“博せ”はミュージシャンなのか? 技術者なのか?ーー俳優、関口知宏が扮する博せの変身実験アルバム第1弾『七変化』を限定配信!
ドラマや旅番組など、あらゆるフィールドで活躍する俳優、関口知宏。その味わい深い存在感で独自のスタンスを確立している彼が、なんと “博せ”として突然音楽家としてデビュー、しかもOTOTOY限定でアルバムをリリース! 気になるその内容は、まるでイタコのごとくジャズ、ブルース、はたまたKポップなど、あらゆるジャンルを博せ自らで再現した、“変身実験アルバム”。しかも作曲、演奏、ヴォーカルなどの作成過程を、すべて自身で行ったというのだから驚きである。そんな謎が謎を呼ぶ音世界を、音楽番組〈MUSIC SHARE〉主宰の本田みちよによるインタヴューと楽曲解説とともにご紹介。その奇妙かつ美しい“七変化”に耳を傾けていただきたい。
博せ / 七変化(24bit/44.1kHz)
【配信形態 / 価格】
WAV / ALAC / FLAC(24bit/48kHz) : 単曲 214円(税込) / アルバム 1,620円(税込)
>>ハイレゾとは?
【Track List】
01. 伊豆の牡丹花 - せまくらちよこ
02. 魂のブルース - せッキー・キング
03. モスク - アラブ娘
04. ボンネット・カフェ - せッチモ
05. The Latin !! - Dr. JAZZ
06. よくある韓流バラード - せ・ジョンウォン
07. 4126 - 楽団ひとり
INTERVIEW : 関口知宏
楽器が弾けなくても音楽は作れるよ! ということを証明したい
世界に誇れる日本のミュージシャンを紹介する音楽番組〈MUSIC SHARE〉の謎の人気コーナー「博せの研究成果」。このアルバムは 博せ= 関口知宏の音楽による変身実験と研究の成果をまとめたものである。
関口知宏と聞くと、「俳優」であり「鉄道で旅をしてる人」のイメージが強いかもしれません。日本はもちろん、ドイツ、スペイン、ギリシャ、トルコ、スイス、イギリス、中国…。先日はこのアルバム『七変化』のことで携帯に電話をしたら、呼び出し音が海外電話の音でした。「伊東って外国みたいだなぁ(博せの研究所の所在地です)」と呑気に思っていたら、本当にお仕事でプラハにいらして、「なんや! まじで外国やったんかいな!」というぐらい、しょっちゅうお仕事でいろんな場所に行かれています。(ちなみに発売日の本日もお仕事で海外にいらっしゃいます。)そんなイメージしかなかった私は「関口知宏って、結構まじめに音楽作ってるんだよ」と聞いた時、失礼ながら「どうせ俳優さんのやってる音楽だから片手間なんでしょ…」と警戒線を張っていました。しかし「いやいやいや、ほんと、これが結構すごいんだって!」と、あまりに薦められ聴いてみると… ボサボサの髪で、よく喋り、よく笑う素朴なキャラクターと、作っている曲の洗練された本格的な音と結びつかないせいも相まって、それはそれはビックリだったのです!
「なにこれ! めっちゃ歌上手い! 誰が歌ってるの? 演奏もすごいんだけどー! 誰が演奏してるの? 日本人? 誰? え!? 関口さん? え? え? これ全部???? ええええええ? うっそ~!!! 俳優なのにこんなに曲作れて演奏とか歌とかうまいのとかやめてー! 才能ありすぎて怖い! ずるい~!!!!」と叫びまくってると、本人が一言。
「いやぁ~、実はオレ、歌えないし楽器も弾けないのよ~。あはははは(笑)」
「ほ、ほ、ほ、本当ですか?」
「楽器も弾けないし、歌も歌えないよ」と聞いても全然納得出来ないプロの仕上がり。一体どういうことなんだろう? 本人曰く、「ワンフレーズ録るのに100回は歌うよ。1曲を違和感のない完成度にするのに大体3週間ぐらいかかるかな」とのこと。じゃあ、なんでそこまで頑張って曲を作るのか? 謎は深まるばかりなのですが、音楽が好きだということは当たり前として、「楽器が弾けなくても音楽は作れるよ!」ということを証明したい側面もあったようです。もちろん、楽器が上手くなりたくて普通に練習もしたのですが、全然上手くならず諦めたそうです。しかし、上手く演奏することを諦めたとはいえ、曲を作るとなると、妥協することが出来なくて、結果、編集が異常に上達してしまった博せ。こんな音楽の作り方や愛し方があっても良いと思うし、パッケージとしては間違いなく完璧なのですが、博せの生LIVEを観ることが出来ないのは残念すぎますね(笑)。
ここで 博せこと関口知宏の変身実験アルバム第1弾『七変化』を簡単にご紹介します! 全曲を通して共通しているのは「作詞 / 作曲 / 演奏 / 歌の全てが博せ= 関口知宏によるものである」ということを踏まえてお読みくださいませ!
『七変化』楽曲紹介
1曲目の変身実験 : せ間倉知代子「伊豆の牡丹花」
ある日、テレビを見ていた博せが「ああ、最近こんな歌ないよなぁ」と思い、なんとなくピアノでそれっぽいフレーズを弾いてみたところ、それっぽいものが出来た。歌も入れてみようと歌ってみたら、さぁ、これが大変! まずは声の高さと音質を調整し、女性の声にするところから始まります。演歌を歌う歌唱力がないので、一音一音をバラバラに録音して、ワンフレーズに小節を付けてみた。タイミングがズレ、「これ、もう小節とか無理かも…」と、ほぼ諦めつつプレイバックしてみたら、なんということでしょう! 上手く合っているではありませんか! 「小節ってタイミング遅れるぐらいで丁度良いのね!!!」と実験の結果気付いたそうです。
2曲目の変身実験 : せッキー・キング「魂のブルース」
「演歌いけたし、ブルースもいけるっしょ!」と博せは思ったのか? いやいや。「声を高くしたら女性になるのは分かったけれど、低くしたらどうなるの?」と思い低くしたら… 見事に黒人ブルース歌手になったので作ったそうです。この曲は「ある朝、目が覚めたら起き上がれなくて、何が起きたかわからなくて、困って、しょうがないから寝てた。3日間。なしだぜ。何もなしだぜベイベー。」と歌っています(笑)。お前がなしだぜ! と漫才のように突っ込みたいですね(笑)。そして、「これはさすがにギター弾いたんでしょ?」と聞いたら、やはり全然弾いておらず、いや、弾いてはいるのですが(ここのところが話をややこしくさせるのですよね(笑))、ワンフレーズずつ録音したものを上手くつなげているとのことです。ホント、ギターがちゃんと弾けなくてもこのクオリティーを出せてしまうのですねと、ただただビックリするばかりです。
3曲目の変身実験 : アラブ娘「モスク」
実は、この曲を聴いたときに、「博せの曲は絶対にリリースしないともったいなさすぎる! この人は時間と才能を無駄に使いすぎてるぞ!」と思った次第です(笑)。これは映画音楽みたいですよね。演奏もさることながら、こういう曲は聴いただけではわからないかもしれませんが、実は歌うの難しいんです。アラブの音階が日本の曲にはないので、日本人にはなかなかスッと身体に入ってこないのです。ワンフレーズずつ録音したにせよ、ここまでの再現は耳が良くないと不可能なわけで、博せ凄いな! と改めて思いました。
4曲目の変身実験 : せッチモ「ボンネット・カフェ」
このサッチモっぽい歌、「ちゃんと真似ないと似ないんだよね」と本人は簡単に仰っていますが、誰でも簡単に真似が出来るってことではないですよね。音楽のジャンルや黒人男性のボーカルというところでは2曲目とかぶる部分もありますが、こちらは声の加工をまったくしていません。博せ曰く、声の高さを変えるよりも歌い方を変えるほうがよっぽど違う人に聞こえることがあるとのことですが、この曲がまさにそうだと言えます。ちなみに、博せはこの歌のレコーディングで喉を痛めたそうでございます(笑)。
5曲目の変身実験 : Dr.JAZZ「The Latin!!」
この楽曲は、「~~っぽいもの」というわけではなく、博せが「こういうの聴きたいんだけど、最近こういう音楽を作ってる人いないよなぁ、じゃあ作ってしまおう!」と作った曲だそうです。ギターとピアノの掛け合いが絶妙なのですが、これももちろん編集によるものです。これ、本当にどうやって録音して編集したんだろう?? 熱海をイメージしているとのことですが、海岸沿いの道が似合うとても清々しくオシャレな楽曲です! このバンドのライヴに行きたいなぁ…。でも無理なんだよな… 残念!
6曲目の変身実験 : せ・ジョンウォン「よくある韓流バラード」
「ちょっと博せ! よくある韓流バラードって! ちょっとナメてませんか?」と思ったそこのアナタ! 滅相もございませんよ! なんと、この曲の歌は1000テイク録ったそうです! 真剣そのものじゃありませんか!!! そして、4曲目のせッチモと同じく、声の高さも音質も加工されていません。博せの地声ですので、キャラと違いすぎてイラッとしたりしなかったり…(笑)。素材を加工する能力だけでなくて、再現力というか、ものまね力というか、テクニックも必要ということですか…。いやはや、凡人には真似できません!
7曲目の変身実験 : 楽団ひとり「4126」
昭和ジャズ界の名プレイヤーが手がけたハトヤのCM曲と言われそうな、名曲風情がなんとも言えずニクいですね(笑)。 マリンバの音にしてもピアノにしてもギターにしても女性コーラス・グループ、男性コーラス・グループ、メイン女性ボーカル、男性ボーカルも全員一流としか思えないんですけど、これも例のごとく、少しずつ録音しているのですから、本当にプロ泣かせですよ。博せが一人いれば一流プレイヤーが勢揃いするんですからねぇ。とんでもないことです。それにしても、この曲だけはハモリが博せ丸出しの地声でニヤニヤしてしまいますけどね。 さて、良い風呂でも入りに伊東へ行かないと…。(text by 本田みちよ(MUSIC SHARE))
お察しの通り、もはや文章だけでは説明が足りないので、
インタヴュー映像も是非一緒にご覧下さいませ!
RECOMMEND
〈MUSIC SHARE〉の代表であり、多彩な声色を使い分ける稀代のヴォーカリストでもある本田みちよと、プロデューサーのT-AKによる、ダンス・ミュージック・ユニット。洗練されたテクノ / エレクトロニカを下敷きにしながらも、ところどころに京情緒が覗くそのサウンドは、唯一無二である。
「OVERROCKET脱退発表したとき、色んな方から頂いたメッセージにお返しするため、そして新たなスタートをする人のために作った」と語る、本田みちよの新しいスタートをきるニュー・シングル。
PROFILE
関口知宏
1972年7月1日東京生まれ。