どんな状況においても音楽を作り続ける──DJ道35年、テクノのベテラン、DJ MIKU、1stハイレゾ配信

テクノ・シーンでいえば、約25年前後、そしてDJということでいえばさらに遡ること約10年、つまるところ35年もの間、DJブースからダンスフロアを鼓舞してきた男が、ついに今夏、1stアルバム『Basic & Axis』をリリースした。こちらは海外でのデジタル・リリースではあったが、このたびCDがリリース、そしてOTOTOYではハイレゾ版を独占配信することと相成った。本作のリリースは、そのシーンを切りひらき活動をしつづけてきたDJの気概、そしてこれから先もシーンにい続けるという決意の現れにも聴こえる。ともかく、テクノの魅力の詰まったストレートで力強いアルバムだ。そんなアルバムをリリースしたDJ MIKUにインタヴューを行った。


DJ MIKU / Basic & Axis Plus(24bit/48kHz)

【Track List】
01. Bug Hype
02. Stride Ahead
03. Junk Sword
04. Flying Ringo
05. Swan in the Lake
06. Word Head
07. Acid Line
08. Perfect Moderation
09. Undercover of Detroit Darkness
10. Golden Bough

【配信形態 / 価格】
24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
アルバムまとめ購入 2,160円(税込)

INTERVIEW : DJ MIKU

彼は、あの〈ロンドン・ナイト〉などを初めて開催したことでも知られる〈ツバキハウス〉、つまるところクラブ・カルチャー黎明期、パンク / ニューウェイヴの時代に、DJとしてのキャリアをスタートさせ、以来35年にわたり、“現場”で活動してきたDJのひとりだ。そして、DJ MIKUの名前がとりわけ大きく刻まれるのはテクノ・シーンのDJとしてだ。1990年代初頭、UKのレイヴ・カルチャー由来のテクノ~トランスをまさにその空気感まで継承した、それはそれはワイルドなパーティを行なっていたそうだ。彼の名前は、東京にて、そうしたヨーロッパのレイヴ / DJカルチャーのノリを伝達した人物のひとりとしてシーンに刻み込まれている(と言っても僕はその時代の熱狂は経験していないのでうまくは書けない。そのあたりの話はぜひele-kingの野田努氏によるインタヴューで)。もちろん、その後も続く、以来、25年近くのテクノ・シーンを中心に活躍するDJとして、レーベル・オーナー / プロデューサーとしてもだ。

そんな彼がそんなDJ35周年となる節目に初のアルバム『Basic & Axis』を今年の初夏デジタル・リリースしたのだが、このたびこちらのアルバムのCD版の発売に続いて、ハイレゾ版をここにリリースする。こちらはCD版と同様、元々の楽曲に2曲追加された『Basic & Axis Pluse』という表記となる新装版だ。これがまた、全くまでに清々ほどのストレートなテクノ・アルバムとなっている。軽快な疾走感を携えたグルーヴと、リスニングに耐えうる構造を備えた、淀みない力強いテクノ・アルバムとなっている。

仕事をほっぽらかして、6ヶ月音楽制作に没頭した


──DJとしてキャリア35周年ということで、このタイミングでアルバムを出したというのはなにかあるんですか? しかも6ヶ月の間、生業的な仕事を止め、生活費用のローンまで組んで制作に入ったとか。

そう、そのぐらいの覚悟で作ったのは事実。10年前からアルバム自体は作ろうと思ってたんだけど、当時はレーベルをしっかりやってたから。その責任感もあって。自分のレーベルで他のアーティストを出して売れなかったら、それは俺の責任でもあるしね。その責任感みたいところで自分の作品まで手がまわらなくて。経済的にもインディ・レーベルだから、他の仕事も含めて生活の回し方も大変で。それで動くに動けなくて10年というのはあるのかな。その間にいろんな知り合いのアーティストが音楽活動やめたり、あとはDJのやつらも長野とか地方に引っ越した人もいるし、あとは死んじゃったやつもいるしね……そういうやつらの想いというか、生きている自分がやることによって、少しは開放できるんじゃないかなっていうのは少し思っていて。それで自分に目を向けると今年は考えたらキャリア35周年で、でも35周年記念してパーティやるのもいいんだけどさ、いろんな歴史とジャンルがあるので、それでパーティをするとなると、いろんな人呼ばなきゃなんないし、納まりもつかないっていうか、全然意味がわからないパーティーになりそうで(笑)。

──パンク / ニューウェイヴ、ディスコそしてテクノとかトランス、エレクトロニカ / ブレイクビーツのパーティっていうことになりますよね(笑)。

そうそう。だったらこの作品をだすのはこのタイミングしかないかなと。それで無理して、仕事をほっぱらかしてでも作ろうと。しかも生活費は借金で(笑)。でも6ヶ月音楽制作に没頭できて本当に素敵な時間でしたよ。これまでにコンピレーションだとかに1曲とか4曲入りEPはあったんだけど、やっぱりアルバムじゃないとなかなか表現しきれない部分っていうのはあるから、最初からどうしてもアルバムが作りたくて。だから1曲、1曲、ビルドアップしていくような流れのものも作りたくて。それこそ、ボツ曲もすごい出たし。全部の曲に6ヶ月かけたわけでもないけど。

──アルバムにこだわるという話ですが、わりとテクノというフォーマットで言えばやはりアルバムというのはよっぽどではないと出さないじゃないですか。

DJスタイルはずっと少しづつ変わっているんだけど、1990年代初頭に、いわゆるテクノと呼ばれるものになってから、ディープでトランシー、あとはちょっと実験的っていう3要素を基本にずっとプレイしていて。もちろん、その前のレイヴの時代もあったけどさ(笑)。でも、あれはあれであの時代としては実験的なものをやっているという感覚だったから。でもさっきいった3要素をアルバムのなかに揃えてやるというのがあって、そこは狙い通りいったかな。

──その部分で、音楽的にアルバム1枚のなかの多様性だとかそういうものを担保しているのはやっぱりリズムかなっていう。リズムが引っ張っている。単なる四つうちで電子音だったらテクノっていうことではない、もっと実験的な側面だったり楽曲のおもしろさだったりという部分。テクノがテクノたる所以だと思いますが。

そこは気づいてくれてありがとう(笑)。やっぱりアルバムを通して考えたところはそこだからさ。ハットが「チッキー、チッキー」って鳴っているような普通の感じは極力やめようと思ってて。ダンス・ミュージックの機能としての基本的なリズムももちろん使ってはいるけど、強引に盛り上げさせるような定番的なハットやスネアが出てくると自分自身が萎えてしまうので、つねに変化してるか必要ないなら省くかして、曲のグルーヴと本当に必要な最低限のリズムだけでもっていけるような、それでいて大げさにならないように、じわりじわりディープに進行していけるようなトランス感。それを目指したっていうのはあって。

──そこでしっかり聴けてしまうっていうのはアルバム全体にありますよね。

ありがとう。

あるものでやるっていうのは基本


──音数は少ないですけど、メロディとかリフはさし色のようにハッとする感じで入ってますよね。引き算の美学というか。

そうだね。さし色は大きい、DJのときにかけるトラックって、さし色じゃないけど自分のなかでインパクトのあるフレーズが入ってるところがかならずあって。前のレーベル(〈Electric Punches〉、月刊プロボーラー、レオパルドン、Bremen、JaccaPOPなどをリリース)でエレクトロ・ポップもやってたじゃないですか? 実際は、アーティストによってだけど、あのとき自分で何曲かはトラックダウンやアレンジまでやって作ってたのもあって、その作業は意外とおもしろくて。ああいうものって、Aメロ、Bメロ、Cメロまである。で、今回は実はCメロまであるテクノ、ダンス・ミュージックっていうのが作りたくて、そういう曲も3曲くらい入ってるんですよ。「Acid Line」とか「Undercover of Detroit Darkness」とか。

──歌謡曲的メロディ進行が潜んでいると。

わりとジャーマンとかだとそういうテクノもあるんだけど、ディープ・テクノの分野でそれを作る人は日本にはあまりいないよね。派手なメロディーは自分の中ではギャグなんだけど、自分自身はエレポップをやってる訳ではないから、ベタにならないようにしつつも、派手なフレーズをわざと弾いてみるんだよ。それで最初はひとりでゲラゲラ笑いながらMIDIを打っていくんだけど、それをエフェクターを駆使してまわりのパッドやリズムに馴染ませて最終的にディープでシリアスなところまで持っていくという。そうやって作ったのが「World Head」とさっきの2曲。

──全体としては楽しんで作っていたと。制作環境は?

もう昔っから使ってる環境で作った。いまだに32bitで動かしてるし、PCもソフトもアップデートすると使えなくなる機材とかでてくるでしょ、手足のように使えるエフェクターとかで作りたいなと思ったから。新しいシンセとか新しいプラグインとか入れても、それを使いこなしたり、エフェクターの掛かり具合を把握するのに時間かかるから、手足のように操れる機材がいいなと。最新の音楽ソフトやVSTは便利だし出音のいいものもあるけど、そこはまぁこだわらないというか。過去の機材で作ったものでもいま現役の曲もたくさんあるしね。あるものでやるっていうのは基本。

──それよりかは自分が思った通りの音を出せることが重要だと。

そう! それと「あるもので作る!」それはひとつのメッセージでもあるんだよね。本当キリがないからさ。楽器会社に怒られるちゃうか(笑)。

──よく言われる話ですけど、安い中古のシンセで作るところからハウスやテクノははじまったわけですしね。

そうそう。

データが多いかな、機材のセッティングがデジタルだからね

──こう、借金をしてまで作るって聞くと、それこそ修行僧みたいにストイックに作ってたのかなと思ってたですが、結構楽んでた感じのようですね。

最高の時間でした(笑)。あとが大変だったけど。

──ちなみにミクさんがきになり続ける音って、どの辺ですか?

ずっとDJをやっていて、潮目っていうのがいくつかあって、まずは2000年前後、というか1997年くらいまではテクノとかトランスをやってて、ちょっとあの感じが嫌になって。一度、エレクトロニカとかブレイクビーツとか、そっちに行って。レーベル自体も、〈Ns-Com〉という名前でそっちの方向にしちゃったわけ。パーティも〈Sound Of Speed〉とか〈SL9〉とか、どちらかというとエレクトロニカとかブレイクビーツとかレジデンシーになってきて。その後『Click & Cuts』みたいなものが出てきて、あとは〈KOMPAKT〉が出てきたり、グリッジ系のものが出てきたり。そのあたりは四つ打ちのエレクトロニカとして捉えて好きで。ちょうどその2001年ころ、〈WOMB〉でレジデント・パーティとして〈CYCLONE〉というパーティで「テクノをやりませんか?」って言われて。最初は1、2回とかなら、そういう四つ打ちでやってみようと思ったら、来てくれる人も増えて、またテクノDJに戻っていった感じで、それがその後6年も7年もやることになるとは思ってもなかったけど。でも、そのときの音は潮目としてはおもしろかったなと。そのあとは、2005年くらい、〈ボーダー・コミニティ〉周辺だよね。ここはいまでも好きかな。いまプレイしても、音楽的だから色褪せないから聴けるしね。アイディアもすごいつまっていて。それ以降は潮目としてハッとするようなものはなくて。ひとつひとつ無名のアーティストでも1個、1個いいアーティストの作品はもちろんあるんだけど、括って説明するのは難しいな。

──いま、音源ってデータで買ってます?

データが多いかな、データでないものをヴァイナルで買っている。というのもクラブに行っても、機材のセッティングがデジタルだからね。

──いま基本がパイオニアのCDJとミキサーですよね。むしろテクニクスのターンテーブルはオプションというか。

ヴァイナルでも音はそれなりに出るけど、なんかしっくりこない感じがあって。つきっきりのPAさんがいるところは、その限りではないんだけど、クラブが全部が全部そうってわけにはいかないからね。

環境に負けないで音楽を作りましょうっていう提言

──作品に戻ると、わりとインタヴュー冒頭で、過去同じ様なシーンにいて、亡くなられたアーティストたちや活動をやめられたアーティストたちに想うところも、このアルバムを作ることに対して、気持ちを押された的なこといってらっしゃいましたけど。

まずは、やっぱり横田進さん、あとは親しくしてくれてた〈WC〉のサーモンくん、彼が死んじゃったというのは大きかったな。ジャンルは違うけど、〈CYCLONE〉とかでも一緒にやってたKAGAMIとかもそうだし。あとはもっと先輩なんだけど、SONEさん(DJ MIKUが若い頃に在籍していた〈玉椿〉などでもプレイしていたDJ、日本のクラブ・カルチャー初期にハウスの魅力を伝えたDJのひとり)。ラリー・ハードと仲の良い方だったんだけどね。そういう人たちに対する思いっていうのかな。35年やってきて、関わってきた人に向けて、自分が生きてて、いま現役でやっている自分はもうちょっと頑張らなきゃいけないのかなって思って。どんな状況においても音楽を作り続ける、そういう姿勢を見せることによって後輩たちも自分たちでやってくれるんじゃないかなっていう期待もあって。

──DJはいっぱいいるけど、トラックメイカーは対比して少ないですよね。

制作にあてる時間的余裕がないこともひとつの原因じゃないかな。日本でクラブDJだけで食っていくのは今の時代は至難だから他の仕事との兼業でやってる人が圧倒的に多い。そのため、食うための仕事に追われて音楽制作する時間がない。日本は労働時間が長いからね。最終的にはそこもあると思う。家に帰って2時間とか? 機材立ち上げたら終わりだから。そこはちょっと仕事して辞めて失業保険もらって制作してる人も多いヨーロッパとかとはちがうところかもね(笑)。でも、日本でもその辺うまくやってる人もいるよ。家賃があまりかからない田舎に住んで、食うためだけの労働を極力減らしつつ、自分のやりたいことの時間を増やしてやってるDJとか……あとは兼業で、ライターとかイベントとか、音楽にまつわる仕事をやって、すべてが結びつくような活動してる人もいる。やりようだと思うんだよ。だから今回の作品は置かれた環境に負けないで音楽を作りましょうっていう提言だったりもするんだ。自分自身は、そこそこ音楽制作の時間が保てて、DJ活動ができる工夫は絶えずしてるよ。最近は希望として小箱でゆるいDJをやったりとかする時間も作りたいと思ってるしね。

──クラブ・カルチャー、それこそディスコから続けている人もいれると、一番上の世代のDJは還暦で。現役の人も多いですけど、そうした年齢層から、いまの20代まで幅広くいて、テクノのシーンなんかも、それぞれの世代にあった音楽との接し方とかライフスタイルがあってもいいんじゃないかなとか思うことがあります。もちろん、それが混ざる部分みたいなのも楽しいんですけどね。

そうだね。価値観の共有の幅が広がるしね。

──いろんな年齢階層の遊び方、シーンがあるっていうのが健全なのかなと。もちろん新しいものを常に生み出す、エッジーな若いシーンというのは間違いなく最も重要だと思うんですが。

そのあたりをひとつに混ぜられればと思って、年に1度、〈GLOBAL ARK〉っていう野外イベントをやってるんだけど……。その前に実際にクラブ高すぎだよね。入場料3000円とか海外のゲストが出演すると4000円とか、ドリンクが700円とか、一晩遊ぶと1万円くらいかかっちゃう遊びじゃん。それは若い子だって賃金安いしさ、ハードルが高いよね。無理だよね。もうちょっと昔はハードルが低かったと思うんだけど。ほとんどのクラブは東京のど真ん中にあって家賃も高いだろうし、年々海外DJ呼ばないと集客できないような状況にもなってて、経費は増える一方で、それくらい取らないと経営していけないジレンマも抱えてると思う。そもそも若い世代の人口も減ってるしね。大人に来てもらうしかないのは当然だと思うよ。そういう意味では〈GLOBAL ARK〉は、海外DJも招聘してる野外パーティーとしては、入場料は安くして誰でも気軽に来れるようにやってるけど、駐車場の関係があって収容人数いっぱいに集客しても入場料安すぎで毎回赤字でね(笑)。笑うにも笑えなくなってきたから限界は感じてるけど……。でもグラディエーションみたいに下は3歳から上は70歳以上までいろんな層の人が同じ場所で音楽やコミュニケーションを共有できたら面白いし、自分なんかも上の世代の人が体験してきたサイケデリックやフラワームーヴメントの話や、日本であった三里塚幻野祭の話とか……例えばだけど、そういうのを聞くのは凄く興味のあることで面白いし、いろいろ参考になるよね。そういったことを次の世代へまた次の世代へ、と伝えていって、それをヒントに新しいものが出てくるような循環がおきればいいと思うんだが。全く無の状態から新しいものなんて生まれないからね。

まだはじまったばかりだからね(笑)


──アルバムを出すことで明確になったやってみたいことってありますか?

こんどはDJ用のトラックものを作りたいかな。DJをやるときはやっぱり2/3以上がミニマルなトラックもので、そのなかにメロディがあるものを挟み込むというDJスタイルだから、次はDJツール的なものを作ろうと思ってて今現在構想中だよ。

──35年経って、いまでもDJをやるというのは楽しいですか?

壇上にあがっちゃうと楽しいよね(笑)。でも、それまではきつい。だってレコードや曲ファイルを探すにしたって、仕入れがつらいよね。例えば曲のWAVデータをBeatportみたいなところで探すと、むちゃくちゃで、200曲聴いて1曲いいかあるかどうかっていう感覚だよね。その曲も実際に現場で使えるかどうかはわからないしね。小節数えて、ある程度は合わせていくので、その作業も結構大変でね。

──その作業、CDJとかデジタルだとループとキュー・ポイントつけてでできちゃうんで、デジタル・ネイティヴでやりはじめたら、そこまで把握している若いDJっていないかもしれません……。

それだと機械的すぎる! なんでもかんでも自動でできたりシンクでできたりしたら、ミックス・スキルも必要なくなってしまって、みんながみんな画一的なDJになってしまうよ。もっともレコードの場合は、それはもともとできないけどね。シロートのかたがDJやったり初心者が遊びでやるならいいけど、DJプレイはライヴだと個人的には思ってるから、「失敗するかもしれない」という緊張感とスリルが無くなったらやる意味さえ思い当たらないよ。そこだけはDJスタイルに古いも新しいもないと思う。例えば「ギタリストは最近は自動演奏です……」なんてなったら? そんなライヴ見たくもないでしょ? 百歩譲って、もしループとキュー・ポイントを使うなら本来の使い方じゃない変な使い方で新しいスタイルを極めたらおもしろいとは思うけど。

──そうですね。伝統芸というか。もちろん、ブレイクビーツじゃないですけど、DJスタイルが変化することで生まれる新しい動きもあると思いますけどね。

そうそう。新しい発展、聴き方とかが出てくるとおもしろいよね。

──今作、マスタリングはご自分で?

本当はさ、機材の面で考えると専門のエンジニアに頼んで、ちゃんとマスタリング・スタジオでやったほうが良かったのかもしれないけど、予算もないしさ。でもマスタリングを人に頼むと音的には正解になるかもしれないけど、自分で出したい音じゃなくなってしまうこともあるし、そこは自分でやった方が納得できるところもあるから、これはこれで良かったと思ってるよ。

───月並みですがタイトルの意味は?

やっぱり、ずっとやってきた自分のなかにある「基本」と「軸」っていうそのままの意味。

───ぜひとも、次は45周年、55周年でもアルバムを。

まだはじまったばかりだからね(笑)。

──活動35周年の人にそれを言われちゃうと!(笑)

PROFILE


DJ MIKU

DJ/プロデューサー、80年代初期東京のナイト・クラブ〈ツバキハウス〉〈ツバキボール(玉椿)〉にてDJとしてのキャリアをスタート。パンク、ニューウェイヴ、エレクトロ、ヒップホップと縦横無尽なDJ遍歴を重ねる。90年代初期〈クラブラゼル〉にて日本初のアフターアワーズ・テクノ・パーティーのレジデンツDJとして注目を集め、このジャンルの創世記を担う。1992年-1996年に開催されていた、ウエアハウス・パーティー〈Key-energy〉のレジデンツDJとして〈GOLD〉〈Janggle Bass〉〈Beam Holl〉〈Ball Room〉原宿歩行者天国など次々とサウンドシステムと共に場所を移動しプレイを慣行。その他〈RAINBOW2000〉〈春風〉〈BIG CHILL Enchanted Garden〉他数々の国内外の野外イヴェント、フェスなどに出演。1996年にはレーベル〈NewStage Records〉を設立。Hideo Kobayashi、DJ Natsuとの3人組みユニット、LOTUSでフルアルバム『Kasumi exprience』をリリース。同年レーベル名を〈NS-COM〉に変名し、東京、ロンドンを拠点にアーチスト作品を次々リリース。ヨーロッパ・ツアーなども同時期に行う。1998年以降、エレクトロニカ、アブストラクトに傾倒。それらのアーティスト作品のプロデュース、リリースに専念。2001年エレクトロニカの4つ打ちという解釈で集めたトラックをコンパイルした初のMIX CD『Sequence-phenomenon』を〈Music Mine〉よりリリース。その世界観を主軸に渋谷〈WOMB〉で開催されていた〈CYCLONE〉にて、レジデンツDJとして6年間プレイする。作品においては90年代から2010年代までDJ MIKU名義で〈Pickin'mushroom〉〈Pussyfoot〉〈WC recordings〉〈blank records〉〈Music mine〉〈Hypnotic Room〉などからリリース。またレーベル〈Blank Records〉〈ElectricPunches〉の設立、アーティストのプロデュース、楽曲提供などマルチな活動も展開してきた。2011年からは野外パーティー〈GLOBAL ARK〉を仲間とともにに主宰。2016年6月自身初のソロ・アルバム『Basic&Axis』を先行デジタル・リリース。そして満を持して2016年9月28日CDアルバムとして『Basic&Axis Plus』をリリースした。

>>DJ MIKU Official HP

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筆者について
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