VOL.5

金沢ローカル・レポート担当のさんちゃんです。第5回も金沢のアーティストとイベントを紹介したいと思います。

今月の金沢のちょこっと書きは前回に引き続き、食べ物編、その2です。金沢で何を食べるべきかと問われると、それはまず魚でしょうと答えます。県外から引っ越してきた魚嫌いだった人が、魚好きになったなんて話も聞きます。金沢の魚がおいしいのは、石川県沖が日本海側でも有数の好漁場であること、地理的に本州の中央近くに位置しているため県外からも新鮮な魚介類が運べること、そして金沢市中央卸売市場が朝3:30にセリがはじまる大きな市場であることなどの理由があります。そんなおいしい魚介類をてっとり早く味わうには回転寿司でしょう。回転寿司といっても、そのあなどれないレベルの高さと鮮度の良さは全国的にも有名ですから、金沢に来られたら是非食べてみて下さい。ちなみに回転寿司のあの機械(コンベア)は石川県製(2社)が国内シェアのほぼ100%を占めているそうです。実は私自身も金沢に住むようになってから魚介類が以前にも増して好きになりました。

第5回の今回は、金沢ではジャンルを超えてバンド・シーンを牽引し、全国でも幅広く活動しているハードコア・メタル・バンド、SEC DIMENSIONを紹介します。

SEC DIMENSION

DEMO

SEC DIMENSION

Free Download!

2001年11月結成。メンバー・チェンジを繰り返しながら独自のサウンドを一切の妥協を許さず築き続けている。2008年夏に発売されたGxSxD(岡山)とのスプリット・アルバム「FIGHTING ON THE EDGE」はメタル専門誌BURRN!に2ヶ月連続で取り上げられ、30本近くのリリース・ツアーでは各県で絶賛された。ハードコア、スラッシュ・メタル、ストーナー・ロックやドゥーム等様々な音楽をクロスオーバーさせたサウンドは日本のみならずアメリカやドイツのファンジンに取り上げられている。自主企画「BACK DRAFT」ではジャンルにとらわれず様々なアーティストを迎え金沢の音楽シーンに刺激を与え続けている。感情剥き出しのステージングとサウンドは必見必聴。
☆ライブ会場で配布していたDEMO音源「Rock Your Mind」「Death My Path」をフリー・ダウンロード中!

メンバー
Junpain(Vocal)
max0831(Guitar)
Ozzy(Bass)
KOUSKE(Drums)

official web
MySpace

INTERVIEW

——結成してどれくらいだっけ?

KOUSKE(以下、K) : 今8年目を堪能中やね。

——オリジナル・メンバーがJunpainとKOUSKEなんやね。

Junpain(以下、J) : 俺は当時高校生で、当初はツイン・ボーカルのミクスチャー・バンドとして始めたのがSEC DIMENSIONやった。
K : 俺もちょうどバンドを組みたい時期やって、Junpainの前のバンドがちょうど解散してちょうどお互いのタイミングが合ったんやね。

——ベースのOzzyはいつ加入したんだっけ? たしか当時大学生やったよね。

Ozzy(以下、O) : はい、大学でミクスチャー・バンドやってましたね。加入して4年位ですね。
K : 前のべーシストが抜ける時に大学まで誘いにいったよ。飯おごって(笑)。

——ギタリストはいろいろ変遷を経て2009年にmax0831が加入して今のメンバーになったと。DJとしてのmax0831の印象が強かったからちょっとびっくりした。バンドやってた頃を知らなかったから。

max0831(以下、m) : あ、そうかもしれないですね。

——少し前まではギター2本やったけど、今のギター1本の4人体制になってどう?

K : 最初は不安もあったけど、今は自信もあるし楽しいね。4人の個性が強すぎるからまとまってはないけど、ちょうど良くなったかも(笑)。
J : サウンド的にはタイトさが増したね。
m : 全体の音の厚さとシャープさのバランスに気をつけてますね。
K : イメージとしてはスレイヤーからパンテラになったみたいな(笑)。あと緊張感も増えたね。

——いろいろ変化はあったけど、やっぱりSEC DIMENSIONらしさは変わってないよね。そこは言葉で表すとするとなんなんだろうね?

K : ずっと言われ続けてるのは、泥臭いよねっていうこと。いろんな新しいことを取り入れても、そこは変わらないね。サッカー部じゃなくて野球部みたいな感じかな(笑)

——その泥臭さっていうのはどこからきてるんかな?

J : やっぱり熱さと勢いじゃないかな。誰にも負けたくないみたいな気持ち。
K : 初めて見てくれるお客さんをびびらしてやりたいって思うよね。石川にあんなすごいバンドがいるって。
J : 熱くなるやつらが増えて欲しいよね。最近はがっついてくるやつが少ない。

——熱いのはかっこ悪いみたいな風潮があるかもね。

K : えー、汗かくの? みたいなね。俺たちのライブなんかよだれとか汗とかがんこ垂れてるやんな(笑)。
m : 時代が回るというか、リバイバルのことを考えたら2010年代はどうなんでしょうね。
J : 俺たちが熱くさせるよ。
K : ライブってそういうのが伝わるから面白いよね。時代は変わっても音楽の根っこの一つには、怒りとか不満とかの初期衝動のエネルギーみたいなものがあると思う。今の子って利口でいい子やけど、痛みがわからないんじゃないかな。殴られるのが痛いのは誰でもわかるけど、殴ったほうもかなり痛いこととか。だからそのエネルギーを間違った方向に発散させてしまったりするんじゃないかな。

——ちょっと体育会系の話になってきたな(笑)。でもそれも大事やってことやね。SEC DIMENSIONのホームのvanvan V4はそういう昔ながらのライブハウスのノリ、縦のつながりみたいなのが残ってるよね。

m : 今は平和なもんですけど、昔ダイヤモンドホール(金沢のライブ・ハウス)があった時はそのビルの下は怖くて近付きにくかったですよ。怖そうな人がいっぱいたむろってて(笑)

——当時はライブ・ハウスに今より人が足を運んでたような気がするね。

m : 外に出なくても手軽に楽しめるものが増えたっていうことですかね。
K : でも入る時は今でもちゃんと人入るからね。音楽を聴いてる人口は変わってないと思う。
J : デジタルで手軽に聞ける分、知ってる風になってしってる人が多いと思う。本当はライブがやっぱり一番で、ライブに行って楽しいっていう感じは変わってないから、ライブ・ハウスに足を運ぶきっかけをつくることが大事やね。

——だからこそライブのクオリティは当たり前に高くなきゃいけないし、ネット上に公開する音源の聞かせ方も考えないといけないね。ネットでの公開は地方バンドにとっては大きな変化だったよね。

m : 昔は地方に住んでるデメリットは、CD1枚買うにしても情報が足りなかったっていう、情報の速さや量の部分だったと思うんですが、もう今は情報には差がなくなりましたよね。だから「カンボジアのロック・バンド」とかって目にすると気になるし、「韓国のジェームス・ブラウンみたいなバンド」とか「チリのビートルズ」なんていわれると試聴してみようかなって思う。「新潟産コシヒカリ」みたいに、地方ブランドになれればいいと思います。

——max0831みたいな音楽オタクはおんなじようなこと言うな(笑)。ちょっと「地方バンド」の話になったから聞くんだけど、金沢でずっとやってきて、金沢から出ようとは思わなかった?

K : 出たい時期もあったよ。でもだんだん「地方の武将」として注目を集めるのもありやと思うようになった。確かに地方のほうがバンドを続けるのは難しいことやとは思う。max0831の話とは矛盾するかもしれないけど、東京にはいろんなネタが転がってて、1歩歩いたら出会えるものが、金沢だと5歩歩かないと出会えない。そういう意味では地方には厳しさがあると思うし、そこを生き抜けばバンドとしての強みになると思う。
m : だから、地方のバンドについては、今も続けているということに対して共感する部分がありますね。いろいろな状況が変化しても本気で続けて、生き残ってきたような人達にすごく共感します。あと、地方にはアメリカン・ドリームのような甘い誘惑がない分ストイックに音楽に向き合えると思いますね。

——Junpainも金沢を出ようと思った?

J : 俺も出たい時期はあったけど、やればやるだけ金沢をもっと盛り上げたいっていう気持ちが強くなった。

——その一つがバンド結成時から続けてる主催イベント「BACK DRAFT」なんやね。最後に今後の活動方針などを教えてください。

m : いろんな尊敬してるような人達と対バンしてきて思ったことは、もう参ったと思うくらい音楽が好きな人が多かったです。それは、面白いことを発信してる人は面白い情報を集めてるっていうことだと思いました。こういうインタビューとか、色々な新たな発信方法とかも含めて、今まで以上に自分達から発信出来るようなバンドになっていきたいです。

今回インタビューを通じて、彼らが頑なにバンドとしてのアイデンティティとスタイルを貫いていることが伝わってきました。2009年のmax0831の加入から、バックの演奏は今までの重厚感のあるサウンドにソリッド感が加わり、その上にクリアながらも押しの強いシャウトを聞かせるボーカルとが組み合わされています。次々に新たなサウンドやアイディアを取り入れつつも、バンドとしての勢いや姿勢はそのままに進化し、突き進んでいる彼らのライブを是非一度見て欲しいです。また、ライブ会場で配布していたDEMO音源2曲を無料配信します。

EVENT REPORT

今回は2010年4月24日に行われた「新天地路地裏ライブ」を紹介します。このイベントは、個人的に今一番金沢で良い雰囲気をかもし出しているイベントだと思っています。2008年から新天地という地区の路地裏の細い道路を通行止めにして(といっても普段からあまり車の通らない細い道)、そこでお祭りをしようというものです。主催はグルーン、World Eclecticかっぱ堂の3店舗で、投げ銭で成り立っているイベントです。3店舗とも非常に個性的なお店で、グルーンでは日本のレゲエ・バンド界の重鎮、ZION HIGH PLAYAZのメンバーに遭遇したりします。新天地には高い建物は少なく、昔ながらの2階建ての商店や居酒屋、あやしい客引きのお店等が立ち並ぶような細い路地です。そこにドリンクやフードのお店、フリー・マーケット(とは名ばかりのたたき売り状態)、わなげ屋(?)、雑貨屋などが露店を出し、そのL字になっている角でライブやダンスなどのパフォーマンスをするという、その雰囲気はタイム・スリップしたような、それか東南アジアかインドのマーケットのような雰囲気で、何も知らずに通りがかったらびっくりすると思います。今回はJohnny Hep、LAST CALL(福井)、Beargasaurus、RAG MAMA RIDE、MC CHAMMAR(japan)という出演者でした。このイベントは春と秋に行っていますが、店内でも定期的にライブ・イベントを行っており、かっぱ堂のHPでチェック出来ます。

金沢レポの第5回目、いかがだったでしょうか?感想、ご意見などTwitterのsanchankanazawaまでお願いします。
前回に引き続き私事ですが、Guestに12KのChristopher Willitsを迎えて主催イベントconnecting vol.14を秋にやります!

文 : さんちゃん
Photo : datsu

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