歌謡曲からインダストリアル・テクノまで、それがいまのテンテンコ!──メジャー第1弾ハイレゾ配信開始

BiS解散から2年の間、どこの事務所にも所属せずフリーランスで、ソロ活動をしてきたテンテンコ。まさに、さまざまなフィールドで活躍してきた彼女が、ここにきて〈トイズファクトリー〉の新たな事務所部門、MIYA TERRACEに所属することになった。そしてここに〈トイズファクトリー〉移籍、第1弾としてデジタル・シングル「放課後シンパシー」をリリース! アレンジには、illicit tsuboiを迎えたダーティかつパワフル、それでいて歌謡曲的なメロディを押さえたポップな楽曲。そしてカップリングには、TOKYO HEALTH CLUBのTSUBAMEを迎えた堀ちえみのビザールな宇宙音頭系テクノ歌謡「WA・ショイ」をカヴァー。

OTOTOYでは本作をハイレゾ配信するとともに、新たな船出を迎えたテンテンコにインタヴュー。

テンテンコ / 放課後シンパシー

【Track List】
01. 放課後シンパシー
02. WA・ショイ!

【配信形態 / 価格】
左 : ハイレゾ版
24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 648円(税込) / 324円(税込)

右 : 通常ロスレス・圧縮版
16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 463円(税込) / 257円(税込)


INTERVIEW : テンテンコ

テンテンコ、〈トイズファクトリー〉移籍後、初のシングルとなった「放課後シンパシー」の話である。つまるところメジャー第1弾である。illicit tsuboiをアレンジャーに迎えて送り出された本作は、カチッとポップな構成ながら、しかしそれはダーティなガレージ・ロック・サウンド、さらに電子音の渦が暴れまわる。てか、これDEVO…… あ、DEVOがスレンテン(ダンスホール・レゲエの名曲)のカヴァーしたら? なんて妄言も出てきそうな痛快なサウンドでかっとばしている。2年のフリーなソロを経て、リリースされたメジャー1作目は彼女の自由な創作活動が、まさに身を結んだ楽曲なんじゃないだろうか。っということで、本人に話を訊いてきました。

インタヴュー : 河村祐介
写真 : 作永裕範

BiS解散、2年間のフリーランスを経て

──テンテンコさんはBiS解散の後、他のメンバーのように事務所に入って、どこかのグループに属するという形ではなく、2年間、フリーランスのソロでの活動という感じだったと思うんですけど。解散後のインタヴューなんかを見ると、やっぱり“フリーランスでやる”というのがひとつ大事なところだったと思うんですが。

そうです。私もBiSをやっていて、他のメンバーはわりとその延長線上というか。他の事務所に移られて、他のグループに入ったりとかが多くて。私も実はそういう話もあって、そのつもりだったんですけど。直前になって「ちょっとまてよ……」と、自分と向き合ってみたときに理想のアーティスト像というものが自分のなかにはあって。「やっぱりそれに近づきたい」と思って。私の性格的に、事務所が用意したものに流されて、自分の理想からは離れてしまうんじゃないかと。自分のそういう思いがありながらも、流されちゃうのは嘘つきだし、無責任だなと思って。それで思いとどまったんです。「自分のやりたいことがどこまでできるのかな」と、まずは自分がやりたいことを観てもらいたくて、まずはフリーでひとりでやっていこうと。

──さっき出た、アーティスト活動の理想像って、具体的な目標とか憧れの人とかいますか?

理想像でいうと…… わかりやすく例をあげると戸川純さんとPhewさん、あとは近い歳だと、DODDODOさんとか。ずっとひとつのことを貫いて、ひとつのことを続けているなと思って。それはいちばん難しくて、大事なことなんじゃないかなと。私もそうなりたいなと。

──2年間どうでしたか? 手応えとか。

ソロになったとき、実はなにも用意もせずにいきなり活動はじめたんですよ。BiSのときに曲つくりをしていたかというとほぼゼロで。

──でも、すぐにDJとかやってましたよね。

DJもなんの経験もなく、見よう見まねではじめて。もうやるしかないっていう状態でがむしゃらになんとか頑張って、でも自分的にはすごい満足でした。この2年間は「結構がんばったんじゃないかな、自分」って感じがわりとあって。まわりの人に無茶苦茶助けてもらったという印象もあって。ノイズとかインダストリアル・テクノとか、かっこいいと思って「やりたい!」ってやってみたら、最初のときはアイドルの現場ではさすがに反応ゼロだったこともあるんですけど(笑)。むしろマイナスというか。でもまわりの人に助けられて。例えば非常階段の美川さんとかが、おもしろがってくれて「一緒にユニット組まない?」とか言ってくれたり。最初はアイドルのイベントでやって、誰も反応してくれなくて落ち込んでたんですけど、当時〈BATICA〉のブッキングだった、いまのレーベルの齊藤さんもすごい現場でおもしろがってくれたりとか。Fragmentのkussyさんとかも反応してくれて、そういうみんなが協力してくれてdommuneに出させてもらったりとか。〈ササクレフェス〉も出演させてくれたり。

──場所が変わると出会う人たちもじょじょに変わってくるしね。

そうなんですよ。でもおもしろいのが、前にアイドルの現場とかで、あまり反応がなかったお客さんが〈ササクレフェス〉にもいて、そこでは盛り上がってくれたりしてて。それがすごいうれしくて。おもしろがってくれるまわりの人との出会いによって、自分のやりたいことを自信を持ってやっていいんだっていうのがわかって。

とにかく「自分でやってみる」ということができたのが楽しい2年

──OTOTOYで配信しているものだけでも、フロリダ、サエキけんぞうさんとのハルメンズとかあって、とにかく2年間ですごい多岐にわたる活動をしてますよね。さっきいったようなDJとかライヴの現場はまたちょっと違ったりもするだろうし。例えば普通のバンドなら2年間でアルバム1枚出てればいいというか。

たしかに。でもとにかく「自分でやってみる」ということができたのが楽しい2年だったので、とくにそういうことも考えてなくて。

──いい意味で行き当たりばったりというか。

それはフリーでやってたから、フットワークが軽くできたというのもあると思うんですよね。

──イベントとか、出会った人と思いつきでおもしろいことができるっていうのは結構、フリーランスの2年間で一番良かったこと?

そうですね。

──例えばKiller Bongさんと同じ現場にでてるとか、〈フォレストリミット〉で見かけるとか、dommuneもそうだけど、もともと自分はBiSとか全然知らない人だったから、ちょっとびっくりしたというか。 そういう現場に引き寄せられるっていうのはやっぱり音楽的にそっちも好きなのかなと。さっきインダストリアル・テクノとかの話が出ましたけど、どういう風に音楽を買っているの?

札幌にもともと住んでて、いつも通ってた〈ウィアード・メドル・レコード〉というレコード店があって。いまは実店舗がなくなってネットショップになっているですけど。そこでずっと買ってます。取り寄せてもらったりもして。でもインターネットの影響は大きいですね。SoundCloudとかでチェックして。

──え、じゃあ、取り寄せてって、お店にないものも? もうバイヤーじゃない(笑)。

好きなレーベルで「むっちゃかっこいい」って思うものはフォローして、取り寄せてもらうんですよ(笑)。もちろんお店が普通に入荷している品物も普通にチェックしてますけど。

一番チェックしているレーベルだと〈Trilogy Tapes〉と〈L.I.E.S.〉

──ぱっと好きなレーベルとかで思いつくのは?

いま一番チェックしているレーベルだと〈The Trilogy Tapes〉と〈L.I.E.S.〉。かならず情報をチェックしているのはこのへん。

──おー、もろにいまのインダストリアル・テクノとかロウハウスの発信地だよね。ってことはバリバリ12インチで買っていると。どこがおもしろい?

なんだろう…… 私は音楽性の移り変わりが早いところも好きだし。いまどんどん名前とかがわかってきてて。もともと趣向的に重い音とか、綺麗じゃない音が好きだったりするので。もろにそういう音が見つかるのが、さっきあげたようなレーベルの周辺で。

──このふたつのレーベルってダンス・カルチャーの最深部でトップ・ランカーのレーベルじゃない? やっぱりいま一方の軸足としてDJカルチャーみたいなものって、近くにいたいものって感じ?

触れていたいですね。遊ぶ現場としてもいまいちばん楽しいかも。単純にそういう現場に友だちができたからっていうのもあるんですけど。それ以上に「すげー、かっけええー」って単純に言えるのが楽しくて。大阪の日野(浩志郎 /YPY、goat)さんとかすごい好きで。

──行松陽介くんのDJとかも好きそうだよね。

行松さんもすごいかっこいい。

──そういえば彼らが〈フォレストリミット〉やってるときに見かけたんだ。DJ ソイビーンズのパーティ。なるほど。個人的な趣味の一方はいまそこにあるわけだ。

そうです、そうなんです。

〈トイズファクトリー〉でやることで、道が開けるところもある

──でも今回のシングルはそこをストレートに出したわけでもなくて。テンテンコっていうアーティストの持っているもうひとつのふれ幅というか。もちろん、ツボイさん(illicit tsuboi)さんを起用してあの音像でやるっていうのはまさにいまのインダストリアル趣味が結実してるとは思うけど。こっちはシンガーとしての部分というかさ。

私はそういうクラブ・カルチャーとか、そういう流れも好きなんですけど、歌謡曲もすごい好きなんですよ。そのふたつはどっちがすごいって比べられるものじゃないくらい好きで。どっちもやりたいと思ってて。だから「アイドルをやりたい」って思った時期があったくらいだし。その気持ちは自分で嘘じゃないなと思ってて。今回〈トイズ〉に入るにあたってもそういうところは話してて。歌ものはアレンジとかいろいろ自分ひとりでやるのはやっぱり難しいじゃないですか? そこはレーベルと一緒にやっていきたいなと。

──ポップ・ミュージックとしてちゃんと成立するようなものをレーベルと一緒にやっていくと。でもさっきいったようなインダストリアルとかノイズとかも自由にやらせてもらえるっていうのが、条件というか。

「あの人と一緒に曲を作ってみたい」というのは、ひとりでやっているとやっぱり限界があるじゃないですか。そこは〈トイズファクトリー〉とやると道が開けたという感じがして。

──MIYA TERRACEという〈トイズファクトリー〉の事務所に入ったのは、やっぱりいま〈A&R〉やってる齊藤さんが誘ってという感じだと思うんだけど、彼が〈BATICA〉時代にブッキングやなんかで信頼関係を気づいてたのが大きい?

はい、齊藤さんが〈トイズファクトリー〉に入るっていうのを知る前から、いろいろ企画とかで手伝ってくれたりとかあったんで。自分が「BiSをやっていたよ」ぐらいの情報しかないようなときに、現場で盛り上がらないときも、いろいろ言ってくれたから信用できるのかなと。

3時間雑談して30分で録って、また2時間雑談して終わって、次の日、高熱

──シングルをツボイさんにアレンジをお願いしようと思ったのは?

もともと私が元のベーシックなネタを作って、あとは歌謡曲的なメロディもというところで、D.N.A.INSTRUMENTALさんという作家さんにお願いして、それをツボイさんがアレンジするという。音に関しては、綺麗じゃない感じ、普段私が作ってる音みたいな感じにしたいなと、あまりメジャーっぽい感じじゃなくて作りたいなと。

──キラキラしたストレートなポップスじゃなくてね。サウンドとしては、さっきのインダストリアル好きみたいな感触の延長線にあるような。でもそれでいて、ポップスとして成立するみたいな。

それをレーベルの方々と話して「元の音自体はいいから、それを残しつつ、いいアレンジをできる人を探そう」っていうところで、一番最初に出たのがツボイさんだったんです。

──ツボイさんとの作業はどうでしたか?

思ったよりも自分が作った音を残してくれて、それでいてすごくかっこよくしてくれて。自分が作ってきた、電子音のベースラインみたいなやつとか。

──あのレゲエのスレンテンみたいな、ちょっとだけ音が変えてある。

スレンテンをちょっと真似しました(笑)。

──スレンテン・オマージュは意図的なんだ(笑)。

それでギターはKashifさん(Pan Pacific Playa所属、スチャダラパー、一十三十一、(((さらうんど)))などのライヴや作品に参加するギタリスト)がいれてくれて。カシーフさんのギターは現場で見ててかっこよくて、自分の希望でもあって。

──ツボイさんとのやりとりみたいなのは?

音を渡して、できたものにお願いしたりとかはやって。最終的に自分でOP-1(シンセ)を重ねていて。それはツボイさんのスタジオに行って録ったんですけど。そのときは3時間雑談して、30分で録って、あと2時間また雑談して、終わり。そしたら、次の日、高熱出して。

──すごい、いろんな意味でツボイ・マジックにあてられたんだ(笑)。

ひさびさに熱出したんですよ(笑)。

──カップリングはカヴァーで、堀ちえみさんの楽曲で。こっちはツボイさんは絡んでないんですよね。

こっちは、TOKYO HEALTH CLUBっていうヒップホップ・グループのTSUBAMEさんにアレンジをお願いしてて。

──まさに歌謡曲好きサイドのテンテンコさんの趣向ですよね。

いつかは歌いたいって思うぐらい本当に好きで。TSUBAMEさんがすごいいい感じにアレンジしてくれて。

──ということはタイトル・トラックだけが今回、作詞を自分でやっているということですよね?

学校の曲を作ろうというのが最初にあって。自分がかわいいと思う女の子を書こうと思って。でもそれはちょっとストーカーっぽかったりとか。そういう子をモチーフに書いてみようと。テンション高めのストーカーの子の曲です。C-C-Bの歌詞とか勉強して書きました。

──表記とかそうっすね(笑)。

あまり世に出てないから知られてないんですが、実は元ネタ的なものがあって。ソロになってから、あるときの決めたことで「1ヶ月に1枚はCDRをリリースする」というのがあるんですよ。だからそれ用にめっちゃ書いてる曲があって。実は微妙に「放課後シンパシー」も、その前に出した楽曲のなかに元ネタになるようなところもあって…… でも持ってる人はすごい少ないです(笑)。

──それはレアですな(笑)。いろいろとまとめると、今回のシングル、サウンドの観点からも、そういうネタ元、人の出会いも含めて、ある意味で〈トイズファクトリー〉から出すというのも、実は本人の2年間のソロ活動の集大成だよね。

まさにそうですね。

「アイドル」だって言われる分には別に嫌じゃない

──アルバムも今後は作っていくと思うんですけど、活動としては、さっきのアンダーグラウンドなサウンドとかDJと、もっと歌謡曲とかポップス、このふたつの間というか、このふたつの軸足があって、どちらもってことですよね?

そうです、そうです。

──いま現在で、アイドルって紹介されることはどう思う? やっぱり元BiSって言われることが圧倒的に多いじゃないですか。

でも、私はそういうのは別に嫌じゃなくて。言われる分にはそこまで気にしてない。もう自分では「アイドルです」とは言わないんですけど、そういう風に思われたり、言われるのは嫌じゃないというか。私のファンの人でも「アイドルじゃない」って見ている人もいるし、「アイドルだ」って見ている人もいる。どっちもおもしろいなと思っていて(笑)。

──自分の活動をより広くしってもらえるなら、入り口が「アイドル」でもいいってことですよね。

そうですね。

──アルバムの予定とかはどうでしょうか?

一応、目標は配信ではなくてフィジカルで年内にEPを出して、来年、アルバム出せたらいいなと思ってます。

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PROFILE

テンテンコ

1990年8月27日生まれ。北海道出身。身長142cm。18歳で進学と共に上京し、大学で民俗学を専攻、色々思う事が有り、2013年にBiSにオーディションを経て加入。2014年BiS解散と共に特定の事務所との契約を結ばず完全フリーランスとして活動。2016年よりトイズファクトリー/MIYA TERRACEとマネージメント契約。シングル「good by good girl」のリリース、非常階段美川氏とのノイズユニット、MikaTen結成、またDJとして全国各地を巡り、DOMUNEにて5時間DJの決行など…… 多彩な活動を行っている。まさに…… 「90年代からの日本の"インディー霊"を全て背負っているといっても過言ではない、ヴァリエーションに富んだアヴァンギャルド表現者」オーバグランドとアンダーグランドを自由に行き来し、型にはまらない聖域なき活動を行っている。現在は「歌」「LIVE」「DJ」「ノイズ演奏家」「執筆」「タレント」活動に加え、テレビや雑誌等に活動の幅を広げ、2016年はリリース面でも充実した一年が期待されている。

>>テンテンコ アーティスト・ページ

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