VOL.4

金沢ローカル・レポート担当のさんちゃんです。第4回も金沢のアーティストとイベントを紹介したいと思います。

その前に金沢の今月のちょこっと書き、食べ物編、その1です。金沢のお米はおいしいです。日本海側では新潟のお米が有名ですが、実は石川県も負けず劣らず米どころなのです。加賀地方では霊峰白山からの美味しい水があって、当然水と米といえば日本酒もおいしいのです! 石川県の地酒はあげるときりがありませんが、福正宗、天狗舞、加賀鳶、手取川、菊姫や萬歳樂などなど、どれもお土産に買って帰ってまず間違いありません。

第4回となる今回は、サマー・ソニック09にaudioleaf出場枠を勝ち取り出演した金沢のストレンジ・ポップ・オルタナ・バンド、noid。所属レーベルはユピトークやCAUCUSで知られるBabyBoom Records。そのリーダーでギター・ボーカルのe君と対談した内容をお届けします。

noid

金沢を中心に活動中のたゆたうストレンジ・ポップ・バンド、noid。US/UKインディーを特に好み、実験音楽の先鋭性と普遍的音楽の牧歌性が混在したメロディー。衝動、時に幽玄さを孕みがらも、ミステリアスなのにポップに展開していく楽曲群はまさに唯一無二。2008年イギリスのBabyBoom Recordsと契約、2枚のコンピCDに楽曲が収録され、世界各地のラジオ局にてオンエアされる。2009年4月11日、1st アルバム『the space-elephant arrives at the moon』発売。2009年数多のバンドからの応募があったaudioleaf出場枠を勝ち取り、サマー・ソニック09に出演。2010年3月にニュー・シングル「ヨルヲアルク」発売。

メンバー
e (vocals, guitars)
oggy (guitars)
suzuki (bass)
yutaka (drums)
sanchan (percussion)
fukachan (acoustic guiter)

noid official web

INTERVIEW

——e君は生まれも育ちも石川県なんだよね?

e : 小松市生まれで、大学は金沢、そのまま就職したからずっと石川県やよ。

——小松に住んでる時にどうやって音楽の情報を仕入れてたの? 地方の人がどうやって音楽の情報を得て育ったのかっていうことはすごい興味があるんよね。

e : 中学生の時は、エフエム石川で新譜をどんどん流す番組があって、それを聞いてた。中学3年位で、ケーブル・テレビでスペースシャワーが見られるようになって、かじりついて見るようになったね。

——なるほど、当時の地方のケーブル・テレビならではだよね。自分の場合は大阪だったから、FM802ばっかり聞いてたなあ。

e : それはすごい恵まれてるよね。

——そうなのかな? 自分の場合はFM802で音楽にどんどんはまっていったわ。そのかわりスペースシャワーもMTVもなにも見られる環境じゃ無かったよ。

e : 今でもそうやけど、演奏することと同じくらい音楽を聞くことがすごい好きやった。このバンドは絶対売れるって自分できめて、やっぱり売れた! みたいな。ちょっと偏った聞き方かもしれないけど。株みたいなもんかな、「あ、上がった! 」みたいな(笑)。ミクシィでもまだコミュニティのないようなアーティストのコミュニティをつくってみたり。

——その集大成が「月刊オルタナの夜明け」(e君が3年前からmixiでやってるコミュニティ)なんだね。

e : そうそう、とにかくマイスペースで世界中の音楽を自由に聞けるようになったことがすごく大きかった。せっかくいろいろ聞けるようになったんだから、自分の好きなものを紹介するだけなんだけど、そんなコミュニティをつくってみようと思ったんよね。

——インターネットが普及したら、テレビのヒット・チャートとかはますますあてにならなくなった気がするよね。

e : うん、もうメジャーとインディーズの間にあった大きな壁みたいなのが、音をたてて崩れていくのがはっきり見えたよね。例えばスペインの片田舎とかどこからでも、その土地に根ざした音楽が世界に発信されるようになったからね。

——noidは金沢でだけライブ活動してきたけど、少しずつ広がっていったのはインターネットがあるからこそだったんだよね。

e : CRJ-Cのチャートにのったり、J-waveでオンエアしてもらえたり、BabyBoom Recordと出会ったっていうのはやっぱりマイ・スペースとか、そういう力が大きかったもんね。

——金沢でだけやってきたことには何かこだわりがあったのかな? 正直金沢に来て初めてnoidを見たときは、なんでこんなバンドが金沢だけでライブやってるんだろうって当時はもどかしく思ってたんよね。

e : 自分はやっぱり全てが生活に直結してて、石川県で仕事をしながら、音楽活動を続けていられることが素晴らしいことだと思ってた。だからその中で出来ることをやっていくしかない、って思ってただけなんだよね。そのスタンスは今も変わらんけど、労働ありきな。働くから音楽を続けられるし、音楽があるからまた月曜から頑張ろうっていう、持ちつ持たれつのこのバランスをくずしたくないんよね。

——そっか、金沢愛ではないんやね(笑)

e : そんな大それたもんじゃないよ(笑)。でも金沢には感謝してる。生活があるから、音楽が出来る。そういう土壌というか、いろんな条件が重なって、例えばバンドのメンバーがいて、練習できるスタジオがあって、楽器屋があって、そしてとことん付き合ってくれるレコーディング・スタジオがあって。メンバーもドラムのyutakaとは竪町の路上の弾き語りで最初出会ったもんね。

——yutaka君は出会ったときはギターだったんだよね。

e : タンバリンもやってたから、ドラムもできるやろ、みたいな始まりやった(笑)。当時はドラム・セットのあるカラオケ屋があってそこで練習したりしてたんよ!

——そうなんや、知らんかった。そして2004年にnoidになるんやね。

e : noidはメンバーの仕事の都合とかで何度も空中分解しそうになったのに、いつも誰かがサポートしてくれて不思議と続いてきたんよね。いつも誰かが助けてくれる。

——なんの因果か続けてる。そしていつのまにか僕もメンバーになった(笑)。話はかわるんだけど、今までですごい影響を受けたアーティストっている?

e : すごい普通なんだけど、オアシスやね。『Morning Glory? 』が出た時やね。神戸にライブも見に行ったわ。今となってみたら、そこから辿って結局ビートルズのすごさにたどり着くみたいなところはあるよね。

——ビートルズのすごさは若い頃はわかんなかったよね(笑)。自分が青かったんだよね。

e : ねー、ビートルズは今でも新しい発見がいっぱいある。その後はレディオヘッドやわ。当時暗い曲しか作れなくて、そんな時にレディオヘッドを聞いて、「あ、暗くてもいいんや」って思わせてもらえたし、すごく共感できた。今でもメロディーとか音作りに影響受けてる部分があるわ。

——その後は?

e : その後はいろんなレーベルをチェックするのにまったね。polyvinyとかKとかSUB POPとか、日本だとアンド・レコードとか。

——なるほど。それで今の音楽を聞きまくる生活になっていったんやね。最後にnoidの今後の抱負とか、思っていることがあればどうぞ。

e : 新譜の「ヨルヲアルク」をよりたくさんの人に聞いて欲しい。あとはベル&セバスチャンみたいに働きながらしっかり続けてるようなバンドでいたい。とにかくどんどんいいアイディアを出し合って頑張っていきたいね。

noidは金沢だけで活動しながら、じわじわとその音楽が染み渡っている途上のバンドだと思います。いつのまにやら僕自身も正式なメンバーに組み込まれていましたが、それもリーダーのe君の作る曲の魅力と、音楽に対する姿勢に共感すればこそでした。引き続きレコーディングを行っていますので、早く次の新譜もototoyで配信できるように頑張っていきたいです。そして金沢のシーンを盛り上げる一翼を担えればという願いもあります。

EVENT REPORT

今回はnoid主催のmagical colors nightを紹介します。毎回e君が好きなバンドをゲストに呼んで行っているこのイベント、今回は2010年4月4日金沢AZで行われました。ゲストはnoidの「wood world」をプッシュしてくれたセカイイチ、e君の好きなレーベルからYOMOYA、そして京都からはLLamaというライン・ナップ。地元からはasuna、emi、asunarou、フカチャントサンチャンズ、そして主催のnoid。京都ボロフェスタのちっちゃいばんみたいな、春のミニ・フェスというイメージです。こういった濃いメンバーで金沢でやりたい、というe君の願いがかなったイベントです。

セカイイチ

日曜なので16時オープンという早い時間ながら、スタートから大入り状態。地元バンドからはじまり、バンド間をasunaが7インチレコードでラジオDJ風につなぎます。asunaの玄人なチョイスにオーディエンスも興味深々でDJブースに質問に来られる方も多かったです。ゲスト・バンドではLLamaが異空間をつくりあげると、YOMOYAは縦横無尽なステージングでがっちりつかみ、トリのセカイイチは盛り上げまくるというこれ以上ない流れで無事に終了しました。イベント終了後も非常に多くの反応をいただき、したり顔のe君はまた次回のmagical colors nightを計画しているようです。

金沢レポの第4回目、いかがだったでしょうか?
感想、ご意見などTwitterのsanchankanazawaまでお願いします。私事ですが、Guestにkyokaを迎えて主催イベントconnecting vol.13を5月22日にやります!

文 : さんちゃん
Photo : datsu

PROFILE

金沢のさんちゃん(スリー) : 大阪出身、10代でひきこもりと放浪を経験し、フリーター時代にBaconにドラマーとして参加。僧侶になる為3年ほど音楽活動から離れる。その後金沢の大学に入学しバンド活動を再開。当時金沢JAM Bandシーンを牽引していたsigiriyaへの加入、A(c)のサポートをはじめ金沢の多数のバンドを渡り歩き、現在はフカチャントサンチャンズ、AC&Three、noidのメンバーとして活動中。また、THREEHOUSE RECORDS代表して主催イベント"connecting"を金沢で開催し続けている。
趣味は、バイク収集、パソコン収集、スピーカー収集やその他収集。

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