたんですよね?

★STAR GUiTAR : そうですね、自分のルーツはアンダーワールドとかだと思っているのですが、でも、好きなものが根本的に変わってきていているのかもしれません。LASTorderくんを含め、エレクトロニカをよく聴いていて、彼らはすごく情緒的で、訴えるものがあって、そういうものと自分のやってきたピアノのアルバムを合わせるとどうなるだろう、というのを作っている時、思っていました。でも、作っている時はまだ半信半疑で、ちょっとやってみようかな、で始めたのが、だんだん出来るじゃないか! となっていった。タイトルもそういうところから、どこにいても自分だよ、ということで付けたんです。変わるのって、ちょっと怖いじゃないですか。自分が音楽をやってきた中で、一番、今が変わっている時だと思って、でも、変わってみたら、そんなにたいしたことなかった、という、そういう思いもこめて。

——9曲目の「Mind Float」はギターの曲ですけれど、これは本物のギターですか?

★STAR GUiTAR : いや、全然まったくリアルではないですね。でも、音色はリアルな、本物と偽物の間みたいなのを狙って。

——途中で、ぶちっとノイズがして切れたりしますよね? ステレオの接触不良かと思って、びっくりした。

★STAR GUiTAR : あれは偶然、ノイズが出ちゃったのを、これ、そのままにしたらカッコイイかもと。

——ライヴ・セットというのは考えているんですか?

★STAR GUiTAR : いや、まったく考えていないんです。今までは多少考えていたところもあったんですが、今回はそれはまったく考えずにアルバムは作って、だから、5曲目の「I Spell You」とかもヒップホップ的な、今まで★STAR GUiTARでは全くやって来なかったビート感だったりするんですよね。基本的に今まではアッパーなダンス・ミュージックだっていうイメージが自分の中にもすごくあって、このくらいのテンポって最初から除外されていたのが、そういうのもやっていいんだと。

——曲の長さもループ・ミュージックだった時とは変わりましたよね。

★STAR GUiTAR : 今回は全体的にすごく短くなりました。一番ループしている「One More Thing」とかは今までと同じくらいで5分近くあるんですが、「Be The Change You Wish」は3分ないのかな。ただ、それが足りないという感じではなくて、ここがベストの位置だと感じられたので。

——全体にドラマチックな高揚感があるアルバムですよね。音も恐ろしく良いですけれど、機材的には前作から何か変わったところはありますか?

★STAR GUiTAR : 機材面はAntelope AudioのIsochrone 10Mというアトミックのクロック・ジェネレーターを入れたのが大きいですね。中低域の重みとか温かさが全然違いました。あとは部屋が暑いです(笑)、恐ろしく熱を出すので。音の面でいえば、今回、何より変わったところですね。

——なるほど、そのへんの音の違いも、32bit版でよく聴いてみたいです。

RECOMMEND

★STAR GUiTAR / Schrodinger's Scale(24bit/48kHz)

「ピアノ」×「ダンス・ミュージック」をテーマにした★STAR GUiTARの前作。JABBERLOOPのキーボードとしてだけでなく、fox capture planのキーボードとしても大ブレイク中のMELTENやPE'Zのキーボードとして時代を築き、現在はソロ名義での活動も盛んなH ZETT M、Schroeder-Headzなどのゲストを迎えた意欲作。

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DE DE MOUSE / milkyway drive(24bit/48kHz)

3 周年を迎えるnot recordsの連続リリースのラストとなったDE DE MOUSEの最新作。全国各地で行っているライブでも披露され、進化していく膨大な数の再構築音源の中から至極のダンス・チューンをDE DE MOUSE自身がチョイスした作品。問い合わせを多数受けていた初リリースの楽曲群が集まっている。

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fox capture plan / COVERMIND(24bit/96kHz)

年内3枚のアルバム・リリースを発表し、多方面から絶大な注目を集める現代版ジャズロック・ピアノ・トリオの第2弾は90年代ロックの名曲群をまとめあげたカバー集。アンダーワールド、グリーンデイ、ファットボーイスリム、レッチリなど、強力なヒット曲群が彼らによって生まれ変わる。

PROFILE

★STAR GUiTAR

プロデューサー / アレンジャーのSiZKによるソロ・プロジェクト。2010年8月「Brain Function feat. Azumi from yolica」でデビューし、2011年1月には1stアルバム『Carbon Copy』でiTunes Storeダンス・チャート1位を記録。テクノを基軸にハウス、エレクトロ、ドラムンベースやエレクトロニカなどの多彩なダンス・ミュージックを昇華したサウンドを展開する。2014.9月には、「ダンスミュージック」×「ピアノ」を融合させた、コラボレーション・アルバム『Schrödinger's Scale』をリリース。90年代のテクノ・ミュージックをベースに、 fox capture planのキーボードとしても大ブレイク中の「MELTEN」、PE'Z のキーボードとして時代を築き、現在はソロ名義での活動も盛んな「H ZETT M」、孤高の世界観を奏でる「Schroeder-Headz 」等、豪華なピア二スト達との共演を実現し、ある種のセッション的なプロセスによって作り上げたその音像は大きな反響をよんでいる。

★STAR GUiTAR Official HP

[インタヴュー] ★STAR GUiTAR

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