ゆるく、ぬくく、おもしろく――Hi, how are you? 1stアルバムをROSE RECORDSよリリース
Hi, how are you? / ?LDK
【配信価格】
WAV、mp3ともに 単曲 150円 / まとめ価格 1,200円
【収録曲】
1. 僕の部屋においでよ
2. 台風クラブ
3. 6時と7時
4. 空気人形
5. ちかげ君
6. 近鉄
7. HOMECOMING
8. ビデオインアメリカ
9. バンホーテン
10. ?LDK
11. 追伸6号
INTERVIEW : Hi, how are you?(ハイ、ハウ・アー・ユー?) 原田晃行
「ホッカイロを持ったホフディラン」と、彼らのことを称しているのだけど、今日は雪が降っていることもあって、アルバムのぬくさ加減が心地良い。京都の大学生がやっているバンドって、いま、すごくおもしろくて、東京から京都に引っ越して5年が過ぎた僕の生活を益々充実させてくれている。FUJI ROCK FESTIVALに出演したHomecomings、Less Than TVから音源をリリースしたodd eyes、そして1stアルバム『?LDK』を曽我部恵一のROSE RECORDSから発売したHi, how are you? 。
あらゆる影響を恥ずかしがることなく、自分たちのフィールドに落し込んで表現する姿には、大人になって僕が忘れてしまった淡い気持ちとか、憧れみたいなものが詰まっていて、少しセンチメンタルになりながらも、明日はもっと楽しいんだろうなとか、そんな気分にさせてくれる。
本文でも触れているけど、ホフディランやSpiral Lifeと言った、僕が大好きだったアーティストを10つくらい年齢が離れている原田君が聞いていて、音楽のことばかり考えていた思春期の記憶が頭の中を駆け巡った(いまはパンに移行してしまっているけど)。
ワタナベイビーは〈マフラーをよろしく〉と歌ったけど、2014年、京都の“Hi, how are you? をよろしく”。
インタヴュー & 文 & 写真 : 山田 慎(sweet music)
場所 : 京都四条河原町たつみ
財布からコーヒーのクーポン出しておごってくれて(笑)。その感じがすげーよかったです。
――2012年のボロフェスタで曽我部恵一さんがメイン・ステージに出演して、Hi,how are you?(以下、ハイハワ)が地下ステージで演奏したんだよね。僕は曽我部さんのライヴを見てから、その15分後くらいに地下ステージに出演するハイハワを見たのよ。地下ステージはそんなに人が集まってなかったけど(笑)。
そっすね(笑)
――でも一部、熱狂的な外人がいて。
あはは(笑)! … いましたね(笑)。
――いい光景だったなあ。で、演奏を終えた曽我部さんがひとりで地下に降りて来て、ハイハワを見ていて。2曲くらい聞き終わったら、地下ステージ入口横のトイレに入っていって。僕は、ハイハワのことを曽我部さんは知らないだろうし、休憩中の気分転換って感じで散歩がてらたまたまライヴ見てたんだろうなと。トイレ行って上に戻るんだろうなってね。そうしたらなんと曽我部さんはハイハワをまた見てるじゃないですか。これには驚いて。
それはうれしい(笑)。
――と言っても曽我部さんはハイハワのことを気にいるだろうなと心の中で思っていた(笑)。その頃って曽我部さんとの面識はなかったんだよね?
面識はなかったです。そのときに僕らを初めて見てくれたらしくて。曽我部さんが東京に戻ってから、南池袋ミュージック・オルグっていうライヴハウスでブッキングをしている佐野って子に僕らのことを尋ねたらしいんです。佐野は僕らをオルグの企画に呼んでくれたりして。僕はROSE RECORDSがすごく好きだったんで、下心もありつつ曽我部さんに音源を送ったりしました(笑)。
――ということは、やはりボロフェスタがきっかけになったんだね。リリースが決まって、曽我部さんと打ち合わせしたの?
周りの人に「今度、曽我部さんと打ち合わせするんすよ」って話したら、「きっと高いイタリアンとか連れていってくれるよ」って言われて。曽我部さんから「下北沢のファーストキッチン前で待ち合わせで!」ってメールが来たんすよ。だからファーストキッチンからどこかへ向かうのかなと思っていたら、ファーストキッチンにそのまま入っていって(笑)。曽我部さんが「なんでも頼んでいいよ!」って言ってくれたんですけど、ちょっと遠慮するじゃないですか(笑)。だからアイスコーヒーを頼んだんすよ。そしたら財布からコーヒーのクーポン出しておごってくれて(笑)。その感じがすげーよかったです。レコーディングのときもずっとハッピーターン食ってて。「この粉が好きなんだよね!」って(笑)。曽我部さんのそういうとこが好きですね。
――曽我部さんいい味出しますねえ。ところで2012年秋のボロフェスタってodd eyesのメンバーだった?
夏にodd eyesを辞めて、急にハイハワでボロフェスタへ出してもらえることになったんすよ。曽我部さんに聞いてもらう機会にもなったしよかったです。
――odd eyesに加入したときの原田君は歌をやっていて客席も駆け回っていたし、ヴォーカルは3人いたかな(笑)。そのあとにベースを担当していたよね。odd eyesでギターを弾いている岡村君とかは知り合いだったんだけど、原田君と初めて話したときって、Zombie Forever(以下、ゾンフォー)というレーベルでQurageをやっているmokkoこと森君を通してだったはず。森君は山形出身で、地元でイベントを結構やっていて、原田君は高校生のときに彼の企画を観に行っていたんだよね。
ゾンフォーは外人のサポート・ツアーをよくやってました。東京だったらたくさんあるかもしれないけど、山形ってなかなか無いんですよね。だから背伸びして見に行ってました。
――いろんな音楽を知るきっかけになりそうだね。
森さんのブログでDaniel JohnstonやKのバンドを知りました。でも、森さんとはそんなに話したことなかったんです。森さんのことを一方的に「すげー」「かっけー」って思ってました。
――ゾンフォーのことはどこで知ったの?
SHIFTとかが山形で開催したフェス『DO IT』で知りました。高1の夏くらいです。
――なるほど! 京都からはFLUIDやbed、それこそ曽我部恵一BANDも出演しているよね。ゾンフォー周りの人達とはどうやってつながっていったの?
ゾンフォーを知ってから、企画に結構行くようになって、僕がうざい感じでがつがつ話しかけてたんだと思います(笑)。森さんに「mokko」ってサイン書いてもらいました(笑)
――それは森君は喜ぶだろうな(笑)。
照れてました(笑)!
――その繋がりがあって、ゾンフォーからカセットテープをリリースすることになったわけだね。京都の大学に入学することになって山形を離れて、それからodd eyesに加入して。
odd eyesだった頃の記憶は半分消えてしまったことにしといてください(笑)。とりあえず僕が入った頃は、ライヴは決まってるけどヴォーカルがいない状況で。誰でもいいからみたいな感じで、たまたま声かけられたのが僕だったんだと思います。なんにしろめちゃくちゃ想い出はあります!
女子の鍵盤がいいなーと思って
――odd eyesでは1年くらい活動して脱退したんだよね。ハイハワの結成はいつくらい?
大学のサークルで組んだんすよ。サークルは途中で辞めたんすけど。馬渕さんも同じサークルでした。
――馬渕さんの音楽遍歴とかわかる?
馬渕さんは宇治出身で、ピアノをずっとやってたっぽいす。キーボードできますって感じでKeith Emersonばりにサークルでは目立ってました。今はHello Hawkとか渚にてが好きみたいですけど、最初はなんて言ってたかな…。あんま覚えてないですけど、ハンバートハンバートとかキセルとかすかね? 勝手にこんなことを言ったら「違う!」って言われそうですけど(笑)。
――馬渕さんを誘った理由は?
女子の鍵盤がいいなーと思って。好きな女の鍵盤アーティストとか綾戸智恵くらいしか浮かばないんすけど。
――馬渕さんの印象や長所は?
最初はおかもとまりに似てるなと思っていました(笑)。いまは、… ムズいっすね。かなりタフだと思います。去年の11月にバイトを3つ掛け持ちして、32回シフトを入れたらしいです。頭おかしいなと思いました。過密スケジュールでも大丈夫なタイプなのかもしんないです。
――馬渕さんの音楽以外の趣味とかは?
最近はさまぁ~ずの三村が推しらしいです。この間、毎週見るテレビ番組の話になって、『ホンマでっか!? TV』って言ってました。ホンマでっかの知識を友達に話すのが楽しいらしいです。あとジリ貧ですね。よくガスが止まった報告のツイートを見ます。
――(笑)。その馬渕さんと2人で活動していくことになったのはいつくらい?
サークルに入ってすぐですね。メンバー多いのが好きじゃなくて。練習とか組むのもめんどいじゃないですか。
――それってなにか理由があったわけ? 高校のときってバンド組んでなかったの?
友達と遊びでスタジオに入ったりはしてたんですけど。軽音部とかが嫌だったんすよ。すかしてて。山形ではそういうやつを“あがすけ”って言うんすけど(笑)。大学は違うのかなと思ってサークルに入ったんですが、高校と同じだったから辞めました(笑)
すげーつたない感じでピアノを弾く上に、ブクブクに太ってて、それがDaniel Johnstonみたいなんすよね
――結局、サークルってそんなもんだよね…。今日は影響を受けた作品を何枚か選んでもらってきたんだけど、その話をしましょうか。
銀杏BOYZの『DOOR』と『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』ですね。
――銀杏BOYZはどうやって知ったの?
TSUTAYAでたまたま借りたんですよ。中1のときすね。それまでは尾崎をずっと聞いてました。
――え? 尾崎豊? 渋すぎる中学生だな…。
『学校へ行こう』っていうテレビ番組に尾崎豊の替え歌のモノマネをする尾崎豆って人が出てて、その人がちょー好きで。それで尾崎を聞いたらハマって。いまも好きなんですけど、小5くらいから中1くらいまでずっと聞いていました。
――尾崎はどのアルバムが好きなの?
『十七歳の地図』、『回帰線』、『壊れた扉から』っていう最初の3枚ですね。曲だと最初に好きになったのは「Forget-me-not」です。映像で見たいなと思ってYouTubeで検索したら、誰かの結婚式で歌った映像があって。そんときの尾崎は人前に出ていなかった時期らしいんすけど。すげーつたない感じでピアノを弾く上に、ブクブクに太ってて、それがDaniel Johnstonみたいなんすよね。我関せずって感じがして。
――尾崎のすごいところは?
これしかない! って歌詞がメロディーに乗りまくってる感じがすごく好きです。バイク盗んで窓ガラス割ってるイメージが強いと思うんですけど。
――いまのハイハワに反映されていると思う?
難しいすね…(笑)。言葉ありきのメロディーって感じは意識してるし、影響は受けていると思います。あと、尾崎の曲ってギターの音とかすげーネオアコっぽくて。それは影響受けてます! あんな音でいつか録りたいです。あと顔くしゃくしゃにして一生懸命に歌うところはめちゃくちゃ好きですね。
――なるほど。僕は尾崎豊をスルーしてきたから聞いてみたくなったなあ。音楽の入り口は『学校へ行こう』とかテレビからだったわけ?
『めちゃ×2イケてるッ!』で数取団ってコーナーがあったじゃないですか。それから氣志團や嶋大輔を聞いたり、『はねるのトびら』の「ブサンボマスター」っていうコントからサンボマスターを知ったりして。『学校へ行こう』には「チゲ & カルビ」っていうチャゲアスの替え歌をやる人もいました(笑)。チャゲアスよりチゲカルが好きです! あと、小5くらいからって周りも音楽を聞き出すじゃないですか。ORANGE RANGEとか福山雅治、D-51もよく聞いてました。最初に買ったCDは平井堅です。
――いいっすね。巡り巡って銀杏BOYZを聞いて衝撃を受けたのね。
銀杏はコンポの普通の音量で聴いても音がデカいんすよ。それまで聴いてきたものとバランスの取り方が明らかに違って。平均台の上を一輪車でウィリーしてるみたいな。中2のときに、峯田さんがブログで書いていたことをまとめた『恋と退屈』っていう本が出て、実家の電器屋でサイン会をやったんすよ。そこの駐車場のトラックの荷台で弾き語りライブをやってくれて。感動しました。いまだに思い出します。
僕らのバンド名でエゴサーチして、全部リツイートしてます
――ライヴ自体はいつから観に行くようになったの?
親が固かったんであんまりライヴに行けなかったんですけど、高校に入ってから行くようになりました。『ARABAKI ROCK FEST.』は高校3年間行きました。3日前くらいからガチガチにスケジュール組んで、色々見ました。だから時間押したりすると、この世の終わりみたいな気分になりました(笑)。アラバキでは亡くなる一年前くらいの清志郎も見れて。銀杏BOYZは高1のときに1度だけ見れました。
――銀杏BOYZを聴くようになって、音楽の幅は広がった?
峯田さんのブログには文章の最後に「今日のおやすみBGM♪」っていうのがあって、CDのタイトルとアーティストが書かれてたんすよ。Teenage FanclubやJellyfish、Velvet Crushなんかの洋楽を聞くきっかけになりました。
――ああ、それは大きな影響だっただろうね。他には?
父親が60年代や70年代の洋楽が好きで。The Rolling StonesとかNeil Young。他にもCD棚にいろいろあって、それを漁って聞いていたら気に入るのが何個かあったんです。RCサクセション、久保田麻琴、Todd Rundgren、Blondieとかすね。
――古い音楽は父親から知っていったのね。
あと『BECK』って漫画すね。それがBECKのアルバム『ODELAY』とギターを買うきっかけになりました。
――え? レスポール・ギターに聖痕を刻むあれか(笑)。
ははは(笑)。中1のとき『BECK』とレミオロメンが好きで、レミオロメンの人がストラトキャスターを使っていたから、ストラトを買ったんです。
――(笑)。でも、ギターって何かしらの影響があるよね。僕はUKロックが好きだったからレスポール・スペシャルを買ったなあ。The Stone RosesやThe SeahorsesのJohn Squireとか好きで。Nirvanaとか好きだったらフェンダーにしたかも。
ジャズマスとかすか (笑)? ギターは体育の授業でシャシャって足骨折した頃にやることなくてちょっとだけ練習しました。陸上部だったんすけど、中体連前日に体育の走り幅跳びで調子こいてたら着地失敗して(笑)、それから足治るまでの何ヶ月かやるせない気持ちでアルペジオ練習しました。
――いまとなってはその骨折が糧になっているわけか(笑) 銀杏BOYZから邦楽の幅も広がったわけだよね?
Theピーズ、THE ELEPHANT KASHIMASHI、岡村靖幸、真心ブラザーズ、ユニコーン、フィッシュマンズとかですね。
――その並びではフィッシュマンズって冷めた感じがあるよね。
歌詞を見ると半径1ミリくらいのことしか言ってない気がするんすよね。あんま他人のこと歌ってないから好きなのかなって思います。佐藤伸治は下ネタ嫌いだったらしいんで、友達にはなれないと思うんすけど(笑)
――サニデイ・サービスはどう?
『MUGEN』を一番よく聴きました。それこそTSUTAYAで借りて。塾やバイトの帰りにMDウォークマンで毎日のように聴いてました。山形の景色と全っ然噛み合わないんすけど(笑)、トーキョーや海沿いの街がどんなとこか想像して、よだれ垂らしながら聴いてたっすね(笑)。「江ノ島」って曲が大好きで、旅行で江ノ電に乗りながら聴いたときは涙腺にきました(笑)。
――洋楽でたくさん聴いたのは?
すげー好きなのはGirlsですね。ヴォーカルのChristopher Owensが最高にチャーミングで。1stアルバムの『Album』は死ぬまでずっと好きだと思います(※切実募集!! GirlsのオフィシャルTシャツ誰か売ってください!!!!!!!!! TEL:080-5560-2364 原田までCメール待ってます!)。あとBen Leeの1st『Grandpaw Would』やKG(KICKING GIANT)は聞いてて泣きそうになります。KGはodd eyesの岡村さんに貸してもらって。「LOVE IS」って曲だけで、あともう何もいらないって思えちゃいます。あとは…、『BECK』のディスク・ガイド本を見て、色々聞いたりすかね(笑)。
――去年よく聴いたのは?
岡山のロンリーっていうバンドの『ファーストオブ終わり』です。
――感染ライブで見たけど、最高だったね。
4人の顔も声も歌詞も演奏も全部いいです。最高す!! 企画に呼んだり呼んでもらったりもして。一緒にお好み焼き食ったり、スーパー銭湯でドクターフィッシュと混浴したり、仲良くしてもらってます(笑)。
――他には?
白い汽笛もよく聞きました。散歩にめちゃくちゃ合って大好きです。メンバー3人ともいとこの兄ちゃんて感じで最高す!
――京都に来てから山形への気付きってある?
京都は圧倒的にお店が多いですね。レコ屋もたくさんあるし、山形はタワレコが無いんすよ(笑)! ひとり暮らしになってから自由度も違いますね。山形は四方八方、見渡す限り山なんです。ストレスを投げる場所がないというか(笑)。海辺に住んでる人って海に行くじゃないですか。京都だったら鴨川だったり。でも山形のひとは山には行かなくて…、多分、みんなジャスコか仙台に行くんすよね(笑)。山に行くともどかしさに拍車がかかるというか…。まあ、たまに登って頂上でエレカシ聞いたりしたんすけど(笑)。山形の良さは主観でしかないですけど、蕎麦と水がうまいと思います。それと雪かな。山形に帰って、雪を見るといいなって思います。ライヴハウスがあまりない中で、ゾンフォーがあったのもほんとよかったです。森さんがいてくれてほんとによかったと思います。
――山形ではライヴをやったの?
ゾンフォーが一回呼んでくれて、ひいばあちゃんが来てくれました。ライブの感想を聞いたら、歌がどうとかじゃなく「帽子が可愛かった」って。100年くらい生きると、見るとこが違うなと思いました(笑)
――親ってTwitterをやってなかったっけ?
父親がやっていて、僕らのバンド名でエゴサーチして、全部リツイートしてます。狂ってますよね(笑)。
――気になるもんですよ(笑)。親にCDは送ったの?
なんかあっちがすごく早くて。サンレインレコーズでデモを置いてもらったときから、それを5枚くらい買ったりしていて。転売しているらしいです(笑)。2月に帰るときも「アルバム5枚くらい持ってきて」とメールが来ています。
――持っていくの?
一応(笑)。買ってくれるんで…。前にライヴしたときは馬渕さんも実家に泊まったんですよ。それから母親から馬渕さんへの伝言メールが来るようになりました。
――何事…(笑)
一昨日くらいには「不二家のホームページで、名前に“もも”が付いている人に不二家商品詰め合わせプレゼントっていうのやっているから、馬渕さん応募するように教えてあげれば。」ってメールが来ました。馬渕さんは下の名前が“もも”って言うので送ってきたみたいです(笑)。
――家族が応援してくれているんだね。大学の友だちにはCDをリリースしたことって話したの?
ゼミの先生にCDを渡したんですよ。最初、ジャケがジャケだけにCD-Rだと思われていたんですけど、パッケージされているから「え、なにこれ!」と言われました(笑)。それで先生がCD持ってる写メを撮らせてもらいました。
――ゼミの友達とかライブに来るの?
いやー無いですね(笑)。来てほしいすけどね(笑)。
――ライヴには誘わないのかあ。
興味ないと思います(笑)。みんなクリープハイプが好きなんで! CDを先生に渡したときに、ゼミの子に「頑張ってるね!」って言われました。だから頑張っている様には見えているみたいです(笑)。頑張ってないすけどね(笑)。
アルバム全体通してなんとなく「部屋」がテーマで
――アルバムの話に入りたいと思います。odd eyesはパンク・ロックだったわけだけど、ハイハワはポップスじゃないですか。その変化って結構大きいような気がするんだけど。
パンクとかポップスとか以前に、僕バンドやんの向いてないと思うんすよ(笑)。楽器とかも別に上手くないし、集団行動はだるいし…。いまの感じは楽でめんどくさくないんです。だからかわかんないですけど、僕らの曲って全部短くて。長くても4分、短いのは1分くらいで。曲長いと怠いです。
――アルバム1曲目「僕の部屋においでよ」ってなかなか言えない言葉じゃないですか。勇気いるよね。
そうすよね。きもいと思います! なにも考えないでだらだら歌詞書いたので、いまになるとチャラいなと思いますけど。
――これは異性に対して言っているわけね。この曲ではないけどYouTubeに上がっている動画で、原田君の部屋って結構出てくるじゃん。それを見るとさ、まあ、ごちゃごちゃしているけど、色んなものがあって楽しそうというか。
「おいでよ」って言えるような部屋ではないですけど(笑)
――そうなんだけど、楽しいものあるから来なよっていう感じもして。
それだといいんすけどね。歌詞は読み返したくないです(笑)。
――でもアルバムの1曲目に持ってきているところって、ある意味主張なのかなあとも思いました。
そうかもしんないすね。はじめてちゃんと出来た曲なんすよ。あとはアルバム全体通してなんとなく「部屋」がテーマで。なんか恥ずかしくて、最近はこの曲ライブであんまやってないすね(笑)。でも馬渕さんがはじめて「いいね」って言ってくれた曲だったかもしんないす。
――「部屋」って言ってたけど、このアルバムに色々詰まっている感じはして。というのも、原田君ってものすごい小さいリュック背負っているじゃないですか。あれを開いたら四次元ポケットみたいに色々と出てくるんじゃないだろうかって、いっつも思っていたんだよね。
あはは(笑)! あれ通販でそれなりの大きさのリュックだと思って買ったら、キッズ用だったんすよ(笑)
――『バンホーテン』を短冊形の8cm CDをリリースしたり、Twitterのアイコンは鈴木蘭々だし、90年代が詰まっている気もしたんだけど。
90年代は好きですね。渋谷系も。車谷がけっこう好きで。
――車谷浩司?
そす! Spiral Lifeが一番好きです。「Game Over -魅惑のモンキー・マジック-」がちょー好きす。
――やっぱり! あの曲は超ヤバいっしょ!
ヤバいすね!
――Game Over論は書けそうだわ。
あはは(笑)! 最後The Whoすよね(笑)
――最初はThe Monkeesから入って、The Whoからのベース・ソロのウネリがハンパない。あれをパクリと取るかオマージュと取るかは微妙なところだけどね。
そういう意味では、パクりかたみたいなのはかなり影響を受けていると思います。車谷の引用の仕方ってパーフリとかより青い感じがしてめちゃ好きすね。
――“プレゼントに土曜日が欲しい”って歌詞はホント最高すぎるよね。
その歌詞はモロでパクってます(笑)。
――あ、そうなんだ(笑)。君ら最高。ところでAIRは聴いていたの?
AIRはあんまり分からなかったんで聴いてなかったんですよ。
――ああ、そうなんだ。車谷浩司がやっていたBAKUとかもあったね。
髪の毛立ててた頃すね(笑)。
あの編成にあこがれがあったんだと思います
――90年代で他に好きなのは? 例えばPUFFYとか?
幼稚園の頃に親とカラオケでずっと歌っていたのでそれが耳に残っていて、最近もよく聴きます。ジュディマリも大好きです!
――前にも話したけど、ホフディランは好きって言ってたよね。ホフディランは僕も中学生から高校生にかけてファンクラブに入っていたくらい好きなミュージシャンだったんだけどね。
ホフディランってベイビーとユウヒの作る曲全然違うじゃないですか。それが好きすね。あとはあの編成にあこがれがあったんだと思います。1st『多摩川レコード』だとベイビーなら「恋の年賀ハガキ」、ユウヒなら「スロウイン ファストアウト」が好きす。
――ホフ感みたいなのはあるの?
最初は意識してました。共演って言っていいか微妙すけど、ボロフェスタで同じイベントに出れたのは嬉しかったです。
――僕はハイハワのことを「ホッカイロを握りしめたホフディラン」って呼んでいるんだけど(笑)。なんでかというと、ホッカイロって熱くも冷たくもなくて「ぬくい」じゃん。原田君のギターや馬渕さんの鍵盤ってギラギラしてなくてさ。ぬくみがあるんだよね。「バンホーテン」には“低音やけど”って歌詞があるし、温度感があるんだよね。
ぬくさみたいなものを出そうと思って曲を作っているわけではないですけど、そう言ってもらえると嬉しいですね。
――YouTubeに上げている動画って色んな場所で撮影しているよね。例えば熱海だとか家の屋上だとか。「ホフディランのテーマ」で<いつでもどこでも歌うよ>っていう歌詞はハイハワにも当てはまるなあ。そうなって欲しい。
(間を取ってしみじみと)嬉しいす! そうします。ライブもなるべく断らない様に心がけてるつもりで…。2人だから予定も合わせやすいし。曲は短い分、たくさんあるんで今年中にあとアルバム2枚くらい出せたらいいなと思っています(笑)!
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LIVE INFORMATION
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場所 : dues 新宿
出演者 : Hi, how are you? / DIEGO
日程 : 2014年2月23日(日)
時間 : 19時30分開場 / 19時45分開演
diskunion新宿本館BF日本のロック・インディーズ館、または新宿パンク・マーケットにてHi,how are you? 『?LDK』か、DIEGO『ヒッピー・ヤンキー・ミシシッピー』を購入にて先着でライヴ参加券を進呈
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感染ライヴ
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日程 : 2014年3月30日(日)
時間 : 未定
料金 : door 980円
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PROFILE
Hi, how are you?
女1、男1の二人組。借りパクした漫画や延滞した映画、おわっちゃった夏のハーゲンダッツやイーニドがバスから見た景色をうたいます。