2013/06/14 00:00

はじめてYouTubeに「諭吉paper」が公開された数日後にはネット上でインタヴューが掲載されるほど、瞬間的に一部の熱狂的なリスナーを掴んだ才気溢れる高校生ラッパーGOKU GREENが、2nd albumをリリース! ナチュラル・ボーンMCと名付けられた、若きMCのネクスト・ステップとは?

GOKU GREEN / THRILL OF LIFE

【販売価格】
mp3 : 単曲 200円 / アルバム 2,000円
wav : 単曲 250円 / アルバム 2,520円

【参加アーティスト】
Lil'諭吉、JAKK POT、LIL'OGI、MONY HORSE、KOHH、Ry-lax

ラップ・モンスターの“今”

デジタル・ネイティヴならぬ“ヒップホップ・ネイティヴ”世代の代表、GOKU GREEN。ブラック・ミュージックを子守唄に育ち、2012年16歳でファースト・アルバム『HIGH SCHOOL』を発表。リリース後、瞬く間にさまざまなアーティストやメディア、口コミ、業界関係者らの賞賛の声で脚光を浴び、ついに2013年、セカンド・アルバム『Thirill Of Life』をリリースする。本作では前作同様、メインストリームを席巻するストーナー(注1) / クラウド・ラップ(注2)やトリルウェーブ(注3)の流れを踏襲しつつ、収録の「Do It feat. Ry-lax」ではニューオリンズ・バウンス(注4)、「チョーヤバイ feat. MONY HORSE & KOHH」では、JUKE風のトラックの起用など、ローカル・スタイルも無理なく取り込まれ新しい世界観も提示されている。

また、ヘイター(注5)への牽制か強気なセルフ・ボースト(自己賛美)が端々にみられる攻撃的な「It's Green」「Oh Shit」、お馴染みのレイドバック・スタイル「Up In Smoke」「Party Free」「楽園 ~Love & Affection~」、多幸感あふれるトラックが印象的な「Paper Plane」など、リリックにおいても多彩なバリエーションを楽しめる。

前作より更なる進化を遂げ、ふてぶてしいほどにマイペースな囁きラップ・モンスターの“今”が凝縮されたモンスター・ポップ・アルバム『Thirill Of Life』。是非チェックしてほしい。昨今では、現場で活動するアーティストの距離が近い故に、「オレが」的なアプローチを見せる存在が少なくなっているなか、GOKU GREENのスタンスは貴重だ。現役高校生という枠にとらわれない大型新人の本格的なシーンへの参入を、心から歓迎したい。若さだけが取りあげられながら、いつしか大人たちに相手にされなくなる消耗品のようなショウ・ビジネスはもう見たくない。いつまでもフレッシュな要素で楽しませてくれる作品を生み出し続けることを願う。

肝臓に気を付けろ! 天才少年。(text by 羽山豪)

注1. ストーナー・ラップ : マリファナに関連するリリックや、使用時のトリップ感を表すようなトラック。
注2. クラウド・ラップ : 浮遊感のあるシンセやダークな雰囲気といった、チル・ウェイヴの影響を受けたヒップホップ。
注3. トリルウェイヴ : 南部ヒップホップの手法、チョップト&スクリュードを影響のひとつとし、スロー・ダウンしたドラッギーなスタイルのヒップホップを称して”Trillwave”と呼ぶ。クラウド。ラップと共通する部分が多い。
注4. ニューオリンズ・バウンス(New Orleans Bounce) : ニューオリンズのゲットーで育ったベースミュージック・ジャンル。マイアミ・ベースやオールドスクール・エレクトロとの近似性がある。シカゴ・サウスサイドのジューク / フットワーク同様、ダンスと密接な関わりがある。
注5. ヘイター : hater (自分のことを嫌う人・やきもちを焼く人)のこと。

RECOMMEND

GOKU GREEN / HIGH SCHOOL

遂にベールを脱いだ! USヒップホップとの距離間は皆無、若干16歳の高校生MCによる1stアルバム。プロデュースを手掛けるのは、全てJakk PotとLill輸吉。YouTubeにアップされた数曲のみで、すでに話題になっていましたが、遂にその全貌が明らかになります。

THE OTOGIBANASHI'S / “TOY BOX”

2012年5月にYouTubeで公開されたPV「Pool」や、「Closet」が様々なアーティストや幅広いリスナー層から支持されたTHE OTOGIBANASHI'Sのデビュー・アルバム。doooo(Creative Drug Store)によるプロデュース楽曲を中心に、Poolを手掛けるあらべぇ、VaVa(Creative Drug Store)やRiki Hidaka、そしてOMSBがプロデュース参加。その例えようのない世界観は「OTG'Sらしさ」でしかない。フレッシュな音楽は、いつも人々の理解を越えた所から現れる。

>>THE OTOGIBANASHI'Sの特集ページはこちら

Colors of Life

V.A.

¥ 1,572

V.A / Colors of Life

累計セールス25万枚を超えるモンスター・コンピ『IN YA MELLOW TONE』で、世にMELLOW HIP HOPを根付かせたGOON TRAXがスタートさせる新シリーズ。80作品を超えるGOON TRAXのカタログの中から厳選された、アンセムの数々を、日本人トラックメイカーがremixし、新たな作品へと昇華させる“アンセムのみが集結”した1枚。そんな超強力な新シリーズの第1段を手がけるのは、日本が世界誇る美メロの至宝“re:plus”。オリジナル・アルバムと比べても遜色のない、美しくエモーショナルなトラックが顔を揃えた本作。

PROFILE

GOKU GREEN

DJの父親のもと生まれながらにブラック・ミュージックを子守唄に育ち、マイクを握ることを宿命づけられた噂の“ナチュラル・ボーンMC” 若干17歳、北海道旭川在住の高校生。2012年16歳で1st Album『HIGH SCHOOL』を発表。リリース後、瞬く間に様々なアーティストやメディア、業界関係者らの賞賛の声と口コミで脚光を浴びる。2013年もさらに“予測不可能”な底知れぬ進化を続け、もはや誰もこの勢いを止める事が出来ない怪物へと...。

[レヴュー] GOKU GREEN

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